余命1か月。
「えっと…その…美帆さんは…末期の膵臓癌でして…余命は…少なくとも1か月となります……」
母親と共に聞いた医師の言葉。
最初は何にも感じなかった。
泣きすがる母。
慰める看護師さん。
もう飽きたよ。
何回も同じ言葉言わないで。
余計に死ぬのが怖くなるじゃないの。
分かってくれるのは親友の真希だけだった。
真希はお世辞を並べず、慰めず、寄り添ってくれた。
時には「見て見てー!じゃーん!ニット帽〜!美帆の為に作ったんだぁ!かぶってね」「シュークリーム買ってきたんだけど。イチゴとバニラ、どっちが良い?」とか呑気に言ってきた。
でも私はそれが嬉しかった。
何だか和らいだ。
日常に戻れる気がした。
言うと心の支えは真希であった。
でも死ぬ2週間前、真希がいることで死ぬのが怖くなっていくことに気づいた。
真希と離れたくない。
そんな気持ちがあった。
でもどうせ2週間。
2週間後には死ぬ命だから。
時と神は残酷だ。
そして今日もー…
「美帆ー!いるー?あ、いたいた。今日はじゃーん!みんなからの寄せ書きを持ってきたよー!」
チラリと真希を見る。
無邪気な笑顔が余計に死ぬのを怖がらせた。
ふいっ、と目線を逸らす。
「え?美帆どした?体調悪い?看護師さん呼ぶ?」
あまりにも追求してくるのでとうとう言ってしまった。
「私に関わらない方がいいんじゃない?あともう直ぐで死ぬのよ?悲しくないの?」
うーんと考えながら真希は
「悲しいは悲しいよ?でも美帆はあたしの親友だもん。寄り添ってあげるのが親友。だからー…」
真希が言い終わる前に私は怒鳴っていた。
「さっさと出ていってよ!辛い思いさせたくないの!いいから出てってよ……」
「え、美帆…?」
最後に真希は哀しげな顔をしていた。
それを振り払いベッドへ戻った。
眠れない夜となった。
次の日には母が来た。
母はもう現実を受け入れているらしく、泣いていなかった。
「あら、今日は真希ちゃん来ないのね。用事かしら。」
言い終わったと共に私は俯いた。
それを察知したらしく母は
「そうだわ。先生に相談して庭散歩しましょう。ちょっと待っててね。」
そう言ってドアを開け、出ていった。
今日母に会った時の第一印象が老けたね、だった。
一生懸命染めていた髪は白髪がちらほら。
シワも目立つようになっていた。
立ち直れなかったのかな。
私のせいだよね。
でも立ち直った。
お母さんは凄い。
その日は庭をぶらりと散歩して寝た。
2週間後
今日だ。
余命。
いつ死ぬんだろ。
あ、こうやって考えられるのも最後かもしれないのか。
そっかぁ……
静かに死にたいなぁ。
寝てる時に死ぬとか無いのかな…
そんなことを考えているとドアのノック音が鳴った。
「あぁ、どうぞ」と言って迎え入れる。
見えたのは驚きの人物だった。
真希。
目を逸らした。
「美帆、久しぶり。」
あの日とは変わった声。
少し大人びた声。
椅子に座ると
「はー、寂しいなぁ。」
独り言を呟くように真希が言った。
「覚えてる?私たちが出会った時のこと。」
窓から風が吹いてきた。
「懐かしいなぁ。話しかけたのは私からだったよね。名前はって聞いても本から目を離さないで。笑っちゃったよ。で問い詰めて名前聞いて。修学旅行の時偶然同じ班でさ。夜いっぱい遊んで。そこから親友になったんだよね。」
本を読んでいるかのように、ゆったりと話す。
「私さ、いじめられてたじゃん」
はっと思って思わず真希の方を向いた。
真希は空を見つめていた。
「その時やめなよって言ってくれたの、美帆だけだった。嬉しかった。」
真希の頬に涙がつたる。
「だから今度は私が恩返しする番だって思って。その時余命宣告されて。出来る限りのことはやろうと思った。でもそれが美帆を傷つけていたなんて、思ってなかった。本当にごめんなさい。」
最後の一言はちゃんとこっちを向いてくれていた。
私も自然に涙が出る。
と思ったら急に視界が真っ白になった。
真希の「美帆!?」という声が聞こえた。
ナースコールを押したのか、バタバタ誰かがやってくる。
何かに吸い込まれる。
そこは快楽な気がして、私は吸い込まれた。
写真には明るい顔の美帆がいた。
あの日、美帆は死んだ。
もう一度亡骸を見る。
笑っていた。
蓋を閉め、線香をあげる。
美帆、私、前を向ける。
私を追い出す前に言ったあの言葉、少し嬉しかった。
私のことを思ってくれて。
ありがとう、美帆ー……
長くなりましたが読んでくださいありがとうございました。
コメントくださると嬉しいです。 cartaちゃんさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年7月2日みんなの答え:3件
母親と共に聞いた医師の言葉。
最初は何にも感じなかった。
泣きすがる母。
慰める看護師さん。
もう飽きたよ。
何回も同じ言葉言わないで。
余計に死ぬのが怖くなるじゃないの。
分かってくれるのは親友の真希だけだった。
真希はお世辞を並べず、慰めず、寄り添ってくれた。
時には「見て見てー!じゃーん!ニット帽〜!美帆の為に作ったんだぁ!かぶってね」「シュークリーム買ってきたんだけど。イチゴとバニラ、どっちが良い?」とか呑気に言ってきた。
でも私はそれが嬉しかった。
何だか和らいだ。
日常に戻れる気がした。
言うと心の支えは真希であった。
でも死ぬ2週間前、真希がいることで死ぬのが怖くなっていくことに気づいた。
真希と離れたくない。
そんな気持ちがあった。
でもどうせ2週間。
2週間後には死ぬ命だから。
時と神は残酷だ。
そして今日もー…
「美帆ー!いるー?あ、いたいた。今日はじゃーん!みんなからの寄せ書きを持ってきたよー!」
チラリと真希を見る。
無邪気な笑顔が余計に死ぬのを怖がらせた。
ふいっ、と目線を逸らす。
「え?美帆どした?体調悪い?看護師さん呼ぶ?」
あまりにも追求してくるのでとうとう言ってしまった。
「私に関わらない方がいいんじゃない?あともう直ぐで死ぬのよ?悲しくないの?」
うーんと考えながら真希は
「悲しいは悲しいよ?でも美帆はあたしの親友だもん。寄り添ってあげるのが親友。だからー…」
真希が言い終わる前に私は怒鳴っていた。
「さっさと出ていってよ!辛い思いさせたくないの!いいから出てってよ……」
「え、美帆…?」
最後に真希は哀しげな顔をしていた。
それを振り払いベッドへ戻った。
眠れない夜となった。
次の日には母が来た。
母はもう現実を受け入れているらしく、泣いていなかった。
「あら、今日は真希ちゃん来ないのね。用事かしら。」
言い終わったと共に私は俯いた。
それを察知したらしく母は
「そうだわ。先生に相談して庭散歩しましょう。ちょっと待っててね。」
そう言ってドアを開け、出ていった。
今日母に会った時の第一印象が老けたね、だった。
一生懸命染めていた髪は白髪がちらほら。
シワも目立つようになっていた。
立ち直れなかったのかな。
私のせいだよね。
でも立ち直った。
お母さんは凄い。
その日は庭をぶらりと散歩して寝た。
2週間後
今日だ。
余命。
いつ死ぬんだろ。
あ、こうやって考えられるのも最後かもしれないのか。
そっかぁ……
静かに死にたいなぁ。
寝てる時に死ぬとか無いのかな…
そんなことを考えているとドアのノック音が鳴った。
「あぁ、どうぞ」と言って迎え入れる。
見えたのは驚きの人物だった。
真希。
目を逸らした。
「美帆、久しぶり。」
あの日とは変わった声。
少し大人びた声。
椅子に座ると
「はー、寂しいなぁ。」
独り言を呟くように真希が言った。
「覚えてる?私たちが出会った時のこと。」
窓から風が吹いてきた。
「懐かしいなぁ。話しかけたのは私からだったよね。名前はって聞いても本から目を離さないで。笑っちゃったよ。で問い詰めて名前聞いて。修学旅行の時偶然同じ班でさ。夜いっぱい遊んで。そこから親友になったんだよね。」
本を読んでいるかのように、ゆったりと話す。
「私さ、いじめられてたじゃん」
はっと思って思わず真希の方を向いた。
真希は空を見つめていた。
「その時やめなよって言ってくれたの、美帆だけだった。嬉しかった。」
真希の頬に涙がつたる。
「だから今度は私が恩返しする番だって思って。その時余命宣告されて。出来る限りのことはやろうと思った。でもそれが美帆を傷つけていたなんて、思ってなかった。本当にごめんなさい。」
最後の一言はちゃんとこっちを向いてくれていた。
私も自然に涙が出る。
と思ったら急に視界が真っ白になった。
真希の「美帆!?」という声が聞こえた。
ナースコールを押したのか、バタバタ誰かがやってくる。
何かに吸い込まれる。
そこは快楽な気がして、私は吸い込まれた。
写真には明るい顔の美帆がいた。
あの日、美帆は死んだ。
もう一度亡骸を見る。
笑っていた。
蓋を閉め、線香をあげる。
美帆、私、前を向ける。
私を追い出す前に言ったあの言葉、少し嬉しかった。
私のことを思ってくれて。
ありがとう、美帆ー……
長くなりましたが読んでくださいありがとうございました。
コメントくださると嬉しいです。 cartaちゃんさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年7月2日みんなの答え:3件
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おお、、、 気づくの遅くなりました。
ほんとにこの二人のために(架空だけど)映画化されたいいと思う。もしなったら見たいです。やっぱり友情って素敵だね。これから私も友達を大切にしようと思う。
ありがとう。 Happyさん(栃木・12さい)からの答え
とうこう日:2024年11月9日 -
コメント遅くなってしまってごめんなさい。 めちゃくちゃ泣きました…今も涙ボロボロです。笑
本当にその情景が目に浮かんできて涙が止まりませんでした…(現在進行形) 映画化されてもおかしくないと思います。ホントに。最高。
素敵な作品、本当にありがとうございました!! わ。さん(長野・15さい)からの答え
とうこう日:2021年8月30日 -
本当に素敵です…… なんだか切ないけど……友情ってやっぱいいね。
素敵な小説有難う御座いました……! にゅ。さん(選択なし・16さい)からの答え
とうこう日:2020年7月16日
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