クリスマスの悲劇
「今夜が峠です。」
そう言われた時、体中の血の気が引いた。
「そんな…。茜、茜…!」
お母さんは必死になってお姉ちゃんの名前を呼ぶ。
僕はその場から動けず、ただ冷や汗が顔をつたうことだけがわかった。
お姉ちゃんの心拍数が徐々に少なくなっていく。
そんなはずじゃ、なかったのに。
僕、透哉と、お姉ちゃんの茜は、クリスマスパーティーの準備のおつかいに行っていた。
今日はクリスマスイブ。町は、クリスマスの準備で大忙しだった。
「ねぇねぇ透哉!クリスマスパーティー、楽しみやねぇ!」
お姉ちゃんははじけるような笑顔でそう言う。やっぱり、僕のお姉ちゃんだ。
「せっかくだから、お姉ちゃんの髪飾りも買い換えたら…?」
僕は、お姉ちゃんの髪についている夕暮れ色の髪飾りを指さして言った。
お姉ちゃんは僕の髪をなでて、ゆっくりと首を振った。
「それはいかんなぁ。これは、うちの宝物やけん…」
お姉ちゃんは目と閉じていった。
「そっか」
僕は、そんなお姉ちゃんを見上げて笑った。
「よぉーし、最後の目的地行くかぁ!」
お姉ちゃんは改めて、明るく言った。
僕たちは最終目的地のケーキ屋さんに向かい、ケーキを受け取った。
「さぁ、透哉、帰ろう!ごちそうが待っとるで〜!」
「わかったわかった。だから、そんなにはりきらないで?」
僕が言ってもお姉ちゃんは聞かず、そのまま横断歩道を渡ろうとした。
「あ、ま、待ってお姉ちゃん!今は赤信号…ッ!」
僕が慌ててそう言ったが、遅かった。
ゴッッ!
お姉ちゃんは、車にひかれた。
あたりに鮮血が飛び散った。
コロコロと、お姉ちゃんの髪飾りが転がってくる。その姿はひび割れ、まったく無残だった。
「あ…ああ…」
僕は絶望のあまり声が出なかった。
周りで見ていた人たちが救急車を呼んでくれ、病院に運ばれて、今このような状態になっている。
「みんな…泣かへんといて…うちが…はりきったのが悪いんやけん…」
お姉ちゃんがゆっくりと口を開く。
「茜!しゃべっちゃだめよ!」
病院の戸棚には、みんなで食べるはずのケーキがおいてある。
「あ…そうや…。…透哉…そこにある髪飾り…とってくれへん…?」
僕はやっと我に返って、急いでひび割れた髪飾りを取ると、お姉ちゃんに渡した。
「…ありがとう…これで…安心…して…天国に…いけるわ…」
「茜!」
「茜ぇ!」
「茜お姉ちゃん!」
みんな、口々にそういう。僕も叫んだ。
茜お姉ちゃんは、窓のほうを横目で見る。窓の外は、クリスマス色に輝いていた。
「ああ…きれいやねぇ……うち……幸せ……や………」
ピーーー…
心拍をはかる機会が、音をたてる。
12月25日、0時00分。
お姉ちゃんは、息を引き取った。 ハミュカツさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年12月6日みんなの答え:2件
そう言われた時、体中の血の気が引いた。
「そんな…。茜、茜…!」
お母さんは必死になってお姉ちゃんの名前を呼ぶ。
僕はその場から動けず、ただ冷や汗が顔をつたうことだけがわかった。
お姉ちゃんの心拍数が徐々に少なくなっていく。
そんなはずじゃ、なかったのに。
僕、透哉と、お姉ちゃんの茜は、クリスマスパーティーの準備のおつかいに行っていた。
今日はクリスマスイブ。町は、クリスマスの準備で大忙しだった。
「ねぇねぇ透哉!クリスマスパーティー、楽しみやねぇ!」
お姉ちゃんははじけるような笑顔でそう言う。やっぱり、僕のお姉ちゃんだ。
「せっかくだから、お姉ちゃんの髪飾りも買い換えたら…?」
僕は、お姉ちゃんの髪についている夕暮れ色の髪飾りを指さして言った。
お姉ちゃんは僕の髪をなでて、ゆっくりと首を振った。
「それはいかんなぁ。これは、うちの宝物やけん…」
お姉ちゃんは目と閉じていった。
「そっか」
僕は、そんなお姉ちゃんを見上げて笑った。
「よぉーし、最後の目的地行くかぁ!」
お姉ちゃんは改めて、明るく言った。
僕たちは最終目的地のケーキ屋さんに向かい、ケーキを受け取った。
「さぁ、透哉、帰ろう!ごちそうが待っとるで〜!」
「わかったわかった。だから、そんなにはりきらないで?」
僕が言ってもお姉ちゃんは聞かず、そのまま横断歩道を渡ろうとした。
「あ、ま、待ってお姉ちゃん!今は赤信号…ッ!」
僕が慌ててそう言ったが、遅かった。
ゴッッ!
お姉ちゃんは、車にひかれた。
あたりに鮮血が飛び散った。
コロコロと、お姉ちゃんの髪飾りが転がってくる。その姿はひび割れ、まったく無残だった。
「あ…ああ…」
僕は絶望のあまり声が出なかった。
周りで見ていた人たちが救急車を呼んでくれ、病院に運ばれて、今このような状態になっている。
「みんな…泣かへんといて…うちが…はりきったのが悪いんやけん…」
お姉ちゃんがゆっくりと口を開く。
「茜!しゃべっちゃだめよ!」
病院の戸棚には、みんなで食べるはずのケーキがおいてある。
「あ…そうや…。…透哉…そこにある髪飾り…とってくれへん…?」
僕はやっと我に返って、急いでひび割れた髪飾りを取ると、お姉ちゃんに渡した。
「…ありがとう…これで…安心…して…天国に…いけるわ…」
「茜!」
「茜ぇ!」
「茜お姉ちゃん!」
みんな、口々にそういう。僕も叫んだ。
茜お姉ちゃんは、窓のほうを横目で見る。窓の外は、クリスマス色に輝いていた。
「ああ…きれいやねぇ……うち……幸せ……や………」
ピーーー…
心拍をはかる機会が、音をたてる。
12月25日、0時00分。
お姉ちゃんは、息を引き取った。 ハミュカツさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年12月6日みんなの答え:2件
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(;_;) こんにちは、ゆるれんです(`・∀・´)
悲しい……お話…でした………。
なんか、想像するともっと怖くて……悲しくて……。
(T ^ T)コトバガデテコン… ゆるれんさん(北海道・13さい)からの答え
とうこう日:2020年12月8日 -
悲しい 切なくて悲しい。でも感動したよ。 NiziU NINA推し!さん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2020年12月7日
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