夏よ、走れ。 【読んでくれませんか?】
「頑張れ頑張れ!みわちゃん!!ファイトだファイトだ!みわちゃん!!」
「うおぉぉぉ!!」
私は走る。夏のリレーに向けて。
小学校では毎年行われる夏のリレー。
赤組、白組に分かれる。今年は赤組に入ることになった。
「ねえねえ、みわちゃん!もう私たち6年生だから、夏のリレーは今年で最後だねー。てか、みわちゃんって足速いよねー」
ギンギラひかる太陽が地面を照らしている中で、緑色の地面の校庭を歩いている最中、クラスの人気者の加奈(かな)ちゃんに話しかけられた。
「そんなことないよ。私、全然足速くないし」
そんなことを言いつつ、走ることだけは誰よりも自信がある。
今日だって、50メートル走のタイムは6秒だったし。
「ほんと、みわちゃんはいいなー みわちゃんは足が早いから、体育の時はみんながみわちゃんのところに集まるじゃん ずるいよー」
私が人気者になれるのは体育の時間だけ。他の時間は、いつも加奈ちゃんが人気者。
「加奈ちゃんの方が人気者だよ」
「えー?そう?やっぱ私って人気者なのかなー まぁ?みわちゃんは陰キャっぽいもんねー やっぱ私だけが!人気者なんだねー」
加奈の笑い方がいつもと違った。少し私を下に見るような感じだ。
「う、うん…」
陰キャっぽいって言われて、傷ついた。でも、反論してはいけない。加奈ちゃんの周りにいる人たちに、怒られてしまう。
もう、加奈ちゃんとは関わらないでおこう…
「おはようございます。」
ある日の朝、私はいつものように教室に入る。
1時間目は体育だなー。
そんなことを考えながら、机に向かう。
???
机が汚い。マッキーのようなペンで、「消えろ」とか、「あんたなんかマジいらない」と書いてある。
なんで???
今まではみんな応援してくれて、体育の時だけだけど人気者だったし、私に優しく接してくれていたのに…
どうして???
目から自然に涙が溢れる。
視界が揺れる。
ポツリと体育着に滴が落ちた。
「ふふっ」
後ろから、笑い声が聞こえる。
虐められてる??
「よーい!ドン!!」
涙のあとは消えて、というか必死に消して、体育の時間を迎えた。今日も50メートル走だ。
次々と私の番が近づいていく。
ドク ドク ドク
怖い。心臓が悲鳴を上げている。
どうしよう…
「よーい!ドン!!」
順番が回ってきてしまった私は、頑張ってスタートを切った。
思うように走れない。
あれ…また視界が揺れている…
怖い。また、机に落書きされるのではないか。
怖い。傷つく言葉を、言われるのではないか。
もっと視界が見えづらくなる。
大丈夫。大丈夫。
嘘を吐いて、繰り返した。
キーンコーンカーンコーン コーンカーンキーンコーン
6時間目が終わった。
もう学校を出られる。
とたとた、と歩く私。私の足は、どこかへ向かっていた。家でもない、どこかへ。
1時間ほど歩いて、着いた場所。そこは、私が住んでいる街全体が見える丘だった。丘と言っても、とても低い丘。
ゆっくり斜面を登って頂上にたどり着くと、綺麗な街が見えた。
「あれが、私の住んでいる街…」
思わず、こぼれた。
色とりどりの屋根の色が、とても綺麗だ。
土の上に、体育座りをする。
「みわ!!」
ふと、後ろを振り向く。そこに立っていたのは、親友の優香(ゆうか)だった。
「どうしたの…?」
「朝、みわの机に落書きされてたでしょ!心配になってたんだけど話しかけられなくて…帰り、みわの後ろ、着いて来ちゃった」
ハアハアと息を荒らしながら言う優香。そんなに心配しなくてもいいのに…
「ちょっとごめん」
優香はそう言って私の隣に座った。
「大丈夫なの?」
優香は親のように聞いてくる。
「だ、大丈夫だから…」
どうしてだろう。目が熱い。
「私、力になるから…!」
そう言いながら抱きしめる優香。
目から一粒、涙が溢れる。
「ありがと…」
優香はハンカチを差し出してくれた。
「抱え込まないで。一緒に戦おう。」
「うん」と衝動的に答えてしまう。
「じゃあ、また明日!塾に行かなくちゃいけないからさ。」
速く家に帰らないといけなかったのに、ここに来てくれたんだ、と思うと、頬の川は海になってしまった。
次の日。
もう、4時間目だ。
夏のリレーに向けて、今日も50メートル走。
順番が近づいていく。
でも、怖くない。
私には味方がいる。
「よーい!ドン!」
私は勢いよく駆け抜けた。
世界が変わった。
私はズンズン走った。未来に向けて、ズンズンと。
今年の夏はいつもとは違う。
夏よ、走れ。 わんこそば(改名したよ♪)さん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年10月3日みんなの答え:6件
「うおぉぉぉ!!」
私は走る。夏のリレーに向けて。
小学校では毎年行われる夏のリレー。
赤組、白組に分かれる。今年は赤組に入ることになった。
「ねえねえ、みわちゃん!もう私たち6年生だから、夏のリレーは今年で最後だねー。てか、みわちゃんって足速いよねー」
ギンギラひかる太陽が地面を照らしている中で、緑色の地面の校庭を歩いている最中、クラスの人気者の加奈(かな)ちゃんに話しかけられた。
「そんなことないよ。私、全然足速くないし」
そんなことを言いつつ、走ることだけは誰よりも自信がある。
今日だって、50メートル走のタイムは6秒だったし。
「ほんと、みわちゃんはいいなー みわちゃんは足が早いから、体育の時はみんながみわちゃんのところに集まるじゃん ずるいよー」
私が人気者になれるのは体育の時間だけ。他の時間は、いつも加奈ちゃんが人気者。
「加奈ちゃんの方が人気者だよ」
「えー?そう?やっぱ私って人気者なのかなー まぁ?みわちゃんは陰キャっぽいもんねー やっぱ私だけが!人気者なんだねー」
加奈の笑い方がいつもと違った。少し私を下に見るような感じだ。
「う、うん…」
陰キャっぽいって言われて、傷ついた。でも、反論してはいけない。加奈ちゃんの周りにいる人たちに、怒られてしまう。
もう、加奈ちゃんとは関わらないでおこう…
「おはようございます。」
ある日の朝、私はいつものように教室に入る。
1時間目は体育だなー。
そんなことを考えながら、机に向かう。
???
机が汚い。マッキーのようなペンで、「消えろ」とか、「あんたなんかマジいらない」と書いてある。
なんで???
今まではみんな応援してくれて、体育の時だけだけど人気者だったし、私に優しく接してくれていたのに…
どうして???
目から自然に涙が溢れる。
視界が揺れる。
ポツリと体育着に滴が落ちた。
「ふふっ」
後ろから、笑い声が聞こえる。
虐められてる??
「よーい!ドン!!」
涙のあとは消えて、というか必死に消して、体育の時間を迎えた。今日も50メートル走だ。
次々と私の番が近づいていく。
ドク ドク ドク
怖い。心臓が悲鳴を上げている。
どうしよう…
「よーい!ドン!!」
順番が回ってきてしまった私は、頑張ってスタートを切った。
思うように走れない。
あれ…また視界が揺れている…
怖い。また、机に落書きされるのではないか。
怖い。傷つく言葉を、言われるのではないか。
もっと視界が見えづらくなる。
大丈夫。大丈夫。
嘘を吐いて、繰り返した。
キーンコーンカーンコーン コーンカーンキーンコーン
6時間目が終わった。
もう学校を出られる。
とたとた、と歩く私。私の足は、どこかへ向かっていた。家でもない、どこかへ。
1時間ほど歩いて、着いた場所。そこは、私が住んでいる街全体が見える丘だった。丘と言っても、とても低い丘。
ゆっくり斜面を登って頂上にたどり着くと、綺麗な街が見えた。
「あれが、私の住んでいる街…」
思わず、こぼれた。
色とりどりの屋根の色が、とても綺麗だ。
土の上に、体育座りをする。
「みわ!!」
ふと、後ろを振り向く。そこに立っていたのは、親友の優香(ゆうか)だった。
「どうしたの…?」
「朝、みわの机に落書きされてたでしょ!心配になってたんだけど話しかけられなくて…帰り、みわの後ろ、着いて来ちゃった」
ハアハアと息を荒らしながら言う優香。そんなに心配しなくてもいいのに…
「ちょっとごめん」
優香はそう言って私の隣に座った。
「大丈夫なの?」
優香は親のように聞いてくる。
「だ、大丈夫だから…」
どうしてだろう。目が熱い。
「私、力になるから…!」
そう言いながら抱きしめる優香。
目から一粒、涙が溢れる。
「ありがと…」
優香はハンカチを差し出してくれた。
「抱え込まないで。一緒に戦おう。」
「うん」と衝動的に答えてしまう。
「じゃあ、また明日!塾に行かなくちゃいけないからさ。」
速く家に帰らないといけなかったのに、ここに来てくれたんだ、と思うと、頬の川は海になってしまった。
次の日。
もう、4時間目だ。
夏のリレーに向けて、今日も50メートル走。
順番が近づいていく。
でも、怖くない。
私には味方がいる。
「よーい!ドン!」
私は勢いよく駆け抜けた。
世界が変わった。
私はズンズン走った。未来に向けて、ズンズンと。
今年の夏はいつもとは違う。
夏よ、走れ。 わんこそば(改名したよ♪)さん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年10月3日みんなの答え:6件
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みわちゃん優香ちゃんかっこいい! 小説、すごかったです!
いじめに立ち向かうみわちゃん&優香ちゃんがすっごくかっこいいです!
感動しました〜。
書いてくれてありがとうです!では!
♯wanmaruさん(千葉・10さい)からの答え
とうこう日:2020年10月4日 -
わー…(T▽T) すごく共感…というか。ネット上で似たようなことがあったときに、一緒に戦ってくれた方がいたんです。
その方は「一緒に戦った!」とか思ってないかもしれないけど、私はすごく嬉しかったんです(*´`)
一緒に戦ってくれる人の存在はすごく助けになるなぁと改めて感じました。
素敵なお話、本当にありがとうございました♪ 臣 さん(長野・14さい)からの答え
とうこう日:2020年10月4日 -
神様=優香 こんちわぁ!エナガ大好きなシマエナガでーす!
いじめって怖いね…
それにしても、加奈ちゃんこえー…
そして優香が神!めちゃくちゃ良い親友だね!
神小説ありがとう!
では、さいなぁら! シマエナガさん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2020年10月4日 -
しゅごぉーい!!! マヨです!
多分ムーンちゃんだよね?
↑
(間違ってたら恥ずかしい...)
すごいねぇー!才能あるよォ!
私、全然載せられない...(笑)
また書いてねヽ(*´∀`)ノ マヨ♪さん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2020年10月4日 -
感動 感動しました。
友情ってめっちゃ素敵!!!
みわちゃん!
これからも、未来に向かって、走れー!!
最後に、この小説良かったです! まーちゃんさん(福井・11さい)からの答え
とうこう日:2020年10月4日 -
すごすぎーーーーーー どうも!読ませていただきました!
もうやっばい!!
このはなし好きです!!
途中泣きそうになりました
人生初!
小説(?)で泣きそうになった私!
率直にすごすぎ!!!!!!!
私と全然クオリティーが違う!
最後のところがすっげーー好き!
ジャね! 黒豆。でしたぁ〜 黒豆。さん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2020年10月4日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
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