【短編小説】 僕が彼女の名前を呼ばない理由
僕は、付き合い始めて3年の彼女の名前を、まだ一度も呼んだことがない。
僕の名前は、山本春樹。高校2年生だ。
僕には、彼女がいる。三浦里菜。同級生だ。
彼女とのデートは、必ず、と言っていいほど、同じ場所に来る。そこは、コーヒー店。
学校が違うから、そんなに頻繁に会えないから、2週に1回だけ、そのコーヒー店で、会っている。
6月2日
里菜「そういえばさ、ずっと思ってたんだけど、どうして春樹は、私のことを名前で呼ばないの?
いつも、君、君、君。どうして?」
春樹「あ〜。確かにね。それには少し理由があるんだ。言わないけど。」
里菜「ふうん。」
まあ、聞かれた1回目はこんなもんだった。
6月16日
里菜「私の名前、まだ呼んでくれない?」
あ。そうだった。昨日、メールで、里菜から、「私の名前、いつか呼んでくれる?」って聞かれて、「いつかね。」と返したんだった。
春樹「今日は、呼ばないよ。昨日も言ったけど、いつかね。」
里菜「待ってるからね。」
そんな調子で、3カ月が過ぎた。
10月24日
里菜「いい加減私の名前、読んでよ〜」
春樹「もう少しだけ待ってて。」
里菜「いつまで待てばいいの!理由も言うわけじゃないし!どうして呼んでくれないの!呼んでほしいんだよ!私は!なんで?なんでそんなに呼ばないの?理由言ってよ!今日言わなかったら、あんたと私は別れるよ。」
違う、僕は、里菜のことが嫌いなんじゃない。好きだ。好きだけど、呼ばないんだ。
______8年前__________
僕には、一人のお姉ちゃんがいた。名前は、里菜。事件はある日、突然起こったんだ。
4月1日
スイミング教室の帰り、僕は、お姉ちゃんと並んで歩いていた。
横断歩道に来た時、僕は、目を疑った。
赤信号なのに、白い杖を持った人。目の見えない人おばあさんがが歩いている。
危ない!そう思った。僕はお姉ちゃんに伝えた。お姉ちゃんは、「待ってて。」とだけ、言って、道路に飛び出していった。
飛び出した瞬間、大きなトラックが、お姉ちゃんに近づいてきた。
「おばあさん、危ない!」
お姉ちゃんは叫んだ。でも、ダメだった。
トラックにおばあさんも、お姉ちゃんもひかれてしまった。
救急車を呼んだ。
病院に着いた。
間に合わなかった。
二人は、命を落とした。
泣いた。僕は、赤ん坊のように泣きじゃくった。
悲しかった。なんで、もっと早く気づいてあげなかったんだろう、って。思った。
泣いた。泣いた。ひたすら泣いた。
もう届かない。どんなに泣いても、二人には届かない。
エイプリルフールだったから、嘘だと、思った。でも、これは、嘘じゃない。現実だった。
このことを里菜に話すと、分かってくれた。僕は、そのことを思い出したくなかったから、君の名前を呼ばないんだ、と伝えた。
里菜は、許してくれた。
僕は、このままじゃだめだと思った。認めなきゃいけないと思った。
だから、
「僕が、このことを認めるためにも、君の名前を呼ばせてほしい。いいかな。」
里菜は、静かに、こくり。と、一度だけ、うなずいてくれた。
「ありがとう。里菜。」
作者のクララです。
どうでしたか?
直したほうがいいところなどあればコメントください!
感想も送ってくれると嬉しいです!
では^^
クララさん(神奈川・11さい)からの相談
とうこう日:2020年8月11日みんなの答え:4件
僕の名前は、山本春樹。高校2年生だ。
僕には、彼女がいる。三浦里菜。同級生だ。
彼女とのデートは、必ず、と言っていいほど、同じ場所に来る。そこは、コーヒー店。
学校が違うから、そんなに頻繁に会えないから、2週に1回だけ、そのコーヒー店で、会っている。
6月2日
里菜「そういえばさ、ずっと思ってたんだけど、どうして春樹は、私のことを名前で呼ばないの?
いつも、君、君、君。どうして?」
春樹「あ〜。確かにね。それには少し理由があるんだ。言わないけど。」
里菜「ふうん。」
まあ、聞かれた1回目はこんなもんだった。
6月16日
里菜「私の名前、まだ呼んでくれない?」
あ。そうだった。昨日、メールで、里菜から、「私の名前、いつか呼んでくれる?」って聞かれて、「いつかね。」と返したんだった。
春樹「今日は、呼ばないよ。昨日も言ったけど、いつかね。」
里菜「待ってるからね。」
そんな調子で、3カ月が過ぎた。
10月24日
里菜「いい加減私の名前、読んでよ〜」
春樹「もう少しだけ待ってて。」
里菜「いつまで待てばいいの!理由も言うわけじゃないし!どうして呼んでくれないの!呼んでほしいんだよ!私は!なんで?なんでそんなに呼ばないの?理由言ってよ!今日言わなかったら、あんたと私は別れるよ。」
違う、僕は、里菜のことが嫌いなんじゃない。好きだ。好きだけど、呼ばないんだ。
______8年前__________
僕には、一人のお姉ちゃんがいた。名前は、里菜。事件はある日、突然起こったんだ。
4月1日
スイミング教室の帰り、僕は、お姉ちゃんと並んで歩いていた。
横断歩道に来た時、僕は、目を疑った。
赤信号なのに、白い杖を持った人。目の見えない人おばあさんがが歩いている。
危ない!そう思った。僕はお姉ちゃんに伝えた。お姉ちゃんは、「待ってて。」とだけ、言って、道路に飛び出していった。
飛び出した瞬間、大きなトラックが、お姉ちゃんに近づいてきた。
「おばあさん、危ない!」
お姉ちゃんは叫んだ。でも、ダメだった。
トラックにおばあさんも、お姉ちゃんもひかれてしまった。
救急車を呼んだ。
病院に着いた。
間に合わなかった。
二人は、命を落とした。
泣いた。僕は、赤ん坊のように泣きじゃくった。
悲しかった。なんで、もっと早く気づいてあげなかったんだろう、って。思った。
泣いた。泣いた。ひたすら泣いた。
もう届かない。どんなに泣いても、二人には届かない。
エイプリルフールだったから、嘘だと、思った。でも、これは、嘘じゃない。現実だった。
このことを里菜に話すと、分かってくれた。僕は、そのことを思い出したくなかったから、君の名前を呼ばないんだ、と伝えた。
里菜は、許してくれた。
僕は、このままじゃだめだと思った。認めなきゃいけないと思った。
だから、
「僕が、このことを認めるためにも、君の名前を呼ばせてほしい。いいかな。」
里菜は、静かに、こくり。と、一度だけ、うなずいてくれた。
「ありがとう。里菜。」
作者のクララです。
どうでしたか?
直したほうがいいところなどあればコメントください!
感想も送ってくれると嬉しいです!
では^^
クララさん(神奈川・11さい)からの相談
とうこう日:2020年8月11日みんなの答え:4件
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皆いい人じゃん え、お姉さんも主人公も彼女さんも、皆いい人じゃん…何それ…。
心が浄化されました(笑)素敵なお話ですね!
アドバイス…というか、こうしたらどうかなっていうの(それがアドバイスか。すみません)を書いておきます。
10月24日にした理由があったら全然構わないんですけど、彼女さんの名前を呼ぶ日を4月1日にしたらどうかな…という…。流石にやらせ感でますかね…あの、気にしないでいただいて構いませんので!!
年上なのに頼りにならなくてごめんなさい…(>_<)
クララさんの次のお話を楽しみにしてます! 美桜さん(長野・14さい)からの答え
とうこう日:2020年8月12日 -
答えます! どうも!こんにちは!こんばんは!トロイメです(*^ω^)
答えますね!
えっ、本当に11歳ですか?
すごすぎます!
感動しました!(>Д<;)
上手ですね!お話書くの!
だから、良ければまた書いてね!
よーし、もう一回読むぞ〜(*^▽^)/★*☆♪
トロイメ ☆トロイメ★さん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月12日 -
感動 すごいです!同い年とは思えないです。
人にはちゃんと理由があるんですね! みー☆さん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2020年8月12日 -
感動! 11歳でこんな素敵な話が書けるなんてすごいね!読みながら感動しちゃったよ!これは個人的な話だけどクララさんの作った話もっと読みたい!よかったらまた書いてほしいな、、、 Timeさん(大阪・14さい)からの答え
とうこう日:2020年8月12日
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