僕の帰る場所は...
「おーい、起きてよ。ねえ起きてってば!」
うるさい。なんだこんな時間に。
仕方なく僕は目を開けた。が、そこに広がっていたのは
僕の家ではない、別の空間だった。
「は?え、ど、どうなってんだ?俺昨日まで家に...」
一面鏡のような地面で空には宇宙のような空間が広がっている。
現実とはあまりにもかけ離れた空間だった。
「おほん、いい加減話していいかな?」
振り返るとそこには白いワンピースを着た中学生くらいの女の子がいた。
「え?お前誰だよ?てかここはどこだよ!なんで俺がここにいるんだよ!」
「あーうるさい!質問ばっかりするな。順番に説明するから黙って聞け!渡辺宙」
さらに困惑した。なんで俺の名前まで知ってるんだ。
だが、このままだと帰れなさそうなので話を聞くことにした。
「ここは、生と死の狭間。私はその狭間の管理人ミライだ」
「君、『渡辺宙くん』は、今日狭間にくるだろうと創造神様から聞いていたからね。
君がここにくるのを待っていたんだ。」
信じられないような内容だった。生と死の狭間の空間なんてあったのか。
いや、問題はそれじゃない。生と死の狭間に俺が呼び出された。
つまり、ここに来る前の俺は死んだ、もしくは死ぬ寸前といったところだろう。
「なんで、俺はここに来ることになったんだ?俺は昨日まで普通に生活してたじゃないか。」
震える声で質問した。多分とても情けなく聞こえただろう。
「『普通に生活してた』だと?君それ本気で言ってるの?」
意味が分からなかった。普通に生活して寝て起きたらここだぞ?どこが異常なんだ。
「だって俺は!....」
「覚えてないなら思い出させてあげるよ。宙くん。」
そういい、ミライは手を一振りした。
すると地面が光り始めてスクリーンみたいになった。
鏡のような地面に映し出されたのは僕の学校だった。
そこには普通に学校生活をし...いや、学校でいじめられている僕が写っていた。
唖然としてると次に映ったのは僕の家。
泣きそうな顔でお母さんに訴えている僕だ。
「ねえ!信じてよ!学校に行きたくないよ...」
「宙の言う"いじめ"も子供同士のいじり合いみたいなもんでしょ。そんなことで休むとか言わないで!」
信じたくないような光景が次々と流れていく。
「は、はは。そうか、そうだった。全部思い出したよ。」
いつのまにか目からは涙が出ていた。
そうだ、僕は学校でいじめられていた。親に話しても信じてもらえず、
心身ともに疲弊し自ら....
「思い出せたか...君はそうしてここ、『生と死の狭間』に来たんだよ。」
「なんで...なんで思い出させたんだよ!こんなこと思い出させても何にも得はしないじゃないか...」
もう、無茶苦茶だった。抑えきれない感情が爆発してしまった。
絶望だった。早くこんな空間から抜け出し帰りたいと思ってた場所が帰る場所じゃなかった。
現実世界に帰っても地獄しか広がってなかった。
「思い出させないといけなかったんだよ。今、君はこれを思い出し、生きたくないと思っただろう。」
「しかし、思い出させなかったら帰りたいといい、今見せたような光景に逆戻り。
さらに心身は疲弊することになるだろう。」
確かにそうだった。あんなとこに戻るくらいなら死んだほうがいいと思った。
「私たちも人間で言うところの『人の心』というのはあるのでな。
苦しんでる人を助けるのも生と死の狭間の役目の一つだ。」
「さあ、決断だ。生きるか、死ぬか。選びたまえ、渡辺宙くん」
そう言われ、手を伸ばし、出された2つのボタンのうち1つを押す。
迷いはなかった。後悔もなかった。早く終わらせたかった。
「そちらを選んだか。渡辺宙くん、君が幸せになれることを祈ってるよ。」
そう言うと、ミライは消えた。
僕は地面に仰向けに寝転がった。僕にも急な眠気と倦怠感が襲ってくる。
失うものはもうない。後悔もない。
僕は、ただ幻想的な宇宙のような空を眺めながらゆっくりと目を閉じた。 冬兎さん(愛知・14さい)からの相談
とうこう日:2024年5月21日みんなの答え:0件
うるさい。なんだこんな時間に。
仕方なく僕は目を開けた。が、そこに広がっていたのは
僕の家ではない、別の空間だった。
「は?え、ど、どうなってんだ?俺昨日まで家に...」
一面鏡のような地面で空には宇宙のような空間が広がっている。
現実とはあまりにもかけ離れた空間だった。
「おほん、いい加減話していいかな?」
振り返るとそこには白いワンピースを着た中学生くらいの女の子がいた。
「え?お前誰だよ?てかここはどこだよ!なんで俺がここにいるんだよ!」
「あーうるさい!質問ばっかりするな。順番に説明するから黙って聞け!渡辺宙」
さらに困惑した。なんで俺の名前まで知ってるんだ。
だが、このままだと帰れなさそうなので話を聞くことにした。
「ここは、生と死の狭間。私はその狭間の管理人ミライだ」
「君、『渡辺宙くん』は、今日狭間にくるだろうと創造神様から聞いていたからね。
君がここにくるのを待っていたんだ。」
信じられないような内容だった。生と死の狭間の空間なんてあったのか。
いや、問題はそれじゃない。生と死の狭間に俺が呼び出された。
つまり、ここに来る前の俺は死んだ、もしくは死ぬ寸前といったところだろう。
「なんで、俺はここに来ることになったんだ?俺は昨日まで普通に生活してたじゃないか。」
震える声で質問した。多分とても情けなく聞こえただろう。
「『普通に生活してた』だと?君それ本気で言ってるの?」
意味が分からなかった。普通に生活して寝て起きたらここだぞ?どこが異常なんだ。
「だって俺は!....」
「覚えてないなら思い出させてあげるよ。宙くん。」
そういい、ミライは手を一振りした。
すると地面が光り始めてスクリーンみたいになった。
鏡のような地面に映し出されたのは僕の学校だった。
そこには普通に学校生活をし...いや、学校でいじめられている僕が写っていた。
唖然としてると次に映ったのは僕の家。
泣きそうな顔でお母さんに訴えている僕だ。
「ねえ!信じてよ!学校に行きたくないよ...」
「宙の言う"いじめ"も子供同士のいじり合いみたいなもんでしょ。そんなことで休むとか言わないで!」
信じたくないような光景が次々と流れていく。
「は、はは。そうか、そうだった。全部思い出したよ。」
いつのまにか目からは涙が出ていた。
そうだ、僕は学校でいじめられていた。親に話しても信じてもらえず、
心身ともに疲弊し自ら....
「思い出せたか...君はそうしてここ、『生と死の狭間』に来たんだよ。」
「なんで...なんで思い出させたんだよ!こんなこと思い出させても何にも得はしないじゃないか...」
もう、無茶苦茶だった。抑えきれない感情が爆発してしまった。
絶望だった。早くこんな空間から抜け出し帰りたいと思ってた場所が帰る場所じゃなかった。
現実世界に帰っても地獄しか広がってなかった。
「思い出させないといけなかったんだよ。今、君はこれを思い出し、生きたくないと思っただろう。」
「しかし、思い出させなかったら帰りたいといい、今見せたような光景に逆戻り。
さらに心身は疲弊することになるだろう。」
確かにそうだった。あんなとこに戻るくらいなら死んだほうがいいと思った。
「私たちも人間で言うところの『人の心』というのはあるのでな。
苦しんでる人を助けるのも生と死の狭間の役目の一つだ。」
「さあ、決断だ。生きるか、死ぬか。選びたまえ、渡辺宙くん」
そう言われ、手を伸ばし、出された2つのボタンのうち1つを押す。
迷いはなかった。後悔もなかった。早く終わらせたかった。
「そちらを選んだか。渡辺宙くん、君が幸せになれることを祈ってるよ。」
そう言うと、ミライは消えた。
僕は地面に仰向けに寝転がった。僕にも急な眠気と倦怠感が襲ってくる。
失うものはもうない。後悔もない。
僕は、ただ幻想的な宇宙のような空を眺めながらゆっくりと目を閉じた。 冬兎さん(愛知・14さい)からの相談
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