叶わぬ恋
僕は今、叶わぬ恋とやらをしている。
正直僕は、つい最近まで恋がどのようなものか知らなかった。
恋なんてしたところで何も意味が無い、そう思っていた。
でも、君を初めて見たとき、僕の世界は、色が、変わった。
さらさらな髪の毛に、ぷっくりとした唇。すっと筋の通った控えめな鼻にぱっちり二重の大きな目。大きな本を抱える小さくて綺麗な手。
一瞬で、目を奪われた。
その時、小さなしおりが君の手の中からひらりと落ちた。
僕はすぐさまそれを拾い、彼女に話しかけた。
知らない人に話しかけるような性格では無かったはずなのに。
「あの、これ、落ちましたよ。」
「あっ、ありがとうございます。」
それを渡すときに一瞬触れた指先から、体中がぶわっと熱くなるのを感じた。
あぁ、これが一目惚れか、と柄にも無く思った。
それから僕は、彼女の事を毎日想うようになった。
彼女の顔を、しぐさを思い出す度に、胸が炭酸の泡のように、ぱちぱちと弾けるような気がした。
彼女に、触れてみたいと思った。
今までの僕はどこへ行ったのか、この恋に身をゆだねるようになった。
だから、進級して驚いた。
彼女が、右斜め前の席に座っていた。
野澤美優さん。それが彼女の名前だった。
僕はいつも彼女に話しかけるように、意識していた。
早く仲良くなって、早く彼女に触れたい。そう思った。
でも、僕は聞いてしまった。
彼女とその友達が話しているところを。
「そういえば美優ってさあ、好きな人とかいるの?」
「え、っと・・・」
僕は耳を澄まして聞いていた。
もしかしたら僕の事を好きと言ってくれるかもしれない。
そんな小さな期待が、僕の心を支配した。
でもそんな淡い期待は、すぐに崩れ落ちる。
「実は、私ね・・・内緒にしてる事があって・・・」
「え、なに?」
「私ね、彼氏、いるんだぁ」
「え?!まじ?!早く教えてくれればよかったのにぃ〜」
え・・・?
「どんな人なの?」
「えっとね、先輩なんだけど、サッカー部の_____」
話が、頭に入って来なかった。
彼氏?じゃあ、今までの僕のアプローチは?
意味、無かったって・・・こと・・・?
なんだ、彼氏いたのか。
じゃあ、今までの努力はなんだったんだよ。
同じクラスになって、ちょっと話せたくらいで、馬鹿みたいだな。
彼氏のことを話す彼女の顔は、恋する女の子そのものだった。
一人帰り道で、涙を堪えた。
「あ、あの、野澤さん・・・
好きです・・・!」
彼女の驚く顔がまた、可愛い。
「わ、私も、神崎君のこと、好き・・・です」
嬉しくて紅く染まる彼女の頬に手を伸ばす。
やっと、触れられる。
待ちわびた瞬間に、胸の高鳴りを抑えられない。
そして、彼女の頬に触れた・・・
はずだった。
彼女の顔が、体が、ぽろぽろと崩れて行き、風と共に消えていく。
彼女を探す。手を伸ばすが、そこにあるのは暗闇だけ。
僕は絶望し、膝から崩れ落ちる______
目が覚めた。
「夢か。」
いつの間にか、涙を流していた。
今日も僕は、君に叶わぬ恋をする。 報道組推し。さん(東京・13さい)からの相談
とうこう日:2020年11月14日みんなの答え:2件
正直僕は、つい最近まで恋がどのようなものか知らなかった。
恋なんてしたところで何も意味が無い、そう思っていた。
でも、君を初めて見たとき、僕の世界は、色が、変わった。
さらさらな髪の毛に、ぷっくりとした唇。すっと筋の通った控えめな鼻にぱっちり二重の大きな目。大きな本を抱える小さくて綺麗な手。
一瞬で、目を奪われた。
その時、小さなしおりが君の手の中からひらりと落ちた。
僕はすぐさまそれを拾い、彼女に話しかけた。
知らない人に話しかけるような性格では無かったはずなのに。
「あの、これ、落ちましたよ。」
「あっ、ありがとうございます。」
それを渡すときに一瞬触れた指先から、体中がぶわっと熱くなるのを感じた。
あぁ、これが一目惚れか、と柄にも無く思った。
それから僕は、彼女の事を毎日想うようになった。
彼女の顔を、しぐさを思い出す度に、胸が炭酸の泡のように、ぱちぱちと弾けるような気がした。
彼女に、触れてみたいと思った。
今までの僕はどこへ行ったのか、この恋に身をゆだねるようになった。
だから、進級して驚いた。
彼女が、右斜め前の席に座っていた。
野澤美優さん。それが彼女の名前だった。
僕はいつも彼女に話しかけるように、意識していた。
早く仲良くなって、早く彼女に触れたい。そう思った。
でも、僕は聞いてしまった。
彼女とその友達が話しているところを。
「そういえば美優ってさあ、好きな人とかいるの?」
「え、っと・・・」
僕は耳を澄まして聞いていた。
もしかしたら僕の事を好きと言ってくれるかもしれない。
そんな小さな期待が、僕の心を支配した。
でもそんな淡い期待は、すぐに崩れ落ちる。
「実は、私ね・・・内緒にしてる事があって・・・」
「え、なに?」
「私ね、彼氏、いるんだぁ」
「え?!まじ?!早く教えてくれればよかったのにぃ〜」
え・・・?
「どんな人なの?」
「えっとね、先輩なんだけど、サッカー部の_____」
話が、頭に入って来なかった。
彼氏?じゃあ、今までの僕のアプローチは?
意味、無かったって・・・こと・・・?
なんだ、彼氏いたのか。
じゃあ、今までの努力はなんだったんだよ。
同じクラスになって、ちょっと話せたくらいで、馬鹿みたいだな。
彼氏のことを話す彼女の顔は、恋する女の子そのものだった。
一人帰り道で、涙を堪えた。
「あ、あの、野澤さん・・・
好きです・・・!」
彼女の驚く顔がまた、可愛い。
「わ、私も、神崎君のこと、好き・・・です」
嬉しくて紅く染まる彼女の頬に手を伸ばす。
やっと、触れられる。
待ちわびた瞬間に、胸の高鳴りを抑えられない。
そして、彼女の頬に触れた・・・
はずだった。
彼女の顔が、体が、ぽろぽろと崩れて行き、風と共に消えていく。
彼女を探す。手を伸ばすが、そこにあるのは暗闇だけ。
僕は絶望し、膝から崩れ落ちる______
目が覚めた。
「夢か。」
いつの間にか、涙を流していた。
今日も僕は、君に叶わぬ恋をする。 報道組推し。さん(東京・13さい)からの相談
とうこう日:2020年11月14日みんなの答え:2件
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悲しい(´;ω;`) 主人公の夢のシーンで、「あ、夢じゃん」って気がついてしまって…主人公と一緒に泣いてしまいそうになりました。描写が丁寧で、思わず感情移入してしまうような繊細さを感じました。
とっても素敵なお話でした!ありがとうございました♪ 臣 さん(長野・14さい)からの答え
とうこう日:2020年11月15日 -
↓ ふつ−にめっちゃいいです ぐ一さん(選択なし・14さい)からの答え
とうこう日:2020年11月15日
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