変わらない日々
「ピピピッピピピッ」タイマーの音で私は起きた。私は、櫻井花鈴(さくらいかりん)中学2年生。部屋の窓に駆け寄って空を見た。雲一つない、いい天気。「今日も学校かぁー」だけど私の心は曇っていた。「はあー」と一つため息をついて階段を下りていった。
トースターの「チーン」という音とともにバタートーストのいい香りがする。温まったミルクも並べると朝ごはんの完成。こんがりと焼けたトーストがとっても美味しい。朝ごはんを食べると行きたくなくても行かなきゃ行けない現実を突きつけられるようで嫌になるのだ。昨夜宿題が終わらなかったな、友達の北野琴羽(きたのことは)ちゃんと喧嘩しちゃったな。朝ごはんを食べながらいろんなことが頭を巡る。「どうしたの」声がして頭を上げるとお母さんが顔を覗き込んでいた。「浮かない顔してたわよ。」「学校でなにか困っているの?」と続けて言われる。「…何でもない。」心配されるとこう答えてしまうのは私の口癖なのだ。昔からそうだった。お母さんを困らせたくないから。お母さんが眉間を寄せた。「なんでもないわけないでしょー。あんたがこう言うときって大体なんかあるんだから。」こんな事を話してる間に、時計を見たらもう遅刻しそうな時間になっていた。私は「なんでもないから何でもないの」と言いながら食器を片付けた。遠くから「帰ってからじっくりと聞かせてもらうわよー」という声が聞こえてきた。急いで制服に着替えて準備を済ませ「いってきまーす」と言いながら家を出るとドアの隙間から笑顔で「いってらっしゃーい」と言いながら手をふるお母さんと後ろで「学校頑張れよー」というお父さんの姿が見えた。私はダッシュで学校まで行った。
運悪く、終わってない宿題を出す教科が1時間目だった。先生が「じゃー集めるぞ」と言うとある子が「最後の問題めちゃくちゃ難しかったです。」といい、それに続いて他の子も「あれは中2の問題ではありません。」「調べてみたら高2の問題でしたー。」などと言って、先生が「みんなすまん。もう一枚作るからそれは予習したい奴が使えよ。」と言った。私は胸を撫で下ろした。ひとまず、宿題の件は何とかなった。でも、と琴羽ちゃんの方を見た。「仲直りできるかな」と一人でつぶやいた。
5分休みのとき後ろから肩をたたかれて振り向いたら琴羽ちゃんがいた。私はびっくりしすぎて椅子から倒れそうになった。「やっほー、花鈴。一時間目の宿題、終わってなかったからめっちゃラッキーだった。」「私もー。マジで焦ったけど何とかなったー。」「私達考えてること、いつも一緒だよねー。」という声まで揃ってて2人で顔を見合わせて笑った。そんなことを言ってる内に次の授業の先生がやってきた。やば、準備しないと。琴羽ちゃんに手を振って準備をした。2時間目を受けながら思った。あれ、私琴羽ちゃんと普通に話せた。琴羽ちゃんも全然喧嘩のこと気にしてなかったみたいだった。ぼーっとしていると3時間目も給食も4時間目も5時間目もどんどん過ぎていき、気づけば帰りの会だった。
帰り道で考えた。結局心配していた宿題のことも琴羽ちゃんのことも何とかなった。というか全然平気だった。あんなに嫌だった学校だってあっという間に終わったのだ。「私気にしすぎていたのかもしれない。」一人でつぶやいた。家に帰ると、お母さんが「朝の話、じっくり聞かせてもらうわよ」と言っていて「何の話ー?」というと「もうとぼけないでよー、だから学校でなにか困っているのかっていう話。」「あーあれね。何もないよ。」「ほんとー?」「うん。本当に何もないよ。」「なら良かったわ。」お母さんがうっすら笑っているように見えた。私は自分の部屋に上がった。窓の方へ駆け寄り空を見ながら「意外と平気なのか。自分が気にしすぎていただけ。」とつぶやいた。「何か今日一日ですごく成長したみたい」思い切り伸びをした。明日も明後日も変わらない日常。変わらない日々。でも、私なら大丈夫だな。私なら何があっても乗り越えられる。何となくそう思った。
一階のリビングで母はつぶやいた。「花鈴は成長したのね。」ソファーでテレビを見てた父が顔を上げて「どうしたの」というと
「ふふっ。何でもない」と母は言った。「なんだよ、教えろよ」「何でもない」「なんだよ」「何でもない」
これからも続く変わらない日常、変わらない日々。
それをポジティブに過ごすかネガティブに過ごすかは君次第。
考え方次第で全てが変わる。あるのは変わらない日々がどこまでも続くという事実だけ。
考えすぎてしまう時、少し頭を柔らかくしてみれば心も軽くなるのかもしれない。
悩んでいる時、この物語を思い出してくれたら嬉しいです。
by ここなっつ
ここなっつさん(神奈川・14さい)からの相談
とうこう日:2024年2月4日みんなの答え:2件
トースターの「チーン」という音とともにバタートーストのいい香りがする。温まったミルクも並べると朝ごはんの完成。こんがりと焼けたトーストがとっても美味しい。朝ごはんを食べると行きたくなくても行かなきゃ行けない現実を突きつけられるようで嫌になるのだ。昨夜宿題が終わらなかったな、友達の北野琴羽(きたのことは)ちゃんと喧嘩しちゃったな。朝ごはんを食べながらいろんなことが頭を巡る。「どうしたの」声がして頭を上げるとお母さんが顔を覗き込んでいた。「浮かない顔してたわよ。」「学校でなにか困っているの?」と続けて言われる。「…何でもない。」心配されるとこう答えてしまうのは私の口癖なのだ。昔からそうだった。お母さんを困らせたくないから。お母さんが眉間を寄せた。「なんでもないわけないでしょー。あんたがこう言うときって大体なんかあるんだから。」こんな事を話してる間に、時計を見たらもう遅刻しそうな時間になっていた。私は「なんでもないから何でもないの」と言いながら食器を片付けた。遠くから「帰ってからじっくりと聞かせてもらうわよー」という声が聞こえてきた。急いで制服に着替えて準備を済ませ「いってきまーす」と言いながら家を出るとドアの隙間から笑顔で「いってらっしゃーい」と言いながら手をふるお母さんと後ろで「学校頑張れよー」というお父さんの姿が見えた。私はダッシュで学校まで行った。
運悪く、終わってない宿題を出す教科が1時間目だった。先生が「じゃー集めるぞ」と言うとある子が「最後の問題めちゃくちゃ難しかったです。」といい、それに続いて他の子も「あれは中2の問題ではありません。」「調べてみたら高2の問題でしたー。」などと言って、先生が「みんなすまん。もう一枚作るからそれは予習したい奴が使えよ。」と言った。私は胸を撫で下ろした。ひとまず、宿題の件は何とかなった。でも、と琴羽ちゃんの方を見た。「仲直りできるかな」と一人でつぶやいた。
5分休みのとき後ろから肩をたたかれて振り向いたら琴羽ちゃんがいた。私はびっくりしすぎて椅子から倒れそうになった。「やっほー、花鈴。一時間目の宿題、終わってなかったからめっちゃラッキーだった。」「私もー。マジで焦ったけど何とかなったー。」「私達考えてること、いつも一緒だよねー。」という声まで揃ってて2人で顔を見合わせて笑った。そんなことを言ってる内に次の授業の先生がやってきた。やば、準備しないと。琴羽ちゃんに手を振って準備をした。2時間目を受けながら思った。あれ、私琴羽ちゃんと普通に話せた。琴羽ちゃんも全然喧嘩のこと気にしてなかったみたいだった。ぼーっとしていると3時間目も給食も4時間目も5時間目もどんどん過ぎていき、気づけば帰りの会だった。
帰り道で考えた。結局心配していた宿題のことも琴羽ちゃんのことも何とかなった。というか全然平気だった。あんなに嫌だった学校だってあっという間に終わったのだ。「私気にしすぎていたのかもしれない。」一人でつぶやいた。家に帰ると、お母さんが「朝の話、じっくり聞かせてもらうわよ」と言っていて「何の話ー?」というと「もうとぼけないでよー、だから学校でなにか困っているのかっていう話。」「あーあれね。何もないよ。」「ほんとー?」「うん。本当に何もないよ。」「なら良かったわ。」お母さんがうっすら笑っているように見えた。私は自分の部屋に上がった。窓の方へ駆け寄り空を見ながら「意外と平気なのか。自分が気にしすぎていただけ。」とつぶやいた。「何か今日一日ですごく成長したみたい」思い切り伸びをした。明日も明後日も変わらない日常。変わらない日々。でも、私なら大丈夫だな。私なら何があっても乗り越えられる。何となくそう思った。
一階のリビングで母はつぶやいた。「花鈴は成長したのね。」ソファーでテレビを見てた父が顔を上げて「どうしたの」というと
「ふふっ。何でもない」と母は言った。「なんだよ、教えろよ」「何でもない」「なんだよ」「何でもない」
これからも続く変わらない日常、変わらない日々。
それをポジティブに過ごすかネガティブに過ごすかは君次第。
考え方次第で全てが変わる。あるのは変わらない日々がどこまでも続くという事実だけ。
考えすぎてしまう時、少し頭を柔らかくしてみれば心も軽くなるのかもしれない。
悩んでいる時、この物語を思い出してくれたら嬉しいです。
by ここなっつ
ここなっつさん(神奈川・14さい)からの相談
とうこう日:2024年2月4日みんなの答え:2件
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すごい! こんにちは!こないだ始めて短編小説を投稿してみたしおりこです!
本題
すごいです!
読んでから、前向きになれました!
ありがとう!
しおりこさん(千葉・9さい)からの答え
とうこう日:2024年4月9日 -
ありがとう!! こんにちは!蜜柑です!!
早速本題☆☆
いやー助かりました!最近悩んでること多くて。今も悩みで押し潰されて、めんどくさくなって放心状態になってました☆ほんとにありがとう!!心がスカッとしましたー!案外、どうにかなりそう!って気持ちになれました!!ありがとうね!!
それじゃ、またキズなんでー☆ 蜜柑さん(静岡・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月9日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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