私「なんか」じゃなくて
『プロデューサーさん!ごめんなさい!私なんかのせいで…死なないで!プロデューサーさあん!』
はっ…!
最後の叫びとともに目が覚めた。またあの日の夢…あれから何度同じ夢を見ているだろう…
あれは、今からもう5年も前のこと。
私、智絵里は小さい頃から人見知りで、16になった今でも上手く人と会話できない。口癖は「私なんか」の超ネガティブな私は、自分が大嫌い。こんな私は、今現在アイドルです。でも、いつも嫌々仕事をしてるし、握手会やサイン会等では会話も出来なくて、苦痛でしかない。もうアイドルなんて辞めたい。
『プロデューサーさん…どうして私なんかをスカウトしたんですか…私なんかアイドル向いてませんよ…』
「またその話かよ。いつも言ってるだろ。可愛いからだって。それに、オーディション受けに来たのは智絵里じゃないか。あと、私なんかって言うな。アイドルだろ?聞いてて不快だぞ。」
…また同じ答え。プロデューサーさんはいつもこの言葉しか言わない。確かに私はオーディション受けに行った。だけどそれはお母さんが少しでも明るくするためにって受けさせたんだもん…私の意思じゃないもん…
『プロデューサーさん!少しは真剣に話を聞いてください!私、本気で…』
「智絵里!いい加減にしろ!俺はお前だけのプロデューサーじゃないんだ!今日仕事だろ!?さっさと行けよ!」
『…プロデューサーさんの意地悪…もういいです!私、今日こそ本当にアイドル辞めさせて貰います!この事務所には、もう来ません!さようなら!』
「おい、智絵里!今日は仕事が…」
『変わりの人を見つけてください!』
「ダメだ、智絵里!待て!」
プロデューサーさんはすごい勢いで追いかけてくる。私は足の速いプロデューサーさんに追いつかれないように必死に走った。家に着いてしまえばもうさすがに諦めるだろうと思った私は近道の森へ進んで行った。ここは、昼間でも真っ暗だが、真っ直ぐ進んでしばらくすると家の近くに出る。
『はぁ…はぁ…さすがにここまでは来ないかな…』
そう思って振り返ると、プロデューサーさんはまだ追いかけてきていた。ものすごい顔で。恐怖を感じた私はさらにスピードをあげようとして前を向いたその時…
「危ない!智絵里ーーー!!」
プロデューサーさんの叫びとともに私の小さな身体は吹っ飛んだ。
『痛たた…』
気がつくと目の前で血まみれのプロデューサーさんが倒れていた。
『プ…プロデューサーさん…?』
「智…絵里…大丈夫か…怪我は…?」
『私は…大丈夫…ですけど…何が…?』
「全く…熊も悪いやつだ…餌がないからと言って…智絵里を襲うなんてな…」
熊…!?もしかしてプロデューサーさんは私を庇って…身体中から血が出てる…頭からも血が出てる…このままじゃ…
『プロデューサーさん!ごめんなさい!私なんかのせいで…死なないで!プロデューサーさあん!』
私はどうしたらいいかわからず、泣くことしか出来なかった。
『…どうして私なんかを助けたんですか…仕事を放置して帰ろうとした私なんか…ほっといても良かったのに…私なんか居なくたって…』
「…それは違うよ…智絵里…お前には待っている人が…たくさんいるだろ…俺は…お前を助けられて…良かったよ…最期は…プロデューサーとして…仕事…できたな…」
『プロデューサーさん!最期なんて言わないで!私なんか…』
「智絵里…もう、私なんか…って言うなよ…智絵里は…たった1人の…アイドルなんだから…俺は…智絵里以上にアイドル向いてるやつは…居ないと思ってる…お前は…笑うと誰よりも…可愛いんだから…」
『プロデューサーさん…』
「…智絵里…ダメなプロデューサーで…ごめんな…でも…最期のお願い…聞いてくれ…お前…アイドル辞めるなよ…そして…俺よりずっと良いプロデューサーに…プロデュース…してもらえよ…」
『プロデューサーさんはダメなプロデューサーじゃないです!だから死なないで!お願い!プロデューサーさん!』
プロデューサーさんは静かに目をつぶると、二度と目を開けなかった…
その後、私はその森に二度と入らないと決めた。私のせいでプロデューサーさんを死なせてしまったから…もう誰かを失うなんてこと…したくなかったから…
『…もう二度と通らないって決めてたのにな…』
仕事へ向かっている私は、珍しく森の中へ入った。あの日と同じ、昼なのに真っ暗な道を進んでいく。
『この辺りだったかな』
道の真ん中で立ち止まりあの人に話しかけた。
『お久しぶりです。貴方のお陰で私は元気です。今日、トップアイドルとしてステージに立つんです。私…プロデューサーさんの夢も叶えますから…見ててください。…私のために身を放り投げてくれて、ありがとう』
すると珍しく森の中に陽が射さり、濡れた私の頬を輝かせた。あの人が近くにいる。何となくそんな気がする。 こずえさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年6月24日みんなの答え:2件
はっ…!
最後の叫びとともに目が覚めた。またあの日の夢…あれから何度同じ夢を見ているだろう…
あれは、今からもう5年も前のこと。
私、智絵里は小さい頃から人見知りで、16になった今でも上手く人と会話できない。口癖は「私なんか」の超ネガティブな私は、自分が大嫌い。こんな私は、今現在アイドルです。でも、いつも嫌々仕事をしてるし、握手会やサイン会等では会話も出来なくて、苦痛でしかない。もうアイドルなんて辞めたい。
『プロデューサーさん…どうして私なんかをスカウトしたんですか…私なんかアイドル向いてませんよ…』
「またその話かよ。いつも言ってるだろ。可愛いからだって。それに、オーディション受けに来たのは智絵里じゃないか。あと、私なんかって言うな。アイドルだろ?聞いてて不快だぞ。」
…また同じ答え。プロデューサーさんはいつもこの言葉しか言わない。確かに私はオーディション受けに行った。だけどそれはお母さんが少しでも明るくするためにって受けさせたんだもん…私の意思じゃないもん…
『プロデューサーさん!少しは真剣に話を聞いてください!私、本気で…』
「智絵里!いい加減にしろ!俺はお前だけのプロデューサーじゃないんだ!今日仕事だろ!?さっさと行けよ!」
『…プロデューサーさんの意地悪…もういいです!私、今日こそ本当にアイドル辞めさせて貰います!この事務所には、もう来ません!さようなら!』
「おい、智絵里!今日は仕事が…」
『変わりの人を見つけてください!』
「ダメだ、智絵里!待て!」
プロデューサーさんはすごい勢いで追いかけてくる。私は足の速いプロデューサーさんに追いつかれないように必死に走った。家に着いてしまえばもうさすがに諦めるだろうと思った私は近道の森へ進んで行った。ここは、昼間でも真っ暗だが、真っ直ぐ進んでしばらくすると家の近くに出る。
『はぁ…はぁ…さすがにここまでは来ないかな…』
そう思って振り返ると、プロデューサーさんはまだ追いかけてきていた。ものすごい顔で。恐怖を感じた私はさらにスピードをあげようとして前を向いたその時…
「危ない!智絵里ーーー!!」
プロデューサーさんの叫びとともに私の小さな身体は吹っ飛んだ。
『痛たた…』
気がつくと目の前で血まみれのプロデューサーさんが倒れていた。
『プ…プロデューサーさん…?』
「智…絵里…大丈夫か…怪我は…?」
『私は…大丈夫…ですけど…何が…?』
「全く…熊も悪いやつだ…餌がないからと言って…智絵里を襲うなんてな…」
熊…!?もしかしてプロデューサーさんは私を庇って…身体中から血が出てる…頭からも血が出てる…このままじゃ…
『プロデューサーさん!ごめんなさい!私なんかのせいで…死なないで!プロデューサーさあん!』
私はどうしたらいいかわからず、泣くことしか出来なかった。
『…どうして私なんかを助けたんですか…仕事を放置して帰ろうとした私なんか…ほっといても良かったのに…私なんか居なくたって…』
「…それは違うよ…智絵里…お前には待っている人が…たくさんいるだろ…俺は…お前を助けられて…良かったよ…最期は…プロデューサーとして…仕事…できたな…」
『プロデューサーさん!最期なんて言わないで!私なんか…』
「智絵里…もう、私なんか…って言うなよ…智絵里は…たった1人の…アイドルなんだから…俺は…智絵里以上にアイドル向いてるやつは…居ないと思ってる…お前は…笑うと誰よりも…可愛いんだから…」
『プロデューサーさん…』
「…智絵里…ダメなプロデューサーで…ごめんな…でも…最期のお願い…聞いてくれ…お前…アイドル辞めるなよ…そして…俺よりずっと良いプロデューサーに…プロデュース…してもらえよ…」
『プロデューサーさんはダメなプロデューサーじゃないです!だから死なないで!お願い!プロデューサーさん!』
プロデューサーさんは静かに目をつぶると、二度と目を開けなかった…
その後、私はその森に二度と入らないと決めた。私のせいでプロデューサーさんを死なせてしまったから…もう誰かを失うなんてこと…したくなかったから…
『…もう二度と通らないって決めてたのにな…』
仕事へ向かっている私は、珍しく森の中へ入った。あの日と同じ、昼なのに真っ暗な道を進んでいく。
『この辺りだったかな』
道の真ん中で立ち止まりあの人に話しかけた。
『お久しぶりです。貴方のお陰で私は元気です。今日、トップアイドルとしてステージに立つんです。私…プロデューサーさんの夢も叶えますから…見ててください。…私のために身を放り投げてくれて、ありがとう』
すると珍しく森の中に陽が射さり、濡れた私の頬を輝かせた。あの人が近くにいる。何となくそんな気がする。 こずえさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年6月24日みんなの答え:2件
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感動で泣いてます 凄い
語源力ないのでそれしか言えません
感無量。ファン一号です
また出して下さい。
ついでに宣伝
私が書いた「シャボン玉」も読んでください あわわさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2020年6月25日 -
アイドルの感動系…! こんにちは、こずえさん!雪見大福です!
アイドルの感動系でこういう感じの小説初めて読みました!
好きです〜♪#´∀`#
特に「濡れた私の頬を輝かせた」っていう文が好きです!
新作楽しみにしてます♪
それでは! 雪見大福さん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年6月25日
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