あなたのいる場所(微ホラーかも)
『たすけて』
真っ暗な部屋。悲しげな声に目が覚めた巫女の少女、ユキ。近くの窓から外をを見渡しても、霧に包まれてよく見えない。
『ここは…?』
『ようこそ、巫女の少女』
振り返ると、そこにはロウソクを持った女性が立っていた。彼女が一礼すると部屋がうっすら明るくなる。その照明は不気味で、ここから二度と出られないような不安に駆られる。ユキが怯えていると、女性は微笑みながら丁寧に言った。
『私はこの館の管理人。名を、ルリと申します。あなたをご案内いたします。…と、その前に。もう一人、迷い込んだ方が居るみたいですね』
ルリが後ろを振り向くと、つられてユキも振り向く。そこに居たのは、10歳くらいの少女だった。
『あなたもここに迷い込んだの?』
『う、うん…』
『そっか。私はメグ。よろしくね』
『巫女のユキです』
『(この館…なんだか、イケナイモノがすごく居る予感…もしかして、巫女の私が呼ばれた理由って……)』
『いいですか、お2人とも』
ルリの声に、二人が振り返る。
『館の中では、慎重に。特に、巫女の少女は気をつけてください。ここには沢山の方がいらっしゃいますが…殆どの方は、意思の疎通が出来ませんから』
『……!』
ルリの言葉に、ユキの背筋が凍る。メグも、ユキの後ろに隠れて震えている。
『…あの。ここはどこなんですか?』
『ご説明が遅れて申し訳ありません。ここは、呪われし館です』
『の、呪われし館…?』
『ええ。外に見える霧も、呪いの霧です。この館へ入ったら、二度と出られないと思った方が良いでしょう』
『……!!』
『…もう、かえれないの?』
『普通なら、です。しかし、今回は巫女の少女が居る。彼女次第で、出ることもできるでしょう。巫女の力で呪いを解くことが出来れば…』
『…ユキちゃん、頑張ろう!私、精一杯お手伝いするよ!』
『…うん。私に出来ることなら…!』
『絶対、帰ろうね!』
二人が会話をしていると、ルリの雰囲気が変わった。空気が重くなるのがユキにも伝わる。
『…カレンお嬢様。お客様をお連れしました』
『はーい』
ルリの呼びかけに、奥から女の子の声がする。足音もなく出てきたカレンという子は、中学生くらいの少女だ。
『いらっしゃい。今日からあなたも、私たちの家族だね』
『かぞ、く…?』
『ここには沢山の子達がいるんだけど、みーんな、私の家族なの♪』
『いや!私は自分のお家に帰りたいの!』
メグが強く言うと、カレンの雰囲気が一気に不気味になった。
『口答えする気?言うこと聞かない悪い子は…お仕置♪』
カレンの言葉に連動するように、家具が浮き始めた。電球が割れ、部屋が真っ暗になる。窓ガラスも割れ、雷が響く。
『…メグちゃん、逃げよう!』
ユキはメグの手を引き、この部屋から出る。長い廊下を走り、何とか別の部屋へ行った。
『ユキちゃん、あれ…!』
メグが指差す方を見ると、そこには幽霊らしきものが沢山居た。悲しげに浮いては、ユキに近づく。
『(この人たち、皆…あの子に囚われて…)』
ようやくユキは自分がここへ来た理由を自覚する。
『悲しき魂よ、還るべき場所へ…』
お祓いをすると、魂たちは優しい光を帯びて消える。
安心していると、後ろから拍手が聞こえた。振り返ると、ルリが居た。
『ユキさん、あなたに聞いていただきたいことがあるのです』
『あの子は、昔はここに住んでおられました。しかし、流行病で亡くなった。家族にも看取られず、愛に飢えて。だからか、いつまでもあの子は家族を欲しがりました。だから私は、彼らをここへを連れてきた。しかし、いつまでも満たされることはありませんでした。このままではあの子は幸せになれない。なので、あの子をここから解き放ってくれませんか?』
『…私に出来ることなら』
『そうしたら、呪いはとけるんだね!』
『何話してるの?』
不気味な声に振り返る三人。そこにはカレンが居た。
『またいたずら?なら…』
『お嬢様、落ち着いて』
ルリの声に止まるカレン。
『少し、旅に出るだけです。何も怖いことなんてありません』
『本当に?あなたも一緒?』
『…ええ。ですから、安心してください』
『…ユキさん。お願いします』
『…はい。カレンちゃんに、光あれ…』
目の前が光に包まれて真っ白になった。優しい光が、館全体を包む。
『…ううん…ここは…?』
真っ青な空の下。館も霧も、何も無い。
『…きっと、皆帰れたよね…』
ユキも、自分の家に帰る。皆が、幸せになれるように祈りながら…
『待って!置いていかないで!なんで…?呪いはとけたんじゃ?』
『…カレンお嬢様にかかった呪いは、です』
『…どういうこと?』
『…まだ気づいておられないのですか。あなたはもう、亡くなっているのです。もう元の家には帰れないのですよ』
『うそ…うそだ…』
『たすけて…たすけて…!』 ありすさん(選択なし・14さい)からの相談
とうこう日:2023年5月26日みんなの答え:2件
真っ暗な部屋。悲しげな声に目が覚めた巫女の少女、ユキ。近くの窓から外をを見渡しても、霧に包まれてよく見えない。
『ここは…?』
『ようこそ、巫女の少女』
振り返ると、そこにはロウソクを持った女性が立っていた。彼女が一礼すると部屋がうっすら明るくなる。その照明は不気味で、ここから二度と出られないような不安に駆られる。ユキが怯えていると、女性は微笑みながら丁寧に言った。
『私はこの館の管理人。名を、ルリと申します。あなたをご案内いたします。…と、その前に。もう一人、迷い込んだ方が居るみたいですね』
ルリが後ろを振り向くと、つられてユキも振り向く。そこに居たのは、10歳くらいの少女だった。
『あなたもここに迷い込んだの?』
『う、うん…』
『そっか。私はメグ。よろしくね』
『巫女のユキです』
『(この館…なんだか、イケナイモノがすごく居る予感…もしかして、巫女の私が呼ばれた理由って……)』
『いいですか、お2人とも』
ルリの声に、二人が振り返る。
『館の中では、慎重に。特に、巫女の少女は気をつけてください。ここには沢山の方がいらっしゃいますが…殆どの方は、意思の疎通が出来ませんから』
『……!』
ルリの言葉に、ユキの背筋が凍る。メグも、ユキの後ろに隠れて震えている。
『…あの。ここはどこなんですか?』
『ご説明が遅れて申し訳ありません。ここは、呪われし館です』
『の、呪われし館…?』
『ええ。外に見える霧も、呪いの霧です。この館へ入ったら、二度と出られないと思った方が良いでしょう』
『……!!』
『…もう、かえれないの?』
『普通なら、です。しかし、今回は巫女の少女が居る。彼女次第で、出ることもできるでしょう。巫女の力で呪いを解くことが出来れば…』
『…ユキちゃん、頑張ろう!私、精一杯お手伝いするよ!』
『…うん。私に出来ることなら…!』
『絶対、帰ろうね!』
二人が会話をしていると、ルリの雰囲気が変わった。空気が重くなるのがユキにも伝わる。
『…カレンお嬢様。お客様をお連れしました』
『はーい』
ルリの呼びかけに、奥から女の子の声がする。足音もなく出てきたカレンという子は、中学生くらいの少女だ。
『いらっしゃい。今日からあなたも、私たちの家族だね』
『かぞ、く…?』
『ここには沢山の子達がいるんだけど、みーんな、私の家族なの♪』
『いや!私は自分のお家に帰りたいの!』
メグが強く言うと、カレンの雰囲気が一気に不気味になった。
『口答えする気?言うこと聞かない悪い子は…お仕置♪』
カレンの言葉に連動するように、家具が浮き始めた。電球が割れ、部屋が真っ暗になる。窓ガラスも割れ、雷が響く。
『…メグちゃん、逃げよう!』
ユキはメグの手を引き、この部屋から出る。長い廊下を走り、何とか別の部屋へ行った。
『ユキちゃん、あれ…!』
メグが指差す方を見ると、そこには幽霊らしきものが沢山居た。悲しげに浮いては、ユキに近づく。
『(この人たち、皆…あの子に囚われて…)』
ようやくユキは自分がここへ来た理由を自覚する。
『悲しき魂よ、還るべき場所へ…』
お祓いをすると、魂たちは優しい光を帯びて消える。
安心していると、後ろから拍手が聞こえた。振り返ると、ルリが居た。
『ユキさん、あなたに聞いていただきたいことがあるのです』
『あの子は、昔はここに住んでおられました。しかし、流行病で亡くなった。家族にも看取られず、愛に飢えて。だからか、いつまでもあの子は家族を欲しがりました。だから私は、彼らをここへを連れてきた。しかし、いつまでも満たされることはありませんでした。このままではあの子は幸せになれない。なので、あの子をここから解き放ってくれませんか?』
『…私に出来ることなら』
『そうしたら、呪いはとけるんだね!』
『何話してるの?』
不気味な声に振り返る三人。そこにはカレンが居た。
『またいたずら?なら…』
『お嬢様、落ち着いて』
ルリの声に止まるカレン。
『少し、旅に出るだけです。何も怖いことなんてありません』
『本当に?あなたも一緒?』
『…ええ。ですから、安心してください』
『…ユキさん。お願いします』
『…はい。カレンちゃんに、光あれ…』
目の前が光に包まれて真っ白になった。優しい光が、館全体を包む。
『…ううん…ここは…?』
真っ青な空の下。館も霧も、何も無い。
『…きっと、皆帰れたよね…』
ユキも、自分の家に帰る。皆が、幸せになれるように祈りながら…
『待って!置いていかないで!なんで…?呪いはとけたんじゃ?』
『…カレンお嬢様にかかった呪いは、です』
『…どういうこと?』
『…まだ気づいておられないのですか。あなたはもう、亡くなっているのです。もう元の家には帰れないのですよ』
『うそ…うそだ…』
『たすけて…たすけて…!』 ありすさん(選択なし・14さい)からの相談
とうこう日:2023年5月26日みんなの答え:2件
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マジか…! こんにちは、ありすちゃん!お名前とっても可愛いね!はーです!
本題に入ります。
いや、最後ぉ!!おー、平和に終わった!良かった良かっ……良くないぃ!!ってなったよ!!
メグちゃん!!亡くなっちゃってたんだ…まだ10歳くらいの子だったのに…可哀想!!
もしかして、メグちゃんも亡くなってたからカレンちゃんの家族候補としてルリさんに呼ばれたのかな!?ユキちゃんも気づかなかったんだ…悲しい…。ひょっとしてコレ、ルリさんが黒幕…?
メグちゃんは救われるのかな…?それとも新しく呪われし館の主人になっちゃうのかな…?ルリさん、責任持ってもう一度ユキちゃんを呼んであげて!!あー、でもルリさんは最後の感じからカレンちゃんのことしか考えて無さそうだし、メグちゃんは救われなさそう…ひいぃっ!!
だけど、ルリさんはカレンちゃんに幸せになって欲しかっただけなんだよね。そしてカレンちゃんは、愛が欲しかっただけ。
個人的に、ルリさんが空へ還るカレンちゃんに一緒だよって嘘をついたのがグッと来ました。素敵な絆だなぁ…
あ、これ全部、はー個人の解釈だからね!?間違ってたらごめんなさい!
素敵な小説をありがとう!! はーさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2023年7月16日 -
家族の大切さが伝わってくるゼ!! チャオ!侍ジャパンだよ!そろそろ改名しようかなー,って思ってます!
ちょっと怖いけど,家族の大切さが伝わってくるナァ…!でも,やっぱり家族はみんな助け合って成り立つから,自分も家族を大事にしなきゃいけない事が分かった!いいお話だねぇ\\\\(*'▽'*)/
んじゃ,アディオース☆ 侍ジャパン@そろそろ改名しようかなぁ!?さん(三重・10さい)からの答え
とうこう日:2023年7月5日
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
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