【恋愛】寝たら記憶を失う君と、忘れられない恋をした。
「好きです」
罰ゲームでの嘘告で、俺は如月真昼に告白した。
如月真昼は成績優秀、スポーツ万能、おまけに性格良し。勿論、モテる。
「いいですよ」
即答されたのに驚いたが、彼女は3本の指を立てて言った。
「1つ。付き合ってる事は誰にも言わない事。
2つ。放課後まで一言も話さない事。
3つ。本気で好きにならない事。」
恐らく、嘘告をしていると気づいたのだろう。あえて首を下に動かした。
「そういうことで。じゃあ」
と言って、連絡先だけ交換し、2人しかいなかった教室から、真昼は去っていく。
そして、俺・二宮雅しか残らなかった。
翌日、俺はいつも通り蓮と葵と共に学校に行った。
2人が俺に『如月真昼に告白しろ』と言った張本人だが、まあいいだろう。
「そういえば、雅。結局真昼様とはどうなったんだ?」
蓮は言う。すると葵が
「雅は顔は良いけど性格終わってっから、無理でしょ」と言った。
蓮と葵とは幼馴染だ。幼稚園から。葵に限っては、生まれた病院でさえ一緒だ。
葵は蓮と付き合ってる。表向きには言ってはいないが。
「…!」
口には出さなかったが、勿論のこと、真昼とはすれ違った。
2人は真昼だと気付いていない。真昼は優秀な理数科で、俺らは普通科。
理数科とは関わる機会も少なく、『如月真昼』の噂しかしらない2人が気付くわけがない。
まぁ、良いだろう。特に気にせずこの場を後にした。
家に帰って、病院へ一人で行く。
俺は去年から『膠原病』と言う病気を担ってしまった為、定期受診で来るのだ。
「はあ…」
検査は終わり、受付の前の椅子で待っていると、目の前にぼと、と本が落ちた。
待て、と言う前に落とした人はいなかった。
見てしまったんだ。俺は。
[あなたは如月真昼です。2012年の6月3日、あなたは事故に遭い、記憶を失いました。一番見てほしいところは赤い付箋が貼ってあるので、そこを読んでください。]
赤い付箋のところ。気になって見てしまった。
[2018年10月2日。私は二宮雅くんに告白されました。でも、記憶が消えてしまうことは、言ってはいけません]
など、長文と綴られていた。2012年。つまり12歳…?
「それ、私のです」
上を見上げたら、真昼がいた。
「雅…くんですよね、なぜここに…?」
真昼はすごく戸惑っていた。しょうがなく、俺は受付を済ませ、外で話した。
「…ああ、雅くんも病気を」
真昼は驚いていた。それはそうだろう。知っているのは親、先生、そして蓮と葵しか知らないのだから。
「私は前向性健忘症と言う病気で、寝たら全ての記憶を失ってしまいます。だから、こうして日記を書いて、明日の私に伝えているのです」
なんとなく、分かった気がする。
本気で好きになるなと言った理由を。
テストも赤点を取っても構わない、らしい。
「それは…すまん」
「いいんです。いつかは言わないといけないのかも知れなかったですし」
真昼は笑うが、本心は複雑だろう。
「じゃあ、俺がする」
「え?」
「俺が、お前の夢になってやる」
今俺ができることとしたら、それくらいだろう。
「ふふ…できますかね、雅くんに」
「で、できるに決まっているだろう!」
「期待していますよ」
心からにこり、と笑う真昼は、誰が見ても可愛く、愛しかった。
真昼が好きだと、気づいてしまった。
真昼の病気は治せないのかも知れない。でも、俺がするしかないんだ。
『真昼の事、本当に好きになってはいけないか』
俺は2人しかいない部屋でそう言った。
「だめですよ。好きになってはもらいたいです。でも、病気が…」
「病気だったら、好きな人を作っちゃいけないのか」
「そ、そう言うわけじゃ…」
「病気、病気って振り回されるなら、俺はお前を好きだと、言っていない。言うはずもない。」
「私が恋心を芽生えても、いっと明日には…」
「それでいい。それでいいんだ。」
必死になって抵抗したが、保留という事で終わった。
家に帰って、真昼は考えた。そして。付箋に書く。
『二宮雅くんのこと、忘れないで』
忘れたくない。なんで私だけ…
そんな思いが込み上げてきて、涙が出た。
朝起きても、なぜか胸がもやもやした。
なんでだろう。日記を読んでも何も感じない。なのに、日記から何かを訴えている私が、どうしても思い出せない。
「もう…嫌だ…」
真昼は大学生になった。記憶も段々と取り戻し、平和である。
雅とはどうなったか。それはこれから分かる。
「雅くん、遅いですよ。遅刻です」
「悪い悪い。行こうか、真昼」
カーンカーンと、鐘の音が響く。
ここからの事は、言うまでもない。 莉音さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2023年6月14日みんなの答え:3件
罰ゲームでの嘘告で、俺は如月真昼に告白した。
如月真昼は成績優秀、スポーツ万能、おまけに性格良し。勿論、モテる。
「いいですよ」
即答されたのに驚いたが、彼女は3本の指を立てて言った。
「1つ。付き合ってる事は誰にも言わない事。
2つ。放課後まで一言も話さない事。
3つ。本気で好きにならない事。」
恐らく、嘘告をしていると気づいたのだろう。あえて首を下に動かした。
「そういうことで。じゃあ」
と言って、連絡先だけ交換し、2人しかいなかった教室から、真昼は去っていく。
そして、俺・二宮雅しか残らなかった。
翌日、俺はいつも通り蓮と葵と共に学校に行った。
2人が俺に『如月真昼に告白しろ』と言った張本人だが、まあいいだろう。
「そういえば、雅。結局真昼様とはどうなったんだ?」
蓮は言う。すると葵が
「雅は顔は良いけど性格終わってっから、無理でしょ」と言った。
蓮と葵とは幼馴染だ。幼稚園から。葵に限っては、生まれた病院でさえ一緒だ。
葵は蓮と付き合ってる。表向きには言ってはいないが。
「…!」
口には出さなかったが、勿論のこと、真昼とはすれ違った。
2人は真昼だと気付いていない。真昼は優秀な理数科で、俺らは普通科。
理数科とは関わる機会も少なく、『如月真昼』の噂しかしらない2人が気付くわけがない。
まぁ、良いだろう。特に気にせずこの場を後にした。
家に帰って、病院へ一人で行く。
俺は去年から『膠原病』と言う病気を担ってしまった為、定期受診で来るのだ。
「はあ…」
検査は終わり、受付の前の椅子で待っていると、目の前にぼと、と本が落ちた。
待て、と言う前に落とした人はいなかった。
見てしまったんだ。俺は。
[あなたは如月真昼です。2012年の6月3日、あなたは事故に遭い、記憶を失いました。一番見てほしいところは赤い付箋が貼ってあるので、そこを読んでください。]
赤い付箋のところ。気になって見てしまった。
[2018年10月2日。私は二宮雅くんに告白されました。でも、記憶が消えてしまうことは、言ってはいけません]
など、長文と綴られていた。2012年。つまり12歳…?
「それ、私のです」
上を見上げたら、真昼がいた。
「雅…くんですよね、なぜここに…?」
真昼はすごく戸惑っていた。しょうがなく、俺は受付を済ませ、外で話した。
「…ああ、雅くんも病気を」
真昼は驚いていた。それはそうだろう。知っているのは親、先生、そして蓮と葵しか知らないのだから。
「私は前向性健忘症と言う病気で、寝たら全ての記憶を失ってしまいます。だから、こうして日記を書いて、明日の私に伝えているのです」
なんとなく、分かった気がする。
本気で好きになるなと言った理由を。
テストも赤点を取っても構わない、らしい。
「それは…すまん」
「いいんです。いつかは言わないといけないのかも知れなかったですし」
真昼は笑うが、本心は複雑だろう。
「じゃあ、俺がする」
「え?」
「俺が、お前の夢になってやる」
今俺ができることとしたら、それくらいだろう。
「ふふ…できますかね、雅くんに」
「で、できるに決まっているだろう!」
「期待していますよ」
心からにこり、と笑う真昼は、誰が見ても可愛く、愛しかった。
真昼が好きだと、気づいてしまった。
真昼の病気は治せないのかも知れない。でも、俺がするしかないんだ。
『真昼の事、本当に好きになってはいけないか』
俺は2人しかいない部屋でそう言った。
「だめですよ。好きになってはもらいたいです。でも、病気が…」
「病気だったら、好きな人を作っちゃいけないのか」
「そ、そう言うわけじゃ…」
「病気、病気って振り回されるなら、俺はお前を好きだと、言っていない。言うはずもない。」
「私が恋心を芽生えても、いっと明日には…」
「それでいい。それでいいんだ。」
必死になって抵抗したが、保留という事で終わった。
家に帰って、真昼は考えた。そして。付箋に書く。
『二宮雅くんのこと、忘れないで』
忘れたくない。なんで私だけ…
そんな思いが込み上げてきて、涙が出た。
朝起きても、なぜか胸がもやもやした。
なんでだろう。日記を読んでも何も感じない。なのに、日記から何かを訴えている私が、どうしても思い出せない。
「もう…嫌だ…」
真昼は大学生になった。記憶も段々と取り戻し、平和である。
雅とはどうなったか。それはこれから分かる。
「雅くん、遅いですよ。遅刻です」
「悪い悪い。行こうか、真昼」
カーンカーンと、鐘の音が響く。
ここからの事は、言うまでもない。 莉音さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2023年6月14日みんなの答え:3件
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感動…! 鐘の音!?けっこん?!したてことかな!?感動!! mikonamarumaru#美古菜丸々さん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2023年7月23日 -
悲しいお話...! Hi(^^♪My name's Uno(*´・ч・`*)
☆*: .。. o本題o .。.:*☆
悲しいお話...!
Have a nice day(*^^)v
Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪ 兎乃*うの*#元雲羽#明日はテスト!さん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2023年7月21日 -
悲しい〜 告白した相手がいいですよと言ってくれたのに
それを覚えてないなんて!
まあ、少しでも回復してくれたらいいよね
じゃね カモにゃんさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2023年7月21日
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