最期
私の名前は佐藤優香(さとうゆうか)。今は高校1年生。
来週は、瀧谷廉(たきやれん)くんとの初デート。1ヶ月前に私から告白して付き合うことになった元幼馴染の、今は彼氏。
ただ、私は昨日、体の不調を感じ、病院に行ったところ、膵臓がんが発覚した。それも、かなり進行していて、もう治すことはできない段階まで進んでいるという。余命を聞いてみたところ、あと今日で1週間だという。大した症状はこれまではなかったのに・・・
そして今日、いよいよ初デートの日であり、私の人生最期の日。今は廉くんに告白してから初めて送る手紙である遺書を書いている。私の手はとても震えていた。
「初めての日なのに・・・今日で終わっちゃうんだ・・・。」
私は、がんが発覚してから初めての涙をこぼした。
「でも、最期の日だからこそ、楽しもう。」
手の震えを止めた頃には、手紙を書き終わっていた。
「ピ〜ンポ〜ン」
突然、玄関からインターホンの音がした。ドアを開けてみると、そこには廉くんが立っていた。
「あんまりにも遅いから、家まで来たよ。さぁ、早く行こう」
彼が「行こう」と行っているところは、私たちが、初めて一緒に行った場所、私が人生初の告白をした思い出の場所、遊園地だ。
私は、「ごめん」と返事をして、「用意するから、待っていて。」といって家の中に入った。
用意を終えて、私はドアから出てきたら、彼が、廉くんが手を「早く行こうぜ」といわんばかりに引っ張って走り出した。
「ほんと、子供みたいなんだから。」私の口からはその言葉がでていた。その後に「でもそこが好きなんだよね」といって、彼と一緒に走っていった。私達は色々楽しんだ。ジェットコースターで叫びまくったり、コーヒーカップで回りまくったり。
でも、楽しんでいたのは廉くんだけだった。私の頭には、余命のことばかり思い浮かんでくる。
「もう3時だし、おやつにここの遊園地の名物のクレープを買ってくるね。何味がいい?」
と聞いてきた。私は、
「廉くんが選んでくれたクレープなら何でも美味しいよ」
と返事した。「じゃあ、買ってくるね。」彼はそう行ってクレープ屋の方へ走っていった。
3分ほどして、彼が帰ってきた。そして、ベンチがあるところまで走っていき、私と一緒にクレープを食べ始めた。
彼がクレープを食べ終わり、私もクレープを食べ終わった。その直後、抵抗できないほどの眠気におそわれ、地面に倒れ込んだ。廉くんが、
「大丈夫かっ!優香っ!誰か、救急車を呼んでください!」
彼がそう叫び終わった頃には、私はもう・・・あの世へ連れて行かれる直前だった。
「私、実は・・・膵臓がんになっていたんだよ。でも・・・、廉くんに心配かけたくなくて・・・、黙っていたんだ・・・」
私の口からは、血がたれていた。
「バイバイ。私はもう、こっちの世界にはいれないみたい。」
「そんな事言うなよ。優香がいなくなったら、俺はどうすればいいんだよ。」
「廉くんは・・・幸せに生きてね。廉くんが幸せなら・・・私も幸せだよ。」
それが私の最後の言葉となり、息を引き取った。
・・・その後、廉は生気を失ってしまったような顔をして、家へ帰った。
家へ帰ってドアを開けると、廉の母親が、「廉〜、あなたあてに手紙が届いてるわよ。」と言い、それを渡した。
廉くんへ
廉くんは今、私が書いた手紙を読んでいるんだね。
私もこの言葉を使うことになるとは思わなかったけど、この手紙を読んでいるっていうことは、私はこの世界にはいないんだね。
だから、最期に、この言葉を廉くんに送ります。
あんまり早くこっちに来ちゃだめだよ。つらいこともあるだろうけど頑張って。廉くんは残りの人生が長いんだから、幸せになってね。
廉くんが幸せなら、私も幸せだからね。バイバイ
___優香より
優香の書いた手紙の文字は、いつの間にか廉の涙でにじんでいた。
----------END----------
どうでしたか?読んでくれた人は感想をください!
トク=メイさん(奈良・12さい)からの相談
とうこう日:2023年7月20日みんなの答え:3件
来週は、瀧谷廉(たきやれん)くんとの初デート。1ヶ月前に私から告白して付き合うことになった元幼馴染の、今は彼氏。
ただ、私は昨日、体の不調を感じ、病院に行ったところ、膵臓がんが発覚した。それも、かなり進行していて、もう治すことはできない段階まで進んでいるという。余命を聞いてみたところ、あと今日で1週間だという。大した症状はこれまではなかったのに・・・
そして今日、いよいよ初デートの日であり、私の人生最期の日。今は廉くんに告白してから初めて送る手紙である遺書を書いている。私の手はとても震えていた。
「初めての日なのに・・・今日で終わっちゃうんだ・・・。」
私は、がんが発覚してから初めての涙をこぼした。
「でも、最期の日だからこそ、楽しもう。」
手の震えを止めた頃には、手紙を書き終わっていた。
「ピ〜ンポ〜ン」
突然、玄関からインターホンの音がした。ドアを開けてみると、そこには廉くんが立っていた。
「あんまりにも遅いから、家まで来たよ。さぁ、早く行こう」
彼が「行こう」と行っているところは、私たちが、初めて一緒に行った場所、私が人生初の告白をした思い出の場所、遊園地だ。
私は、「ごめん」と返事をして、「用意するから、待っていて。」といって家の中に入った。
用意を終えて、私はドアから出てきたら、彼が、廉くんが手を「早く行こうぜ」といわんばかりに引っ張って走り出した。
「ほんと、子供みたいなんだから。」私の口からはその言葉がでていた。その後に「でもそこが好きなんだよね」といって、彼と一緒に走っていった。私達は色々楽しんだ。ジェットコースターで叫びまくったり、コーヒーカップで回りまくったり。
でも、楽しんでいたのは廉くんだけだった。私の頭には、余命のことばかり思い浮かんでくる。
「もう3時だし、おやつにここの遊園地の名物のクレープを買ってくるね。何味がいい?」
と聞いてきた。私は、
「廉くんが選んでくれたクレープなら何でも美味しいよ」
と返事した。「じゃあ、買ってくるね。」彼はそう行ってクレープ屋の方へ走っていった。
3分ほどして、彼が帰ってきた。そして、ベンチがあるところまで走っていき、私と一緒にクレープを食べ始めた。
彼がクレープを食べ終わり、私もクレープを食べ終わった。その直後、抵抗できないほどの眠気におそわれ、地面に倒れ込んだ。廉くんが、
「大丈夫かっ!優香っ!誰か、救急車を呼んでください!」
彼がそう叫び終わった頃には、私はもう・・・あの世へ連れて行かれる直前だった。
「私、実は・・・膵臓がんになっていたんだよ。でも・・・、廉くんに心配かけたくなくて・・・、黙っていたんだ・・・」
私の口からは、血がたれていた。
「バイバイ。私はもう、こっちの世界にはいれないみたい。」
「そんな事言うなよ。優香がいなくなったら、俺はどうすればいいんだよ。」
「廉くんは・・・幸せに生きてね。廉くんが幸せなら・・・私も幸せだよ。」
それが私の最後の言葉となり、息を引き取った。
・・・その後、廉は生気を失ってしまったような顔をして、家へ帰った。
家へ帰ってドアを開けると、廉の母親が、「廉〜、あなたあてに手紙が届いてるわよ。」と言い、それを渡した。
廉くんへ
廉くんは今、私が書いた手紙を読んでいるんだね。
私もこの言葉を使うことになるとは思わなかったけど、この手紙を読んでいるっていうことは、私はこの世界にはいないんだね。
だから、最期に、この言葉を廉くんに送ります。
あんまり早くこっちに来ちゃだめだよ。つらいこともあるだろうけど頑張って。廉くんは残りの人生が長いんだから、幸せになってね。
廉くんが幸せなら、私も幸せだからね。バイバイ
___優香より
優香の書いた手紙の文字は、いつの間にか廉の涙でにじんでいた。
----------END----------
どうでしたか?読んでくれた人は感想をください!
トク=メイさん(奈良・12さい)からの相談
とうこう日:2023年7月20日みんなの答え:3件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
3件中 1 〜 3件を表示
-
悲しい…。。 悲しいお話でした。 どうしたら、そんなに本格的に文章が作れるのでしょうか? はーちゃんさん(奈良・11さい)からの答え
とうこう日:2023年9月5日 -
かなぴー! かなぴー!
優香逝かないでくれ!
さしすせそのそさん(東京・16さい)からの答え
とうこう日:2023年8月27日 -
悲しいお話だね・・・ Hi(^^♪My name's Marin(*´・ч・`*)
☆*: .。. o本題o .。.:*☆
悲しいお話だね・・・。
Have a nice day(*^^)v
Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪ 舞凜*まりん*#元兎乃#改名まで5日!さん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2023年8月27日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
3件中 1 〜 3件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- みんなの好きな短歌は?11月29日
-
- 画面が...01月15日
-
- どう思われるの?01月16日
-
- 学校に行けない01月16日
-
- 家族のことがすきじゃない01月15日
-
- テスト勉強01月15日
-
- 生理なのかわからない01月16日
-
- 2週間以上咳が出る01月16日
-
- 外部コーチが嫌なんだけどみんなはどう思う?01月15日
-
- みんなのカラオケの十八番曲は?01月15日
-
- ブルーロック好き集まれー01月15日
-
- 好きな男の子の話01月16日
-
- 地雷系の靴や鞄がわからない01月15日
-
- みんなの好きなお寿司のネタは?01月16日
-
- コピック使ってる人教えてー!01月15日
-
- あの場所で 〜笑顔と感動の物語〜09月30日
-
- 吐き気を消すにはどうしよう01月16日
-
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。