長文「オッドアイ」
時々、自分が何か分からなくなる。
僕が、僕になるためには、何が必要なんだろうって考える。
「はぁ。」
朝、目覚めて鏡を見た。映るのは当然、僕、光(ひかる)の顔。
寝癖まみれの髪に、青と緑の半開きの目。
そう、僕はオッドアイだ。生まれつきの。
「めんどくさ。」
ぼやきながら、いつも通り真っ黒のカラコンを取り出す。
瞳の色が少し、、、ではないけど普通と違うと、ハブられる。そんなこと、経験者の僕が一番よく知っている。
学校では、クラスの中心的存在。
勉強は嫌いだしやらないけど、なんとなくで平均点以上取れる。体育会系だ。
僕は、目が結構ぱっちりしているほうだと思う。だから、よく「目大きいね。」と言われる。
そのまま、家に帰ろうとしたとき、、、
「光(ひかる)、危ない!」
え?
目の前には、大きなトラック。
嘘。ちょっと待って。これってまさか、死ぬ。
「う、、、うそ、、、」
目が覚めたのは、病院。ベッドの上の鏡が目に入る。そこには、
右目の緑の目が、真っ赤に染まっていた。
いつのまにカラコンとれたんだろ。
これじゃあ、カラコンでも隠せないよ。色濃すぎ。
僕は、引きこもりになった。
外に出るのは、真夜中。今更だけど、もしかしたら僕にとってこっちの生活の方が合っていたのかもしれない。
人に気を使わなくて済むし、外の空気は涼しいし。
170センチもない、身長のくせLLサイズのぶっかぶかの服きて、適当に髪をまとめて財布とスマホを手に持って家を出る。
そんな不規則な生活が続き、高校は夜間制に変えた。
今日は、学校休みだ。
いつも通り、財布とスマホを持って、家を出る。
繁華街に入ろうとしたとき、体が引っ張られた。
「っ!」
人影がなんにもない、離れた場所に連れていかれ、壁に体を押し付けられた。
「いった、、。」
誰かと思って見上げると、見覚えのある二人の姿があった。
幼馴染の双子。仁月(につき)と千晶(ちあき)
おそらく僕より二人とも10センチ以上高い。
「な、、なに、」
少し怖くて、そう声を出した。
「ひかり。なんでこんな時間に外でてんの。」
「あと、ひかりって名前、ひかるだったっけ。昼間見た時目も黒かったし。」
それを聞いて、思わず目を隠そうとした。けど、仁月に腕をおさえられて隠せない。
「や、、、やめて!見ないで!!」
夜にも構わず大声で叫んだ。
こいつらには見られたくない。こんな目。
『なに、その目。』『気持ち悪い。』
昔、吐かれたあの言葉。
思い出すだけで涙がこぼれる。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
もう、あんなこと、
「ごめん。」
そう言って、僕を抱きしめてきた。二人分の体重がかかってきて、思わず足がよろける。
「俺、ひかりの目、好き。今も昔も。」
「嘘つくな、、、」
あえて否定せずに、抱きしめてくる力が強くなった。
そうだ、僕はひかり。
女の子みたいな名前が嫌で、わざと似ている「ひかる」って名前にしたんだ。
思い出した
自分の本名忘れてたとかヤバいね。
壁におさえつけられるようにして、正直潰されそうだった。
苦しくて唸っていると、千晶が僕の顎をもって顔を近づけてきた。
「泣いている顔も、ひかりは可愛いね。」
嬉しそうに呟いてきた。
背中がぞくっとしたのは、きっと気のせいじゃない。 凜々花さん(愛知・14さい)からの相談
とうこう日:2024年2月21日みんなの答え:3件
僕が、僕になるためには、何が必要なんだろうって考える。
「はぁ。」
朝、目覚めて鏡を見た。映るのは当然、僕、光(ひかる)の顔。
寝癖まみれの髪に、青と緑の半開きの目。
そう、僕はオッドアイだ。生まれつきの。
「めんどくさ。」
ぼやきながら、いつも通り真っ黒のカラコンを取り出す。
瞳の色が少し、、、ではないけど普通と違うと、ハブられる。そんなこと、経験者の僕が一番よく知っている。
学校では、クラスの中心的存在。
勉強は嫌いだしやらないけど、なんとなくで平均点以上取れる。体育会系だ。
僕は、目が結構ぱっちりしているほうだと思う。だから、よく「目大きいね。」と言われる。
そのまま、家に帰ろうとしたとき、、、
「光(ひかる)、危ない!」
え?
目の前には、大きなトラック。
嘘。ちょっと待って。これってまさか、死ぬ。
「う、、、うそ、、、」
目が覚めたのは、病院。ベッドの上の鏡が目に入る。そこには、
右目の緑の目が、真っ赤に染まっていた。
いつのまにカラコンとれたんだろ。
これじゃあ、カラコンでも隠せないよ。色濃すぎ。
僕は、引きこもりになった。
外に出るのは、真夜中。今更だけど、もしかしたら僕にとってこっちの生活の方が合っていたのかもしれない。
人に気を使わなくて済むし、外の空気は涼しいし。
170センチもない、身長のくせLLサイズのぶっかぶかの服きて、適当に髪をまとめて財布とスマホを手に持って家を出る。
そんな不規則な生活が続き、高校は夜間制に変えた。
今日は、学校休みだ。
いつも通り、財布とスマホを持って、家を出る。
繁華街に入ろうとしたとき、体が引っ張られた。
「っ!」
人影がなんにもない、離れた場所に連れていかれ、壁に体を押し付けられた。
「いった、、。」
誰かと思って見上げると、見覚えのある二人の姿があった。
幼馴染の双子。仁月(につき)と千晶(ちあき)
おそらく僕より二人とも10センチ以上高い。
「な、、なに、」
少し怖くて、そう声を出した。
「ひかり。なんでこんな時間に外でてんの。」
「あと、ひかりって名前、ひかるだったっけ。昼間見た時目も黒かったし。」
それを聞いて、思わず目を隠そうとした。けど、仁月に腕をおさえられて隠せない。
「や、、、やめて!見ないで!!」
夜にも構わず大声で叫んだ。
こいつらには見られたくない。こんな目。
『なに、その目。』『気持ち悪い。』
昔、吐かれたあの言葉。
思い出すだけで涙がこぼれる。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
もう、あんなこと、
「ごめん。」
そう言って、僕を抱きしめてきた。二人分の体重がかかってきて、思わず足がよろける。
「俺、ひかりの目、好き。今も昔も。」
「嘘つくな、、、」
あえて否定せずに、抱きしめてくる力が強くなった。
そうだ、僕はひかり。
女の子みたいな名前が嫌で、わざと似ている「ひかる」って名前にしたんだ。
思い出した
自分の本名忘れてたとかヤバいね。
壁におさえつけられるようにして、正直潰されそうだった。
苦しくて唸っていると、千晶が僕の顎をもって顔を近づけてきた。
「泣いている顔も、ひかりは可愛いね。」
嬉しそうに呟いてきた。
背中がぞくっとしたのは、きっと気のせいじゃない。 凜々花さん(愛知・14さい)からの相談
とうこう日:2024年2月21日みんなの答え:3件
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すご… 最後の文見た感じ、主人公、女の子?なのかな?(間違ってたらごめんなさい)オッドアイの子にも、辛さってあるんだなー。
めっちゃ凝ってる話だった! memeさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年6月20日 -
なんて言ったらわからんけど尊い こんにちは!この小説めちゃくちゃいいですね!
適度に改行されてて見やすいし、長さもちょうど良くて読みやすいです。しかも内容が私の好みにぴったりで、昼間から楽しい気分になれました♪最後のシーンが最高すぎます……。
題名覚えて好きな時にまた読み返させてもらいます。
この小説を投稿してくれて、本当にありがとうございます!
(上から目線になってたり、すごい胡散臭くなってたらごめんなさい。そんなつもりは一切ないです) るりきちさん(選択なし・14さい)からの答え
とうこう日:2024年4月29日 -
めっちゃいい話! どうも!ちーやんです!
最後の双子とってもよかった!
抱きしめるってまじで尊い!
友情なのかな?尊いねぇ ちーやんさん(三重・11さい)からの答え
とうこう日:2024年4月27日
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