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委員会が終わった後、急に雨が降り出した。しかも土砂降り。
雷も鳴っているし、冷たくて強い風も吹いている。
時間的に、帰りのバスには間に合わないだろう。
私は諦めて徒歩で帰ろうとしたが、重大なことに気付いた。
「やばい、傘持ってきてない」
朝は暑かったから、傘が無くても大丈夫だと思い、家に置いてきたのだ。
家まではかなり距離があるし、傘が無いと服がひどいことになる。
そもそも雨と雷と強風の中を歩きたくない。
「しょうがない、雨が止むまで待つか」
皆帰ってしまった、誰もいない暗くて寒い教室で、雨が止むのを待つことにした。
「暇だし宿題でもしてるか」
誰もいない教室で、静かに勉強をする。
憧れのシチュエーションだったが、意外とうまくいかないもので。
外の雨の音や廊下の物音に気を取られ、全く進まない。
私は諦めて、空白だらけの宿題と、芯が減っていないシャーペンをカバンにしまった。
本日三回目の諦めである。
「早く帰りたいなあ」
小さいはずのひとり言が、誰もいない教室に、やけに大きく響いた。
まだまだ雨は止まなそうだ。
教室の中を何周もしたが、やっぱり暇だし寂しい。
「ほかの教室も見に行こうかな・・・」
そう思った時だ。
「よっ、お前も雨宿り中?」
ドアに背中で寄りかかっている人がいる。隣のクラスの男子、アキラだ。
人見知りな私の数少ない友達で、よく一緒に帰る。
「どうせ暇だろ?俺と話そうぜ」
にっと笑って、こちらにやって来た。
「いいよ」
私は短く答えた。
しばらく、私とアキラは、どうでもいい話をした。
兄弟がかわいいとか、大学受験の勉強が大変とか、最近どれだけ食べてもすぐ腹が減るとか。
アキラは、どうでもいい話を面白おかしく、分かりやすく話す。
つい聞き入ってしまって、時間も雨も忘れてしまいそうだ。
すると、ニコニコしていたアキラが、真剣な表情でこちらを見て言ってきた。
「お前さ、好きなやつとかいるの」
よくある話題だ。私は勉強で精一杯で、好きな人なんて探す暇もない。
「いないよ。勉強で精一杯だから」
アキラはまた一つ聞いてきた。
「もし告られたらどうする」
何とも言えない質問だな。まあ勉強で精一杯だし、面倒くさいし、断るかな。
「断るよ。そもそも私を好きになる人なんていないでしょ!」
アキラが、少し悲しそうに見えた。
そんな顔されても分からないほど鈍感じゃないよ、アキラ。
私に気があるんでしょ?信じたくないけど。
「もし、俺がお前のこと好きって知ったらどうする」
はい確定。でも私、勉強で精一杯なんだよ、本当に。いくらアキラでも、私は断るよ。
それに・・・アキラのことは友達としか思えない。
「・・・ごめんね、アキラ」
アキラは下を向いてしまった。
やがて顔をあげ、諦めたように笑った。
「そっか。でも、友達ではいてくれよ」
「もちろん」
「じゃあ、もう俺は帰るよ」
アキラは走って教室を出て行った。
また、教室は私一人になった。
ずっと立ち話していたから、足がしびれてしまっている。
「私、アキラに告白されたんだ」
そう思うと、不思議な気持ちになった。
窓の外を見ると、もうすっかり雨は止んでいる。
「かえって早く宿題しようっと」
私はカバンを肩にかけ、廊下を歩きだした。
Fin
ぴいやさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月4日みんなの答え:1件
雷も鳴っているし、冷たくて強い風も吹いている。
時間的に、帰りのバスには間に合わないだろう。
私は諦めて徒歩で帰ろうとしたが、重大なことに気付いた。
「やばい、傘持ってきてない」
朝は暑かったから、傘が無くても大丈夫だと思い、家に置いてきたのだ。
家まではかなり距離があるし、傘が無いと服がひどいことになる。
そもそも雨と雷と強風の中を歩きたくない。
「しょうがない、雨が止むまで待つか」
皆帰ってしまった、誰もいない暗くて寒い教室で、雨が止むのを待つことにした。
「暇だし宿題でもしてるか」
誰もいない教室で、静かに勉強をする。
憧れのシチュエーションだったが、意外とうまくいかないもので。
外の雨の音や廊下の物音に気を取られ、全く進まない。
私は諦めて、空白だらけの宿題と、芯が減っていないシャーペンをカバンにしまった。
本日三回目の諦めである。
「早く帰りたいなあ」
小さいはずのひとり言が、誰もいない教室に、やけに大きく響いた。
まだまだ雨は止まなそうだ。
教室の中を何周もしたが、やっぱり暇だし寂しい。
「ほかの教室も見に行こうかな・・・」
そう思った時だ。
「よっ、お前も雨宿り中?」
ドアに背中で寄りかかっている人がいる。隣のクラスの男子、アキラだ。
人見知りな私の数少ない友達で、よく一緒に帰る。
「どうせ暇だろ?俺と話そうぜ」
にっと笑って、こちらにやって来た。
「いいよ」
私は短く答えた。
しばらく、私とアキラは、どうでもいい話をした。
兄弟がかわいいとか、大学受験の勉強が大変とか、最近どれだけ食べてもすぐ腹が減るとか。
アキラは、どうでもいい話を面白おかしく、分かりやすく話す。
つい聞き入ってしまって、時間も雨も忘れてしまいそうだ。
すると、ニコニコしていたアキラが、真剣な表情でこちらを見て言ってきた。
「お前さ、好きなやつとかいるの」
よくある話題だ。私は勉強で精一杯で、好きな人なんて探す暇もない。
「いないよ。勉強で精一杯だから」
アキラはまた一つ聞いてきた。
「もし告られたらどうする」
何とも言えない質問だな。まあ勉強で精一杯だし、面倒くさいし、断るかな。
「断るよ。そもそも私を好きになる人なんていないでしょ!」
アキラが、少し悲しそうに見えた。
そんな顔されても分からないほど鈍感じゃないよ、アキラ。
私に気があるんでしょ?信じたくないけど。
「もし、俺がお前のこと好きって知ったらどうする」
はい確定。でも私、勉強で精一杯なんだよ、本当に。いくらアキラでも、私は断るよ。
それに・・・アキラのことは友達としか思えない。
「・・・ごめんね、アキラ」
アキラは下を向いてしまった。
やがて顔をあげ、諦めたように笑った。
「そっか。でも、友達ではいてくれよ」
「もちろん」
「じゃあ、もう俺は帰るよ」
アキラは走って教室を出て行った。
また、教室は私一人になった。
ずっと立ち話していたから、足がしびれてしまっている。
「私、アキラに告白されたんだ」
そう思うと、不思議な気持ちになった。
窓の外を見ると、もうすっかり雨は止んでいる。
「かえって早く宿題しようっと」
私はカバンを肩にかけ、廊下を歩きだした。
Fin
ぴいやさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月4日みんなの答え:1件
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悲しくて… 夏目ちゃん(o・ω・o)だよ☆
アキラァ……
悲しいなぁ 夏目ちゃん(o・ω・o)さん(選択なし・10さい)からの答え
とうこう日:2020年8月6日
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