“茜”色の大“空”に。
僕には、大切な家族がいる。愛犬の「ソラ」。僕が生まれてまもない頃に親が飼いはじめ、ずっと一緒に暮らしてきた。中学に入ってからも、勉強が忙しい時以外はほぼ毎日散歩に付き合っている。お互い心が通じ合える、そんな家族だ。
どうやら最近、体の調子が悪いらしい。この前まで元気だったのに、あまり外に出たがらない。本当は学校から早く帰って様子を見てあげたいところだが、今日は遅くまで部活があって早く帰れない。
「ソラ、帰ってくるまでちゃんと待ってるんだよ。」
「ワン!」
ソラはいつものように返事をしてくれた。でもやっぱり、元気が無いのが分かってしまう。部活は楽しいが、こんな時は部活なんかよりソラの方が気になってしまう。
放課後の部活。僕は卓球部に入っている。いつものように打つ練習をしているが、やっぱりソラのことが気になってしまう。授業もあんまり集中出来なかった。
「アカネー?早くサーブしろよー。」
「あ、ごめんごめん。」
休憩時間。ダブルスのパートナーのハルトが、こう言ってきた。
「なんか最近ぼーっとしてねーか?」
ギクッ。やっぱり気づかれてたのか。
「じ、実はさ、、。」
ソラのことを言おうとするが、何故か言葉が出ない。来週には大事な試合があるから、本当はそんな話をしてる場合じゃない。心配されるから、あんまり話す気にはならない。
「なんだよ、勿体ぶらずに言えよー。」
「で、でもー。」
ピピーッ
「休憩終了。練習始めるぞー。」
「あーあ。話の途中だっていうのに。帰りに話聞かせてくれ!じゃ。」
そう言い、練習に戻っていく。
やっぱり言おう。悩み事ははっきり言ったほうがスッキリするって言うし。
「よーし、僕も練習始めよっと。」
夜7時。
「おーいアカネ!」
「ハルト!おつかれさま。」
「こんな時間まで練習だなんて、顧問どうかしてるよなw」
「そうだね。」
ソラ、ちゃんといい子にしてるかな。
「あー、そうそう。さっきの話、聞かせてくれよ。」
「あ、忘れてた!」
どうしよう。やっぱり言わないべきかな。いや、はっきり言おう。言わなきゃ。
「実はうちのソラが、、。」
「そーだったんだ。ごめんな。無理やり言わせちゃってさ。」
「ううん、全然いいよ。はっきり言わせてくれてありがとう。」
「俺ペットとか買ったこと無いけどさ、妹が体調悪くなった時もそんな感じだったかもしれない。その気持ちすっごく分かるよ。」
そっか。やっぱり分かってくれる人が居ると、気持ちが楽になる。
気づくと、いつも別れてる交差点に着いていた。
「じゃーな。また部活がんばろーな。」
「うん、またね。」
青信号にかわった横断歩道を渡ろうとした。その時。
「お、おい、アカネ!」
「え?」
一瞬、何が起きたか分からなかった。ふと横を見た時、なんの事だかようやく分かった。車が猛スピードで僕の方に向かってくる。もう間に合わないくらい近くまで来ている。
(ソラが待ってるのに。僕の方が待てないなんて、、。)
もうダメだ。ソラ、ごめん。
その時。
後ろから妙な衝撃が走った。
「ワン!!!」
(ソラ、、!?)
よく分からないままその衝撃で押され、前に倒れる。
車がそのまま通り過ぎていった。
「アカネ、大丈夫か!?」
「うん、何とか、。」
ソラ?辺りを見回しても、ソラがいない。
「あれ、ソラは?」
「ソラ?馬鹿言え、ソラなんて居ないぞ?お前が急に勢いよく前に倒れたから助かったじゃん。」
急に嫌な予感がした。さっき倒れたせいで痛めた足だが、嘘のようにちゃんと動く。思うままに家に向かって走る。
「おい!!どこ行くんだよ!」
思いっきり家の扉を開ける。
「ソラ!!!」
翌日。ソラが亡くなった。急なことだった。あの交差点での出来事が思い出される。最後まで一緒に居てくれたソラのことを思うと、涙が出そうになる。
「ソラ、、、。」
朝からずっと部屋にこもっていたせいか、空はもう茜色に染まっていた。 小説家になりたい米粒さん(富山・14さい)からの相談
とうこう日:2023年5月6日みんなの答え:1件
どうやら最近、体の調子が悪いらしい。この前まで元気だったのに、あまり外に出たがらない。本当は学校から早く帰って様子を見てあげたいところだが、今日は遅くまで部活があって早く帰れない。
「ソラ、帰ってくるまでちゃんと待ってるんだよ。」
「ワン!」
ソラはいつものように返事をしてくれた。でもやっぱり、元気が無いのが分かってしまう。部活は楽しいが、こんな時は部活なんかよりソラの方が気になってしまう。
放課後の部活。僕は卓球部に入っている。いつものように打つ練習をしているが、やっぱりソラのことが気になってしまう。授業もあんまり集中出来なかった。
「アカネー?早くサーブしろよー。」
「あ、ごめんごめん。」
休憩時間。ダブルスのパートナーのハルトが、こう言ってきた。
「なんか最近ぼーっとしてねーか?」
ギクッ。やっぱり気づかれてたのか。
「じ、実はさ、、。」
ソラのことを言おうとするが、何故か言葉が出ない。来週には大事な試合があるから、本当はそんな話をしてる場合じゃない。心配されるから、あんまり話す気にはならない。
「なんだよ、勿体ぶらずに言えよー。」
「で、でもー。」
ピピーッ
「休憩終了。練習始めるぞー。」
「あーあ。話の途中だっていうのに。帰りに話聞かせてくれ!じゃ。」
そう言い、練習に戻っていく。
やっぱり言おう。悩み事ははっきり言ったほうがスッキリするって言うし。
「よーし、僕も練習始めよっと。」
夜7時。
「おーいアカネ!」
「ハルト!おつかれさま。」
「こんな時間まで練習だなんて、顧問どうかしてるよなw」
「そうだね。」
ソラ、ちゃんといい子にしてるかな。
「あー、そうそう。さっきの話、聞かせてくれよ。」
「あ、忘れてた!」
どうしよう。やっぱり言わないべきかな。いや、はっきり言おう。言わなきゃ。
「実はうちのソラが、、。」
「そーだったんだ。ごめんな。無理やり言わせちゃってさ。」
「ううん、全然いいよ。はっきり言わせてくれてありがとう。」
「俺ペットとか買ったこと無いけどさ、妹が体調悪くなった時もそんな感じだったかもしれない。その気持ちすっごく分かるよ。」
そっか。やっぱり分かってくれる人が居ると、気持ちが楽になる。
気づくと、いつも別れてる交差点に着いていた。
「じゃーな。また部活がんばろーな。」
「うん、またね。」
青信号にかわった横断歩道を渡ろうとした。その時。
「お、おい、アカネ!」
「え?」
一瞬、何が起きたか分からなかった。ふと横を見た時、なんの事だかようやく分かった。車が猛スピードで僕の方に向かってくる。もう間に合わないくらい近くまで来ている。
(ソラが待ってるのに。僕の方が待てないなんて、、。)
もうダメだ。ソラ、ごめん。
その時。
後ろから妙な衝撃が走った。
「ワン!!!」
(ソラ、、!?)
よく分からないままその衝撃で押され、前に倒れる。
車がそのまま通り過ぎていった。
「アカネ、大丈夫か!?」
「うん、何とか、。」
ソラ?辺りを見回しても、ソラがいない。
「あれ、ソラは?」
「ソラ?馬鹿言え、ソラなんて居ないぞ?お前が急に勢いよく前に倒れたから助かったじゃん。」
急に嫌な予感がした。さっき倒れたせいで痛めた足だが、嘘のようにちゃんと動く。思うままに家に向かって走る。
「おい!!どこ行くんだよ!」
思いっきり家の扉を開ける。
「ソラ!!!」
翌日。ソラが亡くなった。急なことだった。あの交差点での出来事が思い出される。最後まで一緒に居てくれたソラのことを思うと、涙が出そうになる。
「ソラ、、、。」
朝からずっと部屋にこもっていたせいか、空はもう茜色に染まっていた。 小説家になりたい米粒さん(富山・14さい)からの相談
とうこう日:2023年5月6日みんなの答え:1件
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感動するゼ! うっっへぇん(涙)飼い主のため,自分を見捨てて助けるソラがカッコいいゼベイベー!!!!!!!!! 侍ジャパンさん(三重・10さい)からの答え
とうこう日:2023年6月14日
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