青春(アオハル)になれない私達。
小説や漫画の世界だけにある青春は、残念ながら私達には存在しないのだ。
「よっしゃ!じゃ、ジュースはヨッシーのおごりで〜」
今時、たかがジュースの為にわざわざジャンケンをして、騒ぐ女子高校生がいるだろうか。
「くそぅ…。チョキ出すべきだったぜ。俺今月金欠なんだけど〜」
今時、小学生の男子並にくだらないことで後悔する男子高校生もいるだろうか。
「はいはい。逃げないー。あ、私烏龍茶で」
残念ながら、いるのだ。
私の目の前に二人。
「わあったよ…。千捺は?」
千捺…というのが、私の名前。
片寄千捺(かたよせちなつ)なんてどこかで聞いたような響きのする名前だけど割と嫌いじゃないな。
「私は〜、『アメリカンバナナレモンティー』」
私がそう答えると、ヨッシーこと宝良樹(たからよしき)と赤井沙久(あかいさく)が決まってつっこむ。
「いや、またそれかよっ」
「名前からして怪しげな輸入飲料なんですけど〜」
二人の少々おふざけも交えたつっこみは、最近笑い不足の私に笑顔を与えてくれる。
「あはっ。あ、でも味は確かなんだから!」
私がそう推すと、珍しく良樹が自動販売機をしげしげと眺め、
「ふーん…。なら買うか」
そう言い小銭を入れ、飲み出す良樹。
すると…
「…おおおおおおおぉ」
突然良樹が叫び出した。
「やっぱ、まずい?」
「美味いでしょ?」
サクと私が交互に聞く。
私的には、バナナとレモンが絶妙にマッチしたあの味が美味しいんだけど…。
「クセになりそうな…」
「だよねっ!」
「まずさ。」
「ええ〜!?」
その会話にサクが腹を抱え笑い出す。
私達は、幼なじみでも何でもないけどいつもこんなくだらない会話で盛り上がっている。
私的には、どんな青春よりも平凡なこの日常が好きだ。
すると、良樹が私にその『アメリカンバナナレモンティー』の缶を差し出す。
「捨てんの勿体ないしやる。」
私は、「ああ」と言い受けとろうとしたのだかその前に、サクが小さく悲鳴をあげた。
「えっ、ちょっ…」
既に受けとった缶を私が飲むと
、サクは更に悲鳴をあげた。
「サク?どしたん」
私がそう聞くと良樹も頷く。
すると、サクが珍しく頬を赤らめた。
「いや…それさ…か、間接キッスてやつじゃん…」
今の「キッス」のようにサクは、言いにくいことは伸ばしてしまう癖があるらしい。
私は心の中で、「確かに…」と思ったがそれが何?という感じ。
良樹も同じなのか、当たり前のようにサクに言った。
「別に俺は気にせん〜。特に相手が千捺だし?」
「はぁ!どーいう意味よ」
すると、何故かどんなときも笑顔のサクが顔を曇らせた。
そして、私の手を引いた。
「千捺と話あるから。」
私は良樹から離れた場所に連れてこられた。サクったらどうしたの?
いつもの100倍くらい顔が真面目なんだけど。(何気に失礼)
すると唐突に語り出した。
「私高校入ってから、ずっとヨッシーが好きなの」
少し絶句した。多分口がポカーンと開いてると思う。
「それでね。ヨッシーが千捺の事が好きな事も知ってるの」
…ん?
「でも。私はヨッシーが好きだから諦めないよ。」
「あの、私別に良樹の事なんか」
私が口を挟むと、サクが「それも知ってるから諦めないの」と真っ直ぐ言い、良樹の待つ場所へ戻った。
私も混乱した気持ちで戻った。
「なぁ。今度さ俺らで夏祭り行かん?」
良樹がいつものノリで誘ってきた。「何の話だったの?」と聞いてこないのが良樹の良いところだ。
「おっ。私は行くよ〜!千捺は?」
そう聞いてきたサクの目が闘志に燃えている気がして、思わず「行く!」と返事をした。
サクの反応が気になったけど、いつもと同じ笑顔だったので安心した。
そして。私は一瞬良樹の目が半月型に笑ったのが見えた。
そして、気付いた。
"私は良樹が好きなんだ"
平凡な日常がアオハルに変わる瞬間を私は知っている。
ひとまず、夏祭りに向けて大好きな良樹と、大親友のサクと楽しめるようにしないとね。
END
どうも!作者の利久です〜
サクちゃんは、いい子で笑顔だけど本当は辛い、という気持ちを感じてほしいです。
感想やアドバイスがあれば、書いてくださると嬉しいです。 利久(りく)さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月31日みんなの答え:2件
「よっしゃ!じゃ、ジュースはヨッシーのおごりで〜」
今時、たかがジュースの為にわざわざジャンケンをして、騒ぐ女子高校生がいるだろうか。
「くそぅ…。チョキ出すべきだったぜ。俺今月金欠なんだけど〜」
今時、小学生の男子並にくだらないことで後悔する男子高校生もいるだろうか。
「はいはい。逃げないー。あ、私烏龍茶で」
残念ながら、いるのだ。
私の目の前に二人。
「わあったよ…。千捺は?」
千捺…というのが、私の名前。
片寄千捺(かたよせちなつ)なんてどこかで聞いたような響きのする名前だけど割と嫌いじゃないな。
「私は〜、『アメリカンバナナレモンティー』」
私がそう答えると、ヨッシーこと宝良樹(たからよしき)と赤井沙久(あかいさく)が決まってつっこむ。
「いや、またそれかよっ」
「名前からして怪しげな輸入飲料なんですけど〜」
二人の少々おふざけも交えたつっこみは、最近笑い不足の私に笑顔を与えてくれる。
「あはっ。あ、でも味は確かなんだから!」
私がそう推すと、珍しく良樹が自動販売機をしげしげと眺め、
「ふーん…。なら買うか」
そう言い小銭を入れ、飲み出す良樹。
すると…
「…おおおおおおおぉ」
突然良樹が叫び出した。
「やっぱ、まずい?」
「美味いでしょ?」
サクと私が交互に聞く。
私的には、バナナとレモンが絶妙にマッチしたあの味が美味しいんだけど…。
「クセになりそうな…」
「だよねっ!」
「まずさ。」
「ええ〜!?」
その会話にサクが腹を抱え笑い出す。
私達は、幼なじみでも何でもないけどいつもこんなくだらない会話で盛り上がっている。
私的には、どんな青春よりも平凡なこの日常が好きだ。
すると、良樹が私にその『アメリカンバナナレモンティー』の缶を差し出す。
「捨てんの勿体ないしやる。」
私は、「ああ」と言い受けとろうとしたのだかその前に、サクが小さく悲鳴をあげた。
「えっ、ちょっ…」
既に受けとった缶を私が飲むと
、サクは更に悲鳴をあげた。
「サク?どしたん」
私がそう聞くと良樹も頷く。
すると、サクが珍しく頬を赤らめた。
「いや…それさ…か、間接キッスてやつじゃん…」
今の「キッス」のようにサクは、言いにくいことは伸ばしてしまう癖があるらしい。
私は心の中で、「確かに…」と思ったがそれが何?という感じ。
良樹も同じなのか、当たり前のようにサクに言った。
「別に俺は気にせん〜。特に相手が千捺だし?」
「はぁ!どーいう意味よ」
すると、何故かどんなときも笑顔のサクが顔を曇らせた。
そして、私の手を引いた。
「千捺と話あるから。」
私は良樹から離れた場所に連れてこられた。サクったらどうしたの?
いつもの100倍くらい顔が真面目なんだけど。(何気に失礼)
すると唐突に語り出した。
「私高校入ってから、ずっとヨッシーが好きなの」
少し絶句した。多分口がポカーンと開いてると思う。
「それでね。ヨッシーが千捺の事が好きな事も知ってるの」
…ん?
「でも。私はヨッシーが好きだから諦めないよ。」
「あの、私別に良樹の事なんか」
私が口を挟むと、サクが「それも知ってるから諦めないの」と真っ直ぐ言い、良樹の待つ場所へ戻った。
私も混乱した気持ちで戻った。
「なぁ。今度さ俺らで夏祭り行かん?」
良樹がいつものノリで誘ってきた。「何の話だったの?」と聞いてこないのが良樹の良いところだ。
「おっ。私は行くよ〜!千捺は?」
そう聞いてきたサクの目が闘志に燃えている気がして、思わず「行く!」と返事をした。
サクの反応が気になったけど、いつもと同じ笑顔だったので安心した。
そして。私は一瞬良樹の目が半月型に笑ったのが見えた。
そして、気付いた。
"私は良樹が好きなんだ"
平凡な日常がアオハルに変わる瞬間を私は知っている。
ひとまず、夏祭りに向けて大好きな良樹と、大親友のサクと楽しめるようにしないとね。
END
どうも!作者の利久です〜
サクちゃんは、いい子で笑顔だけど本当は辛い、という気持ちを感じてほしいです。
感想やアドバイスがあれば、書いてくださると嬉しいです。 利久(りく)さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2020年8月31日みんなの答え:2件
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アメリカンバナナレモンティー! こんにちは。ナスビです=(^.^)=
タイトル気にしないでくださいっ!
話の展開が意外でした!すんごく面白かった!
小説で青春を感じられました。
最初の文で惹きつけられて読んでみようと思いました。
やっぱ最初の文って重要ですね(^^)
それとアメバナ(勝手に略してすみません)飲んでみたいです!
どんな味なのか気になります! ナスビさん(神奈川・13さい)からの答え
とうこう日:2020年9月3日 -
おしゃれ! こんにちは、あやです!
とってもおしゃれな物語ですね!主人公の心情表現もよくできてて、いいです!
恋も友情もあり、学生のいい思い出を詰め込んだ感じの物語です。
アメリカンバナナレモンティーってよく思いつきましたね。感心感心。1回飲んでみたいです。
小悪魔あやさん(石川・13さい)からの答え
とうこう日:2020年9月1日
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