この宇宙のどこかで〜うさぎの言い伝え〜
この宇宙のどこかにある星に、動物が住んでいる林があった。林の中にある村に住んでいるうさぎの家族の次男、ハクは、雪の中を走りまわっていた。明日はハクの誕生日。その日に事件が起こることなど、想像してもいなかった。
ハクは7人男兄弟の2番目で、末っ子のミラと一番仲が良かった。誕生日の前日、ハクは5人の弟と1人の兄と遊んでいると、お父さんに呼び出された。
「明日はおまえの誕生日だ。その日になったら1人で森に行きなさい。特別に森へ入っていいんだ。」
「何をしに行くの?」
「あの森にしか生えない赤い木の実をとりに行くんだ。その実を、自分が大人になっても、恵まれた生活を送ることができるように、神様に捧げる。」
「1人じゃないとダメ?」
「自分の幸せを願うのに、自分で行かなくてはいけないだろう。おまえの年になったら、どのうさぎも行く。お母さんやお父さんも行った。セツだって、去年行ったんだぞ。みんながみんな、無事に帰れるわけではないんだけどな。」
「ふ〜ん。」
「くわしい話は明日するから、今日はもう寝なさい。」
「(まあ、セツ兄だって帰ってこれたんだから、心配することないか。)」
ハクは、まだ何も知らない──。
次の日、まだ兄弟たちが寝ている間にハクはまた一つ、歳を重ねた。そして、その時が来た。
「これは、2年ほど前のおまえのいとこ、リンの話だ。」
その日は、リンの誕生日だった。リンも森へ行った。しかし、リンは何日経っても帰ってこなかった。古くからある言い伝えで、神様にどこかへ連れていかれたんじゃないかと言われている。悪い神様もいるのである。良い神様に赤い木の実を捧げるのは、悪い神様から守ってもらうという意味もあるのだ。そして、リンを返してもらうため、青い木の実を村中から集めて、悪い神様に捧げた。しかし、リンは帰ってこなかった。今までに連れ去られたうさぎは、1人も返ってきていない。
「だからおまえも気をつけなさい。ハクは特に、からだが小さいからな。でも、寄り道しなければ大丈夫だ。」
「なら大丈夫!ボクに任せて!」
「じゃあ、道のりを説明するから、しっかり聞きなさい。」
まず、林を北に進み、凍っている湖が見えたら、その上をまっすぐ北に進む。次に、湖を出て森の中へ入る。森には葉がついている木と、ついていない木があるので、葉がついている木に沿って歩く。すると、赤い木の実がなる木が見えてくる。
「そこまで来たら、この袋に入るだけの木の実を取りなさい。背が高い木だから登って取ればいいけど、落ちて怪我しないようにな。」
ハクは、布でできた袋を渡された。
「帰りは来た道をたどってくればいい。大体3日かかるから、体力を無駄遣いするな。走ったりしては体力がもったいない。」
「3日もかかるの?」
「当然だ。とても離れたところにあるからな。去年、セツは4日もかかった。」
「セツ兄、4日も!?確かに去年ずっといなかったな。」
「最後に、食べ物は自分で探しなさい。そして、休憩してもいいが寝てはいけないぞ。その間に悪い神様に連れて行かれるかもしれない。」
「分かった。ボク行ってくるよ。」
そしてついに、ハクは森へと歩き始めた。
何も知らずに遊んでいる弟たちと、お見送りをしているお父さんとお母さん、セツ兄の顔を見た。その時のミラの顔は、勇気を与えてくれた。
〜数時間後〜
「これが湖か…」
初めての湖にドキドキしながら、足を氷の上に乗せた。氷の感触はとても良かった。冷たくて、やわらかい。早歩きで湖を進んでいった。
〜また数時間後〜
ハクは森に一歩踏み出して、
「あれが葉のついた木か。禁断の森ってなんか寒気がするなぁ。」
うさぎの子供たちは、みんな“禁断の森”と呼んでいる。
少し怖かったけれど、勇気を出して進んでいった。
〜出発して約20時間後〜
「あ、あれだ!」
予定よりも早く、赤い木の実を見つけることができた。
「な〜んだ、こんなに簡単に見つけられるんだ。悪い神様もいないし、あとはあの実を取って帰るだけだ。」
ハクはスイスイと木登りをして、木の実を取ろうとしたその瞬間──。
「ん?なにあれ。」
遠くに何かの足跡を見つけた。
「見たことないな。」
ハクは足跡の方に行ってしまった。その周りに葉のついた木は無い。ハクは約束など忘れ、その足跡を辿っていった。しばらく歩いて、足跡の終わりを見つけた。ハクが後ろを向くと、そこにあったはずの足跡が消えていた。
「えっ…」
そして──。
5日後、村中のうさぎたちは青い木の実を集め、悪い神様に捧げた。
レミーです!長いけど読んでくれてありがとう!ぜひ感想お願いします!(>人<;)
レミーさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2020年8月10日みんなの答え:2件
ハクは7人男兄弟の2番目で、末っ子のミラと一番仲が良かった。誕生日の前日、ハクは5人の弟と1人の兄と遊んでいると、お父さんに呼び出された。
「明日はおまえの誕生日だ。その日になったら1人で森に行きなさい。特別に森へ入っていいんだ。」
「何をしに行くの?」
「あの森にしか生えない赤い木の実をとりに行くんだ。その実を、自分が大人になっても、恵まれた生活を送ることができるように、神様に捧げる。」
「1人じゃないとダメ?」
「自分の幸せを願うのに、自分で行かなくてはいけないだろう。おまえの年になったら、どのうさぎも行く。お母さんやお父さんも行った。セツだって、去年行ったんだぞ。みんながみんな、無事に帰れるわけではないんだけどな。」
「ふ〜ん。」
「くわしい話は明日するから、今日はもう寝なさい。」
「(まあ、セツ兄だって帰ってこれたんだから、心配することないか。)」
ハクは、まだ何も知らない──。
次の日、まだ兄弟たちが寝ている間にハクはまた一つ、歳を重ねた。そして、その時が来た。
「これは、2年ほど前のおまえのいとこ、リンの話だ。」
その日は、リンの誕生日だった。リンも森へ行った。しかし、リンは何日経っても帰ってこなかった。古くからある言い伝えで、神様にどこかへ連れていかれたんじゃないかと言われている。悪い神様もいるのである。良い神様に赤い木の実を捧げるのは、悪い神様から守ってもらうという意味もあるのだ。そして、リンを返してもらうため、青い木の実を村中から集めて、悪い神様に捧げた。しかし、リンは帰ってこなかった。今までに連れ去られたうさぎは、1人も返ってきていない。
「だからおまえも気をつけなさい。ハクは特に、からだが小さいからな。でも、寄り道しなければ大丈夫だ。」
「なら大丈夫!ボクに任せて!」
「じゃあ、道のりを説明するから、しっかり聞きなさい。」
まず、林を北に進み、凍っている湖が見えたら、その上をまっすぐ北に進む。次に、湖を出て森の中へ入る。森には葉がついている木と、ついていない木があるので、葉がついている木に沿って歩く。すると、赤い木の実がなる木が見えてくる。
「そこまで来たら、この袋に入るだけの木の実を取りなさい。背が高い木だから登って取ればいいけど、落ちて怪我しないようにな。」
ハクは、布でできた袋を渡された。
「帰りは来た道をたどってくればいい。大体3日かかるから、体力を無駄遣いするな。走ったりしては体力がもったいない。」
「3日もかかるの?」
「当然だ。とても離れたところにあるからな。去年、セツは4日もかかった。」
「セツ兄、4日も!?確かに去年ずっといなかったな。」
「最後に、食べ物は自分で探しなさい。そして、休憩してもいいが寝てはいけないぞ。その間に悪い神様に連れて行かれるかもしれない。」
「分かった。ボク行ってくるよ。」
そしてついに、ハクは森へと歩き始めた。
何も知らずに遊んでいる弟たちと、お見送りをしているお父さんとお母さん、セツ兄の顔を見た。その時のミラの顔は、勇気を与えてくれた。
〜数時間後〜
「これが湖か…」
初めての湖にドキドキしながら、足を氷の上に乗せた。氷の感触はとても良かった。冷たくて、やわらかい。早歩きで湖を進んでいった。
〜また数時間後〜
ハクは森に一歩踏み出して、
「あれが葉のついた木か。禁断の森ってなんか寒気がするなぁ。」
うさぎの子供たちは、みんな“禁断の森”と呼んでいる。
少し怖かったけれど、勇気を出して進んでいった。
〜出発して約20時間後〜
「あ、あれだ!」
予定よりも早く、赤い木の実を見つけることができた。
「な〜んだ、こんなに簡単に見つけられるんだ。悪い神様もいないし、あとはあの実を取って帰るだけだ。」
ハクはスイスイと木登りをして、木の実を取ろうとしたその瞬間──。
「ん?なにあれ。」
遠くに何かの足跡を見つけた。
「見たことないな。」
ハクは足跡の方に行ってしまった。その周りに葉のついた木は無い。ハクは約束など忘れ、その足跡を辿っていった。しばらく歩いて、足跡の終わりを見つけた。ハクが後ろを向くと、そこにあったはずの足跡が消えていた。
「えっ…」
そして──。
5日後、村中のうさぎたちは青い木の実を集め、悪い神様に捧げた。
レミーです!長いけど読んでくれてありがとう!ぜひ感想お願いします!(>人<;)
レミーさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2020年8月10日みんなの答え:2件
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またまた失礼します。
上手すぎません???
状況がよく分かるし、映像が浮かび上がって来ます!
本当にすごいですね!私、すごいしか言ってませんね…(笑)
見習います。
では! ゆ〜ぴんさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月13日 -
おー! そのあとどうなったんでしょうか…?
ハク、死んじゃった?
想像力足りなさすぎて分かりません!
レミーさん、不思議な小説得意ですね!(上から目線でしたら、すみません。)
すごかったです!
では! ゆ〜ぴんさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月12日
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