クリスマスプレゼント【短編小説】
「ただ、好きなだけなのに。
なんで。
こんなに苦しいのかな。」
十二月。
気温が下がり、皆の気分は落ち込む季節。
でもその代わりにクリスマスやお正月、年明けにはバレンタインデーと、恋愛の温度は上昇中。
「ヤバい、もうすぐ彼氏作んないと。
25日は寂しいクリスマスになっちゃう。
真紀は?」
「私?
そんなの、あるわけないでしょう。」
「ははっ、そりゃそうか〜。」
そりゃそうか、と予想していたような返事をする友達に多少憤りを覚えるも、嘘ではないため反論は出来ない。
「真紀は優等生だからね〜。」
ゆるっとした笑顔で褒める友人に、頬が熱くなる感触を覚える。
「そんなことないよ。」
一番これが妥当な返し方かな、頭の隅で考えながら本のページを開いた。
別に恋愛がしたくないわけではないし、むしろしたいな、とは思っている。
ただ、中々一緒に居たいと思う人がいないだけなのだ。
恋、か。
「はぁ。」
手の冷たさを紛らわすために吐いたのか、考えごと故のため息か。
私にもそれは分からなかった。
元々笑うことが少なかった私は、だんだんと大人に近づいていく内に笑うことも少なくなり、同時に心の動きも小さくなっていくように感じた。
面白いといえば面白いけど、笑うほどじゃない。
確かに楽しいけど、そんな笑うこともない。
そう思うことが多くなっていき、しまいには友達にも「クールでかっこいい」と無表情だからこその誉め方をされる。
そこに、
「真紀、どうした?
ため息ついて。」
と私の肩を叩きながら声をかけるのは、同じクラスの大和。
女子の肩を叩くなんて他の男子なら訴えてしまうけれど、大和は幼馴染だから問題はない。
ちなみに私に恋の予定を伺った彼女も、大切な私の幼馴染だ。
「なんでもない。
考えごとしてただけ。」
「ふーん。
てか、真紀は俺へのクリスマスプレゼントの予定はあるの?」
そいつは当たり前のように聞いてくるので、私もいつも通りに無視する。
「そんなの渡したら私があなたの恋人に殺される気がするけど。」
からかうように言った、その言葉。
確か大和に恋人はいなかったな、と知ってたからこそ、皮肉るように言ったのに。
「あれ?
俺に彼女できたの、真紀に言ってたっけ?」
「は...」
知ってたよ、とでも言えば良かったのか。
それとも。
冗談だったのに!とでも言っておどければ良かったのかな。
今更、なんと言ってもどうにもならないけど。
「どうやら私、貴方のことが好きだったみたい。」
いつも私の隣に居てくれて、励ましてくれて。
でも、そう思っていたのはどうやら私だけだったみたい。
私達の少し前に歩いていた幼馴染の恋人はこちらに気づいた模様。
横を歩いていた幼馴染も顔が緩み、私に別れの言葉を告げて、足早に去っていった。
こんなことになるんだったら、やっぱり恋愛小説は読んでおくべきだった。
「ただ、好きなだけなのに。
なんで。
こんなに苦しいのかな。」
今年のクリスマスプレゼントは、ほろ苦い思い出の品となりそうです。 菊さん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2020年12月15日みんなの答え:1件
なんで。
こんなに苦しいのかな。」
十二月。
気温が下がり、皆の気分は落ち込む季節。
でもその代わりにクリスマスやお正月、年明けにはバレンタインデーと、恋愛の温度は上昇中。
「ヤバい、もうすぐ彼氏作んないと。
25日は寂しいクリスマスになっちゃう。
真紀は?」
「私?
そんなの、あるわけないでしょう。」
「ははっ、そりゃそうか〜。」
そりゃそうか、と予想していたような返事をする友達に多少憤りを覚えるも、嘘ではないため反論は出来ない。
「真紀は優等生だからね〜。」
ゆるっとした笑顔で褒める友人に、頬が熱くなる感触を覚える。
「そんなことないよ。」
一番これが妥当な返し方かな、頭の隅で考えながら本のページを開いた。
別に恋愛がしたくないわけではないし、むしろしたいな、とは思っている。
ただ、中々一緒に居たいと思う人がいないだけなのだ。
恋、か。
「はぁ。」
手の冷たさを紛らわすために吐いたのか、考えごと故のため息か。
私にもそれは分からなかった。
元々笑うことが少なかった私は、だんだんと大人に近づいていく内に笑うことも少なくなり、同時に心の動きも小さくなっていくように感じた。
面白いといえば面白いけど、笑うほどじゃない。
確かに楽しいけど、そんな笑うこともない。
そう思うことが多くなっていき、しまいには友達にも「クールでかっこいい」と無表情だからこその誉め方をされる。
そこに、
「真紀、どうした?
ため息ついて。」
と私の肩を叩きながら声をかけるのは、同じクラスの大和。
女子の肩を叩くなんて他の男子なら訴えてしまうけれど、大和は幼馴染だから問題はない。
ちなみに私に恋の予定を伺った彼女も、大切な私の幼馴染だ。
「なんでもない。
考えごとしてただけ。」
「ふーん。
てか、真紀は俺へのクリスマスプレゼントの予定はあるの?」
そいつは当たり前のように聞いてくるので、私もいつも通りに無視する。
「そんなの渡したら私があなたの恋人に殺される気がするけど。」
からかうように言った、その言葉。
確か大和に恋人はいなかったな、と知ってたからこそ、皮肉るように言ったのに。
「あれ?
俺に彼女できたの、真紀に言ってたっけ?」
「は...」
知ってたよ、とでも言えば良かったのか。
それとも。
冗談だったのに!とでも言っておどければ良かったのかな。
今更、なんと言ってもどうにもならないけど。
「どうやら私、貴方のことが好きだったみたい。」
いつも私の隣に居てくれて、励ましてくれて。
でも、そう思っていたのはどうやら私だけだったみたい。
私達の少し前に歩いていた幼馴染の恋人はこちらに気づいた模様。
横を歩いていた幼馴染も顔が緩み、私に別れの言葉を告げて、足早に去っていった。
こんなことになるんだったら、やっぱり恋愛小説は読んでおくべきだった。
「ただ、好きなだけなのに。
なんで。
こんなに苦しいのかな。」
今年のクリスマスプレゼントは、ほろ苦い思い出の品となりそうです。 菊さん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2020年12月15日みんなの答え:1件
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いいね! 人物像がめっちゃリアル!菊さん、あなた才能あるよ!(そっけなくてごめんね。) れもんさん(千葉・10さい)からの答え
とうこう日:2020年12月16日
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