「おかあさん」
私は由梨。
数年前に、子供を産んだ次の日に事故に遭い死んだ。ひき逃げ事故で、犯人はまだ捕まっていないそうだ。
ある日、私の子供...恵梨香のいとこの母親の、沙耶という人に、魂だけが乗り移った。
(沙耶さん...聞いたことはあるけど、どんな人なんだ?会ったことないし...そもそも、沙耶さんの魂、意識はどこに...)
悶々と考え込んでいると、多分...沙耶さんの子供の男の子が話しかけてきた。
「ねぇママ、明日出かけるんだよね?ぼく、いい子におるすばんできるからね!」
「う、うん...よろしくね」
「うん!」
困った。明日、何かあるのか?沙耶さんのものらしき手帳を開き、明日の予定を確認すると、「親戚で集まる」と赤字で書いてあった。
...親戚?という事は、恵梨香...あの子にも会えるのか?私があの子を産んでそろそろ、五年か...早いな、もう五歳なのか。
そう思っていると、その男の子がまた話しかけてくる。恵梨香と同い年くらいかな?
「ねぇママ、おなかすいた...今日はハンバーグだったよね!ごはんつくって!」
「うん。いっぱい作ってあげるからね!」
「わーい!」
ハンバーグの種をこねている間も、明日成長した娘に会える事に対する期待と不安が、脳内をぐるぐると回っていた。
翌日。手帳には幸い、行くべき家や住所、最寄り駅も書いてあったため、早めに着くことができた。沙耶さんは、几帳面な性格だったのかな。
スマホを見ながら、適当に立っていると、右の方から女の子と、見慣れた男性が歩いてきた。
その見慣れた男性というのは、私の夫だ。変わってないな。
「あ、恵梨香ちゃん!こんにちは」
「沙耶おねえちゃん!こんにちは!」
恵梨香...元気に成長したな。とっても可愛い。
「あ、雪ノ井さん...ご無沙汰しております」
「こちらこそ」
ふふっ。こういうとこ、ほんと変わってないな。こういう、人見知りな所。
「そういえば、今年のお年玉、まだあげてなかったよね。はい、どうぞ」
「わあ...!ありがとう!大切につかうね!」
「あ、それとも、ぬいぐるみとか、可愛いネックレスとかのアクセサリーとかの方が良かった?ごめんね、ただの現金で...」
「ネックレス...?大丈夫だよ!わたし、持ってるもん!」
そう言って恵梨香が差し出したのは、いかにもロケットのような形をしたネックレスだった。...この五年間の間、動物でも飼ってたのかな?
「それって...ロケット?誰の骨が...」
「...これはね、おかあさん、死んじゃったから...その骨。このロケットをかけてると、おかあさんといっしょにいるみたいで、うれしいんだ」
私の骨?というか...私のことも覚えてくれてたんだ。
「...お母さんのこと、今も好き?」
「え?」
「あ、ごめん...変な質問しちゃって。」
「もちろん大好きだよ!だって、わたしをこんなに楽しい場所に産んでくれた、ただ一人の、たいせつな「おかあさん」だもん!」
「...!!」
その瞬間、私の目からは涙が零れそうになった。もちろん沙耶さんの体で、今は沙耶さんのていなんだから、その場で泣きはしなかったけど。
「そっか...その言葉、きっとお母さんが聞いたら喜ぶよ」
「ほんと?やったー!」
冥土の土産...っていう感じじゃないけど、いいこと、聞けたな。さ、魂は天国に返して、これからも楽しく過ごしていこうかな!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆あとがき。
読んでいただきありがとうございます!
楽しんでくれたら、超短文でも感想くれると投稿人は超喜びます!
では、また! ゆきさん(埼玉・12さい)からの相談
とうこう日:2024年6月3日みんなの答え:1件
数年前に、子供を産んだ次の日に事故に遭い死んだ。ひき逃げ事故で、犯人はまだ捕まっていないそうだ。
ある日、私の子供...恵梨香のいとこの母親の、沙耶という人に、魂だけが乗り移った。
(沙耶さん...聞いたことはあるけど、どんな人なんだ?会ったことないし...そもそも、沙耶さんの魂、意識はどこに...)
悶々と考え込んでいると、多分...沙耶さんの子供の男の子が話しかけてきた。
「ねぇママ、明日出かけるんだよね?ぼく、いい子におるすばんできるからね!」
「う、うん...よろしくね」
「うん!」
困った。明日、何かあるのか?沙耶さんのものらしき手帳を開き、明日の予定を確認すると、「親戚で集まる」と赤字で書いてあった。
...親戚?という事は、恵梨香...あの子にも会えるのか?私があの子を産んでそろそろ、五年か...早いな、もう五歳なのか。
そう思っていると、その男の子がまた話しかけてくる。恵梨香と同い年くらいかな?
「ねぇママ、おなかすいた...今日はハンバーグだったよね!ごはんつくって!」
「うん。いっぱい作ってあげるからね!」
「わーい!」
ハンバーグの種をこねている間も、明日成長した娘に会える事に対する期待と不安が、脳内をぐるぐると回っていた。
翌日。手帳には幸い、行くべき家や住所、最寄り駅も書いてあったため、早めに着くことができた。沙耶さんは、几帳面な性格だったのかな。
スマホを見ながら、適当に立っていると、右の方から女の子と、見慣れた男性が歩いてきた。
その見慣れた男性というのは、私の夫だ。変わってないな。
「あ、恵梨香ちゃん!こんにちは」
「沙耶おねえちゃん!こんにちは!」
恵梨香...元気に成長したな。とっても可愛い。
「あ、雪ノ井さん...ご無沙汰しております」
「こちらこそ」
ふふっ。こういうとこ、ほんと変わってないな。こういう、人見知りな所。
「そういえば、今年のお年玉、まだあげてなかったよね。はい、どうぞ」
「わあ...!ありがとう!大切につかうね!」
「あ、それとも、ぬいぐるみとか、可愛いネックレスとかのアクセサリーとかの方が良かった?ごめんね、ただの現金で...」
「ネックレス...?大丈夫だよ!わたし、持ってるもん!」
そう言って恵梨香が差し出したのは、いかにもロケットのような形をしたネックレスだった。...この五年間の間、動物でも飼ってたのかな?
「それって...ロケット?誰の骨が...」
「...これはね、おかあさん、死んじゃったから...その骨。このロケットをかけてると、おかあさんといっしょにいるみたいで、うれしいんだ」
私の骨?というか...私のことも覚えてくれてたんだ。
「...お母さんのこと、今も好き?」
「え?」
「あ、ごめん...変な質問しちゃって。」
「もちろん大好きだよ!だって、わたしをこんなに楽しい場所に産んでくれた、ただ一人の、たいせつな「おかあさん」だもん!」
「...!!」
その瞬間、私の目からは涙が零れそうになった。もちろん沙耶さんの体で、今は沙耶さんのていなんだから、その場で泣きはしなかったけど。
「そっか...その言葉、きっとお母さんが聞いたら喜ぶよ」
「ほんと?やったー!」
冥土の土産...っていう感じじゃないけど、いいこと、聞けたな。さ、魂は天国に返して、これからも楽しく過ごしていこうかな!
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☆あとがき。
読んでいただきありがとうございます!
楽しんでくれたら、超短文でも感想くれると投稿人は超喜びます!
では、また! ゆきさん(埼玉・12さい)からの相談
とうこう日:2024年6月3日みんなの答え:1件
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えめちゃいい話やん はろー(●’∇’)♪すみーなのです。
ためで行くね〜。めちゃいい話やん!恵梨香ちゃん良いこに育って良かったね!由梨お母さんもおっきくなった恵梨香ちゃんに会えて良い言葉聞けて良かったね!ばぁい すみー#小4女子さん(神奈川・9さい)からの答え
とうこう日:2024年9月6日
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