耳が聞こえなくても【短編小説】(恋愛系)
みんな、口をパクパクさせている。
何かを食べているわけじゃない。
きっと、喋っているんだ。
でも、何を言ってるのかは私は分からない。
だって、耳が聞こえないから。
私は自分の意思で普通の学校に通っている。
だけど、待ち受けていたのは苦労ばかり。
いじめられてはいない。けれど、誰か悪口というものを言っているだろう。
そんなことを思っていたら、肩を優しくトントンと叩かれた。
振り返ると先生がいた。
私のクラスの担任の先生は手話ができる。
内容は、
「今度、学年で手話の勉強をします。お手本、お願いできますか。」
だった。
私は
「良いですよ。」
と、伝える手話をした。
先生は
「ありがとうございます。」
と、手話をしてものすごく口をパクパクしている男子の方へ行った。注意をするのだろうか。
なんだか、ワクワクしてきたなぁ。だって、みんなが私を普段どういう感じで話をするか分かってくれるから。
いよいよ、手話を勉強する日がやってきた。
私はどんどん手話をやっていった。それと同時に先生が口をパクパクさせている。意味を言っているのだろう。
首を傾げて見る人や、興味深そうに見てる人、つまんなさそうに見てる人などがいた。
そして、私は「大好き」という手話をした。
そしたら、ある男子がピクッと体を震わせた。
なんなのだろう。寒かったのだろうか。
そんな疑問を抱きながらも、私は手話を続けた。
男子への疑問は残されたまま、手話を勉強する時間は終わりを告げた。
なんだろう。この気持ち。
車の中で私は考えた。
私は何も聞こえないから、車が来たとき気付かない可能性が大きい。ということで、安全のため車で帰っている。
どうして、私はこんなに男子が体を震わせた理由を知りたいのだろうか。
確か、あの男子は鉛筆を拾ってくれたり、挨拶がわりに手を振ってくれたりした。
まさか……これが、恋?
そんな。名前も知らないのに。
だとしたら、私は男子が体を震わせた理由は、私のことが好きだからということであって欲しい、と願ってる?
…でも、私のことが好きだとしたら、手話を勉強するかもしれないよなぁ。
あの男子は、手話を全く知らない。知ってたら、手話をやるはずだ。
じゃあ、違うかな…。
どうしよう。
例の男子と隣になってしまった。
緊張しすぎて集中して授業に取り組めない。
大丈夫。私は先生の手話を見るだけ。聞くことは問題ない。というかそもそも聞こえない。
なんとか、授業は終わった。
ホッとしていると、男子に背中をツンツンとされた。
驚いて口を開けてしまった。声は出てるか分からない。
すると、男子はもじもじしながらなんかの紙を私に渡した。
そこには綺麗とは言えない字で
「昼休み 廊下に来て」
と、書かれていた。
も、もしかして…?
いや、そんな少女漫画みたいな展開はあるはずがない。
無理だろう。きっとなんかの用事だ。
じゃあ、何でわざわざ廊下に…?
廊下に…来た……。
なぜか手汗がどんどん滝のように出てくる。
男子が来た。
そして男子は「こっちに来て」という手話をした。
……え?手話?何で?なんで出来るの?…あ、前授業でやったんだった…。そりゃあ、出来るかぁ。
残念な気持ちを隠しながら、私は男子に付いて行った。
行き先は、足がすくみそうな景色が見える屋上だった。
男子は、
「その、大事な話ありました。」
という、手話をした。文が少し変だ。
正しくは、
「あの、大事な話があります。」
だろう。
しかし、大事な話とは…?
すると、顔を赤くしながら
「あなたのことが大好きでした。」
と、男子は間違い一つない手話をした。
…え?嘘?夢だよね…?
「良ければ、付き合って下さい。」
という手話を男子は私の目をしっかり見ながらやった。
…。
私はしばらく考えたあと、ある手話をした。
男子は首を傾げた。
あ、そうか。この手話は分からないか。
私はすぐさまメモ帳を出し、こう書いた。
「私はあなたの一生のパートナーになるつもりです。良いですか?」
男子はそれを見て、目を丸くしながらこっちを見た。
そして一秒もたたないうちに、目を輝かせ、たくさんうなずいた。
私たちは笑顔になった。
すると、男子が顔を近づけてきた。
柔らかい感触が私の口にきた。
私たちの唇が重なった。
私は彼の体の中でこう思った。
耳が聞こえなくても、私はあなたを愛します。
どうでしょうか…?
あ、私は耳が聞こえます。なのでこの話はフィクションです。
ちなみに男子の名前はそのあと聞いたってことで!
感想待ってます! ゆ〜ぴんさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月16日みんなの答え:6件
何かを食べているわけじゃない。
きっと、喋っているんだ。
でも、何を言ってるのかは私は分からない。
だって、耳が聞こえないから。
私は自分の意思で普通の学校に通っている。
だけど、待ち受けていたのは苦労ばかり。
いじめられてはいない。けれど、誰か悪口というものを言っているだろう。
そんなことを思っていたら、肩を優しくトントンと叩かれた。
振り返ると先生がいた。
私のクラスの担任の先生は手話ができる。
内容は、
「今度、学年で手話の勉強をします。お手本、お願いできますか。」
だった。
私は
「良いですよ。」
と、伝える手話をした。
先生は
「ありがとうございます。」
と、手話をしてものすごく口をパクパクしている男子の方へ行った。注意をするのだろうか。
なんだか、ワクワクしてきたなぁ。だって、みんなが私を普段どういう感じで話をするか分かってくれるから。
いよいよ、手話を勉強する日がやってきた。
私はどんどん手話をやっていった。それと同時に先生が口をパクパクさせている。意味を言っているのだろう。
首を傾げて見る人や、興味深そうに見てる人、つまんなさそうに見てる人などがいた。
そして、私は「大好き」という手話をした。
そしたら、ある男子がピクッと体を震わせた。
なんなのだろう。寒かったのだろうか。
そんな疑問を抱きながらも、私は手話を続けた。
男子への疑問は残されたまま、手話を勉強する時間は終わりを告げた。
なんだろう。この気持ち。
車の中で私は考えた。
私は何も聞こえないから、車が来たとき気付かない可能性が大きい。ということで、安全のため車で帰っている。
どうして、私はこんなに男子が体を震わせた理由を知りたいのだろうか。
確か、あの男子は鉛筆を拾ってくれたり、挨拶がわりに手を振ってくれたりした。
まさか……これが、恋?
そんな。名前も知らないのに。
だとしたら、私は男子が体を震わせた理由は、私のことが好きだからということであって欲しい、と願ってる?
…でも、私のことが好きだとしたら、手話を勉強するかもしれないよなぁ。
あの男子は、手話を全く知らない。知ってたら、手話をやるはずだ。
じゃあ、違うかな…。
どうしよう。
例の男子と隣になってしまった。
緊張しすぎて集中して授業に取り組めない。
大丈夫。私は先生の手話を見るだけ。聞くことは問題ない。というかそもそも聞こえない。
なんとか、授業は終わった。
ホッとしていると、男子に背中をツンツンとされた。
驚いて口を開けてしまった。声は出てるか分からない。
すると、男子はもじもじしながらなんかの紙を私に渡した。
そこには綺麗とは言えない字で
「昼休み 廊下に来て」
と、書かれていた。
も、もしかして…?
いや、そんな少女漫画みたいな展開はあるはずがない。
無理だろう。きっとなんかの用事だ。
じゃあ、何でわざわざ廊下に…?
廊下に…来た……。
なぜか手汗がどんどん滝のように出てくる。
男子が来た。
そして男子は「こっちに来て」という手話をした。
……え?手話?何で?なんで出来るの?…あ、前授業でやったんだった…。そりゃあ、出来るかぁ。
残念な気持ちを隠しながら、私は男子に付いて行った。
行き先は、足がすくみそうな景色が見える屋上だった。
男子は、
「その、大事な話ありました。」
という、手話をした。文が少し変だ。
正しくは、
「あの、大事な話があります。」
だろう。
しかし、大事な話とは…?
すると、顔を赤くしながら
「あなたのことが大好きでした。」
と、男子は間違い一つない手話をした。
…え?嘘?夢だよね…?
「良ければ、付き合って下さい。」
という手話を男子は私の目をしっかり見ながらやった。
…。
私はしばらく考えたあと、ある手話をした。
男子は首を傾げた。
あ、そうか。この手話は分からないか。
私はすぐさまメモ帳を出し、こう書いた。
「私はあなたの一生のパートナーになるつもりです。良いですか?」
男子はそれを見て、目を丸くしながらこっちを見た。
そして一秒もたたないうちに、目を輝かせ、たくさんうなずいた。
私たちは笑顔になった。
すると、男子が顔を近づけてきた。
柔らかい感触が私の口にきた。
私たちの唇が重なった。
私は彼の体の中でこう思った。
耳が聞こえなくても、私はあなたを愛します。
どうでしょうか…?
あ、私は耳が聞こえます。なのでこの話はフィクションです。
ちなみに男子の名前はそのあと聞いたってことで!
感想待ってます! ゆ〜ぴんさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月16日みんなの答え:6件
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おおおおお!! ピクッて動く男子かわい…
こんにちは!みおりぬ☆だよ〜♪
耳が聞こえない子との恋って素敵!
ゆ〜ぴんちゃんの小説めっちゃ良い! みおりぬ☆さん(選択なし・14さい)からの答え
とうこう日:2020年8月22日 -
うぇぇぇえん! めっちゃいい話やん!
聲の形っぽかった!
感動したし…
良すぎた!
めっちゃ良かった!
ヤバい…泣く(シクシク) 痛ネイルしたい14歳さん(埼玉・14さい)からの答え
とうこう日:2020年8月18日 -
すごい どうもクリスティーナです。
こんな長い文章よく書けましたね。すごいです。私は書けません クリスティーナさん(その他(海外)・10さい)からの答え
とうこう日:2020年8月18日 -
流石です!! もっけ飴です(*´∀`*)
新作待ってました!
ちょっと遅れてスミマセン…汗
本題に入ります。
とっても良い話ですねぇー!
キュンキュンしました♪
やっぱりゆ〜ぴんさん凄い!!
尊敬します(*´∀`*)
次回作も待ってます!
それでは〜。 もっけ飴さん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年8月18日 -
ギャアァァァァァァァ!!!! やっぱり恋なのね!!男子がピクッと動いた時に気づきましたよ!
!すごかったです!!ゆ〜ぴんちゃーーん!!!!(*^ω^*) レミーさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年8月18日 -
すごい!!! 耳が聞こえない話は珍しいですね!
面白かったです。 みー!さん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2020年8月17日
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