メッセージカードとメランコリー
「今から、次のパーティーで、メッセージカード、誰に書くのかをくじで決めます!」
私の名前は、流華。
何故か、このクラスではパーティーをよくする。
そして、今回はメッセージカードを書く事になってしまった。
メッセージカードなんていう物、書きたく無いのだ。
このクラスでは、女子は男子に、男子は女子に、メッセージカードを渡す。
私は、密かに思っている人がいる。
一番はじの席に座っている、佳奈西碧(かなにしあお)だ。
碧は、飄々としていて、寝坊助だ。
だが、どこか、信頼できて、優しい。
そんなところに私は、惹かれていた。
メッセージカードで当たるのは、必ず、碧では無いのだ。
それが、メッセージカードを書きたく無い理由である。
少し期待しながら、くじを引いた。
当たったのは..げ、私の嫌いな、栗立蓮(くりたちれん)だ。
最悪だ。
「はぁ..。」
ため息を吐き、くじの紙を握り潰した。
メランコリー。
それは、憂鬱という意味。
今の自分に最も当てはまる言葉だ。
はぁ..何書けばいいんだろ。
締め切りは、来週の今日。
『これからも宜しくです!』みたいな適当な事を書いて、私は、床に寝そべった。
何で、碧に当たんないんだろ。
やっぱり、私達は、違うのだろうか。
そんな事を考える。
大きく首を振り、自分の頬を叩いた。
こんなこと言ってたらダメだ!
私は、立ち上がり、メッセージカードをカバンに入れた。
そして、もう一つの紙を取り出す。
「よし!出来た!」
そして、パーティーの当日・・・
ふぅ、緊張する。
あと、二つで、私達が渡す時だ。
そして、ついに私たちの番になった。
蓮が、メッセージカードを渡す。
そして、わたしもメッセージカードを差し出す。
そのメッセージカードをゆっくり開けると、そこには驚きの文字があった。
『好きです。付き合って下さい。』
頭が痛かった。
ここに書いてある文字が、もう読めないくらいに。
何で?
次々と疑問が浮かんでくる。
「良いですか?」
そう蓮が訪ねた気がした。
何故か私は、「はい」と、答えていた。
拍手が飛び交う。
「頑張れよ!」みたいそんな声も、耳鳴りに打ち消され、聞こえていなかった。
フラフラする。
耳鳴りと、頭痛が酷い。
今にも、倒れそうだった。
だが、足は動く。
何で、私は「はい」と、答えてしまったんだろう。
まるで、私と蓮が付き合う事が当たり前の様に答えていた。
家に着くと、さっき歩けていた事が嘘の様に歩けなくなった。
気付くと、頬には綺麗な光を宿した、水滴があった。
そして、ポタと、水滴が伝い落ちる。
この時、思っていた人も涙を流していた事は、まだ、知らなかった。
次の日、私は学校に行く事ができなかった。
三十八度の熱で、咳も酷かったからだ。
少し、咳が収まった時、お母さんが入ってきた。
「佳奈西君から、手紙が届いてるわよ。」
「え?それ、読ませて!」
「分かったわ、読み終わったらちゃんと寝るのよ。」
茶色の封筒を素早く開け、中身を確かめる。
その中には、一枚の紙が入っていた。
そこには、とても綺麗な文字が書いてあった。
碧の字とは思えない。
恐らく、碧のお母さんが書いたのだろう。
『流華ちゃん、大丈夫ですか?碧も実は、熱で休んでいます。』
何でだろう。
碧は、風邪になりにくい体質だった筈だ。
続きには、とても気になる事が書いてあった。
『碧が、渡したい物があるらしいけど、心当たりありますか?』
渡したい物?
心当たりは、少しあった。
手紙の返事は書いたが、渡したい物については書かなかった。
翌日
碧も学校に来ていた。
そして、昼休みの時、途端に声をかけられた。
「部活終わったら、屋上来て。」
「え?良いけど..。」
戸惑いながら、部活部屋に向かった。
言われた通りに、屋上へ向かった。
そこには、碧がいた。
「どうしたの?」
「いや、手紙見た?」
「見たよ。渡したい物って何?」
心当たりはあるが、それが、本当か分からない。
「それは..」
碧は、カバンを漁る。
私も、カバンを漁る。
碧の手にあったのは..
私の手にあったのは..
『メッセージカード』。
それを渡し開く。
そこに書いてあったのは..
『好きです。付き合って下さい。』
そして、私のメッセージカードに書いてあったのは..
『好きです。付き合って下さい。』
「良いですか?」
碧の目には喜びの涙が薄っすら浮かんでいる。
私は、目に溜めた喜びの涙を零しながら笑う。
「もちろん!」
END かきのみさん(神奈川・10さい)からの相談
とうこう日:2020年9月19日みんなの答え:1件
私の名前は、流華。
何故か、このクラスではパーティーをよくする。
そして、今回はメッセージカードを書く事になってしまった。
メッセージカードなんていう物、書きたく無いのだ。
このクラスでは、女子は男子に、男子は女子に、メッセージカードを渡す。
私は、密かに思っている人がいる。
一番はじの席に座っている、佳奈西碧(かなにしあお)だ。
碧は、飄々としていて、寝坊助だ。
だが、どこか、信頼できて、優しい。
そんなところに私は、惹かれていた。
メッセージカードで当たるのは、必ず、碧では無いのだ。
それが、メッセージカードを書きたく無い理由である。
少し期待しながら、くじを引いた。
当たったのは..げ、私の嫌いな、栗立蓮(くりたちれん)だ。
最悪だ。
「はぁ..。」
ため息を吐き、くじの紙を握り潰した。
メランコリー。
それは、憂鬱という意味。
今の自分に最も当てはまる言葉だ。
はぁ..何書けばいいんだろ。
締め切りは、来週の今日。
『これからも宜しくです!』みたいな適当な事を書いて、私は、床に寝そべった。
何で、碧に当たんないんだろ。
やっぱり、私達は、違うのだろうか。
そんな事を考える。
大きく首を振り、自分の頬を叩いた。
こんなこと言ってたらダメだ!
私は、立ち上がり、メッセージカードをカバンに入れた。
そして、もう一つの紙を取り出す。
「よし!出来た!」
そして、パーティーの当日・・・
ふぅ、緊張する。
あと、二つで、私達が渡す時だ。
そして、ついに私たちの番になった。
蓮が、メッセージカードを渡す。
そして、わたしもメッセージカードを差し出す。
そのメッセージカードをゆっくり開けると、そこには驚きの文字があった。
『好きです。付き合って下さい。』
頭が痛かった。
ここに書いてある文字が、もう読めないくらいに。
何で?
次々と疑問が浮かんでくる。
「良いですか?」
そう蓮が訪ねた気がした。
何故か私は、「はい」と、答えていた。
拍手が飛び交う。
「頑張れよ!」みたいそんな声も、耳鳴りに打ち消され、聞こえていなかった。
フラフラする。
耳鳴りと、頭痛が酷い。
今にも、倒れそうだった。
だが、足は動く。
何で、私は「はい」と、答えてしまったんだろう。
まるで、私と蓮が付き合う事が当たり前の様に答えていた。
家に着くと、さっき歩けていた事が嘘の様に歩けなくなった。
気付くと、頬には綺麗な光を宿した、水滴があった。
そして、ポタと、水滴が伝い落ちる。
この時、思っていた人も涙を流していた事は、まだ、知らなかった。
次の日、私は学校に行く事ができなかった。
三十八度の熱で、咳も酷かったからだ。
少し、咳が収まった時、お母さんが入ってきた。
「佳奈西君から、手紙が届いてるわよ。」
「え?それ、読ませて!」
「分かったわ、読み終わったらちゃんと寝るのよ。」
茶色の封筒を素早く開け、中身を確かめる。
その中には、一枚の紙が入っていた。
そこには、とても綺麗な文字が書いてあった。
碧の字とは思えない。
恐らく、碧のお母さんが書いたのだろう。
『流華ちゃん、大丈夫ですか?碧も実は、熱で休んでいます。』
何でだろう。
碧は、風邪になりにくい体質だった筈だ。
続きには、とても気になる事が書いてあった。
『碧が、渡したい物があるらしいけど、心当たりありますか?』
渡したい物?
心当たりは、少しあった。
手紙の返事は書いたが、渡したい物については書かなかった。
翌日
碧も学校に来ていた。
そして、昼休みの時、途端に声をかけられた。
「部活終わったら、屋上来て。」
「え?良いけど..。」
戸惑いながら、部活部屋に向かった。
言われた通りに、屋上へ向かった。
そこには、碧がいた。
「どうしたの?」
「いや、手紙見た?」
「見たよ。渡したい物って何?」
心当たりはあるが、それが、本当か分からない。
「それは..」
碧は、カバンを漁る。
私も、カバンを漁る。
碧の手にあったのは..
私の手にあったのは..
『メッセージカード』。
それを渡し開く。
そこに書いてあったのは..
『好きです。付き合って下さい。』
そして、私のメッセージカードに書いてあったのは..
『好きです。付き合って下さい。』
「良いですか?」
碧の目には喜びの涙が薄っすら浮かんでいる。
私は、目に溜めた喜びの涙を零しながら笑う。
「もちろん!」
END かきのみさん(神奈川・10さい)からの相談
とうこう日:2020年9月19日みんなの答え:1件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
1件中 1 〜 1件を表示
-
えーっと あーやです^^*
私が思ったことだけど、蓮くんがちょっと可哀想…
まぁこのことはいいとして、メッセージカードっていう発想が面白かった! あーやさん(東京・13さい)からの答え
とうこう日:2020年9月20日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
1件中 1 〜 1件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- AIと話せるならどんなことを話してみたい?06月26日
-
- 画面が割れてしまった07月19日
-
- 急に友達じゃなくなった…07月20日
-
- いじられ過ぎてしんどいです…。07月20日
-
- お母さんが怖い07月20日
-
- 中2の勉強時間について07月19日
-
- 私の生理っておかしい?07月20日
-
- これって目の病気?07月20日
-
- 先輩がキモい07月19日
-
- 体操競技好きな人ー!!07月19日
-
- 自分イチオシの中古ショップ!07月19日
-
- きらわれたかも…07月20日
-
- ギャルになりたい!!07月19日
-
- パソコンを使いたい07月20日
-
- 助けて、、07月19日
-
- 人04月23日
-
- 消えたい07月19日
-
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。