かき氷は溶けてしまった
「やっぱ夏はかき氷だよな。」
僕はそう呟きながら、遠くの彼女を見つめる。
せっかくクラスの皆で海に来たというのに、僕はまったくぬれていない。
海は嫌いだからだ。
ていうか海ってなんだ。海の何が楽しいのだ。
泳ぎたいならプール行け。海浅いからろくに泳げないだろ。
かき氷を食べながら、そんなことを考えていると、
「何お前かき氷ばっか食ってんだよ」
足羽が大きな声でそう言った。
足羽は、去年も、一昨年も、その前も、同じクラスだった。それに何かの縁を感じているのか、僕にしょっちゅうちょっかいを
かけてくる。
正直、うざい。
僕が迷惑そうにしていると、足羽はこう言った。
「まあそれはさておき、お前アイツ好きだろ?あそこにいる前島さん。」
僕は顔を真っ赤にした。まさかコイツがそんなことに気付いているなんて。
「ちょっと待てお前!誰から聞いた!てかそんな大声で言うな!」
そう言った僕に、足羽は、
「ごめんごめん。でもウチのクラスの人皆知ってるぜ?前島さん意外は。」
「マジで!?うわ...最悪だ...恥ずかし...」
「いや、むしろ最高だぜ。」
「え?どうして?」
僕の疑問に足羽は答える。
「だから、皆知ってるってことは皆協力してくれるってことだろ。」。
なるほど。うなづく僕に、続けてこう言う。
「じゃあ前島さんに告るってことでいいな。皆に指示送るぜ。」
「は!?お前、唐突過ぎるだろ!告白するとも言ってねえし!」
「え?じゃあ一生お前は前島さんに想いを伝えないってことか?」
「いや、そんなことは言ってないけど...。いや、せめて明日!明日にさせて!」
「今日やんねえ奴は明日もやんねえんだよ!ほら、行くぞ!」
「え〜...」
強引に言いくるめられてしまった。
足羽は指をパチンと鳴らした。すると、クラスの皆が口々に「もう帰るね。」と前島さんに伝え、帰っていく。
奇妙な光景に、僕も前島さんも困惑していた。
数十秒すると、そこには僕と前島さんの二人しかいなかった。足羽もさりげなく帰っていったようだ。
何だか恥ずかしくなってきた。好きな人と二人きり。緊張してしまう。
顔を赤くしている僕に、
「あの、実はね、」
前島さんはこう言った。
「キミのことが好きなんだ。」
僕はビックリした。まさか前島さんからそんな言葉が聞けるなんて。
暑い夏。しばらく手をつけていないかき氷は、完全に溶けてしまった。
次の日、僕は前島さんと街を歩いている。
そこにはかき氷屋さんがあった。
「ちょっとかき氷食べない?」
僕は前島さんに尋ねると、コク、とうなづいた。
僕はこう呟きながら、近くにいる君を見つめる。
「やっぱ夏はかき氷だよな。」 鈴木爆撃機さん(三重・13さい)からの相談
とうこう日:2020年8月12日みんなの答え:3件
僕はそう呟きながら、遠くの彼女を見つめる。
せっかくクラスの皆で海に来たというのに、僕はまったくぬれていない。
海は嫌いだからだ。
ていうか海ってなんだ。海の何が楽しいのだ。
泳ぎたいならプール行け。海浅いからろくに泳げないだろ。
かき氷を食べながら、そんなことを考えていると、
「何お前かき氷ばっか食ってんだよ」
足羽が大きな声でそう言った。
足羽は、去年も、一昨年も、その前も、同じクラスだった。それに何かの縁を感じているのか、僕にしょっちゅうちょっかいを
かけてくる。
正直、うざい。
僕が迷惑そうにしていると、足羽はこう言った。
「まあそれはさておき、お前アイツ好きだろ?あそこにいる前島さん。」
僕は顔を真っ赤にした。まさかコイツがそんなことに気付いているなんて。
「ちょっと待てお前!誰から聞いた!てかそんな大声で言うな!」
そう言った僕に、足羽は、
「ごめんごめん。でもウチのクラスの人皆知ってるぜ?前島さん意外は。」
「マジで!?うわ...最悪だ...恥ずかし...」
「いや、むしろ最高だぜ。」
「え?どうして?」
僕の疑問に足羽は答える。
「だから、皆知ってるってことは皆協力してくれるってことだろ。」。
なるほど。うなづく僕に、続けてこう言う。
「じゃあ前島さんに告るってことでいいな。皆に指示送るぜ。」
「は!?お前、唐突過ぎるだろ!告白するとも言ってねえし!」
「え?じゃあ一生お前は前島さんに想いを伝えないってことか?」
「いや、そんなことは言ってないけど...。いや、せめて明日!明日にさせて!」
「今日やんねえ奴は明日もやんねえんだよ!ほら、行くぞ!」
「え〜...」
強引に言いくるめられてしまった。
足羽は指をパチンと鳴らした。すると、クラスの皆が口々に「もう帰るね。」と前島さんに伝え、帰っていく。
奇妙な光景に、僕も前島さんも困惑していた。
数十秒すると、そこには僕と前島さんの二人しかいなかった。足羽もさりげなく帰っていったようだ。
何だか恥ずかしくなってきた。好きな人と二人きり。緊張してしまう。
顔を赤くしている僕に、
「あの、実はね、」
前島さんはこう言った。
「キミのことが好きなんだ。」
僕はビックリした。まさか前島さんからそんな言葉が聞けるなんて。
暑い夏。しばらく手をつけていないかき氷は、完全に溶けてしまった。
次の日、僕は前島さんと街を歩いている。
そこにはかき氷屋さんがあった。
「ちょっとかき氷食べない?」
僕は前島さんに尋ねると、コク、とうなづいた。
僕はこう呟きながら、近くにいる君を見つめる。
「やっぱ夏はかき氷だよな。」 鈴木爆撃機さん(三重・13さい)からの相談
とうこう日:2020年8月12日みんなの答え:3件
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鈴木爆撃機さん! またまた回答です(笑)
この前…というか、さっき?昨日?に質問した、回答で、「励まして元気にしたと思っている…」と、書いてましたよね!それ、そのとおりです!
あと、鈴木爆撃機さんも、小学校の教師、目指してるんですね!
あー!一緒に働きたい!
場所も近いですからね…
私は、愛知で働こうかと思ってます!
「出来ない気がすると思っているだけ…」のところ、すごいズキューンときました。確かに…私、自信がなかったようです。自信もって、教師目指します!
鈴木爆撃機さん、大人になったら会ってみたいですねw
私たち、どんな大人になるんでしょう…
一緒に頑張っていきましょうね!
わたがしKさん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月18日 -
おー! すごいですね!
みんなは僕と前島さんは両思いってみんなは知っているけど、本人達は知らなかったってパターンですか?
それとも偶然両思いってことですか?
どっちにしろとても面白かったです!
また書いてくださいね!
では!
マメトラさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年8月18日 -
凄い!すごすぎます! 質問に回答してもらったわたがしKです!
ストーリーの構成も、何から何まで凄いとしか言いようがないです……!
強いて言うなら……タイトルを、
やっぱ夏はかき氷だよな にすると、いいかもしれませんね……
ていうか!私、この「僕」と、すごい似てますww
海、嫌いなんです……w
わたがしKさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月16日
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