【短編小説】お姉ちゃん
「お姉ちゃん!」
「どうしたの?」
前までは笑い合ってたのに。
「お姉ちゃん。」
「…。」
今では返事すらこない。
僕は須貝良昭(すがいよしあき)。中学3年生。
今は受験勉強中。ちょっと休憩しようっと。
話、聞いてくれる?
僕には3つ上のお姉ちゃんがいた。
すっごく優しいお姉ちゃん。
僕が悪い事した時も、一緒になって謝ってくれた。
僕が頑張った時は、偉いねって頭を撫でてくれた。
お姉ちゃんは笑顔がとっても素敵。
けど、その笑顔は僕が奪ってしまったんだ。
「お姉ちゃん!」
「よ、良昭!」
お姉ちゃんに突き飛ばされた。
これがお姉ちゃんとの最後の記憶。
そう、お姉ちゃんは事故にあった。僕のせいで。
7年前、僕が習い事から帰っていた時、お姉ちゃんを見つけたんだ。
お姉ちゃんも気付いてくれたみたいで手を振ってくれた。
それが嬉しくて、赤信号にも関わらず、僕は道路に飛び出した。
周りの事なんて気にしていなかった。
「お姉ちゃん!」
あと数歩でお姉ちゃんに抱きつけるぐらいの距離だった。
「よ、良昭!」
その時、すごい力で突き飛ばされた。
「…え?」
一瞬の出来事で何が何なのか分かっていなかった僕。
周りの人がザワザワうるさくて、前を見ると、倒れているお姉ちゃんがいた。
「お姉ちゃん!?」
僕はお姉ちゃんを必死で揺らした。
さっきから1mmも動かないお姉ちゃん。怖かった。嫌な予感がしていたんだ。
しばらくしたら、救急車が来た。
「僕、大丈夫?」
知らないお兄さんが手を伸ばしてきて、気付けば僕はそれを掴んでいた。
そして、いつの間にか眠りについていた。
何だか眩しくて起きると、自分の部屋に戻っていた。
「あ…れ…?」
夢だったのかな?
そんな事を思いながら、リビングに向かうと、母さんと父さんの泣き声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
「良昭!」
母さんが僕に気付いて「大丈夫だった?」と聞いた。
「うん、大丈夫。お姉ちゃんは?」
「っ!」
お姉ちゃんがいなかった。
寝てるのかなって思っていると、父さんに連れて行かれた。
「ここ、どこ?」
「…あの写真、見ろ。」
仏壇に連れて行かれていた事に、その時は気付いていなかった。
父さんに言われた通り、写真を見ると、
「お姉ちゃん?」
笑顔のお姉ちゃんが写っていた。
いつもの素敵な笑顔で、僕も笑顔になっていた。
「…まだ幼かったからな…。」
昔は全てが分かっていなかった。
毎日、帰ってこないお姉ちゃん。
小4になると、さすがに異変に気付いた。
その時、初めてお姉ちゃんの死を知った僕。
僕のせいでお姉ちゃんは死んでしまったんだ。
でも、母さんや父さんは僕を責めなかった。
あの子の分まで頑張って。そう言われた。
今、僕は警察官という夢を追いかけている。
交通指導を小さい子にするのが最終的な目標。
もし、目標が叶った時はお姉ちゃんも笑ってくれるかな?
作者のブルーです。
感想・アドバイスをお願いします。 ブルーさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年8月4日みんなの答え:24件
「どうしたの?」
前までは笑い合ってたのに。
「お姉ちゃん。」
「…。」
今では返事すらこない。
僕は須貝良昭(すがいよしあき)。中学3年生。
今は受験勉強中。ちょっと休憩しようっと。
話、聞いてくれる?
僕には3つ上のお姉ちゃんがいた。
すっごく優しいお姉ちゃん。
僕が悪い事した時も、一緒になって謝ってくれた。
僕が頑張った時は、偉いねって頭を撫でてくれた。
お姉ちゃんは笑顔がとっても素敵。
けど、その笑顔は僕が奪ってしまったんだ。
「お姉ちゃん!」
「よ、良昭!」
お姉ちゃんに突き飛ばされた。
これがお姉ちゃんとの最後の記憶。
そう、お姉ちゃんは事故にあった。僕のせいで。
7年前、僕が習い事から帰っていた時、お姉ちゃんを見つけたんだ。
お姉ちゃんも気付いてくれたみたいで手を振ってくれた。
それが嬉しくて、赤信号にも関わらず、僕は道路に飛び出した。
周りの事なんて気にしていなかった。
「お姉ちゃん!」
あと数歩でお姉ちゃんに抱きつけるぐらいの距離だった。
「よ、良昭!」
その時、すごい力で突き飛ばされた。
「…え?」
一瞬の出来事で何が何なのか分かっていなかった僕。
周りの人がザワザワうるさくて、前を見ると、倒れているお姉ちゃんがいた。
「お姉ちゃん!?」
僕はお姉ちゃんを必死で揺らした。
さっきから1mmも動かないお姉ちゃん。怖かった。嫌な予感がしていたんだ。
しばらくしたら、救急車が来た。
「僕、大丈夫?」
知らないお兄さんが手を伸ばしてきて、気付けば僕はそれを掴んでいた。
そして、いつの間にか眠りについていた。
何だか眩しくて起きると、自分の部屋に戻っていた。
「あ…れ…?」
夢だったのかな?
そんな事を思いながら、リビングに向かうと、母さんと父さんの泣き声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
「良昭!」
母さんが僕に気付いて「大丈夫だった?」と聞いた。
「うん、大丈夫。お姉ちゃんは?」
「っ!」
お姉ちゃんがいなかった。
寝てるのかなって思っていると、父さんに連れて行かれた。
「ここ、どこ?」
「…あの写真、見ろ。」
仏壇に連れて行かれていた事に、その時は気付いていなかった。
父さんに言われた通り、写真を見ると、
「お姉ちゃん?」
笑顔のお姉ちゃんが写っていた。
いつもの素敵な笑顔で、僕も笑顔になっていた。
「…まだ幼かったからな…。」
昔は全てが分かっていなかった。
毎日、帰ってこないお姉ちゃん。
小4になると、さすがに異変に気付いた。
その時、初めてお姉ちゃんの死を知った僕。
僕のせいでお姉ちゃんは死んでしまったんだ。
でも、母さんや父さんは僕を責めなかった。
あの子の分まで頑張って。そう言われた。
今、僕は警察官という夢を追いかけている。
交通指導を小さい子にするのが最終的な目標。
もし、目標が叶った時はお姉ちゃんも笑ってくれるかな?
作者のブルーです。
感想・アドバイスをお願いします。 ブルーさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年8月4日みんなの答え:24件
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感想 感動しました
お姉ちゃん優しい…
最初の返事がないっていう意味がわかりました きららちゃ!さん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年8月5日 -
感動。 もう文句なし!
僕の夢、絶対叶うよね!!
そう信じてる!!
感動だよ!!!
また書いて! ゆいしばさん(北海道・14さい)からの答え
とうこう日:2020年8月5日 -
感動です(T ^ T) こんにちはルナです!
アイコンは、感動の意味です。
言葉にできないくらいの素晴らしさです!
今までで一番良かったくらいです。
良昭くん、お姉ちゃんの分まで、頑張って欲しいですね>_<
めっちゃ感動です! ルナさん(千葉・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月5日 -
泣くわ… 良すぎました。ブルー先輩。
私はお姉ちゃんなので、こんな風に笑顔が素敵なお姉ちゃんをめざしたいと思いました。
最後は清々しい気分になりました!
お姉ちゃんの分も頑張って生きてね!良昭くん! 痛ネイルしたい14歳さん(埼玉・14さい)からの答え
とうこう日:2020年8月5日
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