月の光
ずっと孤独な世界で生きてきた。
辛い、悲しい、そんな感情を何度も抱いてきた。
成績も、顔面偏差値も、髪質も、視力も、
何もかもが悪くて、
気づけば私の周りには、誰もいなかった――。
橋日夜(たかはしひよ)、中学2年生。
私は、"ぼっち"だった。
学校でも、友達をつくろうとしても勇気が出ない。
家でも、母は妹の美夜ばかりに目を向けて、私のことなんかほぼ放置している。
色々頑張ってみようと思っても、いつも踏みとどまってしまう。私はそんな人間だった。
部活帰りのいつもの道で、夕暮れの空の下、重い脚を何とか動かしながら、そんなことばかり私は考えていた。
ボフッ
夜の11時、私はベッドにダイブしたあと、布団の中に潜って泣いた。
こんな生活に、耐えきれなくなってきた。
こんな風になりたくて生まれてきたわけじゃないのに、何でこんな思いをしなくちゃいけないの?
私って、死んだほうが、楽になれるのかな…
そう考えるうちに、私は深い眠りに落ちていった。
その時私は、空を見上げていた。
三日月と、それを取り囲むような星たち。
こんなに綺麗な夜空を見ているからだろうか、私の心がだんだん浄化されていく。
私は、うっとりと夜空に見とれてしまっていた。
(…こんな夜空に紛れて飛べたらなぁ…)
そんなことも考えてしまった。
家の庭にあった掃除用のほうきを持ってきて、またがってみる。
ジャンプしてみた。
…飛べるわけないよね。そりゃそうだ。
と、思ったら…
私の体は、高い高い空へ浮かんでいった。
私は、何も考えられなくなってしまった。
けど、月が近づいて、星が私を迎えるように浮かんでいて、私の目は輝いていた。
すると、三日月で座る人影が見えた。
(…え?)
私の体は、三日月へと近づいていく。
三日月で、とある男の子が座っているのがはっきり見えた。
男の子に近づくと、その子は
「こっちおいでよ」
と言った。
え、、初対面でそれが第一声…??
戸惑っていると、男の子は
「あ…ごめん、引いちゃってる?僕はヒカル。月に住んでるんだ。1回こっちおいでよ、景色綺麗だよ」
と言った。
私は、ヒカルと名乗る男の子の隣に座った。
とても綺麗な景色が、私の心を踊らせた。
「ねぇ、名前教えて?」
「…えっと、私は日夜」
「日夜ちゃん、、素敵な名前だね」
心臓が、少しだけ高鳴った気がした。
「僕さ、人の喜怒哀楽がなんとなくわかるんだよね。日夜ちゃん、今、哀しい状態なんじゃない?」
「えっ」
「なんとなくだけどわかるんだよね、、何かあるんだったら話聞くよ」
私に優しく話しかけるヒカルくんは、少しだけだが輝いて見えた。
「私…何やってもうまくいかなくて、いつも孤独で辛くて、悲しくて、もう死にたくなって、、とにかく生きていくのが嫌になってきて…」
うまくまとまらない。
14年間味わってきた感情がこみあげてきて、私の目からは涙がこぼれ落ちた。
「そっか、辛いんだね」
ヒカルくんは、そっと私の背中をなでた。
「また辛くなったら、この景色と僕を思い出して。背中を押すことはできないかもしれないけど、心は晴れるかもしれない。下を向いてたら余計辛くなるだけだよ。上を向いてけば、そのうち晴れる」
ヒカルくんはそう言った。
ヒカルくんが、少しだけじゃない、かなり、輝いて見えた。
目が覚めた。
…あれ?ヒカルくんは?
そっか…私、夢を見てただけだったんだ。
ヒカルくんは、実在しないのかな…
けど、私はいつも通りの心じゃなかった。
私は、ベッドから飛び降りると、急いで支度を済ませ、いつもより早く家を出た。
上を向いていこう、そう思えたんだ。
一週間後
「転校生、どんな子だろ?」
前の席にいる玲奈が私に話しかけてきた。
玲奈は、最近できた私の友達。
すると先生が、
「転校生がやってきました。入ってきてください」
と言った。すると、教室に一人の男の子が入ってきた。
「月田光です、よろしくお願いします」
私はハッとした。
間違いない…彼は、"ヒカルくん"だ。
「月田くんは…あそこの、橋さんの隣に座ってください」
光くんは、私の隣に来ると、私の目を見てニコッと笑った。
そのとき、私は気付いた。
私―きっと、彼に恋してる。 希咲さん(愛知・13さい)からの相談
とうこう日:2023年5月4日みんなの答え:3件
辛い、悲しい、そんな感情を何度も抱いてきた。
成績も、顔面偏差値も、髪質も、視力も、
何もかもが悪くて、
気づけば私の周りには、誰もいなかった――。
橋日夜(たかはしひよ)、中学2年生。
私は、"ぼっち"だった。
学校でも、友達をつくろうとしても勇気が出ない。
家でも、母は妹の美夜ばかりに目を向けて、私のことなんかほぼ放置している。
色々頑張ってみようと思っても、いつも踏みとどまってしまう。私はそんな人間だった。
部活帰りのいつもの道で、夕暮れの空の下、重い脚を何とか動かしながら、そんなことばかり私は考えていた。
ボフッ
夜の11時、私はベッドにダイブしたあと、布団の中に潜って泣いた。
こんな生活に、耐えきれなくなってきた。
こんな風になりたくて生まれてきたわけじゃないのに、何でこんな思いをしなくちゃいけないの?
私って、死んだほうが、楽になれるのかな…
そう考えるうちに、私は深い眠りに落ちていった。
その時私は、空を見上げていた。
三日月と、それを取り囲むような星たち。
こんなに綺麗な夜空を見ているからだろうか、私の心がだんだん浄化されていく。
私は、うっとりと夜空に見とれてしまっていた。
(…こんな夜空に紛れて飛べたらなぁ…)
そんなことも考えてしまった。
家の庭にあった掃除用のほうきを持ってきて、またがってみる。
ジャンプしてみた。
…飛べるわけないよね。そりゃそうだ。
と、思ったら…
私の体は、高い高い空へ浮かんでいった。
私は、何も考えられなくなってしまった。
けど、月が近づいて、星が私を迎えるように浮かんでいて、私の目は輝いていた。
すると、三日月で座る人影が見えた。
(…え?)
私の体は、三日月へと近づいていく。
三日月で、とある男の子が座っているのがはっきり見えた。
男の子に近づくと、その子は
「こっちおいでよ」
と言った。
え、、初対面でそれが第一声…??
戸惑っていると、男の子は
「あ…ごめん、引いちゃってる?僕はヒカル。月に住んでるんだ。1回こっちおいでよ、景色綺麗だよ」
と言った。
私は、ヒカルと名乗る男の子の隣に座った。
とても綺麗な景色が、私の心を踊らせた。
「ねぇ、名前教えて?」
「…えっと、私は日夜」
「日夜ちゃん、、素敵な名前だね」
心臓が、少しだけ高鳴った気がした。
「僕さ、人の喜怒哀楽がなんとなくわかるんだよね。日夜ちゃん、今、哀しい状態なんじゃない?」
「えっ」
「なんとなくだけどわかるんだよね、、何かあるんだったら話聞くよ」
私に優しく話しかけるヒカルくんは、少しだけだが輝いて見えた。
「私…何やってもうまくいかなくて、いつも孤独で辛くて、悲しくて、もう死にたくなって、、とにかく生きていくのが嫌になってきて…」
うまくまとまらない。
14年間味わってきた感情がこみあげてきて、私の目からは涙がこぼれ落ちた。
「そっか、辛いんだね」
ヒカルくんは、そっと私の背中をなでた。
「また辛くなったら、この景色と僕を思い出して。背中を押すことはできないかもしれないけど、心は晴れるかもしれない。下を向いてたら余計辛くなるだけだよ。上を向いてけば、そのうち晴れる」
ヒカルくんはそう言った。
ヒカルくんが、少しだけじゃない、かなり、輝いて見えた。
目が覚めた。
…あれ?ヒカルくんは?
そっか…私、夢を見てただけだったんだ。
ヒカルくんは、実在しないのかな…
けど、私はいつも通りの心じゃなかった。
私は、ベッドから飛び降りると、急いで支度を済ませ、いつもより早く家を出た。
上を向いていこう、そう思えたんだ。
一週間後
「転校生、どんな子だろ?」
前の席にいる玲奈が私に話しかけてきた。
玲奈は、最近できた私の友達。
すると先生が、
「転校生がやってきました。入ってきてください」
と言った。すると、教室に一人の男の子が入ってきた。
「月田光です、よろしくお願いします」
私はハッとした。
間違いない…彼は、"ヒカルくん"だ。
「月田くんは…あそこの、橋さんの隣に座ってください」
光くんは、私の隣に来ると、私の目を見てニコッと笑った。
そのとき、私は気付いた。
私―きっと、彼に恋してる。 希咲さん(愛知・13さい)からの相談
とうこう日:2023年5月4日みんなの答え:3件
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
3件中 1 〜 3件を表示
-
わあああ… 素敵すぎるーーー!
ヒカルくんが夢オチかと思いきや現実に帰ってきてめっちゃ感動!私もちょうど中2の時クラスでも部活でもぼっちだったんですけど、好きな人がいたから毎日学校に行けてました。ほとんど喋ったことなかったし告白する勇気もなかったので何も進展せず結局高校は離れてしまいましたが今でもその人には感謝してます!
ヒカルくんと日夜ちゃんがさらに仲良くなれたらいいな!
また書いてください! 小説家になりたい人さん(選択なし・16さい)からの答え
とうこう日:2023年6月13日 -
すごいっ! おはこんっ!元オレオの六花だよ(#^^#)
〜本題へレッツゴー〜
すごい!!
完璧!
もうアドバイスなんてしなくても完ぺきな作品ってなかなかありません!
そのぐらいすごいです!
では♪ 六花:りっか:#さん(埼玉・10さい)からの答え
とうこう日:2023年6月11日 -
感動しました! こんにちは、ミラクル☆スマイルです!
(*^o^*)←今の気分!
本題↓(アイコンは感動しています!)
感動しましたほんとに!凄すぎです!小説家になれますよ!咲希さん!
またかいてください!ではまた!^_−☆マタネ^o^ ミラクル☆スマイル#スプラ依存☆さん(愛知・10さい)からの答え
とうこう日:2023年6月10日
[ まえへ ]
1
[ つぎへ ]
3件中 1 〜 3件を表示
-
- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
-
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
- カテゴリごとの新着相談
-
-
- スマホのカバー11月07日
-
- これってイジメ...?11月08日
-
- 学校行きたい11月08日
-
- 弟が乱暴で…11月08日
-
- 勉強、英語がわかんない!11月07日
-
- 友達とお泊まりなのに生理…11月08日
-
- フケ治したい涙11月07日
-
- これってどうすればいいんだろう…11月07日
-
- セカオワ好きな人いますか11月07日
-
- 好きなアニメ教えて!(なんでもいいよ)11月08日
-
- 慣れたい。!!!!11月07日
-
- 自分の横顔がブサイクで嫌い11月07日
-
- みんなはどんなお菓子が好き?11月08日
-
- おすすめのメイク落としは?11月07日
-
- 悲しい、寂しい夏祭り08月05日
-
- 自分へのご褒美11月08日
いじめで困ったり、ともだちや先生のことで不安や悩みがあったりしたら、一人で悩まず、いつでもすぐ相談してね。
・>>SNSで相談する
・電話で相談する
・>>地元の相談窓口を探す
18歳までの子どものための相談先です。あなたの思いを大切にしながら、どうしたらいいかを一緒に考えてくれるよ。