無題。
「私なんて所詮病気っていう籠の中で囚われるだけなんだ、、、」
夏の空を背にして彼女はそう呟いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は夏稀。高校2年生。今は真っ白な病室にいる。真っ白な病室の真ん中にある大きなベッドに横たわっているのは幼なじみの優雨。絶賛片想いの相手だ。生まれた時から体が弱くて今は病に侵されている。俺は毎日こうやって優雨の見舞いに来ているのだ。
「ねぇ、夏稀わざわざ来なくて良かったのに」
優雨がそう言って目を伏せた。長いまつげが優雨の陶器のような白い肌に影を落とす。
「そんな言うなって」
俺は慌ててフォローする。
「ごめんね」
優雨は寂しげに言った。
「...」
俺は言葉を失った。
「私なんて所詮病気っていう籠の中で囚われるだけなんだ、、、」
優雨はもう何もかも失ったような顔をした。
「そんなことない!」
俺は咄嗟に声を張り上げた。
優雨は驚いている。
「優雨は俺と一緒にいてもそう感じるのか?俺は優雨の顔が見れるだけでも嬉しいんだよ!」
小さな病室に俺の声が響く。
「夏稀、、、」
優雨は少しふてくされたような表情をして見せた。
「ごめん、夏稀。私自分のことばっか考えて夏稀のこと頭になかった。」
優雨は柔らかく微笑んだ。
「夏稀はさ、勉強も部活もあるのに来てくれてたのに、私そんなこと言ってごめん。」
優雨は俺の顔を見つめて言った。
やっぱり優雨は綺麗だな、なんて場違いなことを考えていた。
「ねぇー、何じろじろ見てるの?」
「ひゃっ」
慌てて声が上擦ってしまった。
「最後の夏に何か出来ないかな、、、」
俺は考えた。
「俺と駆け落ちしない?」
咄嗟に出た考えた答えがこれだった。
「え?」
はぁ、やっぱ俺馬鹿だ。
「いいよ、駆け落ち、しよう」
優雨は俺の手を掴んで走り出した。
「おっおい、待て優雨!」
ーーーーー数分後
たどりついた場所は河川敷だった。
太陽の光が水面に反射してキラキラと輝いている。
「はぁ、はぁっ」
俺は肩で息をした。
「ねぇ、ここさぁすごく綺麗だね」
「そっ、そうだな、すごい綺麗」
「今日ね花火大会が7時からあるんだって」
俺は腕に着けた腕時計を見た。今はちょうど7時だ。
辺りはもう薄暗くなってきている。
『ヒュー、ドォーン』
遠くで花火の打ち上がる音がした。
「すごい大きい!」
優雨は子供のようにはしゃいだ。
優雨は落ち着いた表情をする時もあれば、幼気な表情をすることもある。俺は優雨のそんなとこに魅了されたのだ。
「なーつきっ!」
「うわっ!耳元でいきなり喋んなって」
「ごめんごめん、ほら見て線香花火!」
優雨は器用に袋をあけ、火を付け始める。
ぱちぱちと音がする。優雨は自分でやり始めた癖に「ほぉーっ」とか「はぁー」とか感嘆の声を上げている。
少したったかな。花火も終わり、手持ちの線香花火も全て無くなった。
「夏稀」
優雨は真剣な口調で話し始める。
「私、やっぱ手術受けようと思う」
「えっ?」
「だって前までずっと怖くて。でも夏稀とこうやって過ごすのが出来なくなる方が怖くなってきたの」
そういう自分が馬鹿みたい、目の奥で笑いながら彼女はそうつけ加えた。
「いいじゃん、ふっ切れたなら俺も嬉しいし、優雨と一緒にいる時間が増えるのも嬉しい」
刹那、優雨が俺の手に手を絡めて口唇を奪った。
「おまっ、何してんだ。ばか、、、」
俺は照れながら言ったのか最後は声が掠れていたようだ。
「あのね、夏稀。こっち向いて。」
多分俺の顔はすごく紅潮している。
「私、夏稀のことが好き。狂っちゃうぐらい好き。」
優雨は今まで見せたことのない色っぽい顔で言った。
「え、うそ」
「うそじゃない、私は本気。好き、好き、好き」
「もう、俺を困らせるなよ。でも俺も優雨のことが好き。」
優雨は困ったような顔をした。
俺は照れた顔を見せた優雨を抱き締めた。
「夏稀っ、見られちゃう」
俺は意地でも離さなかった。
優雨は諦めたように体重を委ねてきた。
「夏稀、ありがと」
白紙だった1ページに新しい物語が追加された。優雨の手術が終わったらまた新しい物語を描いていきたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どーも、作者の桃野です。
今回は男の子目線で描きましたが、主は女です。ゴリゴリの女です。
さて、登場人物の名前の読み方ですが、
夏稀=なつき、優雨=ゆう、となっております。これ、完全オリジナルの名前です。(本当はSi〇ejiの変換使いましたw
感想、題名などあれば回答の部分に書いてくれれば幸いです。
最後にこの小説に出会ってくれた皆様ありがとうございました
桃野白州さん(福岡・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月11日みんなの答え:2件
夏の空を背にして彼女はそう呟いた。
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俺は夏稀。高校2年生。今は真っ白な病室にいる。真っ白な病室の真ん中にある大きなベッドに横たわっているのは幼なじみの優雨。絶賛片想いの相手だ。生まれた時から体が弱くて今は病に侵されている。俺は毎日こうやって優雨の見舞いに来ているのだ。
「ねぇ、夏稀わざわざ来なくて良かったのに」
優雨がそう言って目を伏せた。長いまつげが優雨の陶器のような白い肌に影を落とす。
「そんな言うなって」
俺は慌ててフォローする。
「ごめんね」
優雨は寂しげに言った。
「...」
俺は言葉を失った。
「私なんて所詮病気っていう籠の中で囚われるだけなんだ、、、」
優雨はもう何もかも失ったような顔をした。
「そんなことない!」
俺は咄嗟に声を張り上げた。
優雨は驚いている。
「優雨は俺と一緒にいてもそう感じるのか?俺は優雨の顔が見れるだけでも嬉しいんだよ!」
小さな病室に俺の声が響く。
「夏稀、、、」
優雨は少しふてくされたような表情をして見せた。
「ごめん、夏稀。私自分のことばっか考えて夏稀のこと頭になかった。」
優雨は柔らかく微笑んだ。
「夏稀はさ、勉強も部活もあるのに来てくれてたのに、私そんなこと言ってごめん。」
優雨は俺の顔を見つめて言った。
やっぱり優雨は綺麗だな、なんて場違いなことを考えていた。
「ねぇー、何じろじろ見てるの?」
「ひゃっ」
慌てて声が上擦ってしまった。
「最後の夏に何か出来ないかな、、、」
俺は考えた。
「俺と駆け落ちしない?」
咄嗟に出た考えた答えがこれだった。
「え?」
はぁ、やっぱ俺馬鹿だ。
「いいよ、駆け落ち、しよう」
優雨は俺の手を掴んで走り出した。
「おっおい、待て優雨!」
ーーーーー数分後
たどりついた場所は河川敷だった。
太陽の光が水面に反射してキラキラと輝いている。
「はぁ、はぁっ」
俺は肩で息をした。
「ねぇ、ここさぁすごく綺麗だね」
「そっ、そうだな、すごい綺麗」
「今日ね花火大会が7時からあるんだって」
俺は腕に着けた腕時計を見た。今はちょうど7時だ。
辺りはもう薄暗くなってきている。
『ヒュー、ドォーン』
遠くで花火の打ち上がる音がした。
「すごい大きい!」
優雨は子供のようにはしゃいだ。
優雨は落ち着いた表情をする時もあれば、幼気な表情をすることもある。俺は優雨のそんなとこに魅了されたのだ。
「なーつきっ!」
「うわっ!耳元でいきなり喋んなって」
「ごめんごめん、ほら見て線香花火!」
優雨は器用に袋をあけ、火を付け始める。
ぱちぱちと音がする。優雨は自分でやり始めた癖に「ほぉーっ」とか「はぁー」とか感嘆の声を上げている。
少したったかな。花火も終わり、手持ちの線香花火も全て無くなった。
「夏稀」
優雨は真剣な口調で話し始める。
「私、やっぱ手術受けようと思う」
「えっ?」
「だって前までずっと怖くて。でも夏稀とこうやって過ごすのが出来なくなる方が怖くなってきたの」
そういう自分が馬鹿みたい、目の奥で笑いながら彼女はそうつけ加えた。
「いいじゃん、ふっ切れたなら俺も嬉しいし、優雨と一緒にいる時間が増えるのも嬉しい」
刹那、優雨が俺の手に手を絡めて口唇を奪った。
「おまっ、何してんだ。ばか、、、」
俺は照れながら言ったのか最後は声が掠れていたようだ。
「あのね、夏稀。こっち向いて。」
多分俺の顔はすごく紅潮している。
「私、夏稀のことが好き。狂っちゃうぐらい好き。」
優雨は今まで見せたことのない色っぽい顔で言った。
「え、うそ」
「うそじゃない、私は本気。好き、好き、好き」
「もう、俺を困らせるなよ。でも俺も優雨のことが好き。」
優雨は困ったような顔をした。
俺は照れた顔を見せた優雨を抱き締めた。
「夏稀っ、見られちゃう」
俺は意地でも離さなかった。
優雨は諦めたように体重を委ねてきた。
「夏稀、ありがと」
白紙だった1ページに新しい物語が追加された。優雨の手術が終わったらまた新しい物語を描いていきたい。
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どーも、作者の桃野です。
今回は男の子目線で描きましたが、主は女です。ゴリゴリの女です。
さて、登場人物の名前の読み方ですが、
夏稀=なつき、優雨=ゆう、となっております。これ、完全オリジナルの名前です。(本当はSi〇ejiの変換使いましたw
感想、題名などあれば回答の部分に書いてくれれば幸いです。
最後にこの小説に出会ってくれた皆様ありがとうございました
桃野白州さん(福岡・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月11日みんなの答え:2件
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2件中 1 〜 2件を表示
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恋する男の子可愛いっ(*´ω`*) タイトル通り。夏稀くん可愛いっ♪
ヒロインに遊ばれてる?みたいな、
ちょっと不器用で照れ屋なヒーローに
いっつも目が入ってしまう!
長女だからかな?少し頼りない感じの子好き。
でも、現実には好きな人居ない。
2次元ばっかり好きになっちゃう。
だから夏稀くん好き〜〜! 髭男しか勝たんさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2020年8月13日 -
いいですね! みんな、優雨ちゃんの立場の子病気で死んじゃうタイプのが多くて、こっちの方が平和で好きです! のぞみさん(選択なし・8さい)からの答え
とうこう日:2020年8月13日
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