時が止まる腕時計
今日も東京の街に朝日が降り注ぐ。
ピピピピピピピピピピピピ。
…来た。今までに何回も聞いた、この音。
俺は音の主に手を伸ばし、音を止めた。
まだ重い瞼をこすり、時間を確認する。
「…うわああああああああああ!!!」
時計を見ると、8時15分を指していた。
「高橋くん!もう何回目だと思ってるの!?もし、次遅刻したら最後まで居残って補修だからね!」
俺は先生の説教を聞き流しながら思う。
『あーあ、時間を止められたらなぁー。そしたら遅刻しなくて済むのに。』
そしてその日の夕方、補修を終えとぼとぼ帰ると、玄関の前に髪を後ろで結んだ白い髪の女性が立っていた。
「あ、こんにちは。ここの家の方ですか?」「はい、そうですけど...。」「あ、そうでしたか。宅配便です。ハンコかサインをお願いします。」
女性の指示通り、俺はその小さな段ボールにサインを書いた。
「ありがとうございます。本商品を取り扱う際には、くれぐれもご注意ください。くれぐれも、ね・・・。」
家に帰り、段ボールの中身を見てみると、そこにはシンプルなデザインの腕時計と、説明書があった。
「時間を止められたらなぁ。そう思うこと、結構ありますよね?これを使うとあら不思議!本当に時を止められます!」
「・・・胡散臭いな。」
直感的にそう思った。
試しに興味本位で左についているボタン押してみる。
「...何も起きないじゃん。やっぱりウソか。」
だが何気なく窓を見た時、俺は驚愕した。
カラスが空中で停止していた。
カラスだけではない。飛行機も、ドクターヘリも、車も。
みんな、時間が止まったかのように、停止していた。
「マジか…。これガチもんじゃん・・・!!」
俺は嬉しくて泣きそうになった。
それから俺は、この時計を愛用した。
遅刻しそうな時、ボールがこちら目掛けて飛んできた時、鬼ごっこで捕まりそうになった時。
俺は時間を止めた。
こうなれば、俺の人生はチートモードだ。
俺は無敵だ!
そう思っていた。
ある日のこと。
俺は目が覚め、時計を見た。
7時25分。
よかった。まだ間に合う。
そして、リビングにおり、朝ご飯を食べようとした時、
カチッ。
と、乾いた音がした。
「なんだ?今の音・・・。変なの。」
そして、何気なく母を見た。
母の時間が停止していた。
「・・・は?」
母だけじゃない。家族全員の時間が止まっていた。
何故?どういうことだ?俺は今、腕時計を身に着けていない。
その時、嫌な予感が頭をよぎった。
そして俺は階段を急いで登り、腕時計を見る。
腕時計が床に転がり落ちて壊れていた。
寝返りを打った時に落ちたのだろう。
『本商品を取り扱う際には、くれぐれもご注意ください。くれぐれも、ね・・・。』
あのお姉さんの言葉が頭をよぎる。
「あ、あああぁぁあああ・・・。」
俺は泣き崩れた。
それから俺の世界は止まってしまった。
何も動かない。
何も聞こえない。
孤独そのもの。
俺は時間の外に追い出されてしまった。
だれも俺の存在に気付かない。
これを書いている今、俺はなんとか生き延びている。だが、これが皆の目に留まることは無いだろう。
だが最後の可能性にかけて、これを投稿する。
頼む、誰か、誰か俺を見つけてくれ・・・。
終 ソウキさん(千葉・15さい)からの相談
とうこう日:2023年10月12日みんなの答え:2件
ピピピピピピピピピピピピ。
…来た。今までに何回も聞いた、この音。
俺は音の主に手を伸ばし、音を止めた。
まだ重い瞼をこすり、時間を確認する。
「…うわああああああああああ!!!」
時計を見ると、8時15分を指していた。
「高橋くん!もう何回目だと思ってるの!?もし、次遅刻したら最後まで居残って補修だからね!」
俺は先生の説教を聞き流しながら思う。
『あーあ、時間を止められたらなぁー。そしたら遅刻しなくて済むのに。』
そしてその日の夕方、補修を終えとぼとぼ帰ると、玄関の前に髪を後ろで結んだ白い髪の女性が立っていた。
「あ、こんにちは。ここの家の方ですか?」「はい、そうですけど...。」「あ、そうでしたか。宅配便です。ハンコかサインをお願いします。」
女性の指示通り、俺はその小さな段ボールにサインを書いた。
「ありがとうございます。本商品を取り扱う際には、くれぐれもご注意ください。くれぐれも、ね・・・。」
家に帰り、段ボールの中身を見てみると、そこにはシンプルなデザインの腕時計と、説明書があった。
「時間を止められたらなぁ。そう思うこと、結構ありますよね?これを使うとあら不思議!本当に時を止められます!」
「・・・胡散臭いな。」
直感的にそう思った。
試しに興味本位で左についているボタン押してみる。
「...何も起きないじゃん。やっぱりウソか。」
だが何気なく窓を見た時、俺は驚愕した。
カラスが空中で停止していた。
カラスだけではない。飛行機も、ドクターヘリも、車も。
みんな、時間が止まったかのように、停止していた。
「マジか…。これガチもんじゃん・・・!!」
俺は嬉しくて泣きそうになった。
それから俺は、この時計を愛用した。
遅刻しそうな時、ボールがこちら目掛けて飛んできた時、鬼ごっこで捕まりそうになった時。
俺は時間を止めた。
こうなれば、俺の人生はチートモードだ。
俺は無敵だ!
そう思っていた。
ある日のこと。
俺は目が覚め、時計を見た。
7時25分。
よかった。まだ間に合う。
そして、リビングにおり、朝ご飯を食べようとした時、
カチッ。
と、乾いた音がした。
「なんだ?今の音・・・。変なの。」
そして、何気なく母を見た。
母の時間が停止していた。
「・・・は?」
母だけじゃない。家族全員の時間が止まっていた。
何故?どういうことだ?俺は今、腕時計を身に着けていない。
その時、嫌な予感が頭をよぎった。
そして俺は階段を急いで登り、腕時計を見る。
腕時計が床に転がり落ちて壊れていた。
寝返りを打った時に落ちたのだろう。
『本商品を取り扱う際には、くれぐれもご注意ください。くれぐれも、ね・・・。』
あのお姉さんの言葉が頭をよぎる。
「あ、あああぁぁあああ・・・。」
俺は泣き崩れた。
それから俺の世界は止まってしまった。
何も動かない。
何も聞こえない。
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俺は時間の外に追い出されてしまった。
だれも俺の存在に気付かない。
これを書いている今、俺はなんとか生き延びている。だが、これが皆の目に留まることは無いだろう。
だが最後の可能性にかけて、これを投稿する。
頼む、誰か、誰か俺を見つけてくれ・・・。
終 ソウキさん(千葉・15さい)からの相談
とうこう日:2023年10月12日みんなの答え:2件
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うわぁあ(泣) こんにちは!NASAです。
魔法の時計壊れてしまったの?!
大変…
待ってて助けてあげるから!って思いました NASAさん(山口・10さい)からの答え
とうこう日:2023年12月13日 -
解除!! いい話だった!!時を止めるの面白い!! 心のブルースカイさん(千葉・12さい)からの答え
とうこう日:2023年12月12日
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