忘れたい記憶と絶対記憶者
「ねー、なんで雪はいつも期末テスト500点満点な訳ー?」
「さぁ」
「いや、一位なら分かるよ?けど500点満点て、どゆことさ?」
クラスメイトである花のその質問にウンザリしていたとき……
「あっれー?」
隣の席の卓也が何か頭を抱えている。
「ん?どしたん卓也?」
「ん、花。いやー、それが今日提出のプリント、どっかやっちまってよー」
「え、それって九条から渡されたやつ?」
卓也のおかげであの質問から逃げれた。でも九条先生からのプリントをなくすとはご愁傷さまだな。仕方ない、お礼だ。
「卓也。HRのときに国語のファイルに入れて、蒼に貸してなかった?」
「だった!サンキューな雪!雪って記憶力すげーよな」
「……そんなことないよ」
「そうか?純粋にすげーと思うぞ?俺なんか期末、247位だぜ?250人中」
「何いってんの?記憶力がよくてもテストでいい点がとれる訳ないじゃない」
………卓也の幼馴染みの華恋。期末では決まって二位。そのせいか私に対して、なんだか当たりが強い。
「そうなのか?」
「当たり前じゃない」
「じゃあ、雪は普通に頭もいいのか」
「あら、違うわよ。だって満点以外とらない、なんてあるわけないじゃない」
「じゃあ、なんなんだ?」
「不正に決まってるわ。じゃないと私を越すなんてありえないもの」
「はいはい。いつものやつな。雪、ごめんな」
「卓也が謝ることじゃないよ」
はぁ……めんどくさい。なんなんだろ。
放課後、私は華恋に呼び出された。
「ねぇ、本当に不正とか止めてくれるかしら。」
「なんで私が不正してるって思うの?」
「は?そんなの決まってるわよ!あなたが毎回500点満点だからよ。不正でもしない限りできっこないわ」
………なんなんだろ。この人。
「……それってさ、華恋ができないからそう思ってるんでしょ?私はできるの。華恋と私は違うの。できないからって私を妬んでるんでしょ?何もかもを自分の目線で見るのやめてよね」
「………っ」
何も言い返せないらしく私を睨んでいる。
「……なんでそんなに記憶力がいいの?テストだけじゃないわよ……、あなたはさっきみたいに人のなくしものをすぐに見つける」
「……生まれつきだよ」
「ふーん。そう。いいわよね、生まれながらの勝者って。努力もしないで、てっぺんにいるんだもの」
「確かに努力はしなかった。けど………私の記憶力はいいなんてものじゃない。生まれたときからずっと記憶がある。それも0.1秒もとりこぼさずに」
「華恋、好きな5桁の数字を言って」
「え?……42153だけど」
卓也と華恋の誕生日か。
「華恋。4年と2か月前の15:03に何をしていたか言える?」
「は?言えるわけないじゃない」
「私は言えるよ。それが私の記憶力。呪われた能力だよ」
「そんな……ことがあるっていうの……?」
「うん。この記憶力はいいことばかりじゃない。何より……とても辛い記憶を忘れられない。今でも昨日のことのように……いや、今のことのように思い出せる」
華恋は青ざめていた。そしてやっと口を開いた。
「辛い記憶って……何……かしら?」
2011年8月5日、お母さんと葉月停という飲食店に来ていた。葉月停は有名な高級飲食店で、シングルマザーお母さんがいつも我慢させてごめんね、と無理して連れていってくれた。そこで事件は起こった。急に銃を持った男がやってきて………「金を出せ!」と。怖かった。店員は怯え、手を震わせながらも男の言う通りにお金を出していた。そんな時、店長がスタンガンを男に当てた。その瞬間に男は銃を落とした。それをひろおうと店長は男に近寄った。……すると、男はナイフを取り出した。そして私に銃をひろって、持ってくるようにいった。私は銃をひろった。そして、銃を構えた。パンッ ………男は死んだ。私が殺した。男は悪いことをした。だから当然だ。そういってくれる大人もいれば。ひどい言葉を浴びせる大人もいた。友達には「人殺し」と、怖がられたり蔑すまれたりした。私は……お母さんを守りたかった。けど……私が男を殺したせいで、お母さんにも非難の言葉……暴言が浴びせられた。そしてお母さんは自殺してしまった。私は……お母さんもを殺してしまった。
「そん……な」
「覚えてるの。撃ったときの感触。それで肩が脱臼した痛み。男から流れる赤い血。お母さんの虚ろな目。全部……覚えてる」
「私にはあなたの苦しみは分からないわよ。けど、だからって……人形みたいに生きるのはやめてくれるかしら。私があなたを嫌う理由わかるかしら?あなたが空っぽだからよ。そんなお人形さんに負ける。この屈辱がわかるかしら?あなたにできることはっ!」
自分を殺さないことだけよ……と。
華恋がそう言ってくれたから私はこの記憶力と向き合って生きてくって決めたんだ。 雨下さん(鹿児島・12さい)からの相談
とうこう日:2020年12月12日みんなの答え:2件
「さぁ」
「いや、一位なら分かるよ?けど500点満点て、どゆことさ?」
クラスメイトである花のその質問にウンザリしていたとき……
「あっれー?」
隣の席の卓也が何か頭を抱えている。
「ん?どしたん卓也?」
「ん、花。いやー、それが今日提出のプリント、どっかやっちまってよー」
「え、それって九条から渡されたやつ?」
卓也のおかげであの質問から逃げれた。でも九条先生からのプリントをなくすとはご愁傷さまだな。仕方ない、お礼だ。
「卓也。HRのときに国語のファイルに入れて、蒼に貸してなかった?」
「だった!サンキューな雪!雪って記憶力すげーよな」
「……そんなことないよ」
「そうか?純粋にすげーと思うぞ?俺なんか期末、247位だぜ?250人中」
「何いってんの?記憶力がよくてもテストでいい点がとれる訳ないじゃない」
………卓也の幼馴染みの華恋。期末では決まって二位。そのせいか私に対して、なんだか当たりが強い。
「そうなのか?」
「当たり前じゃない」
「じゃあ、雪は普通に頭もいいのか」
「あら、違うわよ。だって満点以外とらない、なんてあるわけないじゃない」
「じゃあ、なんなんだ?」
「不正に決まってるわ。じゃないと私を越すなんてありえないもの」
「はいはい。いつものやつな。雪、ごめんな」
「卓也が謝ることじゃないよ」
はぁ……めんどくさい。なんなんだろ。
放課後、私は華恋に呼び出された。
「ねぇ、本当に不正とか止めてくれるかしら。」
「なんで私が不正してるって思うの?」
「は?そんなの決まってるわよ!あなたが毎回500点満点だからよ。不正でもしない限りできっこないわ」
………なんなんだろ。この人。
「……それってさ、華恋ができないからそう思ってるんでしょ?私はできるの。華恋と私は違うの。できないからって私を妬んでるんでしょ?何もかもを自分の目線で見るのやめてよね」
「………っ」
何も言い返せないらしく私を睨んでいる。
「……なんでそんなに記憶力がいいの?テストだけじゃないわよ……、あなたはさっきみたいに人のなくしものをすぐに見つける」
「……生まれつきだよ」
「ふーん。そう。いいわよね、生まれながらの勝者って。努力もしないで、てっぺんにいるんだもの」
「確かに努力はしなかった。けど………私の記憶力はいいなんてものじゃない。生まれたときからずっと記憶がある。それも0.1秒もとりこぼさずに」
「華恋、好きな5桁の数字を言って」
「え?……42153だけど」
卓也と華恋の誕生日か。
「華恋。4年と2か月前の15:03に何をしていたか言える?」
「は?言えるわけないじゃない」
「私は言えるよ。それが私の記憶力。呪われた能力だよ」
「そんな……ことがあるっていうの……?」
「うん。この記憶力はいいことばかりじゃない。何より……とても辛い記憶を忘れられない。今でも昨日のことのように……いや、今のことのように思い出せる」
華恋は青ざめていた。そしてやっと口を開いた。
「辛い記憶って……何……かしら?」
2011年8月5日、お母さんと葉月停という飲食店に来ていた。葉月停は有名な高級飲食店で、シングルマザーお母さんがいつも我慢させてごめんね、と無理して連れていってくれた。そこで事件は起こった。急に銃を持った男がやってきて………「金を出せ!」と。怖かった。店員は怯え、手を震わせながらも男の言う通りにお金を出していた。そんな時、店長がスタンガンを男に当てた。その瞬間に男は銃を落とした。それをひろおうと店長は男に近寄った。……すると、男はナイフを取り出した。そして私に銃をひろって、持ってくるようにいった。私は銃をひろった。そして、銃を構えた。パンッ ………男は死んだ。私が殺した。男は悪いことをした。だから当然だ。そういってくれる大人もいれば。ひどい言葉を浴びせる大人もいた。友達には「人殺し」と、怖がられたり蔑すまれたりした。私は……お母さんを守りたかった。けど……私が男を殺したせいで、お母さんにも非難の言葉……暴言が浴びせられた。そしてお母さんは自殺してしまった。私は……お母さんもを殺してしまった。
「そん……な」
「覚えてるの。撃ったときの感触。それで肩が脱臼した痛み。男から流れる赤い血。お母さんの虚ろな目。全部……覚えてる」
「私にはあなたの苦しみは分からないわよ。けど、だからって……人形みたいに生きるのはやめてくれるかしら。私があなたを嫌う理由わかるかしら?あなたが空っぽだからよ。そんなお人形さんに負ける。この屈辱がわかるかしら?あなたにできることはっ!」
自分を殺さないことだけよ……と。
華恋がそう言ってくれたから私はこの記憶力と向き合って生きてくって決めたんだ。 雨下さん(鹿児島・12さい)からの相談
とうこう日:2020年12月12日みんなの答え:2件
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好みだぁ 現役中二病の緋三日月です。
設定が私好みでした。発想が天才ですね。記憶力がすごい……バカな私からしたら羨ましい能力ですが、忘れることができないってのも辛いですね。次も期待してます! 緋三日月さん(鹿児島・13さい)からの答え
とうこう日:2020年12月14日 -
泣ける… 華恋ちゃん…ホントはいい子だったんだね…
感動でした、ありがとう はーいさん(東京・14さい)からの答え
とうこう日:2020年12月14日
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