短編小説の相談いちらん

短編小説

みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。

短編小説みんなの答え:1

魔法のクレヨン

はぁ、本当にこれがあったらなぁ 涼は呟いた。 幼稚園で描いた、存在しない動物だ。 ぞうに羽が生えている動物だ。 今まで描いた中で、最高傑作に過ぎない。 欲しい欲しい。それしか出てこないのだ。 ある日、いつも通り幼稚園バスまで歩いて行ったら、道端にクレヨンが落ちており、 色は、藍に近いが、赤にも近い不思議な色だ。 涼はそのクレヨンを拾った。 プップ~ バスが来た。 涼は渡すもんか、と幼稚園バックの奥にしまい込んでしまった。 幼稚園に着いて、最初にお絵かきをした。 涼は、クレヨンを出そうと思った時、気づいた。 家にいつものクレヨンを忘れてしまったのだ。 仕方なく拾ったクレヨンで、りんごを描いてみた。 輪郭は描けたのだが、中の赤色が無いため、拾ったクレヨンでぐしゃぐしゃに塗った。 すると、なぜか赤色に染まっていたのだ。 熟した甘いりんごのような色になっていたのだ。 (今日の朝ごはん、りんご出なかったなぁ。) そう思いながら、じっと見つめていると、りんごがぴょんと飛び出してきたのだ。 「うわぁ!」 大声を出してしまったため、先生に怒られた。 「ダメでしょ。あんな大声を出すのは。大声を出すのは、歌の時間にしようね。」 「はぁい。」 それから、幼稚園から家に帰って、画用紙に再びりんごを描いてみた。 やはり、りんごは本物のようにぴょんと飛び出し立体的になっていたのだ。 (もしこれがどんな物も出て来て、どんな色も出たら…よし確かめてみよう!) 涼は出て来たりんごを手で割いてみることにした。 紙なら、ビリリッと破れるはず。本物なら破けないはず… 結果は… 破れなかった。 まんまるとした、立派なりんごなのだ。 涼は思い付いた。これで自分を描いてみようと思ったのだ。 色々な色が出てきて、想像通りに出来た。 ぴょん。これも出て来た。 「すごい!」 でも、それは束の間だった。 似顔絵涼が本物の涼の足首を掴み、紙に引きずり込んだのだ。 「たす…け」 「涼~ご飯よ~。」 「はぁい。」 涼は、画用紙を紙飛行機に折って、ゴミ箱向けて飛ばした。 こんにちは。 青髪の少女です。 ファンタジー要素(入ってる?)とホラーを入れてみました。 コメントくれると嬉しいです。 それでは、青空の向こうへー。

短編小説みんなの答え:3

ほっこり【短編小説です。気が向いたら読んでください】

「ほっこり。ほっこり、ほっこり?うーん…」 わたしの名前は月村ナズナ。小5。今日、学校で先生が『今までほっこりしたこと』について作文を書くように宿題を出した。「何書くの?」帰りがけ、友達に聞くと、「お母さんとのこと」って言われた。お母さん、かー。わたしにはお母さんとの物語なんて…ん?あるじゃん!お父さんに聞いた、お母さんとの素敵なお話!あれはほっこりしたな~… 家にたどり着いて自分の部屋にコトっとランドセルをおく。「おかえりー」お父さんが新聞を読んでいる。まるで朝の光景みたいだ。でもこれが我が家の毎日の夕方の光景。お父さんは夜中から仕事に行ってお昼帰ってくるから。さ、宿題やろー。部屋に入ってランドセルから国語のノートを出す。机に向かって電気をポチりとつけた。しばらく、鉛筆で字を書く音だけが響き渡った。 「よーし、できた!ちょっと短くなっちゃったけど、結構考えて書いたんだよ」と明るい声をあげたのは1時間後。時計を見ていなかったから気づかなかった!お父さんに 「聞かせてよ」と言われたので聞いてもらうことにした。 『お母さんとわたし   5年1組 月村ナズナ  わたしにはお母さんがいません。みんなにはいますか?お母さんに会ったことはないけれど、聞く限りではとても優  しいお母さんなので大好きです。お仏壇でお母さんの写真を見ると優しい声が聞こえてくる気がします。お母さんは  わたしを産むときに亡くなりました。悪いと思っています。でも、最後にお母さんが庭に咲いていたナズナを見てあ  んな風に素敵になってほしいとわたしの名前をつけました。だからわたしはこの名前が大好きです。ナズナを何度見  ても素敵なところをうまく見つけられないのでお母さんはどうして素敵と思ったか分かりませんが、このお母さんと  のお話と名前の由来がわたしが今までで1番ほっこりしたことです。』 よく書けてるねと褒められて嬉しくなった。 次の日、学校の1時間目の授業は国語だった。みんなが順番に作文を読んでいく、と思っていたら先生が「月村さん、読んでみてください」と突然言った。でも昨日、お父さんに聞かせたから上手に読めるかも…昨日の作文を素直に読んだ。拍手が上がった。よかった。先生は他のみんなにもノートを出すように言った。帰り際、わたしの作文をコンクールに出して良いか聞かれたので、即答で「はい!是非!」と答えた。先生は笑った。多分わたしも、希望に満ちた笑顔だっただろう。 ーendー いかがでしたか?「今日は家族の温かさ」をテーマに書かせていただきました。題名の通り、ほっこりできる話になっていたら嬉しいです(//∇//)ところどころ、話が飛びすぎている点があったかもしれません。申し訳ありません。誤字脱字等はご指摘いただけると嬉しいです。(すこしでもよみやすくなるよう、見たことがある字、言葉を使っています) みなさんも家族は大事にしましょう、世の中何がいつ起きるか全く予測ができませんからね。わたしも家族は大事にするようにしています!長くなりましたがここで終わりにします。ここまでお読みいただいた皆様、誠にありがとうございました。また機会があれば書かせていただきたいと思います。みなさんに溢れる笑顔とちょっぴりのスリルを!以上、夢乃でした!

短編小説みんなの答え:1

お電話ちょーだいね。

弟は携帯ではなく、電話が好きだ。 それで、よく外に出るときは「お電話ちょーだいね。」と一言告げられる。 夜遅くなったとき、私は親ではなく弟に電話をかける。電話をくれって言われているからね。 『も、』 「お姉ちゃん。今日遅くなるの?」 『うん。ちょっと』 「そっか。 じゃあ帰るとき、お電話ちょーだいね。」 そこで通話が切れた。 弟は、私が大好きなんだろう。 私も、弟は好きだ。 そろそろ帰ろうと思い、弟に電話をかける。 …中々出ない。 《~お出になりませんでした。》 そっか、もう夜も深いし、弟はもう寝てるかな。そう思い私は急ぎ足で家へと帰った。 …玄関前に着くと、電気はもうついていないようだ。皆寝てしまったのだろう。 あれ、珍しく鍵がかかっている。 何故か不貞腐れながら家の鍵を開けた。 辺りはとても静かだ。 電気をつけると、そこには置き手紙があった。 《お電話ちょーだいね。 _弟》 弟は家に居ないのだろうか。 そう思いつつ、手紙に従ってもう再度電話をかける。 コールが部屋に鳴り響く。 着信音が聞こえないあたり、弟は家に居ないのだろう。 それに、ちょっと…生臭い。魚料理だったのかな、ちゃんと洗ってほしいよね。 《お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。》 それっきり弟達と会うことはなかった。私はいつまでも、電話をかけるからね。 _私は今でも弟を探しています。

短編小説みんなの答え:1

行方不明

どこに行ったの? 僕は○○小学校のせいとだ。 1週間前、僕の親友が山で行方不明になった。 自衛隊や消防士など500人ちかくが捜索しているが手がかりが1つもみつかっていない。 僕はボランティアの人たちとさがしたけれど、見つからない ある晩、僕が寝ているとある場所がおもいうかんだ。 2人でよく遊んでいた山のふもとにある公園だ。 翌日公園での捜索が始まった。 探し始めて4時間、親友は遺体で発見された。 崖から落ちた可能性があるそうだ。 僕はしばらく立ち直れなかった。 でも、僕は思った。 親友の分、頑張って生きようと。 天国で見守っててね・・・

短編小説みんなの答え:5

彼と寝落ち通話(コメディー)

眠れん。目をつむっても眠くなるどころか、目が冴える一方だ。 理由はわかっている。 お昼寝をしてしまったからである。 昼間の3時。ダイエット中のくせに、食欲に負けておやつを食べ、そして襲ってきた睡眠欲にも勝てずに爆睡。いつもは青春真っ盛りキラキラ系女子の私が、今日は完全に自宅警備員だった。寝てたから警備してねぇけど。 んー眠くならん。 仕方がない。彼氏をたたき起こそう。 迷惑だろうけど、優しい彼なら許してくれるよな…あーこういうことしてたらフラれるんかな…。それは嫌だけど、一人でベットで虚しくごろごろ、というのも気が引ける。よし。 彼とのラインの、トーク画面を開く。 「よなかに、ご、めん。ね、むれなくっ、て。」 眠れない旨を打ち込み、送信ボタンをポチッと押す。 既読がついた。 「え?早くないか?」 ピロン。 「はや。えーとなに?」 《眠れないなら、僕が寝かせてあげよう》 「え?…わっ!?」 ぴろりろりんっ。 思ったよりも大きな音の着信音にビビって、ワンコールで出てしまった。 「も、もしもし…?」 『もしもーしっ、彼氏さんですよー』 お前ノリどうした?と聞きたくなるほど上機嫌な声が聞こえて来る。 「はは、彼女さんですよーっ。…起こしちゃった?」 『んーん。起きてた。なんならお前とのライン見返してた』 光の速さで既読がついたのはそのせいか。 『寝れないんでしょ?』 「うん」 『寝かせてあげる』 「え?」 どうやって?と聞く前に指示が始まる。 『寝転んでー布団かけてーっ』 「え、待って」 スピーカーにして、言われた通りにする。 「はいっ」 『はーい、じゃあ目をつむって?』 「はいっ」 『はーい、行くよー?』 何を??と言う前に彼が喋り出す。 『羊がー、いっぴきーっ。羊がー、にひきーっ』 「ストップストップストップw」 思わず止めに入った。寝れんよこれはw 『え?駄目?』 しゅんとした声で彼が私に問う。いやそんな声で言われても。 「笑うから駄目w」 『えー?』 「なんで行けると思ったの?目ぇ冴えたよw」 『これが王道じゃないの?』 王道?え、王道…なのか? 「わからんけど無理、笑うから」 『えー』 「もう普通に通話した方が寝れるから!じゃあ今日何があったか喋って?」 『んー今日はねー』 結局普通の通話をして、彼が先に寝てしまったけれど、彼の寝息を聞きながら私は無事に眠ることができた。 END 読んでくれてありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。 ラブコメです。真面目な恋愛小説とラブコメ、どっちも好きで、どっちも書きます。 感想くれた方、嬉しかったです。ありがとうございます! 感想もらえましたら喜びます!

短編小説みんなの答え:6

町内戦隊ユメミンジャー

町内戦隊ユメミンジャー    作:ムーン♪ そこは夢見町(ゆめみちょう)の公園。雲がオレンジ色に染まりかけたその時だった。 「いやぁぁぁだぁぁぁ~ 僕はヒーローになるんだぁぁぁぁ」 公園の砂場にいる男の子がそう大声で言っていた。 「何言ってんの。ヒーローなんてね、いないのよ。あなたは安定した仕事につきなさい」 男の子のお母さんらしき声。それを見ていた孝弘(たかひろ)、義明(よしあき)、雄馬(ゆうま)は「うん」とうなずき、 「とお!!」 と大声を出した。 その瞬間、赤いマントを羽織っている人と、青いマントを羽織っている人と、緑のマントを羽織っている人が現れて、その人たちは 「タカレンジャー・ヨシレンジャー・ユウレンジャー 合わせてユメミンジャー!!」 と声を出しそれぞれ決めポーズをきめた。 それを見て男の子は目をキンギラギンに輝かせ 「ねえ見て!ヒーローがいるよ!!やっぱりヒーローはいたんだよ!!」 と言った。しかし男の子のお母さんは 「何馬鹿みたいなこと言ってんの。あなた達、あそこの小学校の小学生でしょ。ヒーローなんていないのよ。バカげたことやらないでちょうだい」 とユメミンジャーをにらんできた。 「きたぞ!大人の睨み攻撃だ!ユメミンジャーの諸君、目をキンギラギンに輝かせ、睨み攻撃に勝つのだ!それ、キンギラギン攻撃!!」 ユメミンジャーは滑り台の上に上り、目をキンギラギンに輝かせた。 「な、なによ。ほんとおかしい人たちね。もう夕方だし、帰るわよ。」 男の子のお母さんは男の子の手を引っ張り公園を出ようとした。男の子のズボンに、砂場の砂がついている。 「あっ!逃げようとしてるぞ!!待て!夢のない大人よ!子供に夢を与えよ!!」 タカレンジャーはそう叫ぶ。男の子がユメミンジャーを見つめている。 「大人に勝負を仕掛ける!」 タカレンジャーはそう言うと、なにやらヨシレンジャーとユウレンジャーに合図を送る。 「な、なによ!邪魔よ!どきなさい!!」 男の子のお母さんが公園を出ないように、ヨシレンジャーとユウレンジャーが邪魔をする。 「いざ、勝負!!!」 タカレンジャーの声とともに公園にだけ雨が降り出す。 「あ、雨!?あっちは降ってないのに!!」 男の子のお母さんの服がどんどん濡れていく。 「公園の出入り口をふさげー!!」 タカレンジャーがそう言うと不思議と公園の出入り口だけ土砂降りが降り始めた。通れないほどの土砂降りだ。 「いけー!!」 ヨシレンジャーとユウレンジャーが男の子のお母さんにアタックする。 「ああっ!」 男の子のお母さんが転んだ。しかも水たまりにお尻が入ってしまい、男の子のお母さんの服はもっと濡れてしまった。 「あああ、、、10万円の服が、、、」 男の子は数秒お母さんを見ていたが、ユウレンジャーのところに走っていった。 「すごい!すごい!!」 男の子の大きい声。 「よし、ヨシレンジャー、ユウレンジャー、滑り台の上へ来い!!」 「はい!」 「とたとたとた」とヨシレンジャーとユウレンジャーは滑り台の階段を上る。 「我らはー!」 「ユメミンジャー!!」 ユメミンジャーの声がそろう。 「子供の夢を守るため!」 「ゆめみ星からやってきたー!」 「子供を守れ!」 「ユメミンジャー!!!」 タカレンジャーの掛け声の後、ヨシレンジャーとユウレンジャーは声を合わせて言った。 男の子は目を輝かせている。 すると、後ろから 「わかりました。確かに、夢は大事ね。」 と男の子のお母さんが涙を浮かべて言った。 「お母さん!!!」 男の子はお母さんのところに走り、「ごめんね」と言った。 「男の子のお母さん。僕は孝弘と言います。僕は昔からヒーローが大好きで、ヒーローを目指していたんです。同じユメミンジャーのメンバーも同じ夢を見ていました。でも、僕のお母さんはくだらないと言いました。悲しくて、悔しくて、僕は、子供の夢を守るためのヒーローになろう、と思ったんです。 だから、子供の夢を壊す人が許せなくてあなたのことをいじめてしまいました。ごめんなさい。」 タカレンジャーは頭を下げた。 「ごめんなさい」 ヨシレンジャーも、ユウレンジャーも頭を下げた。すると男の子のお母さんはにこっと笑って 「ヒーローって、素敵な夢ね。」 と言った。 今日も素敵な夢をあの子たちに見せた。 でもまだ夢を壊す大人はたくさんいる。 まだまだぼくたちはユメミンジャーとしていなければな。 ユメミンジャーの戦いはまだまだ続く。 こんにちはこんばんは!ムーン♪です! どうでしょうか?? ヒーローという夢もあっていいと思い、この話を投稿しました。 男の子目線で書きましたが、難しいですね、、、 アドバイス・感想をお願いします!!

短編小説みんなの答え:4

短編小説 アイドル姉妹

「みょうじ、なんて言うの?」 「山本飛香(ヒカ)です……」 「へぇー…山本かぁヨロシク!m(・ω・m)」 「ごめん。あなたのみよじ……」 「遠山桃花(ももか)だお★」 「え?!もしかしてあの遠山さん?!Σ(・ω・ノ)ノ」 ヒカが驚いているのは山桜46でおなじみ。遠山さん。妹がいるって噂は聞いてたケド……マジでここにいた……(っ・ω・:) 「お姉ちゃんにこの後会えるか聞いてみるねー(*^^*)」 「え?!いいよ別に!」 「もしオッケだったら皆でいこーね」 桃花の姉は山桜46の中でもリーダー的な存在の桃葉(ももは)。ファンからも人気だ。 「よっしゃ!オッケだって!(∩´∀`∩) 祐介(ゆうすけ)と優菜(ゆな)も誘って皆でいこー!!!」「お、おー……」 桃葉さんと会う当日の日。 祐介って桃花の事好きなのかなぁと考えながらも心臓バクバクの緊張気味の私氏。あれ?私って祐介に片想いしてる?! 「あ!お姉ちゃん!!m(・ω・m)」 嘘?!マジで桃葉さん?! いる!目の前にいる。驚きすぎて棒読みの私「こっっこんにちわっ(o/////o)」 「ああ!あなたがヒカさんね!桃花から聞いてるわ!ヨロシクね!」 やばぁ。超絶かわゆい。 しかも私の名前言ってくれた。ヒカって。 「楽しかったねぇ!」 只今帰り道。桃葉さんと写真を撮ったり、充実した1日を過ごした。サイコー 「ねぇ!ヒ…」ガシッ ?!……って桃花かぁ~ビビったぁ~ でもどうして私(優菜)を止めたんだろ? 「見てみな…」え?なんのこ…あ! 「好きです」「は?」 祐介がヒカにコクってる。 「だーかーらー好きです///////」 「え、えぇぇぇぇぇ?!」 「今更かよ。反応オセーな。で?どっちなの?嫌い?好き?」 「そんなこと……好きに決まってる/////」 「ありがと(〃・ω・〃)」 夕日で2人を照らしている。 見てくれてありがとうございます! 久々の投稿です!スミマセン! 投稿出来なかったときにスマホのアプリのメモ帳に短編小説書いていたんで、近日ドンドン投稿していこうと思います! で、アイドル名とかはほぼ適当です。

短編小説みんなの答え:4

絵に描くものは ~湖屋敷の夏物語~

パラリ。 スケッチブックをめくる。 私の趣味は絵を描くことだ。 何週間もかけて一枚の絵を仕上げる。 『藤波朱鳥』と裏表紙に油性ペンで書かれた、真新しいスケッチブックの1ページ目には何を描こう。 私はスケッチブックと鉛筆を持って家を出た。 私が今いるこの場所は、とても自然豊かだ。 本当は湿地の風景を描きたいのだが、あいにく此処にはない。 しばらく歩き、森の中にひっそりと建つ古いお屋敷を描くことにした。 私はお屋敷の前の湖も視野に入れられる湖の前の岩に座り、スケッチブックの1ページ目に鉛筆を走らせた。 夏の日差しが木々の間から木漏れ日となって差し込んでくる。 その日差しを受けながら、私は好きな曲を脳内再生して絵を描く。 サラサラ、と鉛筆がスケッチブック上を駆ける音がする。 この音が、私は好きだ。 それから一時間が経った。 私は湖とお屋敷の入り口辺りを白黒で描きあげた。 「ふぅ」 「何を書いてるの?」 「!?」 慌てて振り返ると、私と同い年くらいの長い青髪の美少女が立っていた。 薄茶のワンピース姿で。 「…だ、誰?」 「私は、桜。このお屋敷の住人。」 その桜…さんは、心なしか少し妖しげな雰囲気を見に纏っていた。 「私は、藤波、朱鳥…。」 「あすかって言うのね。綺麗な名前。 私のことは桜って呼んで」 「ありがとう、わ、私あなたの住むお屋敷の絵を描いているの」 そう言うと、桜は顔を輝かせた。 「まぁ、嬉しい!朱鳥は絵が上手いのね」 「そんなことないよ」 不思議だ。 私は昔受けたいじめのせいですっかり同い年くらいの女の子と話すのは苦手になっていたのに、璃狐とは楽しく話せる気がする。  今は、少しぎこちないけれど。 「ねぇ、朱鳥。今は夏休みよね?」 「そうだけど…」 「なら、また会いましょう! 私、もう戻らないといけないの」 「…そうなんだ。」 私はずっと動かしていた鉛筆を止めた。 ふいに、止まってしまったのだ。 「じゃあ、また…ね」 「ふふ、絵、頑張ってね」 「うん」 そして桜はお屋敷の中に消えていった。 すっかりもう誰も住んでいないと思っていたのに、まだ住んでいたんだ。 私はそれからも一時間…日が暮れるまでずっと絵を描いていた。 翌日。 私は胸を踊らせてお屋敷の前に向かった。 …そこには、もう桜がいた。 「桜!」 「昨日ぶりね、朱鳥」 「うん」 桜と話していると、不思議と鉛筆が進んだ。 湖が夕日を反射してキラキラと光り始めるまで、私たちはずっと一緒にいた。 それが、私の中で夏休みの日々の楽しみになっていた。 とある日は絵を描かずに湖で遊んだり。 森を散策したり。 後、湖の周りを走って競走もした。 やがて、私は数週間かけて鉛筆での下書きを終えた。 それから、私はそのことを桜に伝える為にいつも通り湖の前へ向かった。 そこには、ぽつんと桜が立っていた。 「桜」 「朱鳥!あの…私、話さなければいけないことがあるの」 「?」 桜は思い詰めた表情で続けた。 「私は、あなたとは違うの。私はもう生きていない…」 「は!?」 桜はどうしたのだろう? 「私はね、数十年前にこのお屋敷で病死した子供。死ぬ前までにこのお屋敷の絵を描きあげたかったのに描き上げられなかった女の子…」 「さ、桜!?」 そして私は桜が少し透けていることに気がついた。 「お屋敷はもうすぐで壊される。だから私もいなくならないといけないの」 「早すぎるよ、まだ、出会って数週間じゃない!」 こんなの、こんなの急すぎる。 桜が幽霊なんて。 「桜!!」 「だからね…、朱鳥にお願いがあるの。お屋敷が壊される前に、絵を仕上げて…」 「この絵を?」 桜は涙目でうなずいた。 「私はお屋敷の絵を描きあげたかった。 でも、もう不可能だから…あなたの絵が見たいの」 「桜…。 分かったよ、私は描きあげてみせる」 そういうと、桜は弾ける様に笑った。 その緑の目からは透明な水が溢れていたが。 私には桜が消えてしまうということが受けいれられなかった。 そして日々絵を描き、残るは湖屋敷の門の色。 私はそれを、桜に頼んだ。 二人で描きあげたかったのだ。 それを桜は受け入れ、綺麗に赤色を塗ってくれた。 やがて、とうとう絵は完成した。 それと同時に桜は…。 「桜…!!」 「朱鳥、本当にありがとう…!!」 という言葉を残して消えてしまった。 その翌日に、工事により湖屋敷は崩れて消えた。 その様子を目の当たりにした後、私はずっと湖を眺めていた。 十年後。 今でも私はあの絵を大切に持ち、桜の事を忘れないでいる。 終

短編小説みんなの答え:14

交通事故

キキィィィィイィィッッッッ!!!!!!!!!! 僕は今、 車に轢かれた。 --------------------------------------------- ここはどこだろうか? 僕は気づけば、真っ白な空間にいた。 当たりを見回すと、長い髪で白い服を着ている少女が立っていた。 それにしても不気味だ。 僕は轢かれたんじゃなかったのか? 「いらっしゃいませ。」 か細く高い声で少女は僕に話しかける。 「ここはどこなんだ?真っ白い空間で目が痛くなりそうだ。」 少女はふふっ、っと不気味な笑みを浮かべる。 この少女は…なんなんだ?不思議な雰囲気だ。 「ここは天界です。貴方は神に招かれました。」 天界? あ、じゃあ______。 僕、死んだんだ______。 「神に招かれたって言った割にはその招いた本人がいないけど…」 何もないのに何故か薔薇の匂いがする…。どこかから風に乗って運ばれてきたのだろうか。 その瞬間、びゅうっと風が吹いて、気づけば辺りは薔薇園になっていた。 「あれ?」さっきの不思議な少女がいなくなっている。 不思議だなぁ_______。 ------------------------------------------------ 目が覚めると、病室にいた。 なんだ、ただの夢だったのか。と、一安心する。 なら、僕は今、生きている? 起き上がって見渡すと、そこは僕の家の近所の病院だった。 助かったんだ、僕。 母が泣いている。意識が戻って嬉しかったのだろうか。 母の名前を呼ぼうとしたが、声がつっかえて出ない。 何日寝ていたのだろうか______。 カレンダーをよく見ようとベッドから降りた。 体が軽かった______。

短編小説みんなの答え:3

秋祭り 思い出す

 その場所に来ると思い出し、また起こりそうな不思議な日のお話です。  その時私は秋祭りの実行委員でした。私は遅れるといけないので早めの電車に乗った。30分前だとはいえ、駅のホームは込み合っていた。私は友人を見つけた。その奥で、実行委員のカードを首から下げた、スーツを着た女の人を見つけた。私はその人の方に走り出していた。でも、その人は消えていた。私は気になって友人に聞いた。 「そこらへんにスーツの女の人がいたんだけど美桜見てない?」 と聞いた。そしたら友人の美桜は 「え、何言ってるの。そんな人いなかったよ。」 と不思議そうに言った。私は、「ま、いっか。」とあまり気にしないで電車に乗った。電車の中では、若い女の人達が噂話をしていた。この10年の間にこの電車に乗って事故で亡くなってしまった女の人がいるらしい。その女の人はその年の今日の秋祭りの実行委員だったそうだ。そこまで聞いて私はやっと気づいた。私が見た女の人の正体を。  秋祭りの会場について実行委員のテントに向かった。私は一番年齢が高い、今井さんにあの話を聞いてみた。今井さんは、 「ああ、知ってるよ。」 と一言だけポツリと言って屋台の方に行ってしまった。その時耳元でささやかれた。 「私のことを見つけてくれてありがとう。私は秋祭りの日の電車のホームに行きます。毎年。幽霊だから、怖がられるかもしれないけど私はあなたのことを友達だと思っています。」  私はそれから、秋祭りの実行委員を毎年やっています。でも、あの人には会っていません。ですが、あの事故のことを、脱線事故のことを。毎年地域の学校に行って伝えています。でも今年はもう無理ですね。と看護婦さんに言って笑った。私は今、病院のベッドの上にいます。余命宣告をされて半年、先生の話ではあと1か月らしいです。長生きするのは難しいですね。と看護婦さん達と笑った。私は旦那と約束した。僕より長生きしてね。その約束は守れません。  私の名前は菜桜です。覚えていますか?

短編小説みんなの答え:3

惚れ薬の罪悪感

「はぁ...」 僕は、学校の机に突っ伏しながら息を漏らす。こうすると、頭の中のギチギチにつまった悩みが少しだけ外に排出されるようで一瞬だけ楽になる。その悩みは出現してからすぐに僕の思考の大半を制圧し、気づけばその悩みについて考えていることが多い。 僕の名前は広川。身長は160前半くらいの中二だ。僕は生きていてたった一度もモテたことは無い。学力も下。努力はしないくせに飯だけは大食いで家計を圧迫し、隙あらば楽をしようとする。周りに迷惑しかかけれない害人だと思っている。こんな自分が憎い。殺してやりたいと思うほどに。 僕の心に暗い思いが渦巻いている中、暗所に光が差し込むように甲高い声がかかる。 「広川くん、また落ち込んでる?」 「うー...」 僕は声の主に対して顔も上げずに声を漏らすことで応答する。声の主には両腕の中にしまわれた顔からのこもった声だけが聞こえるだろう。 声の主は顔を上げなくてもわかる。クラスが同じの小林だ。彼女は僕に''惚れて''いる。こんな自分に? いやいや、とてもじゃないが僕に女子を落とす技なんて無い。でも現に彼女は僕に惚れている。なぜか? 僕でも気が付かないような魅力に気が付いたから? たまたま僕の見た目がタイプだったから? ...どれも違う、というかありえない。僕は人に迷惑しかかけられない害人なのだから。彼女もまた、僕が迷惑をかけてしまった人物といえる。なぜなら彼女は、僕が誤って飲ませた惚れ薬によって惚れているのだから。 小林は美人で、成績も良くて、行動的である。よってこんなゴミ以下の何者でもない僕とは全く持って釣り合わないのだ。でも、現に彼女はあんたに惚れているのだろう? 何かいいところがあんたでもあるんだよ。と反論する人はいるだろう。だが、その反論も、僕が小林に惚れ薬を飲ませたという事実であっという間に効力を失う。はは、と自分のクズっぷりに笑みすら漏れる。やはり、僕は生まれないほうが良かったのだ。 「もう、アンタは劣等感が強すぎるの!」 その声を聞いて、僕はようやく頭を上げる。窓から差し込む直射日光が目に刺激を与え、瞳孔が狭まり、それと同時に水晶体のピント調節によってはっきりと小林の顔を視認する。 「人の失敗なんかいくつでもあるでしょ、私だってあるんだから」 現在進行形で迷惑をかけている人物にそれを言われて、胸元が冷えるような感覚に襲われる。これは僕が自己嫌悪している時の感覚だ。他の人も失敗はあるだろうが僕のような他人に大迷惑をかけるタイプとは違う。あくまで親に叱られる程度だろう。 「でも僕は、他人に迷惑をかけて、学習すらしない人だよ? それで何度も同じミスをして迷惑をかけてきた。」 生きたくない。というのが本音だろう。今もこうして小林に迷惑をかけているところだし、僕がこの世からいなくなることが僕のできる最大の良いことだろう。僕は生きているだけで迷惑をかけるといっても過言ではない。迷惑をかける瞬間は毎回、無自覚なのだから。 「しかも、僕は迷惑しかかけられないし、これから役に立つようなこともできない。努力もしないクズ人間だよ。」 そこまで言ったところで、再び机に突っ伏そうとするが小林の行動によって阻止される。小林は僕の腕をつかみ、強制的に僕を立ち上がらせようとする。女子とはいえど、その予想外の行動に、僕は思わず彼女の思い通り立ち上がってしまう。 「じゃあ、他の人に過去の失敗を聞いて回ろうよ。」 小林も僕も立ち上がっているが、僕の方が背は低い。僕の片腕は小林に掴まれていたが、その腕は小林の手から離れ、自由になっている。僕が小林のその態度に困惑していたら、小林は改めて僕に手を差し出し、口を開く。 「ほら、手、繋ごうよ?」 ギリ、と自らの歯が軋むのが僕だけに伝わる。そうだった。小林が僕の席によく行くようになり、彼女の友人に不審がられ、その友人に 『小林ちゃんは広川が好き』 という噂を流されたが小林はそれを逆に利用して僕へ距離を詰めた。もちろん、すべて惚れ薬の効果によって。 僕は、手を差し出し顔を赤らめながら笑う小林の手を、こみ上がる罪悪感によって泣き出すのを必死に我慢しながら握った。小林さん、ごめんなさい。僕の惚れ薬のせいで僕なんかに惚れさせてしまって本当にごめんなさい。 そして繫がれた手は小林の手によって恋人繋ぎに修正される。広川にとってこれは毒であるということを知らずに。

短編小説みんなの答え:2

星空急行列車のお茶会

生きる意味が分からない。私はそういう人間だ。いつ死んでもいい人間で、でも死なない。死のうとしない。今日も屋上で黄昏時を満喫する。ふさっと生暖かい春風が吹く。 「なにこれ…?」 手には星空急行列車乗りと書かれた切符。するといきなり、周りが一気に暗くなり、空にはたくさんの星が見える。 「まだ、夕方だったはずっ」 まだ、状況をよく飲み込めず、困惑する。上の方から、ガタンゴトンと列車の音がする。キキィーと、ここで列車が止まる。中から男の人が出てきて、 「切符を拝見します。」 と言う。私は訳もわからず切符を差し出してしまう。 (乗っちゃったっ…) でも、都合が良い感じがする。この列車でずっと彷徨っていれば、死んだことにならないだろうか。 「何か、お飲み物など、この中からお選びください。」 女性がメニューを差し出す。なんだか、わからないような名前の飲み物やお茶菓子がたくさん。何にしようか迷っていると、 「天の川のハーブティーと北極星の琥珀糖を。後、星屑をお願い。彼女にもお願いね。」 と、声がする。 「はい、かしこまりました。」 女性はそう言うと、どこかに行ってしまった。 「あ、あのっ!ありがとう、ございます…」 「いいの。全然。」 女の人は、私の向かい席に腰掛ける。何処か知っている雰囲気の人だ。特に話すこともなく、風景を眺める。辺りは、星がたくさんある。ここは、星空なのだ。と、改めて思う。女の人が、話しかける。 「綺麗?」 「えっはい。」 「うふふ。そうでしょ。私も二回目だけど、何度見ても心を奪われちゃう。」 そんなことを話していると、お茶と菓子が来る。女性が、席の真ん中にある机に、ティーカップや、ティーポット、琥珀糖が乗っている皿、星屑が中に入っているであろう小さな壺を乗せる。女の人は、代金を払うと、お茶をカップに注ぐ。 「ありがとうございますっ。」 と言い、お茶を飲む。ハーブの風味が口いっぱいに広がって、美味しい。 「星屑をかけてみて。」 と言われ、かけてみて、すする。さっきとは少し違う風味が広がり、こちらも美味しい。琥珀糖もほうばってみる。甘くて、お茶を飲みたくなる味だ。 「ねぇ、今生きる意味がないと思ってる?」 そう聞かれびっくりする。 「はい…」 「私も、仕事で失敗を連発しちゃって。生きている意味なんてないんだってまた思っちゃった。」 「え?また?」 「うん。あなたぐらいの歳の時にね。でも、ここに乗って、女の人に会ってこれを頼んでもらってね。」 まるで今の私だ。 「でも、あなたはきっと生きてて嬉しいこともあるから。認めてもらえるから。それまで精一杯努力してみてね。もし、また思っちゃったら、これまでの嬉しいことを思い出すの。あはは。これ、私が前に言われたの。心に来たんだ。それから、この言葉のとうりに生きてたら、楽しくなっちゃた。でも、私もこの列車に乗っちゃうってことは、まだまだなんだなぁって。」 ああ、もしかしてこの人… 「あの、貴方って!?」 「うふふ。そのうちわかるかもね。」 そう言われると、また生暖かい風が吹く。気がつくと、黄昏時で、あの屋上だった。 数年後。私は仕事で失敗を連発してしまい、生きてる意味なんてないのかな。って思う。すると、生暖かい春風が吹いてきて、あの列車だ。そして、私がいる。メニューを差し出され、困っているようだ。 「天の川ハーブティーと、北極星の琥珀糖を。後、星屑をお願い。彼女にもお願いね。」 と、あの私みたいに言ってみた。 ------------ーーー どうも、雑魚な背後霊です。読んでいただきありがとうございます。

短編小説みんなの答え:2

背中を押す(物理) 超短編

急いでいた。青信号は点滅を始めた。だが待ってなどいられない。俺は脇目も振らず駆けだす。横断歩道の真ん中で、ワゴン車が迫っている事に、気づいた。 あ、終わった。 そう思った瞬間だった。背中を、押された。 後ろには、誰もいなかったはずだ。じゃあ誰が?まぁいいか。幽霊か何かが助けてくれたんだ。死ぬところだった。 数日後、俺は塾をサボり、運動公園のベンチにてぼんやり時間を過ごしていた。うたたねから目を覚まし、ふと立ち上がると、俺の頭のすぐ右に、野球ボールが迫っていた。 あ、終わった。 そう思った瞬間だった。背中を、押された。 野球ボールは俺の後頭部を掠めて飛んでいった。俺は振り返り背後を見たが、誰もいなかった。これで二回目だ。一体何なんだ?でもまぁいいか、助かったんだし。 数日後、俺は急いでいた。階段をかけ降りようとしていた。が、その最初の一歩を踏み外した。体が大きく傾く。だけど、手すりを掴めば大丈夫。そう思った瞬間だった。背中を、押された。 あ、終わった。

短編小説みんなの答え:2

無題。

「私なんて所詮病気っていう籠の中で囚われるだけなんだ、、、」 夏の空を背にして彼女はそう呟いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 俺は夏稀。高校2年生。今は真っ白な病室にいる。真っ白な病室の真ん中にある大きなベッドに横たわっているのは幼なじみの優雨。絶賛片想いの相手だ。生まれた時から体が弱くて今は病に侵されている。俺は毎日こうやって優雨の見舞いに来ているのだ。 「ねぇ、夏稀わざわざ来なくて良かったのに」 優雨がそう言って目を伏せた。長いまつげが優雨の陶器のような白い肌に影を落とす。 「そんな言うなって」 俺は慌ててフォローする。 「ごめんね」 優雨は寂しげに言った。 「...」 俺は言葉を失った。 「私なんて所詮病気っていう籠の中で囚われるだけなんだ、、、」 優雨はもう何もかも失ったような顔をした。 「そんなことない!」 俺は咄嗟に声を張り上げた。 優雨は驚いている。 「優雨は俺と一緒にいてもそう感じるのか?俺は優雨の顔が見れるだけでも嬉しいんだよ!」 小さな病室に俺の声が響く。 「夏稀、、、」 優雨は少しふてくされたような表情をして見せた。 「ごめん、夏稀。私自分のことばっか考えて夏稀のこと頭になかった。」 優雨は柔らかく微笑んだ。 「夏稀はさ、勉強も部活もあるのに来てくれてたのに、私そんなこと言ってごめん。」 優雨は俺の顔を見つめて言った。 やっぱり優雨は綺麗だな、なんて場違いなことを考えていた。 「ねぇー、何じろじろ見てるの?」 「ひゃっ」 慌てて声が上擦ってしまった。 「最後の夏に何か出来ないかな、、、」 俺は考えた。 「俺と駆け落ちしない?」 咄嗟に出た考えた答えがこれだった。 「え?」 はぁ、やっぱ俺馬鹿だ。 「いいよ、駆け落ち、しよう」 優雨は俺の手を掴んで走り出した。 「おっおい、待て優雨!」 ーーーーー数分後 たどりついた場所は河川敷だった。 太陽の光が水面に反射してキラキラと輝いている。 「はぁ、はぁっ」 俺は肩で息をした。 「ねぇ、ここさぁすごく綺麗だね」 「そっ、そうだな、すごい綺麗」 「今日ね花火大会が7時からあるんだって」 俺は腕に着けた腕時計を見た。今はちょうど7時だ。 辺りはもう薄暗くなってきている。 『ヒュー、ドォーン』 遠くで花火の打ち上がる音がした。 「すごい大きい!」 優雨は子供のようにはしゃいだ。 優雨は落ち着いた表情をする時もあれば、幼気な表情をすることもある。俺は優雨のそんなとこに魅了されたのだ。 「なーつきっ!」 「うわっ!耳元でいきなり喋んなって」 「ごめんごめん、ほら見て線香花火!」 優雨は器用に袋をあけ、火を付け始める。 ぱちぱちと音がする。優雨は自分でやり始めた癖に「ほぉーっ」とか「はぁー」とか感嘆の声を上げている。 少したったかな。花火も終わり、手持ちの線香花火も全て無くなった。 「夏稀」 優雨は真剣な口調で話し始める。 「私、やっぱ手術受けようと思う」 「えっ?」 「だって前までずっと怖くて。でも夏稀とこうやって過ごすのが出来なくなる方が怖くなってきたの」 そういう自分が馬鹿みたい、目の奥で笑いながら彼女はそうつけ加えた。 「いいじゃん、ふっ切れたなら俺も嬉しいし、優雨と一緒にいる時間が増えるのも嬉しい」 刹那、優雨が俺の手に手を絡めて口唇を奪った。 「おまっ、何してんだ。ばか、、、」 俺は照れながら言ったのか最後は声が掠れていたようだ。 「あのね、夏稀。こっち向いて。」 多分俺の顔はすごく紅潮している。 「私、夏稀のことが好き。狂っちゃうぐらい好き。」 優雨は今まで見せたことのない色っぽい顔で言った。 「え、うそ」 「うそじゃない、私は本気。好き、好き、好き」 「もう、俺を困らせるなよ。でも俺も優雨のことが好き。」 優雨は困ったような顔をした。 俺は照れた顔を見せた優雨を抱き締めた。 「夏稀っ、見られちゃう」 俺は意地でも離さなかった。 優雨は諦めたように体重を委ねてきた。 「夏稀、ありがと」 白紙だった1ページに新しい物語が追加された。優雨の手術が終わったらまた新しい物語を描いていきたい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー どーも、作者の桃野です。 今回は男の子目線で描きましたが、主は女です。ゴリゴリの女です。 さて、登場人物の名前の読み方ですが、 夏稀=なつき、優雨=ゆう、となっております。これ、完全オリジナルの名前です。(本当はSi〇ejiの変換使いましたw 感想、題名などあれば回答の部分に書いてくれれば幸いです。 最後にこの小説に出会ってくれた皆様ありがとうございました

短編小説みんなの答え:5

要らない感情、ありませんか。【短編小説】

私、桜。本日、失恋しました。ずっと片想いしてた相手に彼女ができちゃった。なんも行動しなかった癖にぽろぽろ涙が出てくる。情けないなぁ。好きになんて、ならなければ良かった。 「おや、そこのお嬢さん。」 「…え?」 そこには全身黒づくめの細くて白い男が立っていた。 「え、私?」 「そう。今、“ 要らない感情 ”を回収しているんだ。どうかな?」 ヤバい人だと思った。でもその人の話に興味が湧いた。 「か…感情を回収されるとどうなるの?」 「例えば “嬉しい” という感情を回収された人は何があっても嬉しいと感じなくなる。」 「その人は永遠に嬉しさを感じれないの?」 「うん。」 「あの…お願い…します。」 「君はどの感情の回収を望む?」 「…“ 好き ”という感情で」 「了解。」 あれから7年後。私は大学生になった。最近、ある人を格好良い、素敵だとずっと思ってる。これは好きという感情があれば恋なのだろう。もういっそ彼を愛してしまいたかった。私は今更後悔し、ずっと苦しみ続けるのだった。 感情なんて回収しなければ良かった。  「要らない感情有りませんか。」          ーend-

短編小説みんなの答え:1

~犯した罪の深さ~

ウチは玲(れい)。今小学5年生。最近悩んでいることがあるんだよね。 それは、毎日ウチの家に写真が届くこと!毎日一枚は必ずと言っていいほど頻繁に来る。ひどい時には1日3枚届いたことも!しかも毎回シロツメクサの写真。もうほんとなんなのこれ! 実はウチ、学校である女子をいじめているんだよね。その人は花音(かのん)。いつもウチたちにまとわりついてくるし自己中だからいじめちゃおって思って学校でいじめている。本当はいけないってわかってるけどね。でもこうでもしないと花音は効かないもの。だからいじめ続けてる。 「ただいま~」 家に帰ってみるとまた写真!いい加減にしてよもー! ...あれ?裏面をよく見てみると 「川崎 玲様」 と端っこに小さく書かれてる。なんかこの文字って花音の文字に似てる!この手紙は毎日花音が送ってたの?「やめて」とか書かずにシロツメクサの写真だけ送ってくるのは何で? この時ウチは知らなかった。シロツメクサの花言葉が「復讐」ということを... 次の日の業間。暇だし屋上にでも行こ! うん!やっぱ風が気持ちいい! そんなことを呑気に考えながら下を見ていると、後ろに花音が居た。ウチは気にせず下を見ていた。すると ドンッ! と後ろから強く押された。まるで花音はそのタイミングを待っていたみたい。その目は酷く燃えていた 「私の犯した罪ってこんな重かったんだ」 後悔した時はもう遅い。ウチの目にはみるみるアスファルトが迫っていた。

短編小説みんなの答え:1

(和風系物語)境界の紅い彼岸花

(この物語には多少の恋愛表現が含まれます。 恋愛表現が含まれていても宜しい方はお進みください。) 私は… 紅い彼岸花の園という異名(またの名)を持つ神社に来た 紅い彼岸花の花びらの散る石畳の道を歩くと 輝き導く夕日が差す場所がある 静寂に包まれた神社と はたまた静寂に包まれた花 この話はある女の子とある狐の物語である ーーーーー 私は… 突如現れた 狐面を被った男の人を見た…見つめた。ずっと見つめた。 狐面を被った人は微笑んだ 私の方を見ながら微笑んだ 微笑みながら手を差し出した 天に向かい棒を持ち掲げる きっと…お祓い棒だ 霧がかかった 狐面の男は私の顎をくいっとあげた そのあと…微笑んだ 愛してる、と私に囁きながら なんの意味があり、なんの意図があるのか分からない 霧が消えた 私は神隠しにあったのだと 境界の狭間に閉ざされたのだと 神様はずっと私を見ていた 伝えたかったんだ、想いを 狐の神様は…。 私は夕日を見つめていた 何故だか涙が流れてきた 私の手に握られていたのは 一輪の紅い彼岸花だった (筆者のツキヒと申します。 彼岸花、私の好きな花の一つです。 花言葉を知るとよりこの話を深く楽しめると思います。 「思うはあなた一人」 素敵な花言葉ですよね! きっと、狐面の神様はこの女の子をずっと見守っていてくれていたんですね。) 感想お待ちしています!

短編小説みんなの答え:1

君の彼女の罰ゲームは幸運ゲーム

『好き』君に対して何度この気持ちを抱いただろうか。 小学4年生の時から、ずっと思ってる。 いつも隣にいるのに、言葉に出そうとしても、喉のところで詰まる。 好き、好き。私は和真(かずま)が好k... 私、神楽 美玲(かぐら みれい)。中学1年生。 私には、好きな人がいる。黒金 和真(くろがね かずま)。 いつも、私に優しくしてくれる。 でも、それは、私が好きだからじゃない。きっと罰ゲーム。 和真には、彼女がいる。江藤 愛菜(えとう らな)ちゃん。 二人は、とても仲がいい。クラス公認のカップルだ。 ただ、愛菜ちゃんは私の事が嫌い。その理由は分からない。 きっと、私が和真が好きなことが気にくわないからだろう。 だから、この優しさは罰ゲーム。私を傷つけるための... 愛菜:どうしたの?美玲ちゃん。優しくしてもらってるんだよ! 美玲:う、うん。でも、これは本当の優しさじゃない。 愛菜:え?可愛そうに。人の好意を敵にまわすなんて。 そ、そうだよね。私の勘違い。そう思うしかなかった。 和真:愛菜、もういい。お前に付き合ってられるかよ...! 愛菜:和真~!ごめん。今週、どこ行く? 行っちゃった。もっと、罰ゲームでも、優しくして... 美玲:っっっ...! /// 和真がこっちを向いて、「ゴ・メ・ン」って口を動かした。 「ゴ・メ・ン」?なんだったんだろう。 なんで謝ったのかな。その答えを知るのに時間はかからなかった。 和真:美玲、ちょいと話がある。いい? 美玲:えっ、私?私で良ければ... 何かあったのかな?なんで私なんだろう。 和真:あのさ、お前、あれ罰ゲームって思ってる? 美玲:えっ、そうでしょ?それ以外の何なのっ! 泣きそう...っていうか、泣いてる。だめ...だよね。 和真:はっ!おい!な、泣くなよ... ちょっ... 美玲:ご、ごめんね。でも、悲しいんだもん。悲しいんだよ... 和真:言っておくけど、あれ、罰ゲームじゃないかr... 美玲:ん?何か言った? 和真:あっ、言ってないし... 美玲:?? 和真:あ~、そんな顔でこっちみんなよ! 美玲:ひゃっ!! 温かい。ち、近い!! 美玲:か、和真くん?愛菜ちゃんに怒られるよ。 和真:嫌か?俺とこうやっているの... 美玲:できれば、もう少しこのままでいたい...です... 和真:お..おう... こんなに近くにいるのに、それでも、言えない。でも、決めた。 和真&美玲:あっ、あの...! 和真&美玲:あっ、どうぞ... 和真:もし、俺が好きって言ったらどうする? 美玲:えっ... 和真:あ~、もう...  ...きだよ。 美玲:ん? 和真:好きだよ!お前が好きだ! 美玲:っっっ...! /// 美玲:わ、私も...好き。 和真:もうしばらく、このままでいようか。 この後、愛菜ちゃんとは、別れたらしい。 元々、そんな和真は好きじゃなかったらしい。 そして、今、私の隣にいるのが和真。彼氏です。 今考えればあれは、罰ゲームじゃなくて、幸運ゲームだった。 ーENDー

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