ぼっちちゃんはモテる?
お久しぶりたぴおかです!(*^▽^*)
久しぶりに短編書きます!
「は、初めまして…えっと、田中ヒトハです…。シュミは漢字を眺めることで、あとは、特にないです…」
みんなの前で、自己紹介をする。声は震えていたけれど、届いた、と、思う。
六年生の二学期というタイミングでこの学校に転入してきた。
一晩中考えて必死に練習した自己紹介。結構おどおどだけど…。
チラリ、クラスのみんなを見て見る。
思わず「うっ」と声に出そうだった。
―田中ヒトハ。十二歳。
初日の自己紹介、大失敗したみたいです…!
そりゃ、まさかの漢字を眺めるシュミって。今思えばばかばかしいシュミだよね…。
もっと運動とか絵を描くこととかにすればよかった。
わたしの席は一番後ろの端っこ。目立たないし、イイ感じの席。
はぁ〜、と盛大なため息をつく。
うちは転勤族だから、転校なんてなんともなかった。
転校するたびに、みんな机を取り囲んでたんだけど…。
今回、あのヤバヤバシュミ発言のせいで、だーれも集まってこない。
ベツに期待してた!ショック!ってワケじゃない。
初日にして、あの自己紹介はダメだったのか…!
もっとかる〜い感じで…シュミは絵を描くことにすればよかったな。
でも、もう後戻りはできない。ヒマで手遊びをしていると、「アンタのせいだからね!」という声が耳に飛び込んできた。
な、なんだ?
目をぱちぱちさせて、耳をすます。
「アンタのせいで、糸がほつれたっ!アンタがハサミ振り回してたからよっ」
おお、ハサミを振り回すとは。なんとも危ない女子がいるもんだ。
どうやら手作り中の人形の糸がほつれたらしい。
「うるっさいなぁ、ちょっと遊んでただけじゃん。もう一回縫い直せば?」
その発言に、相手は顔を真っ赤にさせて怒りをこらえているようだった。
あーあ、ケンカになる。すでにケンカになっているけれど。
普通にケンカはキライだ。
わたしは立ち上がって、糸のほつれた人形を取った。
「え…」
「糸とハリ、かして」
呆然としていたそのコは、あわててハリと糸をくれた。
糸をすぐにハリに通して、目にも追えない速さで縫っていく。
もともと、手芸は好きだった。
最後に玉止めをして、糸を切る。
「ほれ。できた」
人形を手渡す。とれないようにしっかり縫い直したから、多少は取れないと思うけど…。
「あと、ハサミ振り回してたキミ。危ないってこと、分かってる?」
「へっ?あぁ、ごめんなさい…ただの遊びで!」
「ハサミはときに武器となり、人を殺そうと思えば殺せる凶器だ。今後一切、しないように」
振り回すなんて、これから一切しないようにしてほしい。あと普通に危ない。
あ、自己紹介のときシュミを手芸にしたらよかったかもなぁ…。
そんなことを考えていると、「あのっ」という声が聞こえた。
「あ、ありがとう!か、カッコいい!あなたカッコいいね!えっと…ヒトハさんっ?話しかけづらいかなって思ってたけど、全然違うんだね!」
人形を持ってそう言った。わたしは目を丸くする。
「いや、ベツに…」
「ファンです!」
そのコがペコリと頭を下げた。
……………………えっ。
この展開で…こんな展開になりますか?
「わたしにも手芸教えてください!」
決意をしたような顔をした彼女に、わたしはパチパチと瞬きを繰り返す。
「ベツにいいけど…ファンはやめな、ファンは」
「えー、なんでですか?」
「あと敬語もやめなさい」
「分かった!」
こうして、ぼっちちゃんに友達ができた。
ハサミ女子は、ハサミを振り回さなくなった。
でも、分かっていた。
どうせ、短い付き合いだって。 たぴおかさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2024年1月29日みんなの答え:1件
久しぶりに短編書きます!
「は、初めまして…えっと、田中ヒトハです…。シュミは漢字を眺めることで、あとは、特にないです…」
みんなの前で、自己紹介をする。声は震えていたけれど、届いた、と、思う。
六年生の二学期というタイミングでこの学校に転入してきた。
一晩中考えて必死に練習した自己紹介。結構おどおどだけど…。
チラリ、クラスのみんなを見て見る。
思わず「うっ」と声に出そうだった。
―田中ヒトハ。十二歳。
初日の自己紹介、大失敗したみたいです…!
そりゃ、まさかの漢字を眺めるシュミって。今思えばばかばかしいシュミだよね…。
もっと運動とか絵を描くこととかにすればよかった。
わたしの席は一番後ろの端っこ。目立たないし、イイ感じの席。
はぁ〜、と盛大なため息をつく。
うちは転勤族だから、転校なんてなんともなかった。
転校するたびに、みんな机を取り囲んでたんだけど…。
今回、あのヤバヤバシュミ発言のせいで、だーれも集まってこない。
ベツに期待してた!ショック!ってワケじゃない。
初日にして、あの自己紹介はダメだったのか…!
もっとかる〜い感じで…シュミは絵を描くことにすればよかったな。
でも、もう後戻りはできない。ヒマで手遊びをしていると、「アンタのせいだからね!」という声が耳に飛び込んできた。
な、なんだ?
目をぱちぱちさせて、耳をすます。
「アンタのせいで、糸がほつれたっ!アンタがハサミ振り回してたからよっ」
おお、ハサミを振り回すとは。なんとも危ない女子がいるもんだ。
どうやら手作り中の人形の糸がほつれたらしい。
「うるっさいなぁ、ちょっと遊んでただけじゃん。もう一回縫い直せば?」
その発言に、相手は顔を真っ赤にさせて怒りをこらえているようだった。
あーあ、ケンカになる。すでにケンカになっているけれど。
普通にケンカはキライだ。
わたしは立ち上がって、糸のほつれた人形を取った。
「え…」
「糸とハリ、かして」
呆然としていたそのコは、あわててハリと糸をくれた。
糸をすぐにハリに通して、目にも追えない速さで縫っていく。
もともと、手芸は好きだった。
最後に玉止めをして、糸を切る。
「ほれ。できた」
人形を手渡す。とれないようにしっかり縫い直したから、多少は取れないと思うけど…。
「あと、ハサミ振り回してたキミ。危ないってこと、分かってる?」
「へっ?あぁ、ごめんなさい…ただの遊びで!」
「ハサミはときに武器となり、人を殺そうと思えば殺せる凶器だ。今後一切、しないように」
振り回すなんて、これから一切しないようにしてほしい。あと普通に危ない。
あ、自己紹介のときシュミを手芸にしたらよかったかもなぁ…。
そんなことを考えていると、「あのっ」という声が聞こえた。
「あ、ありがとう!か、カッコいい!あなたカッコいいね!えっと…ヒトハさんっ?話しかけづらいかなって思ってたけど、全然違うんだね!」
人形を持ってそう言った。わたしは目を丸くする。
「いや、ベツに…」
「ファンです!」
そのコがペコリと頭を下げた。
……………………えっ。
この展開で…こんな展開になりますか?
「わたしにも手芸教えてください!」
決意をしたような顔をした彼女に、わたしはパチパチと瞬きを繰り返す。
「ベツにいいけど…ファンはやめな、ファンは」
「えー、なんでですか?」
「あと敬語もやめなさい」
「分かった!」
こうして、ぼっちちゃんに友達ができた。
ハサミ女子は、ハサミを振り回さなくなった。
でも、分かっていた。
どうせ、短い付き合いだって。 たぴおかさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2024年1月29日みんなの答え:1件
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面白い! こんちゃ♪* 苺鈴だう+.o(。*・ω・*。)o.+
★*:.。.*本題*.。.:*★
とっても面白かった!
でも転勤族だからそんな長く持たないのか、、
タピオカさん、同い年なのにこんなすごい短編小説書いていてすごい☆*
ペコペコ*☆*♪リンリン(*>ω<) ばいっちゃ☆彡 #菜摘〆Natumiさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月2日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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