異形と戦う(?)話 若干のグロ、ホラー含む
「ネルさん、仕事してください。」
…………返事は無い。ネルは、ミジンコよりも興味のないはずのファッションについての雑誌を頭に乗せ、デスクに突っ伏していた。ネルの後輩であり、仕事仲間のアリンは、
(もしかして、寝てたりして。)
と思い、ネルの頭の上のファッション雑誌を持ち上げようと、手を伸ばした。すると、バチンッと物凄い音と共に、アリンの右手が、ネルにひっぱたかれた。
「いっっっっっった!」「ずっと起きてる。」
声と同時に、ネルはパッと背筋を伸ばした。頭に乗せていたファッション雑誌が床に落ち、バサッと音を立てた。急に起き上がったネルを見て、隣のデスクのサナが「わぁ」と貧乏な家の割って飲む某飲料ぐらい薄ーく反応した。
「ああ、当たった?悪いね、ちょっと怯ませる程度に済まそうと思っていたのだけれど、まだ慣れないものだね。」
ネルは飄々とした様子で言った。アリンは、ヒリヒリと痛む右手をさすりながら、ネルに一枚の書類を見せた。ネルは、書類を雑に受け取る。
「依頼が来てますよ、ネルさんに、ですって。」「んー?めんどくさいなー、もー、この街はどうしてこんなに異形が多いんだよ。」
気だるげな様子で言い、大きなため息をついてから、ネルは立ち上がった。どうやら、きちんと仕事をしてくれるらしい。
その後、ネルは文句をブツブツ言いながら、依頼に向かった。
この世界には、「異形」という化け物が存在している。異形は人を襲い、補食する。異形は時として人に取り憑き、体を乗っ取ることもある、大変厄介な敵だ。そしてその異形を退治するのがアリン達「殺し屋」だ。
「全く、ネルは面白いね。」
ネルが出掛けてから少ししてから、そう言ってサナは、くすくす笑った。サナはアリンやネルの先輩でベテランの殺し屋だ。最近隣街から異動になったアリンとネルの事を、よく気にかけてくれる、優しい人だ。アリンは、デスクに腰掛けながら返す。
「そうですかね、、、、。相手にするのは、意外と大変ですよ。」「ふぅん。」
サナはそれだけ言うと、話をぶつ切りにするように、デスクのパソコンに向き直ってしまった。アリンもデスクワークを再開しようと、パソコンを開いたのと同時に、「はーい、戻ったよ。」と、出入口の方から飄々とした声がした。
「お帰りなさい、どうでしたか。」
同僚のオークが、そう言ってネルに駆け寄った。そのすぐ後に、グチャ、と聞き慣れない音がした。アリンが顔を上げて、出入口の方を見た。なんとそこには、オークが倒れていた。そしてネルの爪の先が、鋭く、長く尖っていた。
「まさか、異形に取り憑かれて、、、!」「そんなはずありません!この依頼の異形は、生まれたばかりの弱い、、、、」
そこまで言って、ハッとした。“ずっと前から、取り憑かれていたのだ”と。ネルの鋭く尖った爪が、アリンの喉を切り裂いた。
「うわああぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁ!」
そう叫んで、アリンは飛び起きた。サナが、「うわぁ」と、退店直前のコーラくらい、薄ーく反応した。
「え、、、、、、? な、なんだぁ夢かぁ。」
アリンは、ほっと胸を撫で下ろした。そこで後ろにいたネルが、「悪いね、私が驚いて壁紙カタログで殴っちゃって。」と、申し訳なさそうに言った。そして、付け足した。
「肩を叩くつもりだったのだけれど、まだ慣れないものだね。」
「え、、、、、、、、、、。」
アリンは、夢の中でのネルのセリフを、思い出した。
“ちょっと怯ませる程度に済まそうと思っていたのだけれど、まだ馴れないものだね。”
アリンの顔が、サァッと瞬く間に青ざめた。
たるとさん(長野・13さい)からの相談
とうこう日:2024年1月20日みんなの答え:1件
…………返事は無い。ネルは、ミジンコよりも興味のないはずのファッションについての雑誌を頭に乗せ、デスクに突っ伏していた。ネルの後輩であり、仕事仲間のアリンは、
(もしかして、寝てたりして。)
と思い、ネルの頭の上のファッション雑誌を持ち上げようと、手を伸ばした。すると、バチンッと物凄い音と共に、アリンの右手が、ネルにひっぱたかれた。
「いっっっっっった!」「ずっと起きてる。」
声と同時に、ネルはパッと背筋を伸ばした。頭に乗せていたファッション雑誌が床に落ち、バサッと音を立てた。急に起き上がったネルを見て、隣のデスクのサナが「わぁ」と貧乏な家の割って飲む某飲料ぐらい薄ーく反応した。
「ああ、当たった?悪いね、ちょっと怯ませる程度に済まそうと思っていたのだけれど、まだ慣れないものだね。」
ネルは飄々とした様子で言った。アリンは、ヒリヒリと痛む右手をさすりながら、ネルに一枚の書類を見せた。ネルは、書類を雑に受け取る。
「依頼が来てますよ、ネルさんに、ですって。」「んー?めんどくさいなー、もー、この街はどうしてこんなに異形が多いんだよ。」
気だるげな様子で言い、大きなため息をついてから、ネルは立ち上がった。どうやら、きちんと仕事をしてくれるらしい。
その後、ネルは文句をブツブツ言いながら、依頼に向かった。
この世界には、「異形」という化け物が存在している。異形は人を襲い、補食する。異形は時として人に取り憑き、体を乗っ取ることもある、大変厄介な敵だ。そしてその異形を退治するのがアリン達「殺し屋」だ。
「全く、ネルは面白いね。」
ネルが出掛けてから少ししてから、そう言ってサナは、くすくす笑った。サナはアリンやネルの先輩でベテランの殺し屋だ。最近隣街から異動になったアリンとネルの事を、よく気にかけてくれる、優しい人だ。アリンは、デスクに腰掛けながら返す。
「そうですかね、、、、。相手にするのは、意外と大変ですよ。」「ふぅん。」
サナはそれだけ言うと、話をぶつ切りにするように、デスクのパソコンに向き直ってしまった。アリンもデスクワークを再開しようと、パソコンを開いたのと同時に、「はーい、戻ったよ。」と、出入口の方から飄々とした声がした。
「お帰りなさい、どうでしたか。」
同僚のオークが、そう言ってネルに駆け寄った。そのすぐ後に、グチャ、と聞き慣れない音がした。アリンが顔を上げて、出入口の方を見た。なんとそこには、オークが倒れていた。そしてネルの爪の先が、鋭く、長く尖っていた。
「まさか、異形に取り憑かれて、、、!」「そんなはずありません!この依頼の異形は、生まれたばかりの弱い、、、、」
そこまで言って、ハッとした。“ずっと前から、取り憑かれていたのだ”と。ネルの鋭く尖った爪が、アリンの喉を切り裂いた。
「うわああぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁ!」
そう叫んで、アリンは飛び起きた。サナが、「うわぁ」と、退店直前のコーラくらい、薄ーく反応した。
「え、、、、、、? な、なんだぁ夢かぁ。」
アリンは、ほっと胸を撫で下ろした。そこで後ろにいたネルが、「悪いね、私が驚いて壁紙カタログで殴っちゃって。」と、申し訳なさそうに言った。そして、付け足した。
「肩を叩くつもりだったのだけれど、まだ慣れないものだね。」
「え、、、、、、、、、、。」
アリンは、夢の中でのネルのセリフを、思い出した。
“ちょっと怯ませる程度に済まそうと思っていたのだけれど、まだ馴れないものだね。”
アリンの顔が、サァッと瞬く間に青ざめた。
たるとさん(長野・13さい)からの相談
とうこう日:2024年1月20日みんなの答え:1件
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おおおお、良い! こんにちは、パン粉です♪
正夢系ちょいホラー...!
仕事場の和気あいあいとした雰囲気から、
急な敵襲での緊張感になるところが
特に好きです! 散ったパン粉さん(選択なし・16さい)からの答え
とうこう日:2024年3月24日
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