病院では今日も奏でてる
2つ年下の私の妹は今、入院している。
たった一人の私の妹は、もう、僅かな命。
毎日お見舞いに行って、毎日励ましの言葉を言った。
余命はあと1年。
まだ小学校も卒業してないのに。
妹は毎日病気と戦ってる。
注射も頑張って、まずいお薬も飲んで。
いつもいつも、頑張ってた。
疲れた表情は、それでも笑うことを忘れなかった。
「無理しなくていいんだよ」って言ってあげたいのに。
精神的にも辛いであろう妹には、気休めにしかならないのでしょう。
妹は、3歳の時にピアノを習い始め、10年も続けて、いい音を聞かせてくれるようになった。
病気のせいで続けたかったピアノもやめることになり、妹は泣きじゃくってた。
ある日、
「知ってた?病院のお広間に、オルガンがあるんだって」
私は妹の主治医に聞いたことを伝えてみた。
妹は、おかゆを食べていた。
「本当に?」
私は頷いた。
次の日。私はいつものように、学校帰りに病院の妹の部屋に寄った。
ベッドに妹の姿がなかった。
もしかしてと思い、私はお広間に行った。
聞こえてくるのは、妹の好きな曲。
鳴りやむと、次に聞こえてきたのは、パパとママが結婚式で流したと言っていた曲。
次の曲は、今まで最後に歌った小学校の合唱曲の伴奏。
その次は、「栄光の架橋」だった。
さらにその次は、「手紙」。
飽きずに続けて引いていた。
腕がなまったと思っているのか、二度連続で引く曲もあった。
いつの間にか、夜だった。
さっきまで明るかったのに。
パパとママは、今日はまだ仕事だから、私が帰ってないことに気づいてない。
でも、もう帰んないと。
妹のそばのソファに座って、お広間から見える綺麗な夜空をぼんやり眺めてた。
久しぶりに見た天の川。去年まで3回連続で、雨で見れなかった星くず。
七夕さまの歌がバックとして流れていた。
私は、覚えてる限りで歌詞を詠んだ。
そこに、弱々しい妹の声も重なった。
「お姉ちゃん」
「なあに?」
「私、余命一年だから、今日晴れてて良かった。次の七夕の日にはもうこの世にいないんだよね」
「何言ってるの?!」
「だから、最後の七夕が綺麗な夜空で良かったよ。織姫様は3年ぶりに彦星に会える」
「あんたも諦めちゃ駄目だよ?元気になれば余命は伸びるから!」
妹は、目を伏せて、手をすり合わせて祈っていた。
「何てお願いしたの?」
「生きている間だけでも、家族や友達全員の幸せを見ていたいって。人の幸せは、私には羨むものじゃない。人の幸せイコール、私の幸せだから」
長い長い時間だった。でも、安らぎを感じるには短すぎる時間だった。
妹は、12月に他界した。
寂しかった。
でも、毎日欠かさず会ってあげて良かったと思った。
妹は、友達が笑い話を届けに来たときも、幸せそうな顔をしていた。
逆に、目の前で友達が口喧嘩をすると、最も悲しい顔をしていた。
妹は、学校でもいい子でいたんだな、と思った。
妹の部屋のテーブルに、手紙を入れたファイルが7冊くらい置いてあった。
天国に行っても、私は妹を忘れないと誓った。 虹色レイリさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年7月7日みんなの答え:2件
たった一人の私の妹は、もう、僅かな命。
毎日お見舞いに行って、毎日励ましの言葉を言った。
余命はあと1年。
まだ小学校も卒業してないのに。
妹は毎日病気と戦ってる。
注射も頑張って、まずいお薬も飲んで。
いつもいつも、頑張ってた。
疲れた表情は、それでも笑うことを忘れなかった。
「無理しなくていいんだよ」って言ってあげたいのに。
精神的にも辛いであろう妹には、気休めにしかならないのでしょう。
妹は、3歳の時にピアノを習い始め、10年も続けて、いい音を聞かせてくれるようになった。
病気のせいで続けたかったピアノもやめることになり、妹は泣きじゃくってた。
ある日、
「知ってた?病院のお広間に、オルガンがあるんだって」
私は妹の主治医に聞いたことを伝えてみた。
妹は、おかゆを食べていた。
「本当に?」
私は頷いた。
次の日。私はいつものように、学校帰りに病院の妹の部屋に寄った。
ベッドに妹の姿がなかった。
もしかしてと思い、私はお広間に行った。
聞こえてくるのは、妹の好きな曲。
鳴りやむと、次に聞こえてきたのは、パパとママが結婚式で流したと言っていた曲。
次の曲は、今まで最後に歌った小学校の合唱曲の伴奏。
その次は、「栄光の架橋」だった。
さらにその次は、「手紙」。
飽きずに続けて引いていた。
腕がなまったと思っているのか、二度連続で引く曲もあった。
いつの間にか、夜だった。
さっきまで明るかったのに。
パパとママは、今日はまだ仕事だから、私が帰ってないことに気づいてない。
でも、もう帰んないと。
妹のそばのソファに座って、お広間から見える綺麗な夜空をぼんやり眺めてた。
久しぶりに見た天の川。去年まで3回連続で、雨で見れなかった星くず。
七夕さまの歌がバックとして流れていた。
私は、覚えてる限りで歌詞を詠んだ。
そこに、弱々しい妹の声も重なった。
「お姉ちゃん」
「なあに?」
「私、余命一年だから、今日晴れてて良かった。次の七夕の日にはもうこの世にいないんだよね」
「何言ってるの?!」
「だから、最後の七夕が綺麗な夜空で良かったよ。織姫様は3年ぶりに彦星に会える」
「あんたも諦めちゃ駄目だよ?元気になれば余命は伸びるから!」
妹は、目を伏せて、手をすり合わせて祈っていた。
「何てお願いしたの?」
「生きている間だけでも、家族や友達全員の幸せを見ていたいって。人の幸せは、私には羨むものじゃない。人の幸せイコール、私の幸せだから」
長い長い時間だった。でも、安らぎを感じるには短すぎる時間だった。
妹は、12月に他界した。
寂しかった。
でも、毎日欠かさず会ってあげて良かったと思った。
妹は、友達が笑い話を届けに来たときも、幸せそうな顔をしていた。
逆に、目の前で友達が口喧嘩をすると、最も悲しい顔をしていた。
妹は、学校でもいい子でいたんだな、と思った。
妹の部屋のテーブルに、手紙を入れたファイルが7冊くらい置いてあった。
天国に行っても、私は妹を忘れないと誓った。 虹色レイリさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年7月7日みんなの答え:2件
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すごい… こんちは!はるかぜです(*^^*)
注意!語彙力は太平洋に捨ててきました
虹色レイリさんの小説、とても面白かったです!泣けるし、文章構成もちゃんとしてるし、なんかすごいな!と、思いました!←
絶対これで小説の賞とれるって!!
はるかぜさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2020年7月8日 -
感動した! 本当に感動しました。妹さんの愛が溢れていますね。
実結(みゆ)さん(愛媛・17さい)からの答え
とうこう日:2020年7月8日
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