茜色に光る夕日
「ねえ、か、カナ先輩と…つ、付き合ってるって…本当?」
公園で、最近付き合い始めた彼氏、ハヤト先輩を呼び出し、そう聞いた。
実は、美人で人気者のカナ先輩がハヤトが好きで、今も彼にアタックしていると聞いたのだ。
さらに詳しく聞いてみると、カナ先輩とハヤトの二人が一緒に仲良くしているところを見た人が多数いるという。
これを知った時、とてもショックだった。
私はハヤトの方から告白された。
学校中が知っている人気者で、私にとって高嶺の花で、私の初恋であったハヤトからの告白…
当時、私には、「生きがい」というものや、「特別なモノ」がないと感じ、落ち込んでいた。
そんな時、私に「生きる意味」を与えてくれたのが、ハヤトだった。
私はハヤトに対して、確かな想いがあったのに、それを口にできなくて、一人で抱え込んでいた時に、そっと、手を差し伸べてくれたのがハヤト先輩だった。
私が苦しんでいる時に、ふっと、優しく抱きしめてくれたのが、ハヤトだった。
だから、ハヤトを、大事にしたい、ハヤトから大事にされたい、と心から思った。
今回のカナ先輩とのことは、信じたくなかった。
でも、不安で不安で、私、飽きられちゃったのかな、とか、一人で悩んで…
ハヤトの顔を見上げると、彼は怒ったような、悲しそうな表情をしていた。
「んなことするわけないじゃん!」
「でも…」
「俺のこと、信じられないんだな…」
「違う!そういうわけじゃなくて…」
「がっかりだよ」
ハヤト先輩のその一言で、私は膝から崩れ落ち、涙を流した。
嗚咽をもらしながら泣く私を振り返ることもなく、ハヤトは行ってしまった。
〜ハヤト〜
ーあ〜何だろう?楽しみ〜
「放課後、話があるんだけど、いいかな?」とアヤから言われてから、俺はずっとそわそわしていた。
何だ、何だろうって、落ち着かなくって、授業も上の空で…
でも、公園に着くと、アヤは泣いていたのか、目が赤く充血していて、
どうした?大丈夫?って聞いてみると、アヤは突然、俺とカナが付き合ってるのか、とか言い出して…
俺のこと、そんなに信じられないか…って、ついカッとなって、ひどいことを言ってしまったと今、後悔してる。
でも、俺もすごく傷ついた。
俺にはアヤだけだったのに、俺が他の子と付き合ってるのかって。
次の日から、アヤは俺を避けてきた。
だいぶ落ち込んだ。
でも、謝ることもできなくて、もう一週間。
「おいおい、お前の顔、ガチでゾンビだぞ」
親友のケンにそう言われ、今までのことを話すと、
「はあ、お前、ほんと分かってないな」
とため息をつかれた。
「アヤちゃんは不安だったんだよ。嫌われちゃったんじゃないかって」
「え…いや、でも…」
「ほら、自分の好きな人が他の人と仲良くしてる、なんて言われたら、不安になるだろ」
「確かに…そうだったのか…」
アヤのこと、ほんと分かってあげれてない…
自分自身にすごく落胆した。
「ハヤト。ちゃんと謝って、誤解、とけよ。じゃないと」
自然崩壊だ、なんて言われて、寒気が俺の中を走った。
それだけはだめだ、絶対!
俺は昼休み、教室を出て行こうとするアヤを呼び止め、話があるから、と公園で待ち合わせをする約束をした。
ーよし…
〜アヤ〜
話があるって… もしかして、別れよう、とか…
ひやっとした冷たいものが体を駆け巡るのを感じる。
どうしよう…
約束時間の五分前に公園に着いた私は浮き足立つ。
ふと、どこか寂しげだったハヤトの後ろ姿が頭に浮んだ。
〜ハヤト〜
「アヤ、待った?」
出来るだけ普通を装って言う。
「あ、ううん。大丈夫」
アヤも少し気まずそうに返す。
「前はごめん。ひどいこと言って」
そう切り出し、俺は深くお辞儀した。
「え?」
「ついカッとなっちゃって、泣かせちゃって…」
「…ごめん。私のこと、飽きたのかなって…」
ケンの言う通り…
「違う!俺、アヤ以外の女子と付き合うなんて、絶対ない!」
「うん。私もハヤトを信じようって…でも不安で…」
「…俺、ずっとアヤだけだから」
お互いの顔が赤く火照る。 夕日のせいだと君が笑う。
**
読んでくれてありがとう!みんなのコメント待ってます!字数が…では! ふーみんさん(千葉・12さい)からの相談
とうこう日:2021年1月1日みんなの答え:2件
公園で、最近付き合い始めた彼氏、ハヤト先輩を呼び出し、そう聞いた。
実は、美人で人気者のカナ先輩がハヤトが好きで、今も彼にアタックしていると聞いたのだ。
さらに詳しく聞いてみると、カナ先輩とハヤトの二人が一緒に仲良くしているところを見た人が多数いるという。
これを知った時、とてもショックだった。
私はハヤトの方から告白された。
学校中が知っている人気者で、私にとって高嶺の花で、私の初恋であったハヤトからの告白…
当時、私には、「生きがい」というものや、「特別なモノ」がないと感じ、落ち込んでいた。
そんな時、私に「生きる意味」を与えてくれたのが、ハヤトだった。
私はハヤトに対して、確かな想いがあったのに、それを口にできなくて、一人で抱え込んでいた時に、そっと、手を差し伸べてくれたのがハヤト先輩だった。
私が苦しんでいる時に、ふっと、優しく抱きしめてくれたのが、ハヤトだった。
だから、ハヤトを、大事にしたい、ハヤトから大事にされたい、と心から思った。
今回のカナ先輩とのことは、信じたくなかった。
でも、不安で不安で、私、飽きられちゃったのかな、とか、一人で悩んで…
ハヤトの顔を見上げると、彼は怒ったような、悲しそうな表情をしていた。
「んなことするわけないじゃん!」
「でも…」
「俺のこと、信じられないんだな…」
「違う!そういうわけじゃなくて…」
「がっかりだよ」
ハヤト先輩のその一言で、私は膝から崩れ落ち、涙を流した。
嗚咽をもらしながら泣く私を振り返ることもなく、ハヤトは行ってしまった。
〜ハヤト〜
ーあ〜何だろう?楽しみ〜
「放課後、話があるんだけど、いいかな?」とアヤから言われてから、俺はずっとそわそわしていた。
何だ、何だろうって、落ち着かなくって、授業も上の空で…
でも、公園に着くと、アヤは泣いていたのか、目が赤く充血していて、
どうした?大丈夫?って聞いてみると、アヤは突然、俺とカナが付き合ってるのか、とか言い出して…
俺のこと、そんなに信じられないか…って、ついカッとなって、ひどいことを言ってしまったと今、後悔してる。
でも、俺もすごく傷ついた。
俺にはアヤだけだったのに、俺が他の子と付き合ってるのかって。
次の日から、アヤは俺を避けてきた。
だいぶ落ち込んだ。
でも、謝ることもできなくて、もう一週間。
「おいおい、お前の顔、ガチでゾンビだぞ」
親友のケンにそう言われ、今までのことを話すと、
「はあ、お前、ほんと分かってないな」
とため息をつかれた。
「アヤちゃんは不安だったんだよ。嫌われちゃったんじゃないかって」
「え…いや、でも…」
「ほら、自分の好きな人が他の人と仲良くしてる、なんて言われたら、不安になるだろ」
「確かに…そうだったのか…」
アヤのこと、ほんと分かってあげれてない…
自分自身にすごく落胆した。
「ハヤト。ちゃんと謝って、誤解、とけよ。じゃないと」
自然崩壊だ、なんて言われて、寒気が俺の中を走った。
それだけはだめだ、絶対!
俺は昼休み、教室を出て行こうとするアヤを呼び止め、話があるから、と公園で待ち合わせをする約束をした。
ーよし…
〜アヤ〜
話があるって… もしかして、別れよう、とか…
ひやっとした冷たいものが体を駆け巡るのを感じる。
どうしよう…
約束時間の五分前に公園に着いた私は浮き足立つ。
ふと、どこか寂しげだったハヤトの後ろ姿が頭に浮んだ。
〜ハヤト〜
「アヤ、待った?」
出来るだけ普通を装って言う。
「あ、ううん。大丈夫」
アヤも少し気まずそうに返す。
「前はごめん。ひどいこと言って」
そう切り出し、俺は深くお辞儀した。
「え?」
「ついカッとなっちゃって、泣かせちゃって…」
「…ごめん。私のこと、飽きたのかなって…」
ケンの言う通り…
「違う!俺、アヤ以外の女子と付き合うなんて、絶対ない!」
「うん。私もハヤトを信じようって…でも不安で…」
「…俺、ずっとアヤだけだから」
お互いの顔が赤く火照る。 夕日のせいだと君が笑う。
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読んでくれてありがとう!みんなのコメント待ってます!字数が…では! ふーみんさん(千葉・12さい)からの相談
とうこう日:2021年1月1日みんなの答え:2件

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あけおめです!初めまして! のおっ!こんちゃ☆秋菜だよー♪
初めまして♪秋菜です(*´▽`*)
本題へっ!
ふーみんちゃんって呼んでもいいかな…?
ふーみんちゃんの小説はタイトルが綺麗で中身がしっかりしていて素敵です!
本当にこういう話ってありそうですよね。
秋菜だったら同じく不安ですね。
なんか男心が初めて分かる気がしました(笑)
ふーみんちゃんの小説また見に来ますね!
次も楽しみにしてます!
素敵なお話ありがとうございましたっ♪
それでは〜。 秋菜(元ゆーな☆)@ゆの花嫁志望!さん(北海道・13さい)からの答え
とうこう日:2021年1月3日 -
素晴らしく読みやすい 読みやすいです。視点のかわり方が、上手です。
僕なら、最後、愛情を確かめるためにした。とか、実はアヤにはどうしても別れなければいけない事情があり、その切り口としてしたが、ハヤトが解決するとか。にします。
とても、良かった。 ツェギイさん(香川・13さい)からの答え
とうこう日:2021年1月2日
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