# 好きだと思えた笑顔
「都倉くんが好きです!私と付き合って下さいっ」
目の前にいる女子は、同じ学校の生徒だ。制服を着ているからわかるだけで、学年はわからない。入学式から数日しか経っておらず、クラスにいる女子なのかもわからない。
え、何で俺?
「えーと……」
思いっきり戸惑った。
彼女はやっと顔をあげる。その瞬間、彼女が誰なのか、そのことに関する記憶がよみがえった。
彼女は──この高校の入学式の日に出会った子だ。
あの日、俺は急いでいた。
「やべっ、ギリギリだ」
入学式だというのに寝坊。その上この制服も着なれておらず、持ち物も慌てて用意したため、この状態だ。常に夜型の自分を、こういうときだけ恨む。
もう式が始まる時間だった。案の定、靴箱には誰もいない。体育館に急ごうと周りを見回していると、予想していなかった事態が起こる。
ドン!
「きゃっ」
「うぉっ」
見知らぬ女子とぶつかったのだ。多分、同じ新入生だ。
「大丈夫ですか……」
と声をかけたときには、彼女は床に倒れていた。
えっ、そんなに痛かった?疑問も浮かぶが、彼女がとてもしんどそうに目をつむっていたので、思考停止。落ち着け、俺。
恐る恐る彼女の額に手を当てた。想像していなかった熱さ。なるほど、保健室に行こうとしていたのか。
「えっ、どうやって連れていこう……」
保健室まで行きたいのはやまやまだが、俺に運べるのだろうか?
「よいしょ……うわあっ!?」
とりあえず背負ってみたが、こういうことをするのは初めてだ。身体にかかる重さが想像以上のものだった。
「うっ……こうなったら……」
避けようとしていたが、結局はこの方法で運ぶことになってしまった。
横抱き──つまりお姫様抱っこ。
誰もいないのはわかっているが、保健室まで運ぶのはかなりの注意が必要だった。というか、恥ずかしい!
「あら、あなた新入生!?入学式は大丈夫……?」
保健の先生は、最初にそう言った。それよりも彼女を気にかけてくれよ、と心の中で思いながら、ベッドまで運ぶ。
「私、あなたたちのこと連絡してくるわね。あなた、名前は?」
「都倉隼です」
とくらはやとくんね、とつぶやく。
「そっちの女の子は……名前わかる?」
「いえ。でも、かばんに名前が……」
高野瀬あみ。美しい文字でそう書いてあった。
「高野瀬あみさんです」
たかのせあみ。普通の名前のはずなのに、忘れがたかったことを覚えている。
「あら、あなたたち2人とも1年4組ね。クラスメイトだったのね」
同じクラスだったのか───。
何だか縁を感じる。
「じゃ、あなたはここで待ってて」
先生が行ってしまうと、すーっと彼女の寝息が聞こえてきた。
女子の寝顔を見つめるのは初めてで、見いってしまう。
「やべ。俺、見つめすぎ……」
理性。理性を保て、俺!
重症だ。いつから女子好きになったんだよ、俺。ただの変態じゃんか。
すると、彼女が夢の中で笑った。
可愛い……。
「──好き───……」
「っ!?」
寝言なのに、俺に言っているわけじゃないのに、ドキッとしてしまった。さっきより寝顔が可愛く見える。
って、ダメだって!
「高野瀬あみ、ね……」
忘れられないなあ、って思った。
彼女の笑顔が、すごく好きだったから──。
「都倉くんが好きです!私と付き合って下さいっ」
彼女は……高野瀬さんは、俺があの日のヤツだって、知っているのだろうか。
というか、告白してくる相手も相手なため、思考回路はショート寸前。
「あの……と、都倉くん?」
背の低い彼女が、俺を下から見上げてくる。
──彼女の、ふわっとした笑顔を思い出した。
「いいよ」
自分でも、何でOKしたのかわからなかった。ただ、彼女のあの笑顔を思い出しただけなのに。可愛い、と思った……。
「えっ、い、いいの!?」
「うん」
これから、高野瀬さんを知っていきたい。彼女の1番近くのポジションに立って、好きになっていきたいんだ。
彼女は、またあの笑顔になった。
「あのね、思い出したの。入学式の日、私を運んでくれたのって都倉くんでしょ?顔はうっすら覚えてて」
「そうだったの?」
「うん。やっぱり、都倉くんが私の王子様だったんだね」
お、王子様……。
自分に似合わなすぎる言葉に、ふはっと笑う。
たった1分でも、いや1秒でも彼女を見れば、好きになってしまう。
そんな不思議な女の子。
今日も俺の隣にいるのは、高野瀬あみ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんにちは。みなみんです!
初めて男の子目線の小説書きました…!
だけどあまり面白い部分ないかもしれません…最後が展開はやいと思った人、ごめんなさい。
こんな小説でもコメントいただけたら嬉しいです!
では! みなみんさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2021年1月3日みんなの答え:10件
目の前にいる女子は、同じ学校の生徒だ。制服を着ているからわかるだけで、学年はわからない。入学式から数日しか経っておらず、クラスにいる女子なのかもわからない。
え、何で俺?
「えーと……」
思いっきり戸惑った。
彼女はやっと顔をあげる。その瞬間、彼女が誰なのか、そのことに関する記憶がよみがえった。
彼女は──この高校の入学式の日に出会った子だ。
あの日、俺は急いでいた。
「やべっ、ギリギリだ」
入学式だというのに寝坊。その上この制服も着なれておらず、持ち物も慌てて用意したため、この状態だ。常に夜型の自分を、こういうときだけ恨む。
もう式が始まる時間だった。案の定、靴箱には誰もいない。体育館に急ごうと周りを見回していると、予想していなかった事態が起こる。
ドン!
「きゃっ」
「うぉっ」
見知らぬ女子とぶつかったのだ。多分、同じ新入生だ。
「大丈夫ですか……」
と声をかけたときには、彼女は床に倒れていた。
えっ、そんなに痛かった?疑問も浮かぶが、彼女がとてもしんどそうに目をつむっていたので、思考停止。落ち着け、俺。
恐る恐る彼女の額に手を当てた。想像していなかった熱さ。なるほど、保健室に行こうとしていたのか。
「えっ、どうやって連れていこう……」
保健室まで行きたいのはやまやまだが、俺に運べるのだろうか?
「よいしょ……うわあっ!?」
とりあえず背負ってみたが、こういうことをするのは初めてだ。身体にかかる重さが想像以上のものだった。
「うっ……こうなったら……」
避けようとしていたが、結局はこの方法で運ぶことになってしまった。
横抱き──つまりお姫様抱っこ。
誰もいないのはわかっているが、保健室まで運ぶのはかなりの注意が必要だった。というか、恥ずかしい!
「あら、あなた新入生!?入学式は大丈夫……?」
保健の先生は、最初にそう言った。それよりも彼女を気にかけてくれよ、と心の中で思いながら、ベッドまで運ぶ。
「私、あなたたちのこと連絡してくるわね。あなた、名前は?」
「都倉隼です」
とくらはやとくんね、とつぶやく。
「そっちの女の子は……名前わかる?」
「いえ。でも、かばんに名前が……」
高野瀬あみ。美しい文字でそう書いてあった。
「高野瀬あみさんです」
たかのせあみ。普通の名前のはずなのに、忘れがたかったことを覚えている。
「あら、あなたたち2人とも1年4組ね。クラスメイトだったのね」
同じクラスだったのか───。
何だか縁を感じる。
「じゃ、あなたはここで待ってて」
先生が行ってしまうと、すーっと彼女の寝息が聞こえてきた。
女子の寝顔を見つめるのは初めてで、見いってしまう。
「やべ。俺、見つめすぎ……」
理性。理性を保て、俺!
重症だ。いつから女子好きになったんだよ、俺。ただの変態じゃんか。
すると、彼女が夢の中で笑った。
可愛い……。
「──好き───……」
「っ!?」
寝言なのに、俺に言っているわけじゃないのに、ドキッとしてしまった。さっきより寝顔が可愛く見える。
って、ダメだって!
「高野瀬あみ、ね……」
忘れられないなあ、って思った。
彼女の笑顔が、すごく好きだったから──。
「都倉くんが好きです!私と付き合って下さいっ」
彼女は……高野瀬さんは、俺があの日のヤツだって、知っているのだろうか。
というか、告白してくる相手も相手なため、思考回路はショート寸前。
「あの……と、都倉くん?」
背の低い彼女が、俺を下から見上げてくる。
──彼女の、ふわっとした笑顔を思い出した。
「いいよ」
自分でも、何でOKしたのかわからなかった。ただ、彼女のあの笑顔を思い出しただけなのに。可愛い、と思った……。
「えっ、い、いいの!?」
「うん」
これから、高野瀬さんを知っていきたい。彼女の1番近くのポジションに立って、好きになっていきたいんだ。
彼女は、またあの笑顔になった。
「あのね、思い出したの。入学式の日、私を運んでくれたのって都倉くんでしょ?顔はうっすら覚えてて」
「そうだったの?」
「うん。やっぱり、都倉くんが私の王子様だったんだね」
お、王子様……。
自分に似合わなすぎる言葉に、ふはっと笑う。
たった1分でも、いや1秒でも彼女を見れば、好きになってしまう。
そんな不思議な女の子。
今日も俺の隣にいるのは、高野瀬あみ。
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こんにちは。みなみんです!
初めて男の子目線の小説書きました…!
だけどあまり面白い部分ないかもしれません…最後が展開はやいと思った人、ごめんなさい。
こんな小説でもコメントいただけたら嬉しいです!
では! みなみんさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2021年1月3日みんなの答え:10件
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な、なんでそんな神なの、、? こんにちは!
一言でゆうと、神。
いいよー!!!これ男の子目線で書くのホントに初めてー?ホンットに凄い! みみみさん(その他(海外)・11さい)からの答え
とうこう日:2023年2月20日 -
すっご^_^ すっご!!!!! わふうはんばーぐ。さん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2022年10月16日 -
すごい良い! すごい、青春感を出せている気がします! 困ったさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2022年6月26日 -
いいですね!!!!!すごい!! はじめまして!みなみんさん。
すごいですねっ!
私は恋愛小説ダメダメすぎるんで…。
アドバイスがほしいです。
何か奇跡感がありました!
素晴らしいです。
短編小説終わってしまったんですよね。
私はまたやって欲しいんです!
寂しい感じします。
主人公にフリガナが
あってすごい読みやすかったです!
男子視点上手ですね! くーぽんさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2021年7月11日 -
あの、、 こんにちはらるんです。作者さんって、まなみんさんって、、天才ですね!恋愛小説、元々好きだったのですが、こんなに素敵なのは初めてです!書いてくれてありがとうございます。 らるんさん(選択なし・9さい)からの答え
とうこう日:2021年6月12日 -
すごい 恋愛漫画好きなんですが、凄すぎ!
天才 okさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2021年6月10日 -
え、筆者さんは天才ですか? やば、感動。
泣きそう。
こーゆー恋愛小説めっちゃ好き!
もっと書いて下さい!
あ、もう期間過ぎてるか アメーバさん(東京・14さい)からの答え
とうこう日:2021年5月11日 -
キャー! こういう学生の恋愛系、好きです!。
なんか、めっちゃドキドキするんですよねー。
私だけかな? 猫さん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2021年1月4日 -
絶対主人公イケメン((偏見 どうも、ゆにと申します(*´ω`*)
あけおめです!
最初から最後まで、主人公の思考が完全に"恋愛慣れしてない男子"でドタイプでした(*´`)
なんか大人気漫画の小説版読んでる気分で、凄く良かったです♪
そして主人公絶対イケメンですよね((ど偏見
素敵なお話をありがとうございました♪ではー。
ゆにっこ。さん(福島・12さい)からの答え
とうこう日:2021年1月4日 -
良かったー! こんにちは。太鳳です!
めっちゃ少女漫画読んでるみたいな気持ちになりました!
絶対こんなことない。って分かってても期待しちゃうような!めっちゃキュンキュンしました!
男の子も女の子もピュアで優しそうで微笑ましかったです!
ありがとうございました! 太鳳さん(大阪・13さい)からの答え
とうこう日:2021年1月4日
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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