片想い〜kataomoi〜
あなたには、出会わなければ良かったのかな…
出会わなければ、こんな思いしなくて済んだのかな…
こんな、みじめな気持ちに……
ならなくて済んだ…?
私は、あなたが好きだった
ずっと、これからも、好きだと思ってた
私と趣味が合って
私をいつも笑わせてくれて
私をいつ何時も守ってくれた
あなただったのに。
あなたにとっては、
私はモブ女子の一人だったんだね。
もしかしたら…って
一生懸命アピールしてた自分が馬鹿みたい。
もうわかったよ。
あなたは、遠い存在なんだ。
私は手に届かないくらい、遠い存在。
だから私が、一生懸命おめかししたって
あなたの目には、ホコリのようにしか映らない。
そんなこと考えてたら、ますますみじめになってきた。
ますます涙が出てきた。
諦めきれない気持ちが、胸をギュッと締め付ける。
…雨の中。
ひとりぼっちの自分。
髪の毛が濡れそぼって、
顔が涙か雨か分からない液体でぐちゃぐちゃになっても
私はそこから動く気はなかった。
…というか、そんなことをする力が私には残ってなかった。
歩く気力も、止まる気力も、
全て、あなたに奪われたような気分。
「大丈夫?」
どしゃ降りの雨の音が、一瞬止まったような気がした。
突然の声だった。
今までずっと無言だったせいか、人の声を聞くのが久しぶりに思えた。
「………あの……歩ける……?」
その声は、どう聞いたって男性だった。
私は、なんと答えていいか分からず、ずっと無視し続けていた。
「………………ねえ。」
男性がしゃがんだ。
私と、同じ目線になった。
男性は、真っ直ぐに見つめてきた。
私がそらしても、…真っ直ぐに。
私は、視線を合わせるしかなくなって、
彼の視線を真っ直ぐに見つめ返した。
彼の瞳を見たとき、一瞬驚いた。
瞳がすうっと透き通っていて、吸い込まれそうに綺麗だったから…
私がその目に見惚れていたら、
急にその目が細くなって、彼が笑っているのだと気づいた。
「…………やっとこっち向いたー。」
少しふてくされたような声で、彼は言った。
それが不覚にも、
可愛いと思ってしまった。
「‥………………………行こ?」
幼児みたいに、おねだりするよな感じの声だった。
その声が、言葉が、いまの私には痛いほど優しくて…。
動いてみようって、思った。
二度と動かないと思っていた場所から、二度と歩かないと決めていたこの足で。
「………良かった」
彼は、そう言って笑った。
私はそれにつられて、少しだけ、ほんの少しだけ、笑ってみた。
『………‥ありがと………』
私は、絶対に気づかれないような、か細い声で言った。
「どういたしまして」
でもどうやら彼には聞こえてたらしい。
私は、この短時間で彼のことがだいぶ好きになっていた。
さっき会ったばっかりの人を、家まで送ってくれるって言ったこの人が。
もしかして、彼となら………
そう思っていたら、自分の家が近づいてきた。
『……あっ。わ、私、この辺で………』
「………ん?そーなの?………分かった。」
彼は、ニッと笑った。
「………気をつけてな。」
その笑顔が、すごく愛らしくて、やっぱり見惚れてしまいそうになった。
『は……はい………!』
私は、ドキドキしたのがバレないようにさっと走り出した。
その途中で、
「あっ!待って!」
と、呼び止められた。
「名前………聞いてなかった……エヘ ( ´ ▽ ` )」
エヘって。可愛いな……
「俺………あきと。暁に、斗って書いて、暁斗。
……キミは?」
『あっ、わ、私は、あ、あさな。朝に、菜っ葉の菜で、朝菜。』
「………朝菜か。」
突然の名前呼びで、どきっとした。
暁斗は、人をどきっとさせるのが上手だ。
「…………じゃあな。朝菜。」
少しはにかみながら、そう言った。
『………あ、う、うん…!』
私は、もうすっかり惚れてしまった。
私は、全速力で走った。
赤い顔が、バレないように。
翔ちゃんさん(宮崎・12さい)からの相談
とうこう日:2020年9月5日みんなの答え:2件
あなたには、出会わなければ良かったのかな…
出会わなければ、こんな思いしなくて済んだのかな…
こんな、みじめな気持ちに……
ならなくて済んだ…?
私は、あなたが好きだった
ずっと、これからも、好きだと思ってた
私と趣味が合って
私をいつも笑わせてくれて
私をいつ何時も守ってくれた
あなただったのに。
あなたにとっては、
私はモブ女子の一人だったんだね。
もしかしたら…って
一生懸命アピールしてた自分が馬鹿みたい。
もうわかったよ。
あなたは、遠い存在なんだ。
私は手に届かないくらい、遠い存在。
だから私が、一生懸命おめかししたって
あなたの目には、ホコリのようにしか映らない。
そんなこと考えてたら、ますますみじめになってきた。
ますます涙が出てきた。
諦めきれない気持ちが、胸をギュッと締め付ける。
…雨の中。
ひとりぼっちの自分。
髪の毛が濡れそぼって、
顔が涙か雨か分からない液体でぐちゃぐちゃになっても
私はそこから動く気はなかった。
…というか、そんなことをする力が私には残ってなかった。
歩く気力も、止まる気力も、
全て、あなたに奪われたような気分。
「大丈夫?」
どしゃ降りの雨の音が、一瞬止まったような気がした。
突然の声だった。
今までずっと無言だったせいか、人の声を聞くのが久しぶりに思えた。
「………あの……歩ける……?」
その声は、どう聞いたって男性だった。
私は、なんと答えていいか分からず、ずっと無視し続けていた。
「………………ねえ。」
男性がしゃがんだ。
私と、同じ目線になった。
男性は、真っ直ぐに見つめてきた。
私がそらしても、…真っ直ぐに。
私は、視線を合わせるしかなくなって、
彼の視線を真っ直ぐに見つめ返した。
彼の瞳を見たとき、一瞬驚いた。
瞳がすうっと透き通っていて、吸い込まれそうに綺麗だったから…
私がその目に見惚れていたら、
急にその目が細くなって、彼が笑っているのだと気づいた。
「…………やっとこっち向いたー。」
少しふてくされたような声で、彼は言った。
それが不覚にも、
可愛いと思ってしまった。
「‥………………………行こ?」
幼児みたいに、おねだりするよな感じの声だった。
その声が、言葉が、いまの私には痛いほど優しくて…。
動いてみようって、思った。
二度と動かないと思っていた場所から、二度と歩かないと決めていたこの足で。
「………良かった」
彼は、そう言って笑った。
私はそれにつられて、少しだけ、ほんの少しだけ、笑ってみた。
『………‥ありがと………』
私は、絶対に気づかれないような、か細い声で言った。
「どういたしまして」
でもどうやら彼には聞こえてたらしい。
私は、この短時間で彼のことがだいぶ好きになっていた。
さっき会ったばっかりの人を、家まで送ってくれるって言ったこの人が。
もしかして、彼となら………
そう思っていたら、自分の家が近づいてきた。
『……あっ。わ、私、この辺で………』
「………ん?そーなの?………分かった。」
彼は、ニッと笑った。
「………気をつけてな。」
その笑顔が、すごく愛らしくて、やっぱり見惚れてしまいそうになった。
『は……はい………!』
私は、ドキドキしたのがバレないようにさっと走り出した。
その途中で、
「あっ!待って!」
と、呼び止められた。
「名前………聞いてなかった……エヘ ( ´ ▽ ` )」
エヘって。可愛いな……
「俺………あきと。暁に、斗って書いて、暁斗。
……キミは?」
『あっ、わ、私は、あ、あさな。朝に、菜っ葉の菜で、朝菜。』
「………朝菜か。」
突然の名前呼びで、どきっとした。
暁斗は、人をどきっとさせるのが上手だ。
「…………じゃあな。朝菜。」
少しはにかみながら、そう言った。
『………あ、う、うん…!』
私は、もうすっかり惚れてしまった。
私は、全速力で走った。
赤い顔が、バレないように。
翔ちゃんさん(宮崎・12さい)からの相談
とうこう日:2020年9月5日みんなの答え:2件
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おーー! すごくおもしろかったです!
暁斗くんかっこいいですね!
また書いてください! あさなさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2020年9月9日 -
うまー! あーやです^^*
すっごい書き方上手ー!
いいなぁ、羨ましいなぁー
表現力が凄い…!
次の作品も楽しみにしてるね(*^^*) あーやさん(東京・13さい)からの答え
とうこう日:2020年9月6日
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