美しき罪 (字数足りず最後変ですт т)
私は、誰の大切な人でもない。
彼氏に浮気されて逃げられ、仕事に行けば上司に「出来ない奴だ」と罵られ、友達もいない。
生きている意味を見いだせなかった。
もう楽になろう。そんな思いで海へ出向いた。
白い砂浜に青い海。とても澄んでいる。
ここに身を投げ出せば、私自身も綺麗に澄んでくれるような気がした。
ふと後ろを見ると、夏に似合わない厚着をした男性が倒れていた。
腕からは血が流れており、息はあるがぐったりしている。
「だ、大丈夫ですか!?わかりますか!?」救急車を呼ぼうとした時、彼がそれを阻んだ。
「……やめてください。救急車は呼ばな、いで」「ど、どうしてですか」
「病院になんて…とても行けません。お願いしますどうか、放って置いて」
そういう彼は、もう虫の息だ。彼女は迷った末、医者をやっている叔父に今すぐ来てくれと連絡し、彼を車で家へ運び込んだ。
直ぐに叔父が到着し、彼を診てくれた。
疲労が限界に達して意識を失い、その時車にでも引かれてしまったんだろう、という事だった。すぐ目をさますと言われ、ほっと胸を撫で下ろした。
意識が戻った彼に風呂を貸した。彼の服を用意するため、リビングにある元彼が使っていたクローゼットを見ていた。するとつけていたテレビからこんなニュースが流れてきた。
「昨晩から行方不明の寺島ここなちゃんが、昨日怪しい男に連れ去られていたことが分かりました。その男は近所に住んでおり、未だ居場所がつかめていない様子です。警察は男を指名手配して行方を追っています」
テレビに映し出された犯人の顔は、今風呂に入っている彼そのものだった。
風呂から出てきた彼に話を聞くと、寺島ここなちゃんは虐待を受けていた。夜公園に行くと、寺島ここなちゃんが一人で遊んでいて、聞くとお母さんは男の人を連れてきて、家から追い出されちゃったと言った。小さい頃自分も虐待されたことのある彼は我慢ならず、彼女を連れ去り、身元不明のまま児童相談所へ預けた、と。
私は衝撃を受けた。人の為にここまでできる人間がいたなんて。私は彼を匿うことに決めた。
事件から数ヶ月がたった。警察はまだ彼を見つけきれておらず、私たちは平凡に、楽しく暮らしていた。一緒に暮らすうちにお互いがお互いを好きになっていき、結婚の話までしていた。
彼の笑顔がとても好きだった。優しくて可愛らしい。そんな彼がとても好きだった。
そんなある日、彼が外出先からひどい面持ちで帰ってきた。
「どうしたの」と言い切る前に、彼は私の首を絞めた。
「なっ!?」
「…騙されたな。馬鹿な女め。お前なんかに情がわくかよ。しんじまいな!!」
グッと力が入り、声が出ない。その時だった。
バンっとドアが開き、大勢の人が入ってきた。
「警察だ!!手を上げろ!!」
彼に向かって拳銃を構えていた。
「ちっ、くそが!!」
彼は近くにあったほうきを手に取り、警察目掛けて振り回した。
しかしそんな抵抗も虚しく、彼は捕まってしまった。
彼の腕に手錠がかかり、連れていかれる。家を出る間際、彼は優しいいつもの笑顔で微笑んでいるような気がした。
私は警察署へ連れていかれ、彼に家を乗っ取られていた、ということで事情聴取を受けた。
「あなたは、犯人に家に勝手に押し入られ、監禁されていたということですね」
「……ちがいます。私が彼を匿っていたんです」
私がそう言うと、警察は少し話して私に向き直った。
「犯人が自ら言っているんです。あなたに結婚しようと嘘をついて、家にずっといたと。あなたが勘違いするのも無理はありません」
「…そんな……!?」
私はショックだった。ずっと信じていたのに。
家に返されたあともずっと泣いていた。また騙された。また裏切られてしまったんだ。
しかし、ある考えが頭をよぎった。捕まったあの日、彼の態度は一変した。彼が私の首を絞めている、そんな都合のいい時に警察が押し入ってくるのか?というかなぜ警察にここが分かったのか。今まで音沙汰なかったのに…
これじゃまるで……!!
私はいてもたっても居られなくなり、すぐ家を出て刑務所へ向かった。
面会室で落ち着きなく待っていると、彼が入ってきた。私を見ると、すぐに部屋から出ていこうとした
「待って!!!」
とてつもない大声で彼をとめた。
「とりあえず、座っていただけますか」
少し迷ったあと、ゆっくりと椅子に座った。
「お久しぶりです。元気にしていましたか」
「……何の用です?」彼は目を合わせなかった。
「…間違っていたらごめんなさい。あなたがあの日、私の首を絞めたのは…。突入してくる警察に、自分だけが悪者見せつけるためですよね?私が匿っていたことを隠すために」
彼は目を見開いた。そして泣き出した。
「ずっと待ってますから。出てきたら、結婚しましょう。そしてあの家で…2人でずっと暮らしましょう…」
おいもですさん(福岡・15さい)からの相談
とうこう日:2024年4月19日みんなの答え:4件
彼氏に浮気されて逃げられ、仕事に行けば上司に「出来ない奴だ」と罵られ、友達もいない。
生きている意味を見いだせなかった。
もう楽になろう。そんな思いで海へ出向いた。
白い砂浜に青い海。とても澄んでいる。
ここに身を投げ出せば、私自身も綺麗に澄んでくれるような気がした。
ふと後ろを見ると、夏に似合わない厚着をした男性が倒れていた。
腕からは血が流れており、息はあるがぐったりしている。
「だ、大丈夫ですか!?わかりますか!?」救急車を呼ぼうとした時、彼がそれを阻んだ。
「……やめてください。救急車は呼ばな、いで」「ど、どうしてですか」
「病院になんて…とても行けません。お願いしますどうか、放って置いて」
そういう彼は、もう虫の息だ。彼女は迷った末、医者をやっている叔父に今すぐ来てくれと連絡し、彼を車で家へ運び込んだ。
直ぐに叔父が到着し、彼を診てくれた。
疲労が限界に達して意識を失い、その時車にでも引かれてしまったんだろう、という事だった。すぐ目をさますと言われ、ほっと胸を撫で下ろした。
意識が戻った彼に風呂を貸した。彼の服を用意するため、リビングにある元彼が使っていたクローゼットを見ていた。するとつけていたテレビからこんなニュースが流れてきた。
「昨晩から行方不明の寺島ここなちゃんが、昨日怪しい男に連れ去られていたことが分かりました。その男は近所に住んでおり、未だ居場所がつかめていない様子です。警察は男を指名手配して行方を追っています」
テレビに映し出された犯人の顔は、今風呂に入っている彼そのものだった。
風呂から出てきた彼に話を聞くと、寺島ここなちゃんは虐待を受けていた。夜公園に行くと、寺島ここなちゃんが一人で遊んでいて、聞くとお母さんは男の人を連れてきて、家から追い出されちゃったと言った。小さい頃自分も虐待されたことのある彼は我慢ならず、彼女を連れ去り、身元不明のまま児童相談所へ預けた、と。
私は衝撃を受けた。人の為にここまでできる人間がいたなんて。私は彼を匿うことに決めた。
事件から数ヶ月がたった。警察はまだ彼を見つけきれておらず、私たちは平凡に、楽しく暮らしていた。一緒に暮らすうちにお互いがお互いを好きになっていき、結婚の話までしていた。
彼の笑顔がとても好きだった。優しくて可愛らしい。そんな彼がとても好きだった。
そんなある日、彼が外出先からひどい面持ちで帰ってきた。
「どうしたの」と言い切る前に、彼は私の首を絞めた。
「なっ!?」
「…騙されたな。馬鹿な女め。お前なんかに情がわくかよ。しんじまいな!!」
グッと力が入り、声が出ない。その時だった。
バンっとドアが開き、大勢の人が入ってきた。
「警察だ!!手を上げろ!!」
彼に向かって拳銃を構えていた。
「ちっ、くそが!!」
彼は近くにあったほうきを手に取り、警察目掛けて振り回した。
しかしそんな抵抗も虚しく、彼は捕まってしまった。
彼の腕に手錠がかかり、連れていかれる。家を出る間際、彼は優しいいつもの笑顔で微笑んでいるような気がした。
私は警察署へ連れていかれ、彼に家を乗っ取られていた、ということで事情聴取を受けた。
「あなたは、犯人に家に勝手に押し入られ、監禁されていたということですね」
「……ちがいます。私が彼を匿っていたんです」
私がそう言うと、警察は少し話して私に向き直った。
「犯人が自ら言っているんです。あなたに結婚しようと嘘をついて、家にずっといたと。あなたが勘違いするのも無理はありません」
「…そんな……!?」
私はショックだった。ずっと信じていたのに。
家に返されたあともずっと泣いていた。また騙された。また裏切られてしまったんだ。
しかし、ある考えが頭をよぎった。捕まったあの日、彼の態度は一変した。彼が私の首を絞めている、そんな都合のいい時に警察が押し入ってくるのか?というかなぜ警察にここが分かったのか。今まで音沙汰なかったのに…
これじゃまるで……!!
私はいてもたっても居られなくなり、すぐ家を出て刑務所へ向かった。
面会室で落ち着きなく待っていると、彼が入ってきた。私を見ると、すぐに部屋から出ていこうとした
「待って!!!」
とてつもない大声で彼をとめた。
「とりあえず、座っていただけますか」
少し迷ったあと、ゆっくりと椅子に座った。
「お久しぶりです。元気にしていましたか」
「……何の用です?」彼は目を合わせなかった。
「…間違っていたらごめんなさい。あなたがあの日、私の首を絞めたのは…。突入してくる警察に、自分だけが悪者見せつけるためですよね?私が匿っていたことを隠すために」
彼は目を見開いた。そして泣き出した。
「ずっと待ってますから。出てきたら、結婚しましょう。そしてあの家で…2人でずっと暮らしましょう…」
おいもですさん(福岡・15さい)からの相談
とうこう日:2024年4月19日みんなの答え:4件
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うわぁーー! こんにちは!みゅーたんでーす!
〈本題〉
え、めっちゃいい話!彼が最初から最後まで優しすぎた! みゅーたんさん(長野・13さい)からの答え
とうこう日:2024年7月16日 -
かか感動!! どうも。ふわりんです。感動しました。こうゆうのまた作ってください。 ふわりんさん(東京・9さい)からの答え
とうこう日:2024年7月12日 -
いい話!( ´∀` ) こんちくわんこそば!
ども!ぼたんです!
ほんだぁいへGO〜!
いい話すぎる〜〜!
やっばっいっ
感動したよぉぉ
またおいもですさんの小説読みたい!
またキズなんで!
ばいちゃぁぁ( ´Д`)ノ ぼたんさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年7月12日 -
いい話 やっほー♪
まゆだよ!
か、かんどう…。
いい話…。
すごい、上手。 まゆさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2024年7月12日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 回答には相談に対する回答内容を投稿してください。過度に自己紹介等が書かれている場合は、スタッフにて削除・非公開対応を行わせていただきます。
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