さあ、恋を始めよう
よいちどりです!
「宮下瑛茉(みやしたえま)ちゃん、付き合ってください!」
今年の四月、隣のクラスの子にこう言われた。
告白してきたのは、金沢光雅(かなざわこうが)君。
ひとまず私は「ごめんなさい!」って言ったんだけど、それから毎日、何度断ってもめげずに告白してくるようになった。
告白し続ける2年生と断り続ける2年生。
その話は学校内でも有名になり、わざわざ見に来る生徒もいる、最早イベント的なものになっている。
ある日、こう聞いたことがあった。
「金沢君はどうして私を選んでくれるの?」
そしたら、
「入学式の日に、一目惚れしたんだ。
二年生になってやっと告白する勇気が出たから、後悔したくなくて。」
だって。
「一目惚れ?!」
金沢君は頷く。
「瑛茉ちゃん、断るときすごく申し訳なさそうでさ、優しい子だなって。毎日、少しずつ好きになっちゃうんだよ。」
「何でそんなにさらっと好きって言えるの…//」
「だって、伝えたいから。瑛茉ちゃんに、好きだよって。」
も〜〜こっちが恥ずかしいよ…
「瑛茉おはよー」
「紗奈!おはよー」
橋塚紗奈(はしづかさな)、私の友達で二年生になってから毎日一緒にいる子だ。
「さて、今日金沢はいつ告白してくるかねー」
けらけら、軽く笑いながら紗奈が言う。
「ちょっともう、やめてよ…!」
というと、
ガララッっと扉が開いて、金沢君が来た。
「瑛茉ちゃん、付き合ってください!」
「おぉ、今来たか。」
紗奈も驚いてる。
「ごめんなさい!」
そういうと、金沢君はヘにゃ、っと笑って、
「ごめんな、そうだよね…」
と言って帰っていった。
「瑛茉ちゃんも大変だねー」
とクラス委員の子が言う。
「え、全然そんなことないよ。むしろ、金沢君といると楽しいなーっていうか、落ち着く?っていうか、とにかく、大変ではないよ」
なぜかクラスが静まる。
紗奈が口を開いた。
「それって、金沢のこと好きなんじゃなくて?」
「ふぇ?」
どういうこと?
「あー、じゃあ、金沢に好きって言われるとどう思う?」
「嬉しいよ」
「えと、胸がきゅんとか、なる?」
「きゅぅ、っていうか締め付けられる?感じかな」
「あんたそれ、恋だよ。金沢に恋してるんじゃないの?」
恋?これが?
分かんない。正直そう思った。
私が金沢君を…?!
コンコン
姉の部屋のドアを軽くノックする。
姉の天音(あまね)はモテ女、恋愛経験が豊富だ。
だから、アドバイスを求めることにした。
「お、珍しいね、どしたの」
「あのね…」
今日会ったことを順々に話していく。
「瑛茉、恋したことないんだっけ?」
こくりと軽くうなずく。
「そか。恋って言うのは、その子ともっと一緒にいたいとか、一緒にいて苦じゃないとか、そういうもんだよ。胸がときめくとか、自然と目で追っちゃうとかね。」
姉の言葉がカチリ、と、胸にはまった。
そっか。そっかあ。
なんか、モヤモヤが消えて、すごくいい感じになった。
自然と笑みが漏れる。
「あ、えらくスッキリした顔してるじゃん。力になれたかな、」
「うん、とっても。ありがとう、お姉ちゃん」
「全然。なんかあったら言いなさいよ?」
にこっとわらって頷いた。
明日の学校が、金沢君に会えるのが楽しみになった。
そして次の日。
金沢君は
告白してこなかった。
次も、その次の日も。
何で?やっと恋だって分かったのに。
今度は私の番ってこと?金沢君に告白する番?
なんかそう思っちゃって、気づいたら隣のクラスに駆け出してた。
「金沢君、いる?!」
「瑛茉ちゃん、どしたの…」
「どうして告白してくれないの」
「だって、瑛茉ちゃんが迷惑に思ってるって聞いて…」
「そんなことない!!」
軽く深呼吸する。
「私、やっと気づいたの。金沢君といるときに感じるこの気持ちは、恋だって。私、金沢君の事が…!」
いいかけて、ぎゅっと抱き締められた。
「瑛茉ちゃんに言わせるなんて、ダサいな。ここから先は俺に言わせてくれる?」
こく、と頷く。
「瑛茉ちゃん、好きです。大好きです。僕と、恋をしてくれませんか?」
「はい、もちろん!!」
にこり、満面の笑みを浮かべたら
金沢君が顔を赤らめてなにか呟いた。
「ねえ、キスしていい?」
「ええ?!」
「めっっちゃかわいい」
「そういうのはもうちょっとたってからで…」
「くははっ」
からから笑うその顔がかわいくて、
「好き…」
思わず言っちゃった。
「その…やっぱり、キス…して…?」
「なに、それ。かわいすぎ…ッ!」
優しく、唇を重ねる。
キャアアーー!
と悲鳴が上がる。
ここ教室だった!
「これからよろしくな、瑛茉」
呼び捨てと、にっこり笑った笑顔に照れつつも、
「こちらこそよろしくね、光雅」
私の恋が、始まった。
感想ください!! よいちどりさん(愛知・13さい)からの相談
とうこう日:2020年9月15日みんなの答え:5件
「宮下瑛茉(みやしたえま)ちゃん、付き合ってください!」
今年の四月、隣のクラスの子にこう言われた。
告白してきたのは、金沢光雅(かなざわこうが)君。
ひとまず私は「ごめんなさい!」って言ったんだけど、それから毎日、何度断ってもめげずに告白してくるようになった。
告白し続ける2年生と断り続ける2年生。
その話は学校内でも有名になり、わざわざ見に来る生徒もいる、最早イベント的なものになっている。
ある日、こう聞いたことがあった。
「金沢君はどうして私を選んでくれるの?」
そしたら、
「入学式の日に、一目惚れしたんだ。
二年生になってやっと告白する勇気が出たから、後悔したくなくて。」
だって。
「一目惚れ?!」
金沢君は頷く。
「瑛茉ちゃん、断るときすごく申し訳なさそうでさ、優しい子だなって。毎日、少しずつ好きになっちゃうんだよ。」
「何でそんなにさらっと好きって言えるの…//」
「だって、伝えたいから。瑛茉ちゃんに、好きだよって。」
も〜〜こっちが恥ずかしいよ…
「瑛茉おはよー」
「紗奈!おはよー」
橋塚紗奈(はしづかさな)、私の友達で二年生になってから毎日一緒にいる子だ。
「さて、今日金沢はいつ告白してくるかねー」
けらけら、軽く笑いながら紗奈が言う。
「ちょっともう、やめてよ…!」
というと、
ガララッっと扉が開いて、金沢君が来た。
「瑛茉ちゃん、付き合ってください!」
「おぉ、今来たか。」
紗奈も驚いてる。
「ごめんなさい!」
そういうと、金沢君はヘにゃ、っと笑って、
「ごめんな、そうだよね…」
と言って帰っていった。
「瑛茉ちゃんも大変だねー」
とクラス委員の子が言う。
「え、全然そんなことないよ。むしろ、金沢君といると楽しいなーっていうか、落ち着く?っていうか、とにかく、大変ではないよ」
なぜかクラスが静まる。
紗奈が口を開いた。
「それって、金沢のこと好きなんじゃなくて?」
「ふぇ?」
どういうこと?
「あー、じゃあ、金沢に好きって言われるとどう思う?」
「嬉しいよ」
「えと、胸がきゅんとか、なる?」
「きゅぅ、っていうか締め付けられる?感じかな」
「あんたそれ、恋だよ。金沢に恋してるんじゃないの?」
恋?これが?
分かんない。正直そう思った。
私が金沢君を…?!
コンコン
姉の部屋のドアを軽くノックする。
姉の天音(あまね)はモテ女、恋愛経験が豊富だ。
だから、アドバイスを求めることにした。
「お、珍しいね、どしたの」
「あのね…」
今日会ったことを順々に話していく。
「瑛茉、恋したことないんだっけ?」
こくりと軽くうなずく。
「そか。恋って言うのは、その子ともっと一緒にいたいとか、一緒にいて苦じゃないとか、そういうもんだよ。胸がときめくとか、自然と目で追っちゃうとかね。」
姉の言葉がカチリ、と、胸にはまった。
そっか。そっかあ。
なんか、モヤモヤが消えて、すごくいい感じになった。
自然と笑みが漏れる。
「あ、えらくスッキリした顔してるじゃん。力になれたかな、」
「うん、とっても。ありがとう、お姉ちゃん」
「全然。なんかあったら言いなさいよ?」
にこっとわらって頷いた。
明日の学校が、金沢君に会えるのが楽しみになった。
そして次の日。
金沢君は
告白してこなかった。
次も、その次の日も。
何で?やっと恋だって分かったのに。
今度は私の番ってこと?金沢君に告白する番?
なんかそう思っちゃって、気づいたら隣のクラスに駆け出してた。
「金沢君、いる?!」
「瑛茉ちゃん、どしたの…」
「どうして告白してくれないの」
「だって、瑛茉ちゃんが迷惑に思ってるって聞いて…」
「そんなことない!!」
軽く深呼吸する。
「私、やっと気づいたの。金沢君といるときに感じるこの気持ちは、恋だって。私、金沢君の事が…!」
いいかけて、ぎゅっと抱き締められた。
「瑛茉ちゃんに言わせるなんて、ダサいな。ここから先は俺に言わせてくれる?」
こく、と頷く。
「瑛茉ちゃん、好きです。大好きです。僕と、恋をしてくれませんか?」
「はい、もちろん!!」
にこり、満面の笑みを浮かべたら
金沢君が顔を赤らめてなにか呟いた。
「ねえ、キスしていい?」
「ええ?!」
「めっっちゃかわいい」
「そういうのはもうちょっとたってからで…」
「くははっ」
からから笑うその顔がかわいくて、
「好き…」
思わず言っちゃった。
「その…やっぱり、キス…して…?」
「なに、それ。かわいすぎ…ッ!」
優しく、唇を重ねる。
キャアアーー!
と悲鳴が上がる。
ここ教室だった!
「これからよろしくな、瑛茉」
呼び捨てと、にっこり笑った笑顔に照れつつも、
「こちらこそよろしくね、光雅」
私の恋が、始まった。
感想ください!! よいちどりさん(愛知・13さい)からの相談
とうこう日:2020年9月15日みんなの答え:5件
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-
こんにちは!なっちです! お久しぶりですー!
待ってましたよぉー!(泣)
めっちゃ感動しましたー
よいちどりさんの作品は
いつもカンドーするんですが、
久しぶりだとどうも弱くて、、、
これからも小説書いてくださいね! なっちさん(神奈川・12さい)からの答え
とうこう日:2020年10月10日 -
あ!よいちどりさん! よいちどりさん、復活ですか?
私、よいちどりさんの小説好きなので、ずっと待ってましたよ!!
やっぱりいいですねえ!
また書いてください! りてるんさん(兵庫・11さい)からの答え
とうこう日:2020年9月20日 -
よいちどりしゃぁぁ〜ん!! よいちどりさんっお久しぶりです!
よいちどりさんの小説がしばらく読めなくてすごくさびしかったです(泣)
これからもよいちどりさんファンとして応援していきます!!なのでまた小説書いて下さい!
よいちどりさん大好きファンより。 パルメザンチ一ズさん(千葉・12さい)からの答え
とうこう日:2020年9月16日 -
お〜 おもしろい!
表現法もあって、いいね!
初めての恋かあ…
気づいてよかったね! ななさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2020年9月16日 -
グハッ えまちゃん可愛いわ〜♪
めっちゃ最高でした!!
恋に気づけて二人が付き
合えて良かった〜!!!
ハッピーエンド!バンザイ
めちゃキュンキュンした みおりぬ☆さん(選択なし・14さい)からの答え
とうこう日:2020年9月16日
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-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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