短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
ねこものがたり~誕生日プレゼント~
私、心弥刀(こころみと)。小学5年生。今、すごく悩んでるんだ。悩んでいる原因は超・大親友・真彩(まや)の誕生日プレゼント。候補はしぼれたけど…… ①塾用のシャーペン ②新しいプリクラ入れ ③メッセージカード(お誕生日カード) って感じ。やっぱりどれにするか決まらないから本人にきこうかな~。私はスマホを取り出した。 『誕生日プレゼント、この中でどれがいい?』 送信っと……。返信は1分足らずで来た。 『毎年気をつかわせてごめんね。その気持ちと超・大親友でいてくれるだけで、十分だよ(&感謝のスタンプ)』 ほんと……真彩って優しい。でも私がんこだから。 『その感謝を形にしてプレゼントをしたいの。遠慮しないで決めて』 また返信が。 『だからいいってば~(&汗マーク)』 『遠慮しないでよ…(&ムカつきマーク)』 『分かった分かった。リクエストじゃダメ?』 『ま、良いよ』 『んじゃあ……(&考えてるうさぎマーク)』 「ピンポコポン……ピンポコポン……」 スマホが鳴った。電話だ。 「はいもしもし……心です……」 『あ、真彩だよ!』 「普通にメールしてよ……」 『まあいいじゃん。私がほしい誕生日プレゼントは……』 「うんうん」 『もうちょっと遠慮がちで謙虚な気持ちの弥刀。つまりがんこな弥刀を直してほしいって事』 私は苦笑いした。
噂
「今日も寒いね-、由奈(ゆな)。」 「えっ、あぁ、そうだね。」 「由奈さぁ、最近暗くない?なんかあったの?」 「そう?別に何もないよ。心配してくれてありがと。」 なんて花梨(かりん)に言ったけど、今、私には大きな悩みがある。 それは、私の好きな人の麻人(あさと)くんと花梨が付き合っていると言う噂があること。 しかも花梨には、私が麻人くんのことが好きなことは話してある。 私が麻人くんと話せたときは、嬉しそうに「よかったじゃん!」と言ってくれた。 だけど、もしその言葉が嘘だったら? 麻人くんにタイプの女性を聞いてきてくれて、「由奈にぴったりだったよー!」と笑って言ってくれたけど、 もう麻人くんは私と付き合ってるんだよ。お前の恋は叶わない。って思っていたら? あの噂を聞いてから、花梨の笑顔と言葉が信じられなくなった。 今日はクリスマス。 花梨とクリスマスパーティーをする約束をしている。 少し憂鬱な気分で花梨の家に向かった。 ピーンポーン 「由奈!いらっしゃい!さぁ、入って!」 花梨が部屋のドアを開けた。 そこには、麻人くんがいた。 「えっ、麻人くん?」 麻人くんは顔を真っ赤にして、 「由奈ちゃんのこと…好きなんだ!」 「スッ好きぃ?」 驚きすぎて変な声を出してしまった。 「由奈!答えは?」 花梨がニヤニヤして言った。 「私も、好き…」 「イエーイ!由奈、麻人、おめでとー!」 花梨がテンション爆上げで言う。 「麻人に好きな人聞いたら、由奈だって言うからさぁ、クリパに誘ったんだぁ!」 「えっ、そうなの!」 私はどうして、花梨を疑ったりしたんだろう。 こんなに優しい友達を噂なんかで… ごめんね。花梨。これからは、どんなことがあっても、信じるよ。 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ クリスマスの日。 私の友達の恋が叶った。 嬉しかった。 自分は失恋しちゃったけど、いいんだ。 一番の友達と最愛の人。 この2人が幸せならば、私は満足だよ。
長崎被爆物語
これは75年前の話。私は菊乃当時私は7才。父、兄は兵隊にとられていて、弟を身ごもっていた母、祖母の3人暮らし。食料は不足していてつねに配給制。米は白米でなく、かぼちゃ大根などをまぜた玄米。生活は楽ではなかったがそれなりに幸せだった。しかし、その幸せは無残にこわされる日がきてしまった。1945年8月9日のこと・・・。ある日母は産気に気づき、弟を産むことに。「菊乃湯をわかしておくれ。」母に言われ、井戸に水をくみに行った。産婆さん(助産婦)もお見えになっていた。Γ産婆さん、こっちですよ。」「菊乃ちゃんもうすぐ弟ができるよ。」私はにこっと笑った。11畤2分の針をさしたとき・・・。ドカ一ンすさまじい音がした。ハッ我にかえると産婆さんは足に深い傷を負っていたがまだましだ。美しい浦上の町は死体にあふれていた。建物はこわれ、家は無残にはかいされ・・・。ひどい状態だった。「おじょうさん水をおくれ」おばあさんは全身にひどい傷を負っていた。井戸の水をくみ、おばあさんにわたした。「ありがとう。」一言いうと、おばあさんは死んでしまった。「菊乃ちゃんお母さんは?」「そうだ。お母さん・・・。」家に入るとお母さんは人とは思えないような死体に変わってしまっていた。Γお母さ・・ん・・」私は絶望した。悲しみにうちのめされた。「菊乃ちゃんお母さんはイエス様のもとに行ったのよ。お別れをいいなさい。」産婆さんの声はひどくふるえていた。「はい。さよならお母さん」そうこうしているうちに火がこちらまでせまってきた。外に出て、浦上天主堂に行った。祖母は天主堂に行ったまま帰ってこない。奇せき的に祖母は生きていた。うれしいことに父も兄も数曰後帰ってきた。13年後私はいとこと結婚し3人の息子が生まれた。私は幸せな生活をおくったが、母と弟の命をうばった原爆へのにくしみは消えなかった。
寿命の階段【ホラー】
私は樹梨(じゅり)。 私の趣味は公園で読書すること。 紅葉が綺麗なこの公園が気に入ってる。 私が読んでるのは『奇妙な都市伝説』と言う本。 パラパラとページをめくっていると、 『夜に神社の階段を登ると寿命が縮まる。これは…』 と言う文に目がいった。続きを読むと 『これは、夜の神社ならいつでも起きる現象です。10段登れば1年縮まる。※注意書き…』 へぇ、面白そうだな。試してみるか。 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ 「平気なの?こんな夜に散歩…」 「平気だよ。心配症だなぁ、お母さん…」 私は家を出て、学校の裏の神社にきた。 夜は薄暗く、霧があるように見える。 登れば良いんだよね。この階段を。 恐る恐る私は階段を10段登った。 「うっ…痛っ…」 登ると激痛が走った。今まで感じた事の無い痛みだった。 (まさか本当に…?) ふと見ると、階段の上に老人の死骸があった。服装は若々しい。私と同じ本を持ってるし… そうだ。帰れば良いんだ。 私は後ろを向いて走ろうとしたら、 「振り向くな…上がれ…上がれよ…」 と、声がした。 声の主は老人だった。 「俺たちもこんな姿になったから…お前も寿命を縮めろよ…」 「きゃああああ!」 私は死んだ。寿命が尽きた。 この階段は後に死人が何人も出たとして、撤去された……。 『※注意書き¦振り返るとその階段で死んだ人間が無理矢理寿命を尽きさせます。後ろを振り向かずに降りて下さい』 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ どうも。ジョジョ好きです。
誰もいない
目が覚めた。窓を開けた。誰もいなかった。 俺は「夢希人(ゆきと)」。今は21歳。俺は7月7日7時7分7.7秒に生まれた。『奇跡の子』親は今もそう呼んでいる。 俺は今一人暮らし中。今はまあまあ有名な小説家になっていて、本も十冊出している。ちゃんと締め切りは守っているし、後輩にも敬語を使っているので、結構好かれているらしい。 ある日俺は、原稿をもって編集の杉田の家に向かっていた。道路を渡っていると… 「えっ!」 どかっ! 「っ!誰か!救急車!」 (え…俺、まさか、車に…) 意識が遠のいていくのが分かった。 「はっ!」 気がつくと俺は病院にいた。 「あれからどれくらい立ったんだろう…?」 カレンダーはなかったので、自分の顔を見て、だいたい予想することにした。 「っ!」 髭は伸びており、シワは結構多かった。多分もう40歳くらいか… ベットから出た。約20年も眠っていたのに、足や手はちゃんと動いた。誰かがマッサージでもしてくれたのだろうか? 「にしてもしずかだなあ…」 窓を開けた。車は全く走っていなかった。不自然だと思った俺は外に出た。 「…は!?」 誰もいなかった。俺は部屋に戻った。 「なんで街に誰もいないんだ!?」 俺はテレビをつけた。いや、つけようとしたがつかなかった。砂嵐が流れているばかり。 「ん!?いや待てよ!?」 (まさか日本に誰もいないのか!?) ありえないこともない。誰かいたら、テレビが流れていないはずがない! 「っ!」 俺は外国にもいくことに。もちろん自転車で。海にはイカダで。 時は流れ、1年後… 「つ、ついた!」 俺は北朝鮮についた。俺は北朝鮮の言葉はわかる。北朝鮮の言葉で叫んでみた。 「誰かいませんか~!?」 すると一人のお爺さんが出てきた。 (よ、良かった!) 俺は少しずつ仲良くなり、聞いてみた。 「あの、私は日本から来ました。日本に誰も人がいないんですが、ここは大丈夫ですよね?」 「いや。」 「!!」 「2年前、地球に宇宙船がきた。友好的だと思っていたが、その中にいた宇宙人たちは、地球人をみんな連れて行ったんだ。わしはなんとか逃げ切れたが、その日はある大ヒットアニメの映画がやっていてな。みんな外に出ていたんだ。今ここに残っているのはわしらだけじゃ。」 「っ!」 俺に強い悲しみが襲ってきた。このまま彼女にも家族にも、親しい友人にも大学の食堂のおばちゃんにも会えないのか… 「はっ!」 俺は家のベットの上にいた。 「ゆ、夢か…」 外に出た。誰もいなかった。
語句そば
厨房はカーテンでしっかり覆われ、人もいないし、メニューも、店員さえもいないように見える。 とりあえず席に着いた紀味子は、机に置いてあるメモを見た。 「四字熟語や慣用句などでご注文願います」 と殴り書きしてある。 (変な店…) 名前からこの店はおかしかった。 言葉で注文しろと言われても困る。 (どうしよう…何を言えばいいの?そば屋…) 悩んでいる紀味子の口から 「喜怒哀楽」 という言葉が出てきた。自分でもよく分からなかった。 確かに今日はお客さんも多くて嬉しかったり、災難だらけで苛ついたり悲しかったりした。 楽しかったかどうかは分からないが、色々な感情を抱いた。 そんなことを考えているうちに、机の上にそばが置いてあった。 梅干し、油揚げ、貝割れ大根、ねぎといったものがのっている。 「美味しそう…」 紀味子はそばを食べ始めた。 食べ始めてやっと不思議に思った。 一体、いつ誰がそばを出したのだろう? そもそも、こんな店見たことなかった。 そば屋を知り尽くしているはずの紀味子が。 やっぱりそばは美味しかった。 色々とのった具材は、今日の心に似た味をしていた。 ピリッとすっぱい気持ち、ホロホロした優しい気持ち、そして噛めば噛むほど… 涙が止まらなくなった。
君がそばに、いてくれるなら
街一面が純白に染まり、吐く息さえも白くするこの雪は、 いつまで降り続けるのだろうか。 マフラーに顔をうずめ、冷えきった足をかばい、靴下を少し上に上げた。 「はぁ」 冬になると、 いつもは見えないため息が白くぼやけて視界に入り、 今日も、この沈んだ気持ちを際立たせる。 一緒に帰る友達も彼氏もいない孤独さに、 いつも嘆いている私には、 一生、寄り添ってくれる人など現れない。 そう思った。 ーそう思っていた。 * 「寒い…ですね」 突然、後ろから声がした。 振り向くと、そこには、私と同じ制服を着た青年がいた。 「…えっと、あ、寒いです…ね」 私はとっさにそう返事をした。 何この人? こんな私に話しかけてくるなんて。 でも、この人、なんか…かっこいい… …って、だめよ。軽い女って、バカにされるわ。 それに、きっと、何日か経ったら、私のことなんて、ゴミ箱行き。 私よりも可愛くて、温厚で、良い女の子はたくさんいる。 地味で、冷酷で、静かで、こんなバカな私を、好きになる人なんて、いるわけがない。 それに、私の心の扉は開かないし、 これからもずっと閉ざしたまま。 そう思っていたのに、信じていたのに。 ーなのに、いつの間にか、その扉は、君に開かれていた。 どうしてだろう。 こんなにも君に惹かれてしまっているなんて。 なぜだろう、 君の笑顔に、こんなにも魅せられてしまうなんて。 君がそっと微笑み、私に歩み寄る。 どうしよう。 何か、話さないと? 「あの、稲葉中、ですよね。私と、同じ制服、だから…でも、なんか、見かけないなぁ、って思って」 私はそう言った。 ー失礼だったかな? 後から、そう思った。 …あぁーっ、やっちゃった… じわじわと、後悔する気持ちが私の中をぐるぐるまわった。 焦っていると、彼は私に、 「ああ、僕、転校生なんで。昨日来たばっかりなんです」 と、柔らかい、優しい声でそう言った。 転校生か。 あ、そういえば、となりのクラスが少しざわざわしてたような… 「じゃあ、もしかしてとなりのクラス?あっ、えっと、クラス、2-3ですか?」 「そうそう!2-3です!じゃあ、あなたは2-2クラス?」 「そうです!」 「あ、じゃあ、そのクラスって…」 彼との会話は、とても弾んだ。 こんなの、初めて… ー彼と一緒にいたい。 そう思った。 でも、無理だってことは、私が一番分かっている。 「はぁ」 またため息をついてしまった。 だめじゃない、 彼の前なのよ。 嫌われたな。 そう思った。 すると、彼は突然、私を抱きしめた。 「なんか、悩んでるんですか」 「べ、別に。な、なんか、すみません」 「余計なお世話って、思うかもしれませんが、なんでも、言ってください。聞きますから」 「…はい」 「ずっと、そばに、いますから」 「えっ……」 初対面なのに。 こんなこと…… 彼はそっと私の元を離れ、 ふっと微笑んだ。 「また、明日」 「…はい、また、明日」 また会う約束を誰かとするなんて、何年ぶりだろう。 不意に、涙がこぼれた。 二人に降り注ぐ雪の花が、 美しく空を舞って見えた。 -------------------- どうも、ふーみんです! 読んでくれて、ありがとう! とっても嬉しいです! 恐縮ですが、みんなからのコメント、お待ちしております! それでは、ばーい♪
思いと想い、気付くまで。
私と彼は、きっと両片思い。 私は彼の好意に気づいてる。彼もまた同じように、私の好意に気づいてる。でも中々言い出せない。焦れったいというか、むず痒いというか…。 早くくっつけばいいのに、何て急かされることもある。 無理だよ~と毎度手を横に振っているが、本当にそう。私からは言い出せないし、彼も心の準備が必要なのか待っても待っても伝えられることのないその好意。 私は勇気を出せない。 だから私は彼の勇気を、言葉を待つだけなんだ。 待って、待って、ずっと待つの。 彼から伝えられるまでは。 お互いに、 「好きって…言えたらいいのに。」 だったら両片思いじゃなくて、気づいてるなら両思いか。 私の思い違いなのかな。 そうじゃないなら…他の人に、奪われちゃうかもよ?まあ、彼の隣にはいるつもりだけど。 俺と彼女は、きっと両想い。 互いの好意を知ってるけど、彼女の好意はまた違う。多分同じ系統に入るが、彼女とは遠く離れた俺の好意。 彼女は焦れったいと思っているだろう。まだかまだかと待ち構えているだろう。 でも彼女は区別がついてないんだよ、きっと。 だから俺は伝えない。 彼女と俺の好意が違うことに彼女が気づくまで。 だからきっと、これは俺の片想い。
[ホラー]正夢マクラ
「これが…!」 少年は,そのマクラを手にした。 少年が手に入れたマクラは.「正夢マクラ」。 文字通り,そのマクラで眠った時に見た夢が正夢になる道具である。 どのような夢にするかは,マクラの下に本を置くことで選べるという。 少年はマクラを家に持ち帰り,早速効果を試す。 「宇宙に行きたい」そう言って,「宇宙船ハヤテの昌険」という本をマクラの下に置き眠った。 朝になり,少年が布団から出てきた。 どうやら望み通りの夢が見られたようで,少年は満足げな表情をしている。 「早く正夢にならないかなぁ…」 そうつぶやきながら.タンスから服を取りだす。 すると. ジリリリリィン,と電話が鳴る。 Γおめでとうごさいます!Γ未来の月旅行プロジェク卜」のチケットが当たりました!」 宇宙に行けるようになったのだ。 「しめた!」少年は,思わず手をうって喜んだ。 「効果は本当だったんだな…こりゃいいや!」 その夜。 「次は,億万長者になりたい!」 少年は,そう言って「わらしべ長者」の本を持ち,マクラの下に入れ眠った。 その時,少年は気付いていなかった。 少年がマクラの中に入れた本は.表紙と中身が入り違っていて.中身はホラー小説だったのである。 少年は朝おきたが、不安そうな表情で布団から出た。 扉をあけると,少年の前には死神が立っていた。
孤独な魔女
私は魔女。 魔女である私は、これまで数えきれない数の人間達と関わってきた。 人間達と関わっていると、自分も人間のような気がしてきて、とても楽しかった。 しかし楽しい時は、すぐに終わりを告げる。 人間達は、私よりも遥かに寿命が短く、気づくと私は、いつも独りぼっちに戻っていた。 ある日の事。1人の青年が私の住む森の中で、苦しみながら倒れているのを発見した。 人間は弱く、儚い。 私は青年に魔法をかけ、苦しみから解放させた。 青年は、「命を救ってくださった恩人」と言い、それから毎日私の元へ来るようになった。 それから私は、彼と結婚し、小さな森の中の家で仲良く暮らしていた。 しかし、幸せな日常は、ある日突然終わりを告げた。 彼は「寿命」を向かえ、私を残していってしまったのだ。 私は魔女。 人間達と対等に関わる事は、決して出来ない。 今日も私は、「孤独な魔女」として生きる。 BADEND
【恋愛短編小説】たまねぎ。
「え?ハンバーグ?」 ほんのり肌寒く感じる、9月下旬。 久しぶりに単身赴任していた父親が帰ってくる。 それに合わせて、父親の好物のハンバーグを作ることにした。 だが、私は料理が苦手だ。 そこらの男子とも比べ物にならないくらい。 と言うことで、幼馴染に相談した。 詳しく言っちゃうと、幼馴染で私の片思い相手。 「ねぇ、ハンバーグ作れる?」 「レシピあればね?」 「じゃあさぁ、レシピあれば私に教えてくれる?コツ教えてくれれば…」 「コツ教えても無理でしょ、家庭科ほとんど裁縫で点数稼いでるやつが。」 「じゃあ、家来ていいから、どう?」 「今回だけな?」 小さい弟がいるから、料理は得意らしい。 “人並みには”とは言っているが、相当うまい。 休みの日はお菓子作ってる、って女子かよ。 久々の4連休。 料理は好きじゃ無いが、父親のため、というか幼馴染が来てくれるのが嬉しい。 いくら料理が出来なくたって、一応乙女だ。 一時を過ぎると、インターホンの音がする。 ドアを開けると、幼馴染がいた。 「おはよ、って言うかこんにちは?かな。ま、いいや。さっさと作ろ?」 私は軽く頷いて、キッチンへ行った。 エプロンを2人ともすると、冷蔵庫を覗いた。 「材料用意した?」 「そんぐらいしてるから…」 「肉は?」 「ひき肉?あるよ。」 「たまねぎ」 「ある。」 「卵」 「ある。待って、一個ずつ言う気?」 「牛乳ある?パン粉は?」 「どっちもある。」 それから手を洗うと、ボウルを用意して、材料を混ぜた。 「泡立て器?」 「んなわけないだろ…」 「菜箸?」 「無理無理…手だよ。」 「こ、こう?」 「違う違う。こう…」 すると、幼馴染が後ろから回って手を重ねるようにして、見本を見せた。 いくら幼馴染だからって、心臓がばくばくする。 「……分かった?」 「え?」 「だから、混ぜ方。」 「あ、うん。」 まだ手には温もりが残っていた。 「やっと出来た…」 「それはこっちのセリフだよ、全然出来ないから…」 「いいでしょ、今言わなくて…」 ラップをかけると、肩に手の温もりを感じた。 「ん?」 「なぁ、俺が引っ越したらどうする?」 珍しく真剣な眼差しだった。 そしてその目には、いつものような明るさがなかった。 「引っ越すの?」 すると、こくんと頷いた。 「うん、引っ越す。」 「引っ越したくないの?」 「うん、好きな人…いるから。」 好きな人がいる、と言う言葉で心がずくんと痛んだ。 「好きな人居るんだ。誰?」 「…えと、うん。変なこと言っていい?…お前って言ったら嫌?」 「…ううん。嬉しい。すっごく、すっごく。嬉しい。」 引っ越す、と言う悲しみと両想い、と言う嬉しさが、入り混じってぐっちゃぐちゃだった。 でも、自然に涙が頬に伝った。 「泣いてんの?」 「た、たまねぎの…せい…」 「嘘つけ。」
ただいま、おかえり
午後3時半。この時間、俺は決まって庭に出る。柵の側に立って、聞き慣れた声が聞こえるのを待った。 『ただいま』 少し疲れた様子の彼女。おかえり、と返事をしてやると、嬉しそうににこりと笑った。 『いつもお出迎え、ありがとう!』 柵の扉を開けて入ってきた彼女は、俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。 汚れた足を拭いてもらって、家の中に入る。 お風呂に入る彼女を見送ってから、俺はクッションに身体を預けた。 ・・・ザーッ、と水が流れる音。 子供の頃は、彼女が溺れるんじゃないかとよく心配した。大量の水に浸かるなんて、まさに正気の沙汰じゃない。何度も何度も様子を見に行っては、彼女に笑われたっけ。 ・・・風呂から上がると、彼女から俺の匂いが消えてしまう。上がってきたらすぐに、匂いをつけに行かないと・・・ 身体を拭いて、寝巻きに着替える。タオルを首にかけてリビングに向かうと、彼がトテトテと走り寄って来た。 すりすりと足元に頭を擦り付ける、黒い猫。しゃがみこんで、そっと頭を撫でてやる。 『ただいま帰りました』 小さくそう呟くと、彼は私を見上げて、にゃあと鳴いた。
愛情表現下手なだけ、
仕事を終えてクタクタになりながら帰路に着く。とっくに時計の針はてっぺんを超えている。 やっとの思いで家に着く。ドアを開けると、自分のではない、でも見覚えのある靴があった。 「颯のだ。」 誰の靴なんて割り出すのは簡単だった。合鍵を渡してある彼氏・颯のに決まってる。 仕事場は一緒だけど、最近喋ってなかったから、嬉しいながらも、早く寝たい私は、若干めんどくさく思ってしまった。 それでも、夜中に来るということは何か言いたいことがあるのだろう。 私は急いでリビングに向かった。 リビングのドアを開けると颯がいた。でも、いつもの天真爛漫な笑顔の颯ではなく、不安に揺れた目をしている颯だった。 「どうしたの?私、何かした?」 「した。」 「何した?」 「綾人とずっとイチャイチャしてた。」 は?綾人は私の幼馴染で今でも仲がいい。趣味が一緒なこともあり、喋り出すと長話になってしまうのは常だ。でも、それは颯も知っているはず。ましてやイチャイチャなんて。 「颯?イチャイチャなんてしてないよ?」 「でも、係長が『あの二人は付き合ってるらしいねぇ。』って言ってた。」 「、、っはぁ?」 ふざけんなって言うとこだったけど、本気で颯が不安そうにしてるから出掛けた言葉を飲み込んだ。 こういうときに慣れてない私は、どうすればいいか分からなくて、ただ颯の傍に行って颯の頭を撫でた。すると、颯が、 「ごめんね、俺、今迷惑かけてる?」 と言った。 うん、若干ね。なんて言うほど薄情な女ではないので、 「ううん、全然。」 と、なるべく優しく答えた。でも、さっきまで早く寝たいとか思っていたので、バツが悪くなって無意識に視線を外す。 「ほんと、やさしーね。」 「優しくなんかない。」 「優しいよ。ほんとは今、めんどくさいって思ってるでしょ。」 「、、、そんなこと、」 「はは、ほんと分かりやすいよね。、、、ごめんね?」 あぁもう。こんなに気を使える人を、夜中に家に来ちゃうくらい追い詰めて、何やってんだろ。長い付き合いだし、颯のことはなんでも分かってると思ってた自分を殴りたい。 素直じゃない私の考えてること全部汲み取って動いてくれてた颯に甘えすぎたんだ。 「ごめんね、颯。綾人なんかより颯の方がずっと大事。だから、心配しないで、抱え込まないで?私はどこも行かないから。」 「、、、、ん。分かった。ありがと。」 私は、精一杯の『ごめんね』を込めて颯を抱きしめた。 ー颯sideー 俺を哀しそうに抱きしめて、 「ごめん。颯が思ってる数百倍、私は颯のこと好きだから。愛情表現下手くそなだけで。」 なんて、夜中に押しかけてきためんどくさい彼氏にいう君が、とても愛おしく思えて、俺は、 「俺の方が絶対想像してる数百倍大好きだから。」 って言って君を思いっきり抱きしめた。
だって、私は脇役だから
「え?好きな人?じゃあ、教えてあげる。 綾、誰にも言わないでね。 私の好きな人は井上くん」 は?由紀の好きな人は井上くん? あっ、被った。好きな人、被ったわ。 え?嘘でしょ… 「へぇ、いいじゃん。 優しいよね、私も好き」 もちろん、この「好き」はlikeのこと。 本当はloveだけどね。 「告白しようか、迷ってるんだけど… 大丈夫かな?」 はい!出ました! 由紀の「大丈夫かな?」 ここで、 「大丈夫じゃないでしょ、その顔じゃ」 なんて言ったらどうなるのだろう? 「大丈夫だよ! 由紀は美人だし、優しいし… 頑張れ、応援する!」 よし、百点満点の回答。 作り笑いも結構上手になった。 でも、告白は絶対に成功するなぁ。 良いな、由紀は。 私だって井上くんに好かれたいよ。 じゃあ、告白すればって? それができれば苦労はない。 私にはできない。 だって… 神さま、由紀の告白が失敗しますように。 100%叶わないけど、神に祈る。 「あっ、いたいた!綾~! あのね、今日ね、良いことがあったの♪ 分かる?分かる?蓮のことだよ! 綾、応援してくれてありがとう♪」 (蓮。あっ、井上くん…) と気がつく。 「れん」なんだね。 「井上くん」じゃ、ないんだね。 「え~!由紀、おめでとう! 絶対成功すると思ってたんだ♪」 また、作り笑い。 よく思ってないことを喋れるな、わたし。 あぁ、全て無駄だったんだな。 私が井上くんに好かれようと努力してきたものが… 不意に涙がこぼれそうになる。 我慢、我慢。誰が泣くものか!誰が… 神さまの馬鹿。 なんで成功したの? いや、私のほうが馬鹿。 絶対に叶わないのに期待して。 本当に馬鹿だよね、笑っちゃうよね。 ねぇ、なんで? なんで、私は好かれないの? 努力してきたのに。 なんで、あんなぶりっ子のことが好きなの? 自慢ばっかりするんだよ? 答えは簡単。 由紀は主人公で私は脇役だから。 告白できなかったのもそれが理由。 主人公より脇役のほうが幸せになる少女漫画なんて無いでしょう? そう、私は脇役だから。 でも、良いな。由紀は 私も主人公になりたい。 だって、井上くんの側で笑っていられるもの。 こんにちは!みぃです! 12歳、小6です。 この小説の主人公(綾)は、ある少女漫画の脇役という設定です。 恋愛経験0の失恋小説はどうでしたか?(だって、女子校だから恋愛なんてしないもん!) 感想、待ってます。
美月のレシピノート!~フレンチトースト~
ふわぁー…おはよー… あ。今日お母さん休日だけど朝早い仕事だったな… リビングは汚い。きっと寝坊して慌てて行ったのだろう。 グゥー お腹空いたな…何か食べよ。 ガチャ 冷蔵庫には調味料にたった一枚の食パン… 普通に焼くのだと飽きてきたし自分で作ろ! えーと…あった! 『美月のレシピノート!』 あっそうそう。私の名前は谷岡美月(たにおかみつき)!料理が得意な小6です♪ さてと!朝ご飯のレシピは…えっと…じゃあ甘いのがいいからフレンチトースト作ろっ! まず 『ボールに卵1個と牛乳100cc(100ml)と砂糖を大さじ一杯入れる。そして混ぜる』 ふむふむ…出来た! 次ー 『混ぜたやつに食パンを入れる』 出来た! 『フライパンを熱してバター10gを入れて溶けてきたら食パンを入れる。そして焼く』 こげめが付いたらできあがり☆ さっ!食べるかー サクッ んー♪美味い!お砂糖が甘い! さーてとっ!今日は何しようかな? こんにちは!オレンジです! 料理系の小説書いてみました!
青
一どこまでが空なんだろう? 11月の遠く澄み切った早朝の空を眺めながら、ふと思った。 空に、果てはあるのだろうか。 もし私たちが真っ直ぐ上に飛んで行ったとして、『空』に居ると感じるのはどこからが正解なのだろうか。 『空中』と『空』の違いって何? 私たちが手を伸ばした先にある、何も無い空間はきっと、『空中』なんだと思う。 そんなこと言ったら、『空』も『空中』じゃない? …でも、だからと言って手を伸ばしたときに届く距離の世界を、『空』とは呼ばない気がする。 『空』と『空中』は違うものなのかな? …わかんないや。 専門家じゃないし。そもそも私文系だし。 実際どうなのかは知らないけれど… 多分、下から見上げている私たちが、どう頑張っても手が届かない未知の世界に、名前をつけたのが『空』なのかな。 きっと、『空』の中に自分がいたら、そこは『空』じゃなくて『空中』なんだろうな。 …空の中なんだから、当たり前か。 人間、知らないものには恐怖を抱くって聞いたことがあるけど、『空』に恐怖を抱く人って、あんまりいないよね。 安心するって人もいる。 …なんでだろう。未知の世界なのにね。 可能性って案外、1番近くにあるのかも。 当たり前過ぎて見えてないだけで。 …ん?近く? 空って近くないよね。遠いよね? …ん~、果てしなく広いっていうのと、いつも変わらずそこにあって、常に私たちの生活と直接関わっているというのが、身近に感じるのかなぁ… ふふっ よくわからないや。 さて!今日も学校、頑張ろう! その日歩いた通学路は、なんか、なんとなくだけど、いつもと違った風に見えた。 不思議だなぁ…でも、そこがいい。 果てなく続く青の下、私は今日も、青い日々を謳歌する一
連れ添い猫
雪の降る夜、黒猫が1匹おりました。わたくしが公園のベンチに寝そべっておりましたところ、その黒猫がやって来てわたくしにこう尋ねたのでございます。 「もし、お前さん。横に座ってもよろしくて?」 「あぁ、もちろんですよ。」 わたくしは起き上がって体についた雪を払い、黒猫はわたくしの隣に座りました。 「せっかくお休みなさっていたところ、すみませんね。私はね、先ほどまでこのあたりで休憩するところを探していたのですがどこもかしこも雪がうっすら積もっていましてね。そんなところには座りたくないと思っていましたら、おたくが寝そべっているベンチが見えまして、ついついお声がけしてしまいました。」 「なに、あなたが謝ることはございませんよ。わたくしだけのベンチではありませんから…ところであなたはこの街に何用で?」 「実は私、こう見えてもしがない連れ添い猫をやっておりましてね。連れ添い猫、ご存知?お知りでなくとも無理はございません。何しろ知人の紹介でしか動きませんからね。ですが、とてもいい仕事なのですよ。皆さん旅立ちの日に連れ添う者を求めておられますからね。1人で知らぬ土地へ行くのは不安なものでしょう。今回もその仕事でやってきたのですよ。前回私が連れ添った方からお願いされましてね。」 「素敵なお仕事ですね。わたくしめなんぞは帰路を思い出せずに迷ってしまう始末で…ですからこのベンチで一眠りしようと思っていたのです。」 「おや、あなたは迷っておられるのですか。もし良ければ私がおたくの家を探して差し上げましょう。全国1軒1軒の地図は全て頭に入っているのですよ。あなたはもう私の知り合いですからね。依頼してくだされば引き受けますよ。」 「あぁそれはありがたい。ではぜひお願いしたいです。名は佐藤と申します。」 「佐藤さんですね。少々お待ち下さいな。ふむ…見つけました。こちらです。」 黒猫はトコトコと歩き始め、わたくしはその後をついて歩きました。数分の後には我が家に帰っておりました。 「佐藤さんの家に到着しましたよ。私も家に上がってもよろしいかな。」 「あぁ、なんとお礼を申し上げていいか。もちろん、お上がりください。中で暖まっていって下さいな。」 わたくしは何とも久しぶりに家に帰ってきた気がいたしました。家に入ると中は暗く、家族は寝ているようでした。ですが、リビングに行きますとお姉さんが一人宙を見つめて座っておりました。 「お姉さん、帰ってまいりました。遅くなり申し訳ありません。」 ですが、聞こえていないのかお姉さんは動きませんでした。何度呼びかけても答えません。黒猫が言いました。 「近くに行っておあげなさい。最後のご挨拶です。最初から私はこのお姉さんに依頼され、おたくを迎えに行ったのですよ。」 「どういうことでしょう?」 「おたくはもう亡くなっているのです。」 あぁ、そういうことか、と合点がゆきました。帰路を思い出せなかったのも行くべき場所がここではなかったからなのですね。そうか、そうか。そしてお姉さんは最後までわたくしの心配をしてくださったのですね。ありがとうございます。わたくしは今、旅に出ます。 日本語の難しさを再認識しました…良ければ感想お願いします!!
Welcome back...
『欲しがりません 勝つまでは』 『足らぬ 足らぬは工夫が足らぬ』 薄墨色の空の下。 薄汚れた地の上。 無理に笑顔を作る君に、 僕は何と言えば良いのだろうか。 「……行きます。」 「…うん。」 薄汚れた緑の軍服に身を包み、 日本のために戦いに征く。 「ねぇっ…」 君が涙を流しながら言うから、 思わず振り返ってしまう。 「……何でもない。……行ってらっしゃい。」 君の苦しそうな顔を見たら、 行きたくなくなってしまうけれど。 行かなければならない。 軽く会釈し、隊員の背中を追う。 …もう君には会えないのかもしれない。 ◇ …行ってしまった。 煙が立ち、鉄の匂いの舞うあの場所に。 …願ってしまった。 貴方が、帰ってきてくれる事を。 ◇ 数日立った頃。 薄汚れた緑色の軍服に身を包んだ男性が、キョロキョロと辺りを見回している。 「どうかなさいましたか?」 「あぁ、貴方が。」 その人はそう言って、後ろ手に持っていた1つの箱を取り出した。 …気付いてしまった。 そこにはあの人の名前が入っている。 箱を開けると、そこには白い石のようなもの。ただ一つが入っていた。 ……いってしまったんだ。 …涙が溢れる。 …抗えないこの戦いの最中。 貴方は最期までこの国のために戦っていたんだ。 「………おかえり。」