『リセット』 〜人魂〜
ス。
ゆっくり指と指を合わす。
パチン!
指を鳴らした後、禁断の言霊を零す。
『リセット。』
僕の名前は、奏亮(そうすけ)。
つまらない普通の中学生だ。
学校の給食は、相変わらず不味く感じるし、変な奴に絡まれたりもする。
いつか、この日々が変わって欲しいと願ったのは何度目だろう。
「ただいま。」
母は、反応しない。
帰ると大抵パソコンを使い、仕事をしている。
もちろん今日もそうだ。
自室へと入り、カバンをベットへ置いた。
そして、キッチンへ行き置いてある野菜炒めを取る。
一人静かなテーブルで、野菜炒めを頬張る。
家の料理も美味しくない。
何故かは分からない。
多分、毎日がつまらないからだと思う。
皿を洗い、母のキーボードを鳴らす音を背にし、自室へ戻った。
この時はまだ知らなかった。
僕の日常が変わるなんて。
翌日、
今日もつまらない日だと思っていた。
だが、歯車が回り出したのは、この日からだった。
「静かに。今日から新しい生徒が入ってくるからな。入ってきて!」
「は〜い!」
ドアから出てきたのは、茶髪の少女だった。
「え〜っと、優里上 零華です!よろしくお願いしま〜す!」
零華さんは見たところ、明るい人のようだった。
だが、つまらない自分には、絡んでこないだろう。
それに、絡まれると他の馬鹿なやつにも、絡まれるかもしれない。
そんな事を思っていた時、先生がこちらを見て言った。
「じゃあ、零華。奏亮の隣に座れ。」
「は〜い!」
隣の席か。
馬鹿な奴に絡まれないと良いんだけど。
零華さんが席に座った。
「よろしく〜!」
「宜しく..。」
すると、零華さんが囁いた。
「後で、校内教えて。」
「分かった。」
校内を教えるとしても、他の人に教えて貰えば良いのに。
そう考えた後、先生に視線を向けた。
「ねぇねっ!校内教えて!」
「分かった。えーっと、ここは保健室で..」
説明している途中、知らない奴に絡まれたりもしたけど零華さんが追い払ってくれた。
僕にとって、彼女はかなり助けてくれるのでは無いかと思った。
そして、説明が終わった後、零華さんは呟いた。
「ねぇ、辛い時ってある?」
「いや、別に..。」
「だよねー。奏亮くん悩みなさそうだし。何かもう一度人生をやり直す方法があるんだって。」
不思議とそれが気になった。
「それ..教えてくれる?」
「え!?良いけど..。」
その方法は簡単だった。
使い道は無いし、それが本当かも分からない。
だが、それはいつか役に立つ気がした。
零華さんが来てから、一ヶ月が経った頃、零華さんはクラスの中心になっていた。
「あ、零華さん..」
「あー、もう、呼び捨てで良いよ!奏亮くん!」
「え!?わ、分かった。」
中も深まり、零華とはよく話すようになった。
もう、零華が帰った頃、僕は帰ろうとした。
だが、途端に誰かに話しかけられた。
「おーい、奏亮っつったか?お前さぁ、零華さんと仲良くしてんだろ?それに呼び捨てで呼んでるらしいじゃねぇか〜。」
その人は、力が強い事で有名な、狩宮 裕翔だった。
「そうだけど。それが何?」
「いやなー。お前だけ零華さんに好かれてるじゃねぇか。だからな、お前がずるいなぁって思ったんだよ。」
「だから、それが何?」
言った途端、裕翔は僕の腹を殴ってきた。
「うっ!」
僕は腹を抑え蹲る。
すると、上から別の声がした。
「まぁ、零華さんを独り占めしてるんだからしょうがないよね〜ww」
この様な虐めは、全て零華のいないところで行われた。
多分、零華が見たら止めに入るからだろう。
そして、虐めが始まってから、二週間も経たない頃僕は疲れていた。
何故か勝手に足が動く。
コツコツと屋上へ。
吹き付ける風は、僕を責める様に吹いていた。
死の世界と生の世界の狭間にある、柵に手を伸ばす。
「待って!」
後ろにいたのは、零華だった。
「何で..分かったの?」
「実は、知ってたの!奏亮くんが虐められている事!」
「じゃあ、何で助けてくれなかったの?」
零華は言いにくそうに口を開いた。
「怖かったの。」
「..」
「でも、今度は助けるから!」
「いや、もう良いんだ。」
柵から手を離し、指と指を合わせる。
これは、人生をリセットさせる禁断術。
次は何になろうかな。
指を鳴らし、禁断の言零を零す。
『リセット。』
END?
この物語は本当に終わったのだろうか? かきのみさん(神奈川・10さい)からの相談
とうこう日:2020年9月12日みんなの答え:3件
ゆっくり指と指を合わす。
パチン!
指を鳴らした後、禁断の言霊を零す。
『リセット。』
僕の名前は、奏亮(そうすけ)。
つまらない普通の中学生だ。
学校の給食は、相変わらず不味く感じるし、変な奴に絡まれたりもする。
いつか、この日々が変わって欲しいと願ったのは何度目だろう。
「ただいま。」
母は、反応しない。
帰ると大抵パソコンを使い、仕事をしている。
もちろん今日もそうだ。
自室へと入り、カバンをベットへ置いた。
そして、キッチンへ行き置いてある野菜炒めを取る。
一人静かなテーブルで、野菜炒めを頬張る。
家の料理も美味しくない。
何故かは分からない。
多分、毎日がつまらないからだと思う。
皿を洗い、母のキーボードを鳴らす音を背にし、自室へ戻った。
この時はまだ知らなかった。
僕の日常が変わるなんて。
翌日、
今日もつまらない日だと思っていた。
だが、歯車が回り出したのは、この日からだった。
「静かに。今日から新しい生徒が入ってくるからな。入ってきて!」
「は〜い!」
ドアから出てきたのは、茶髪の少女だった。
「え〜っと、優里上 零華です!よろしくお願いしま〜す!」
零華さんは見たところ、明るい人のようだった。
だが、つまらない自分には、絡んでこないだろう。
それに、絡まれると他の馬鹿なやつにも、絡まれるかもしれない。
そんな事を思っていた時、先生がこちらを見て言った。
「じゃあ、零華。奏亮の隣に座れ。」
「は〜い!」
隣の席か。
馬鹿な奴に絡まれないと良いんだけど。
零華さんが席に座った。
「よろしく〜!」
「宜しく..。」
すると、零華さんが囁いた。
「後で、校内教えて。」
「分かった。」
校内を教えるとしても、他の人に教えて貰えば良いのに。
そう考えた後、先生に視線を向けた。
「ねぇねっ!校内教えて!」
「分かった。えーっと、ここは保健室で..」
説明している途中、知らない奴に絡まれたりもしたけど零華さんが追い払ってくれた。
僕にとって、彼女はかなり助けてくれるのでは無いかと思った。
そして、説明が終わった後、零華さんは呟いた。
「ねぇ、辛い時ってある?」
「いや、別に..。」
「だよねー。奏亮くん悩みなさそうだし。何かもう一度人生をやり直す方法があるんだって。」
不思議とそれが気になった。
「それ..教えてくれる?」
「え!?良いけど..。」
その方法は簡単だった。
使い道は無いし、それが本当かも分からない。
だが、それはいつか役に立つ気がした。
零華さんが来てから、一ヶ月が経った頃、零華さんはクラスの中心になっていた。
「あ、零華さん..」
「あー、もう、呼び捨てで良いよ!奏亮くん!」
「え!?わ、分かった。」
中も深まり、零華とはよく話すようになった。
もう、零華が帰った頃、僕は帰ろうとした。
だが、途端に誰かに話しかけられた。
「おーい、奏亮っつったか?お前さぁ、零華さんと仲良くしてんだろ?それに呼び捨てで呼んでるらしいじゃねぇか〜。」
その人は、力が強い事で有名な、狩宮 裕翔だった。
「そうだけど。それが何?」
「いやなー。お前だけ零華さんに好かれてるじゃねぇか。だからな、お前がずるいなぁって思ったんだよ。」
「だから、それが何?」
言った途端、裕翔は僕の腹を殴ってきた。
「うっ!」
僕は腹を抑え蹲る。
すると、上から別の声がした。
「まぁ、零華さんを独り占めしてるんだからしょうがないよね〜ww」
この様な虐めは、全て零華のいないところで行われた。
多分、零華が見たら止めに入るからだろう。
そして、虐めが始まってから、二週間も経たない頃僕は疲れていた。
何故か勝手に足が動く。
コツコツと屋上へ。
吹き付ける風は、僕を責める様に吹いていた。
死の世界と生の世界の狭間にある、柵に手を伸ばす。
「待って!」
後ろにいたのは、零華だった。
「何で..分かったの?」
「実は、知ってたの!奏亮くんが虐められている事!」
「じゃあ、何で助けてくれなかったの?」
零華は言いにくそうに口を開いた。
「怖かったの。」
「..」
「でも、今度は助けるから!」
「いや、もう良いんだ。」
柵から手を離し、指と指を合わせる。
これは、人生をリセットさせる禁断術。
次は何になろうかな。
指を鳴らし、禁断の言零を零す。
『リセット。』
END?
この物語は本当に終わったのだろうか? かきのみさん(神奈川・10さい)からの相談
とうこう日:2020年9月12日みんなの答え:3件
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3件中 1 〜 3件を表示
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天才!? 10歳っ!?
いや、びっくりしました。
凄いですね。天才ですか?尊敬しちゃいます…
まあ、それは置いといて…すごく面白かったです!
世界観とか、文章の表現とか、あきずにスラスラと読めました!
なによりわかりやすかったです。
また次の作品も楽しみにしてます! フルーツタルトさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年9月13日 -
長かったけれど、飽きずに読めますね! 奏亮君は、実は何度も人生をループしていた、ということですか?(間違っていたらすみません)
いつかは、思い通りの人生を歩むことができるのでしょうか。
面白かったです! はちみつさん(千葉・14さい)からの答え
とうこう日:2020年9月13日 -
!! 終わり方が初めてのパターンで少し驚きました!
とっても面白かったです…てか10歳なのに語彙力高すぎませんか?尊敬します笑
ではまた! 無音さん(香川・12さい)からの答え
とうこう日:2020年9月13日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
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