僕の心を病ませた夕陽は紅に…
夕陽の丘の上に白のジャケットの様なワンピースを着た狐のお面をした少女がいる。
それは、とても綺麗だが、悲…哀しいことだった。
一見見渡すと、他にも、お面をし、白い服を着た老若男女の姿が目に飛び込んだ。
でも、そこには、黒いワンピースを着た少女がいる。
一つ確かなことがあるなら、ここは、夢の中の事だ。
黒いワンピースを着た少女が近づいて来た。
「おや、紛れ込んだみたいだね。」
その声は、重々しく少女とは思えない声だ。
「ここはどこなんだ!」
「ここは、白服が集う場所。みんな願ってるんだよ。」
「何を願うんだ?」
「“記憶”さ」
「記憶?」
「じゃあ、お前の記憶は。」
「俺は…草霧 竜也(くさきり たつや)」
「その記憶もらいっ」
自分の名前を言った瞬間、手を伸ばして頭の上を狙って来た。
何にもないのに。
「ふふっ。簡単に引っかかるもんだねぇ」
「な、何がだ!何も取られていないぞ!」
不安で満たされる中、少女は言った。
「おや、知らないんだねぇ。ここには、記憶を欲しがる人の無法地帯だよ。
記憶があれば、渡れる。要するに戻れるんだよ。」
「じゃあ、お前の名前を言ってごらん。」
「俺は、くさ…」
「そういう事だよ。奪われたんだよお前は。気をつけな。“生き記憶”通称ライフメモリーは狙われているんだよ。」
「さぁいつまで持つかな。楽しみだ。」
「お、おい!返せ俺の名前!」
「自分の名前も知らないのがそう願えるかね。」
「お前が、わざと言わせたんだろ!」
「あっそ。わざわざ説明したのに。ご丁寧にありがとさん。」
なんだよそれ。ずるいじゃないか。
「なんだ…」
「お黙り!」
「…」
「いいかい。ここではそんな事やってたら、弱みを握られるよ。あんたには、こりごりだ。」
少女はワンピースの裾を掴み、そそくさと歩いて行った。
「なぁ、これだけ教えてくれ。白服の人ってなんだ?」
「それは、川…あの世に行けないスレスレの人だ。これ以上は御免だ。」
ていう事は…おばあちゃんはいるのかな?
2年前病気で亡くなった。
よく遊びに行ってたっけ。
その度に、手作りお菓子を作ってくれたよな…
戻れるっていう事は、生き返る!?なら、おばあちゃんを探そう!
えっと、まさかあれ?
「あの…実咲おばあちゃんですか?」
「なんだい?まさかライフメモリー持ちかい!?」
「あ、いや…」
「ちょっとこっちに来なさい。」
「やめて。離して。」
「ちょっと待ちな。それは私の子だよ。」
「美咲おばあちゃん!ねぇ、戻ろ!一緒にさ。」
「無理だな。さぁ帰るんだ。」
「え…何で?」
「帰るには、ライメモが必要。わたしゃ持ってないからさ。」
「…僕のあげるよ。」
「一緒に戻ったら、記憶や周りがごっちゃだ。そうなると、今度こそ川を渡らされる。」
「え、嘘…おばあちゃぁぁぁぁぁん!」
「はっ。」
目が覚めたのだ。
覚めてしまった。
おばあちゃんを助けるんじゃなかったのか!?
俺は無力だ…無力だ…
泣き叫ぶ少年を傷めるように夕陽は周りを照らしたー。
こんにちは。長編作品を書いてみました。
最後までありがとうございました! ごぼうさん(北海道・10さい)からの相談
とうこう日:2020年8月10日みんなの答え:0件
それは、とても綺麗だが、悲…哀しいことだった。
一見見渡すと、他にも、お面をし、白い服を着た老若男女の姿が目に飛び込んだ。
でも、そこには、黒いワンピースを着た少女がいる。
一つ確かなことがあるなら、ここは、夢の中の事だ。
黒いワンピースを着た少女が近づいて来た。
「おや、紛れ込んだみたいだね。」
その声は、重々しく少女とは思えない声だ。
「ここはどこなんだ!」
「ここは、白服が集う場所。みんな願ってるんだよ。」
「何を願うんだ?」
「“記憶”さ」
「記憶?」
「じゃあ、お前の記憶は。」
「俺は…草霧 竜也(くさきり たつや)」
「その記憶もらいっ」
自分の名前を言った瞬間、手を伸ばして頭の上を狙って来た。
何にもないのに。
「ふふっ。簡単に引っかかるもんだねぇ」
「な、何がだ!何も取られていないぞ!」
不安で満たされる中、少女は言った。
「おや、知らないんだねぇ。ここには、記憶を欲しがる人の無法地帯だよ。
記憶があれば、渡れる。要するに戻れるんだよ。」
「じゃあ、お前の名前を言ってごらん。」
「俺は、くさ…」
「そういう事だよ。奪われたんだよお前は。気をつけな。“生き記憶”通称ライフメモリーは狙われているんだよ。」
「さぁいつまで持つかな。楽しみだ。」
「お、おい!返せ俺の名前!」
「自分の名前も知らないのがそう願えるかね。」
「お前が、わざと言わせたんだろ!」
「あっそ。わざわざ説明したのに。ご丁寧にありがとさん。」
なんだよそれ。ずるいじゃないか。
「なんだ…」
「お黙り!」
「…」
「いいかい。ここではそんな事やってたら、弱みを握られるよ。あんたには、こりごりだ。」
少女はワンピースの裾を掴み、そそくさと歩いて行った。
「なぁ、これだけ教えてくれ。白服の人ってなんだ?」
「それは、川…あの世に行けないスレスレの人だ。これ以上は御免だ。」
ていう事は…おばあちゃんはいるのかな?
2年前病気で亡くなった。
よく遊びに行ってたっけ。
その度に、手作りお菓子を作ってくれたよな…
戻れるっていう事は、生き返る!?なら、おばあちゃんを探そう!
えっと、まさかあれ?
「あの…実咲おばあちゃんですか?」
「なんだい?まさかライフメモリー持ちかい!?」
「あ、いや…」
「ちょっとこっちに来なさい。」
「やめて。離して。」
「ちょっと待ちな。それは私の子だよ。」
「美咲おばあちゃん!ねぇ、戻ろ!一緒にさ。」
「無理だな。さぁ帰るんだ。」
「え…何で?」
「帰るには、ライメモが必要。わたしゃ持ってないからさ。」
「…僕のあげるよ。」
「一緒に戻ったら、記憶や周りがごっちゃだ。そうなると、今度こそ川を渡らされる。」
「え、嘘…おばあちゃぁぁぁぁぁん!」
「はっ。」
目が覚めたのだ。
覚めてしまった。
おばあちゃんを助けるんじゃなかったのか!?
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泣き叫ぶ少年を傷めるように夕陽は周りを照らしたー。
こんにちは。長編作品を書いてみました。
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とうこう日:2020年8月10日みんなの答え:0件
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