僕のお兄ちゃんが死にました。
僕は今10歳。
僕が一歳の時、ママとパパが
「夕輝のお兄ちゃんだよ」
と言って、ふわふわした生き物を連れて帰って来た。
それが"犬"っていう生き物だって事は三歳の時に教えてもらった。
ーー夕輝が三歳の時。
「ママ、この子ふわふわしてるよ。この子もママが産んだの?」
「違うよ(笑)…夕輝、この子は犬っていう動物。夕輝が一歳の時、保健所っていうところから連れてきたの。」
「ふーん。この子に名前はあるの?」
「今までは保健所で呼ばれてた名前で呼んでたけど、、、
夕輝、夕輝が名前付けてあげて。」
「僕が?」
…
「じゃあ………お兄ちゃん!!」
「え!?」
「だって、この子は僕のお兄ちゃんでしょ??」
「そうね。じゃあ今日からこの子の名前は'お兄ちゃん'ね。」
「うん(^∇^)。」
ーー夕輝が10歳の時。
もうお兄ちゃんも15才か。
「お母さん、行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
ガチャ、、、
(あれ?開かない。。)
ガチャガチャ………
「ねぇお母さん。ドアが開かないんだけど。」
「え?嘘、壊れたのかしら。」
そんな話をしてると、お兄ちゃんがヨタヨタ近くに来て、何かを訴えるような目で僕を見た。
「どした?お腹すいた?…後でお母さんがくれるから待ってろ。」
行ってくるね。
そう言ってお兄ちゃんの頭をなで、いつの間にか直っていたドアを開け、家を出た。
学校ではいつもお兄ちゃんの話をする。親友の暁斗にはあきれた顔をされるけど、何だかんだで最後まで聞いてくれる。
初めて聞く人は、「夕輝にお兄ちゃん何て居たっけ?」と不思議がるけど、もうそう思う人もほとんど居ない。俺が皆に自慢するから。
「今日の朝さぁ、ドアが開かなくて手間取ってたら、お兄ちゃんが来てさ。目で何か訴えてたんだよねぇ。」
俺は話しながら朝のお兄ちゃんの顔を思い出す。
「ん?どーした?」
「何でもない。あまりにもその顔が可愛くて…」
可愛い。それはいつもの事…なのに、今日は何か違った。
何て言うか、切なそうだった。
家に帰ると、いつもならお兄ちゃんが玄関で待っててくれてる。
お兄ちゃんの笑顔を楽しみに、今にもとれそうなドアを開ける。
「ただい………ま。」
家の中は恐ろしいくらい静かだった。
「お母さん?」
リビングに入ると、背中を丸めて俯く母と、、、青白い顔をした…お兄ちゃんが横たわっていた。
「お兄ちゃん?病気…?」
違う。明らかにもう、そのお兄ちゃんの目から"光"が無くなっていた。
理解できてるはずなのに、お兄ちゃんが10歳を越えた時から、覚悟していたはずなのに………
僕の目から、涙が止まらない。
朝のあの顔は、
「夕輝、行かないで。」
って顔だったんだ。
ごめん、お兄ちゃん。ごめん………
その日、僕は夢を見た。
お兄ちゃんが家に来て、僕がお兄ちゃんに、お兄ちゃんという名前をつけた夢を。。。
次の日学校から帰ると、お兄ちゃんはもうお骨になっていた。
そのそばにあった僕とのツーショット写真を見て、僕は再び涙を流した。
泉が出来るのではないかというくらい。
少し一緒にお家で過ごしてから、皆でお兄ちゃんのお墓を作った。
そこには、暁斗や、他のクラスメートも少しいた。
僕が写真を見せてる内に、皆、お兄ちゃんを大好きになっていた。
自分の事のように語るようになっていた。
「夕輝。これ、俺たちから。夕輝とお兄ちゃんへのプレゼント。」
そう暁斗に渡された紙袋の中には、一冊ではない、何冊ものノートが入っていた。
内の一冊を手に取り、パラパラとページをめくる。
すると、そこにはお兄ちゃんと僕の思い出がたくさん記されていた。
「…これ。」
毎日毎日、耳が腐るほど話された
夕輝とお兄ちゃんの話。
と。そう暁斗は言った。
クラスメートは、気に入った話を絞って書いていたそう。
「どんなに絞っても、全部良い話で…結局15冊もある。お兄ちゃんの年と一緒だね(^^)」
気づいたらまた、僕は泣いていた。
けど、今度は悲しくてじゃない。
嬉しくてだ。
「ありがとう。皆。」
ーendー
作者です。
半分ノンフィクションです!
ぜひ感想下さい!
凪渚さん(山梨・12さい)からの相談
とうこう日:2021年1月2日みんなの答え:19件
僕が一歳の時、ママとパパが
「夕輝のお兄ちゃんだよ」
と言って、ふわふわした生き物を連れて帰って来た。
それが"犬"っていう生き物だって事は三歳の時に教えてもらった。
ーー夕輝が三歳の時。
「ママ、この子ふわふわしてるよ。この子もママが産んだの?」
「違うよ(笑)…夕輝、この子は犬っていう動物。夕輝が一歳の時、保健所っていうところから連れてきたの。」
「ふーん。この子に名前はあるの?」
「今までは保健所で呼ばれてた名前で呼んでたけど、、、
夕輝、夕輝が名前付けてあげて。」
「僕が?」
…
「じゃあ………お兄ちゃん!!」
「え!?」
「だって、この子は僕のお兄ちゃんでしょ??」
「そうね。じゃあ今日からこの子の名前は'お兄ちゃん'ね。」
「うん(^∇^)。」
ーー夕輝が10歳の時。
もうお兄ちゃんも15才か。
「お母さん、行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
ガチャ、、、
(あれ?開かない。。)
ガチャガチャ………
「ねぇお母さん。ドアが開かないんだけど。」
「え?嘘、壊れたのかしら。」
そんな話をしてると、お兄ちゃんがヨタヨタ近くに来て、何かを訴えるような目で僕を見た。
「どした?お腹すいた?…後でお母さんがくれるから待ってろ。」
行ってくるね。
そう言ってお兄ちゃんの頭をなで、いつの間にか直っていたドアを開け、家を出た。
学校ではいつもお兄ちゃんの話をする。親友の暁斗にはあきれた顔をされるけど、何だかんだで最後まで聞いてくれる。
初めて聞く人は、「夕輝にお兄ちゃん何て居たっけ?」と不思議がるけど、もうそう思う人もほとんど居ない。俺が皆に自慢するから。
「今日の朝さぁ、ドアが開かなくて手間取ってたら、お兄ちゃんが来てさ。目で何か訴えてたんだよねぇ。」
俺は話しながら朝のお兄ちゃんの顔を思い出す。
「ん?どーした?」
「何でもない。あまりにもその顔が可愛くて…」
可愛い。それはいつもの事…なのに、今日は何か違った。
何て言うか、切なそうだった。
家に帰ると、いつもならお兄ちゃんが玄関で待っててくれてる。
お兄ちゃんの笑顔を楽しみに、今にもとれそうなドアを開ける。
「ただい………ま。」
家の中は恐ろしいくらい静かだった。
「お母さん?」
リビングに入ると、背中を丸めて俯く母と、、、青白い顔をした…お兄ちゃんが横たわっていた。
「お兄ちゃん?病気…?」
違う。明らかにもう、そのお兄ちゃんの目から"光"が無くなっていた。
理解できてるはずなのに、お兄ちゃんが10歳を越えた時から、覚悟していたはずなのに………
僕の目から、涙が止まらない。
朝のあの顔は、
「夕輝、行かないで。」
って顔だったんだ。
ごめん、お兄ちゃん。ごめん………
その日、僕は夢を見た。
お兄ちゃんが家に来て、僕がお兄ちゃんに、お兄ちゃんという名前をつけた夢を。。。
次の日学校から帰ると、お兄ちゃんはもうお骨になっていた。
そのそばにあった僕とのツーショット写真を見て、僕は再び涙を流した。
泉が出来るのではないかというくらい。
少し一緒にお家で過ごしてから、皆でお兄ちゃんのお墓を作った。
そこには、暁斗や、他のクラスメートも少しいた。
僕が写真を見せてる内に、皆、お兄ちゃんを大好きになっていた。
自分の事のように語るようになっていた。
「夕輝。これ、俺たちから。夕輝とお兄ちゃんへのプレゼント。」
そう暁斗に渡された紙袋の中には、一冊ではない、何冊ものノートが入っていた。
内の一冊を手に取り、パラパラとページをめくる。
すると、そこにはお兄ちゃんと僕の思い出がたくさん記されていた。
「…これ。」
毎日毎日、耳が腐るほど話された
夕輝とお兄ちゃんの話。
と。そう暁斗は言った。
クラスメートは、気に入った話を絞って書いていたそう。
「どんなに絞っても、全部良い話で…結局15冊もある。お兄ちゃんの年と一緒だね(^^)」
気づいたらまた、僕は泣いていた。
けど、今度は悲しくてじゃない。
嬉しくてだ。
「ありがとう。皆。」
ーendー
作者です。
半分ノンフィクションです!
ぜひ感想下さい!
凪渚さん(山梨・12さい)からの相談
とうこう日:2021年1月2日みんなの答え:19件
19件中 1 〜 10件を表示
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感動 挨拶省略
やばい,涙が…
凪渚さんプロです! 華冬さん(その他(海外)・11さい)からの答え
とうこう日:2023年5月7日 -
涙が止まらない! 挨拶省略
涙が止まりません。 なっちゃんさん(福井・10さい)からの答え
とうこう日:2023年4月6日 -
感動! すごい感動しました。
涙が止まらない! お琴の葉っぱさん(愛媛・10さい)からの答え
とうこう日:2022年9月8日 -
感動 初めまして、今日からキッズ何でも相談始めたせゆです!
この小説読みました!
最後感動して涙出ました!
私、小説とかで泣いたことないんですけど、今日初めて感動しました!
私でも感動するって事は、ものすごくすごいって事ですよ!!
とにかく、最後感動しました! せゆさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2022年7月26日 -
泣ける。 泣きました…
とても感動します。
良いお話をありがとうございます! 困ったさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2022年7月21日 -
なっ泣ける、、、 こんちは!
もぐもぐプリンだよっ!
よろしくねっ♪
めっちゃ感動的な話じゃないですか…
泣けてきました。 もぐもぐプリンさん(大阪・11さい)からの答え
とうこう日:2022年6月22日 -
。 こんにちは。太鳳です。
この作品が投稿された当時から見てて、今でもたまに読み返すくらい感動するお話です。すごいです。
登場人物みんないい人ですごく良いお話だなと思います。
また読みにきますね。
では。 太鳳さん(大阪・14さい)からの答え
とうこう日:2022年3月31日 -
わああああぁぁぁぁぁああああ すっごい!!!!暖かい話!
最高でした~! シンフォニーさん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2022年2月6日 -
泣ける… 夕輝くんが、この子もママが産んだの?って言う時、吹き出してしまいました。あったかい家族だなあと思って。でも、再び涙が流れたという場面から、泣きそうになってしまいました。訂正としては、
・顔文字を使わないこと
・笑を使わないこと
くらいです。
すごくいいと思いました。 波津(ハツ)#元亜輝(あき)さん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2021年11月12日 -
感動!! こんちゃ!赤ずきんです♪♪
感動しましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!
『朝のあの顔は、「夕輝行かないで」って顔だったんだ』の文が出てきた時、私の目から涙がポロポロと・・・
今まで見てきた小説の中で一番感動しました。小説で泣いたの初めてです。すっごい感動する小説です!
赤ずきんさん(岐阜・9さい)からの答え
とうこう日:2021年8月27日
19件中 1 〜 10件を表示
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 回答には相談に対する回答内容を投稿してください。過度に自己紹介等が書かれている場合は、スタッフにて削除・非公開対応を行わせていただきます。
- ニックネームを頻繁に変更して、「元○○」というような説明を記載することはやめてください。
- 1部のユーザーになりすましの投稿が行われています。なりすましの投稿はやめてください。
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