ひめごと。
…
「おはよう!」
可愛らしく、整った顔立ちの少女が私に挨拶をした。
「おはよう。」
私も笑顔で挨拶を返す。
彼女は幼なじみで親友の早乙女朝日だ。
そして私の名は伊藤千景という。
いつも通りに方を並べて歩き、学校へ向かう。
そしていつも通りに授業を受けて、いつも通り友人と話して、いつも通りの道で家へと帰る。
どこにでもいるような普通の学生だ。ただ、こんな普通な自分でも、誰にも言えない秘め事がある。
……
それは幼なじみの朝日に恋愛的に好意を抱いているということだ。
可笑しいだろう?
同性を好きになるなんて。
きっと気持ちを伝えれば彼女と私の関係は崩れてしまう。
想いを伝えずとも、こうして彼女と一緒に話せて笑い合えるだけでも十分だと思っていた。
想いを伝えて彼女を失うくらいならずっと胸に秘めていよう。そう思っていた。
…
私はふと、こう思った。
「いつから彼女を好きだったのだろう」
彼女は思わず守ってやりたくなるような線が細くて華奢な体をしている。
大きく綺麗な瞳に、桜色の唇。
その唇から発せられる愛嬌のいい声。
存在自体が可愛らしく、愛おしかった。
他人のために傷ついて、自分が気がついたらいつも傷だらけになっているような優しい子だった。
そんな所に惹かれていたのだろう。
中学校を卒業したら進路は別々だ。
遠くの高校に通うために彼女は寮のある高校に通うそうだ。
私は告白したくてたまらなかった。
告白をせずに後悔するくらいなら伝えた方がいい。そう思っていた。
卒業の日に、想いを伝える決心をした。
彼女は優しいからもしかしたら受け入れてくれるのでは…という淡い期待を抱きながら私は卒業を迎えた。
帰り道、いつも通りに彼女と肩を並べて歩く。怖くてたまらなかった。
私は恐る恐る口を開く。
「最初に謝っておくね…こんなこと言ってごめんね。私、ずっと朝日のことが好きでした。」
彼女は驚いた顔をして固まってしまった。
彼女の驚いた顔を見るのが辛くてたまらなくて、消えたくなった。
「千景、えっと、」
彼女は焦りながら口をぱくぱくしていた。
…沈黙が続く
「あはは…こんなこと言ったら朝日はきっと困るって分かっていたけど、どうしても伝えたかったんだ…」
私は焦って、自嘲混じりに早口でそう告げた。
「違うの!困ってなんかいないよ!私も千景の事大大大好きなんだよ!?千景は知らなかったけど私も千景の事好きだったんだよ、周りの人のこととかもよく見てて、困っている人がいたら放っておけなくて、常にみんなを気遣ってくれる優しい千景の事が好きだったんだよ!?」
彼女は耳まで赤くしてそう告げた。
私は彼女の言った言葉をすぐに理解できなかった。ゆっくりと、その言葉を頭の中で噛み砕いて、数秒後、私も顔を真っ赤にした。
驚きと涙で声が出なかった。
彼女は震えながらこう言った。
「千景をね、困らせたくなかったの。
でも両思いって知れて本当に嬉しいの。今まで女の子の千景に女の子の私が告白するとか、そんなのおかし…」
彼女が続きを言う前に私は言った
「おかしくなんてない。全然。性別がどうあれ、想う気持ちは変わらない、そうでしょ?」
彼女…朝日は泣き崩れていた。
お互い沢山泣いた。
卒業の日、青く晴れた空の下で、今までの想いを伝え合い、二人は笑いあった。
ここまで読んで下さりありがとうございます!誤字・脱字があったら申し訳ありません… 月猫さん(埼玉・11さい)からの相談
とうこう日:2020年6月9日みんなの答え:1件
「おはよう!」
可愛らしく、整った顔立ちの少女が私に挨拶をした。
「おはよう。」
私も笑顔で挨拶を返す。
彼女は幼なじみで親友の早乙女朝日だ。
そして私の名は伊藤千景という。
いつも通りに方を並べて歩き、学校へ向かう。
そしていつも通りに授業を受けて、いつも通り友人と話して、いつも通りの道で家へと帰る。
どこにでもいるような普通の学生だ。ただ、こんな普通な自分でも、誰にも言えない秘め事がある。
……
それは幼なじみの朝日に恋愛的に好意を抱いているということだ。
可笑しいだろう?
同性を好きになるなんて。
きっと気持ちを伝えれば彼女と私の関係は崩れてしまう。
想いを伝えずとも、こうして彼女と一緒に話せて笑い合えるだけでも十分だと思っていた。
想いを伝えて彼女を失うくらいならずっと胸に秘めていよう。そう思っていた。
…
私はふと、こう思った。
「いつから彼女を好きだったのだろう」
彼女は思わず守ってやりたくなるような線が細くて華奢な体をしている。
大きく綺麗な瞳に、桜色の唇。
その唇から発せられる愛嬌のいい声。
存在自体が可愛らしく、愛おしかった。
他人のために傷ついて、自分が気がついたらいつも傷だらけになっているような優しい子だった。
そんな所に惹かれていたのだろう。
中学校を卒業したら進路は別々だ。
遠くの高校に通うために彼女は寮のある高校に通うそうだ。
私は告白したくてたまらなかった。
告白をせずに後悔するくらいなら伝えた方がいい。そう思っていた。
卒業の日に、想いを伝える決心をした。
彼女は優しいからもしかしたら受け入れてくれるのでは…という淡い期待を抱きながら私は卒業を迎えた。
帰り道、いつも通りに彼女と肩を並べて歩く。怖くてたまらなかった。
私は恐る恐る口を開く。
「最初に謝っておくね…こんなこと言ってごめんね。私、ずっと朝日のことが好きでした。」
彼女は驚いた顔をして固まってしまった。
彼女の驚いた顔を見るのが辛くてたまらなくて、消えたくなった。
「千景、えっと、」
彼女は焦りながら口をぱくぱくしていた。
…沈黙が続く
「あはは…こんなこと言ったら朝日はきっと困るって分かっていたけど、どうしても伝えたかったんだ…」
私は焦って、自嘲混じりに早口でそう告げた。
「違うの!困ってなんかいないよ!私も千景の事大大大好きなんだよ!?千景は知らなかったけど私も千景の事好きだったんだよ、周りの人のこととかもよく見てて、困っている人がいたら放っておけなくて、常にみんなを気遣ってくれる優しい千景の事が好きだったんだよ!?」
彼女は耳まで赤くしてそう告げた。
私は彼女の言った言葉をすぐに理解できなかった。ゆっくりと、その言葉を頭の中で噛み砕いて、数秒後、私も顔を真っ赤にした。
驚きと涙で声が出なかった。
彼女は震えながらこう言った。
「千景をね、困らせたくなかったの。
でも両思いって知れて本当に嬉しいの。今まで女の子の千景に女の子の私が告白するとか、そんなのおかし…」
彼女が続きを言う前に私は言った
「おかしくなんてない。全然。性別がどうあれ、想う気持ちは変わらない、そうでしょ?」
彼女…朝日は泣き崩れていた。
お互い沢山泣いた。
卒業の日、青く晴れた空の下で、今までの想いを伝え合い、二人は笑いあった。
ここまで読んで下さりありがとうございます!誤字・脱字があったら申し訳ありません… 月猫さん(埼玉・11さい)からの相談
とうこう日:2020年6月9日みんなの答え:1件
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じーんとした 最後の千景ちゃんが言った言葉が凄く響きました。 ぬこさん(北海道・15さい)からの答え
とうこう日:2020年6月10日
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