おじいちゃんとわたしの一か月
わたしのおじいちゃんは病気だ。
もうずっと前からかかっていて、入院生活を繰り返している。
お見舞いに行くとき、おじいちゃんはいつも明るくふるまっているけれど、本当は怖いんだろうなと思う。
つい最近、おじいちゃんの余命はたった一か月だと知った。
そのことは、わたしたち家族にはもちろん、おじいちゃんの耳にも入っていた。
〇〇〇
「おじいちゃん、来たよ」
「…ああ、今日も来てくれたんだね。ありがとう」
力なく笑ったおじいちゃんは、やっぱり元気がないように見えた。
当たり前か。もう、余命は一か月しかないから、怖いよね。不安だよね。
わたしは窓の近くに置いてあった花瓶を手に取り、水を変え、再び元の位置に戻した。
ちらりとおじいちゃんを見やると、おじいちゃんは、ぼーっと外を眺めていた。
その瞳はぼんやりとしていて、なにを考えているかは全く分からない。
余命一カ月。
その言葉が、何度も、何度も、頭をよぎる。
思わず、おじいちゃんともう会えないと想像してしまって―胸がぎゅっと締め付けられた。
大丈夫。おじいちゃんは強いから、絶対、生きていられる。
わたしは、そう信じた。
とある日の夜だった。
夜中に、部屋のドアが開いた。寝ていたわたしは、思わず目が覚めた。
「おじいちゃんの容態が急変したって…!病院、行くよ!」
「……っ!」
わたしは布団をはねのけ、着替えも忘れて、部屋を飛び出した。
〇〇〇
病院につくと、おじいちゃんがタンカで運ばれているのが見えた。
わたしは誰よりも先に、おじいちゃんに駆け寄った。
息苦しそうにしているおじいちゃん。
もう、おじいちゃんは長くは生きていられない。そう直感した。
ぶわっと、涙と感情があふれた。
「おじいちゃん!まだ死んじゃダメだよ!わたし、まだ、おじいちゃんに言いたいこと、言ってないし、これからおじいちゃんとしたいことだって、たくさんあるんだから!」
涙が頬をつたって、おじいちゃんの頬を濡らす
すると、おじいちゃんは、うっすらと目を開けた。
「あ……可愛い孫よ」
「!おじいちゃんっ…」
おじいちゃんは、口をぱくぱくとさせた。
「なに?聞こえないっ…」
すると、おじいちゃんは、細くて震える腕を動かし、一通の手紙と、紫色の花をわたしに差し出した。
そして、わたしに向かって、きっと、精一杯の、笑顔をつくった。
「………っ!」
―おじいちゃんは、二度と、帰らぬ人となってしまった。
わたしは泣いた。
床にうずくまり、泣きじゃくった。
医者も看護師も、もちろん両親も、わたしを見て、切ない顔をしていた。涙ぐむ看護師もいた。
わたしの泣き声が、廊下に響いた。
〇〇〇
翌日。
お葬式を終えたあと、わたしはおじいちゃんからもらった手紙とお花を思い出した。
あのお花は、バーデンベルギアという花らしい。お父さんが教えてくれた。
忙しくて、手紙を読んでいなかった。
いそいそと封筒を開け、手紙を読む。
便箋には、おじいちゃんの文字があった。そして、震える文字がびっしりと並べられていた。
『可愛い孫へ
もうおじいちゃんは長くは生きられません。なので、今、おじいちゃんがあなたに言いたいことを伝えます。
つい最近までは0歳の感覚だったのに、もう今では高校生。大きくなったね。成長したね。
願いを言えば、結婚式を見たかったです。でも、今の体では、もう見ることはできないでしょう。
立派な大人になって、おばあちゃんになるまで生きて、また、再会しようね。
最後になったけれど、お誕生日おめでとう。お空から見守っているね』
手紙を読み終えたわたしの目には、大粒の涙がたまっていた。
「おじいちゃんっ…!」
わたしは手紙を胸に抱き、泣いた。
わたしの誕生日は、ずっと先だ。
おじいちゃんは、もう、自分の寿命が尽きることを知っていたのかもしれない。
●あとがき●
こんにちは、情報屋です!
バーデンバルギアというお花、皆さんは知っていますか?
ぜひ、調べてみてください。花言葉と一緒に!
ちなみに、花言葉は、「あなたに出会えてよかった」です。 情報屋←永遠の服部くん推しさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2024年6月6日みんなの答え:11件
もうずっと前からかかっていて、入院生活を繰り返している。
お見舞いに行くとき、おじいちゃんはいつも明るくふるまっているけれど、本当は怖いんだろうなと思う。
つい最近、おじいちゃんの余命はたった一か月だと知った。
そのことは、わたしたち家族にはもちろん、おじいちゃんの耳にも入っていた。
〇〇〇
「おじいちゃん、来たよ」
「…ああ、今日も来てくれたんだね。ありがとう」
力なく笑ったおじいちゃんは、やっぱり元気がないように見えた。
当たり前か。もう、余命は一か月しかないから、怖いよね。不安だよね。
わたしは窓の近くに置いてあった花瓶を手に取り、水を変え、再び元の位置に戻した。
ちらりとおじいちゃんを見やると、おじいちゃんは、ぼーっと外を眺めていた。
その瞳はぼんやりとしていて、なにを考えているかは全く分からない。
余命一カ月。
その言葉が、何度も、何度も、頭をよぎる。
思わず、おじいちゃんともう会えないと想像してしまって―胸がぎゅっと締め付けられた。
大丈夫。おじいちゃんは強いから、絶対、生きていられる。
わたしは、そう信じた。
とある日の夜だった。
夜中に、部屋のドアが開いた。寝ていたわたしは、思わず目が覚めた。
「おじいちゃんの容態が急変したって…!病院、行くよ!」
「……っ!」
わたしは布団をはねのけ、着替えも忘れて、部屋を飛び出した。
〇〇〇
病院につくと、おじいちゃんがタンカで運ばれているのが見えた。
わたしは誰よりも先に、おじいちゃんに駆け寄った。
息苦しそうにしているおじいちゃん。
もう、おじいちゃんは長くは生きていられない。そう直感した。
ぶわっと、涙と感情があふれた。
「おじいちゃん!まだ死んじゃダメだよ!わたし、まだ、おじいちゃんに言いたいこと、言ってないし、これからおじいちゃんとしたいことだって、たくさんあるんだから!」
涙が頬をつたって、おじいちゃんの頬を濡らす
すると、おじいちゃんは、うっすらと目を開けた。
「あ……可愛い孫よ」
「!おじいちゃんっ…」
おじいちゃんは、口をぱくぱくとさせた。
「なに?聞こえないっ…」
すると、おじいちゃんは、細くて震える腕を動かし、一通の手紙と、紫色の花をわたしに差し出した。
そして、わたしに向かって、きっと、精一杯の、笑顔をつくった。
「………っ!」
―おじいちゃんは、二度と、帰らぬ人となってしまった。
わたしは泣いた。
床にうずくまり、泣きじゃくった。
医者も看護師も、もちろん両親も、わたしを見て、切ない顔をしていた。涙ぐむ看護師もいた。
わたしの泣き声が、廊下に響いた。
〇〇〇
翌日。
お葬式を終えたあと、わたしはおじいちゃんからもらった手紙とお花を思い出した。
あのお花は、バーデンベルギアという花らしい。お父さんが教えてくれた。
忙しくて、手紙を読んでいなかった。
いそいそと封筒を開け、手紙を読む。
便箋には、おじいちゃんの文字があった。そして、震える文字がびっしりと並べられていた。
『可愛い孫へ
もうおじいちゃんは長くは生きられません。なので、今、おじいちゃんがあなたに言いたいことを伝えます。
つい最近までは0歳の感覚だったのに、もう今では高校生。大きくなったね。成長したね。
願いを言えば、結婚式を見たかったです。でも、今の体では、もう見ることはできないでしょう。
立派な大人になって、おばあちゃんになるまで生きて、また、再会しようね。
最後になったけれど、お誕生日おめでとう。お空から見守っているね』
手紙を読み終えたわたしの目には、大粒の涙がたまっていた。
「おじいちゃんっ…!」
わたしは手紙を胸に抱き、泣いた。
わたしの誕生日は、ずっと先だ。
おじいちゃんは、もう、自分の寿命が尽きることを知っていたのかもしれない。
●あとがき●
こんにちは、情報屋です!
バーデンバルギアというお花、皆さんは知っていますか?
ぜひ、調べてみてください。花言葉と一緒に!
ちなみに、花言葉は、「あなたに出会えてよかった」です。 情報屋←永遠の服部くん推しさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2024年6月6日みんなの答え:11件
11件中 11 〜 11件を表示
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泣きそう やっほー♪
まゆだよ!
泣きそうになった。
いい話。
感動した。
まゆさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2024年9月11日
11件中 11 〜 11件を表示

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