忘れた記憶〜once again〜
「君と、、何処かで、、。」
彼が言った途端、私の顔から一筋、何かが流れた。
******************
〜2年前〜
私は鈴木美枝。看護師。ある病院に務めている。今日は、ある患者の担当だ。
「瀬沼さーん。様子はいかがですか?」
患者、、瀬沼さんはこちらを見て、にこっと(意地悪な顔で)笑った。
「今日も君ですか。看護師でも、まだいい人材よこしたほうがいいと思うんですが。」
はぁ!?もう。
この人は瀬沼晴輝。優しそうな顔いい青年に見えるけど、中身は超というほどの意地悪。私を下手だっていっつも言う。それでも患者だから文句は言えない。
だから、私はにこっと笑ってこういった。
「今日も口は達者ですね。では、今日の注射は痛くなるかもしれませんねぇ。」
すると、瀬沼さんはやっと黙ってくれた。
「ふふ。じゃあ、注射しますねー。」
******************
「やっと終わったぁ、、。」
私は安堵した。
「あの瀬沼さん、イケメンだし、あんたに似合いそうじゃない。告白したら?」
同僚にそう言われた。
「いやいや、ないよ!」
それも、あの人は、、。
「だったらあたしが告ろうかなぁ。」
「それはやめて!」
すると、彼女がこちらを不思議そうに見た。
「なんで?どうして好きじゃないのにあたしが告白しちゃ駄目なの?」
何でだろう、、?
胸の中でそう言った。好きじゃない。そう思ったら違うって心の中で否定している気がした。
******************
彼の退院の日、私は瀬沼さんに近くの公園に呼びだされた。
「何の用ですか?瀬沼さん。」
すると、瀬沼さんは言った。
「私は、未だに病気の名前を教えてもらえてはない。私の病気を教えてくれないのかい?」
「えっと、、。」
「何も言わないということは私は、もうあと少しの命なんだね。」
「違います!貴方は一年後に記憶を失う短期若年記憶障害です!」
「ほう、、。」
あ。そう。彼は一億人に一人の、短期認知症だ。
「そんなところだとは思っていたが、、。やはりな。そこで君にある話をしようと思ったんだ。騒がしいから、あの木の下で話そうか。」
「ええ、、。」
そして、私達は木陰へといった。
「君。ちょっとこっちに来てくれるかい。」
「は、はい。」
私は瀬沼さんのところまで行った。
すると彼は私を抱きしめた。とても強く。
「え、え?」
私の顔は赤く茹で蛸のように火照ってしまった。それをみて、
「やっぱり可愛いな。私はずっと君のことを好きだったんですよ。そんな可愛らしい顔が愛らしくてね。」
う、、そ?
私は戸惑いを隠せないのと少し嬉しいのとでごっちゃになった。
「私は君のことを忘れたくはない、、。だけど、忘れるんですよね、、。」
彼はとても寂しそうな顔でそう言った。
それを見て耐えられなくなって、、、。
「私は、、。私は、、。」
勝手に体が動いた。そして、彼に唇をつけ、、彼はとても驚いていた。そして、
「私は、、前からずっと好きでした!忘れないで、、。あと1日で一年、、。そしてもう一度思い出して、、。お願い、、。」
私の目は涙で溢れた。
そして、そっと何かが触れた。
それは、彼のハンカチだった。
「泣かないで下さい。僕は絶対忘れません、、。次はきっと君と、、。いえ、何でもありません。さあ、帰って下さい。家に連れ込むことになりますよ。君は嫌でしょう?」
彼は冗談を言っているが、こちらへ振り返らなかった。でも、彼の背中が小刻みに震えている。
「わかりました、、。」
私は病院に戻ろうとした。
彼も家へ、、。
「待って!行かないで、、!」
私は我慢できなくなってそう言った。
彼はこちらへと振り返った。
赤い目で見つめている。
「瀬沼さん!今度会ったら、、私と結婚して!」
すると、彼は返事の代わりに、にこりと笑った。初めて見た笑顔だった。
「美枝。忘れないさ。絶対な。」
******************
〜現在〜
「ふぅ。」
私は今、あの病院とは違うところにいる。その近くの公園もあの公園と似て、とても騒がしい。
あの日、、。瀬沼さんに告白されて、二年経った。きっと忘れているはずだ。でも、、そして、病院に戻ろうとした時。
「君。そこの君。」
あの彼がいた。
「瀬沼さん!?覚えてるの!?」
「君は、、僕を知っているのかい?僕は、、君と、、何処かで、、」
私の顔から一筋、何かが流れた。
「ええ。私は。貴方が、、。」
"好きなんです。"
そう言った。彼はそれを見て、、涙を流した。そして、、
「私もです。会った時から好きだったんです。」
それを聞き、私は強引に彼を引き寄せた。
チュッ
彼は目を見開いた。そして、私は言った。
「約束です。結婚して下さい。」
彼はあの時と同じ笑顔でこう言った。
「最初から決まってますよね?美枝。」 晴れ女(辛口OK)小説投稿四回目さん(群馬・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月5日みんなの答え:1件
彼が言った途端、私の顔から一筋、何かが流れた。
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〜2年前〜
私は鈴木美枝。看護師。ある病院に務めている。今日は、ある患者の担当だ。
「瀬沼さーん。様子はいかがですか?」
患者、、瀬沼さんはこちらを見て、にこっと(意地悪な顔で)笑った。
「今日も君ですか。看護師でも、まだいい人材よこしたほうがいいと思うんですが。」
はぁ!?もう。
この人は瀬沼晴輝。優しそうな顔いい青年に見えるけど、中身は超というほどの意地悪。私を下手だっていっつも言う。それでも患者だから文句は言えない。
だから、私はにこっと笑ってこういった。
「今日も口は達者ですね。では、今日の注射は痛くなるかもしれませんねぇ。」
すると、瀬沼さんはやっと黙ってくれた。
「ふふ。じゃあ、注射しますねー。」
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「やっと終わったぁ、、。」
私は安堵した。
「あの瀬沼さん、イケメンだし、あんたに似合いそうじゃない。告白したら?」
同僚にそう言われた。
「いやいや、ないよ!」
それも、あの人は、、。
「だったらあたしが告ろうかなぁ。」
「それはやめて!」
すると、彼女がこちらを不思議そうに見た。
「なんで?どうして好きじゃないのにあたしが告白しちゃ駄目なの?」
何でだろう、、?
胸の中でそう言った。好きじゃない。そう思ったら違うって心の中で否定している気がした。
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彼の退院の日、私は瀬沼さんに近くの公園に呼びだされた。
「何の用ですか?瀬沼さん。」
すると、瀬沼さんは言った。
「私は、未だに病気の名前を教えてもらえてはない。私の病気を教えてくれないのかい?」
「えっと、、。」
「何も言わないということは私は、もうあと少しの命なんだね。」
「違います!貴方は一年後に記憶を失う短期若年記憶障害です!」
「ほう、、。」
あ。そう。彼は一億人に一人の、短期認知症だ。
「そんなところだとは思っていたが、、。やはりな。そこで君にある話をしようと思ったんだ。騒がしいから、あの木の下で話そうか。」
「ええ、、。」
そして、私達は木陰へといった。
「君。ちょっとこっちに来てくれるかい。」
「は、はい。」
私は瀬沼さんのところまで行った。
すると彼は私を抱きしめた。とても強く。
「え、え?」
私の顔は赤く茹で蛸のように火照ってしまった。それをみて、
「やっぱり可愛いな。私はずっと君のことを好きだったんですよ。そんな可愛らしい顔が愛らしくてね。」
う、、そ?
私は戸惑いを隠せないのと少し嬉しいのとでごっちゃになった。
「私は君のことを忘れたくはない、、。だけど、忘れるんですよね、、。」
彼はとても寂しそうな顔でそう言った。
それを見て耐えられなくなって、、、。
「私は、、。私は、、。」
勝手に体が動いた。そして、彼に唇をつけ、、彼はとても驚いていた。そして、
「私は、、前からずっと好きでした!忘れないで、、。あと1日で一年、、。そしてもう一度思い出して、、。お願い、、。」
私の目は涙で溢れた。
そして、そっと何かが触れた。
それは、彼のハンカチだった。
「泣かないで下さい。僕は絶対忘れません、、。次はきっと君と、、。いえ、何でもありません。さあ、帰って下さい。家に連れ込むことになりますよ。君は嫌でしょう?」
彼は冗談を言っているが、こちらへ振り返らなかった。でも、彼の背中が小刻みに震えている。
「わかりました、、。」
私は病院に戻ろうとした。
彼も家へ、、。
「待って!行かないで、、!」
私は我慢できなくなってそう言った。
彼はこちらへと振り返った。
赤い目で見つめている。
「瀬沼さん!今度会ったら、、私と結婚して!」
すると、彼は返事の代わりに、にこりと笑った。初めて見た笑顔だった。
「美枝。忘れないさ。絶対な。」
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〜現在〜
「ふぅ。」
私は今、あの病院とは違うところにいる。その近くの公園もあの公園と似て、とても騒がしい。
あの日、、。瀬沼さんに告白されて、二年経った。きっと忘れているはずだ。でも、、そして、病院に戻ろうとした時。
「君。そこの君。」
あの彼がいた。
「瀬沼さん!?覚えてるの!?」
「君は、、僕を知っているのかい?僕は、、君と、、何処かで、、」
私の顔から一筋、何かが流れた。
「ええ。私は。貴方が、、。」
"好きなんです。"
そう言った。彼はそれを見て、、涙を流した。そして、、
「私もです。会った時から好きだったんです。」
それを聞き、私は強引に彼を引き寄せた。
チュッ
彼は目を見開いた。そして、私は言った。
「約束です。結婚して下さい。」
彼はあの時と同じ笑顔でこう言った。
「最初から決まってますよね?美枝。」 晴れ女(辛口OK)小説投稿四回目さん(群馬・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月5日みんなの答え:1件
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すごっ! 美枝さんと瀬沼さんは、ずっと惹かれ合うんですね。
すごいです。 Chihiroさん(大分・11さい)からの答え
とうこう日:2020年7月7日
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