紅い満月
静かな部屋に突如響く泣き声。
母の慌てたような、涙声。
下に行こうか…そう考えて時間がすぎる。
やがて、それは聞こえなくなる。
そしてまた響く泣き声。
全ては、無限ループだ。
私は、父、母、私、妹の4人家族だ。
いや…違う。今は5人だ。
この前、下にもう1人妹が生まれた。
名前は小夏。
小夏は障害者だった。
何があるのかは知らない。知りたくもない。
ただ、1日中泣いている。
母曰く、『食事が上手くとれないから毎日空腹状態だし、体中痛くて仕方ないのよ』とのことだ。
実際、小夏が生まれてから、父も母も小夏につきっきりだ。
私は、しばらく2人の笑顔を見ていない。
前は笑顔しかみなかったのに…、
「…ただいま」
静かな声が薄っすらと聞こえた気がした。
多分、優希が帰ってきたのだろう。
優希は、現在中学校1年。
落ち着きのある、美人さんだ。
父も母も、よく言ってたっけ。
『〇〇はどちらかと言えばかわいい系ね。優希は綺麗系…かな?』
私はかわいい系らしいが、心底どうでもいい。
ただ、優希が綺麗なのは認めよう。
勉強も運動もできる優希は、私の自慢の妹だ。
しばらくして、階段を上がってくる足音がした。
多分優希だろう。
「お姉ちゃん、夜ご飯だって、お母さんが」
そう言うと、また階段へと消えていった。
昔はくっついて離れなかったんだが…
少しの寂しさを胸に、下へ行こうとした途端、また泣き声が聞こえてきた。
私はため息を押し殺しながら、階段を降りていった。
リビングへ行くと、いつもと少し様子が違った。
泣き叫ぶ小夏をあやす父と母…そこまでは一緒だ。
問題はこのあと。
いつも、自分の部屋に行くか外に行くか…とにかく、小夏が泣いている時には絶対にいないであろう優希が…いるんだ。そこに。
静かに見つめるその瞳には、涙の膜がはられていた。
私は、なんとなくだが理解した。
そのまま優希を連れ、私は外へと移動した。
驚いたような優希をよそに、私は柵に体重をかける。
夜風が気持ちいい。
遠くを見ると、満月が光っていた。
不意に、優希が聞いてきた。
「もし、私がいじめられてるって言ったら、お姉ちゃん、どうする…?」
どうする?そんなの簡単。
そいつを○す。
だが、そんな事は解決の何にもならない。
私がそう言うと、優希は恐れながらも言った。
自分は、いじめられてると
言える機会などいくらでもあった。
だが、優希は言わなかった。
言えなかったのだ。
小夏が生まれ、両親は忙しい。
そんな中、自分に構う暇はない。
姉に相談したくても、姉は不登校。
迷惑をかけたくない。
…そんな些細な理由だった。
その瞬間、私の中に怒りがはしった。
優希に向けたものじゃない。小夏でも、両親でもない。
自分にだ。
私が学校に言ってれば、優希は無理をせずに済んだかも知れない。
私が両親の手伝いをしていれば、優希は、相談できたのかもしれない。
全ては結果論に過ぎないが、そう、思ってしまう。
下から母が呼んでいる。
行こうとする優希を呼び止め、抱きしめる。
わかっていた。ずっと前から、
優希は、寂しいのだ。
小夏が生まれ、貰っていた愛情が薄くなり、愛する姉が変わってしまう。
そんな中、痛めつけられる。
苦しくないわけがない。
「何があっても、お姉ちゃんが守るから」
そんな様子を、紅い満月が照らしていた。
これは、そんな家族の小さな【愛】の話である 白雪さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2023年7月8日みんなの答え:2件
母の慌てたような、涙声。
下に行こうか…そう考えて時間がすぎる。
やがて、それは聞こえなくなる。
そしてまた響く泣き声。
全ては、無限ループだ。
私は、父、母、私、妹の4人家族だ。
いや…違う。今は5人だ。
この前、下にもう1人妹が生まれた。
名前は小夏。
小夏は障害者だった。
何があるのかは知らない。知りたくもない。
ただ、1日中泣いている。
母曰く、『食事が上手くとれないから毎日空腹状態だし、体中痛くて仕方ないのよ』とのことだ。
実際、小夏が生まれてから、父も母も小夏につきっきりだ。
私は、しばらく2人の笑顔を見ていない。
前は笑顔しかみなかったのに…、
「…ただいま」
静かな声が薄っすらと聞こえた気がした。
多分、優希が帰ってきたのだろう。
優希は、現在中学校1年。
落ち着きのある、美人さんだ。
父も母も、よく言ってたっけ。
『〇〇はどちらかと言えばかわいい系ね。優希は綺麗系…かな?』
私はかわいい系らしいが、心底どうでもいい。
ただ、優希が綺麗なのは認めよう。
勉強も運動もできる優希は、私の自慢の妹だ。
しばらくして、階段を上がってくる足音がした。
多分優希だろう。
「お姉ちゃん、夜ご飯だって、お母さんが」
そう言うと、また階段へと消えていった。
昔はくっついて離れなかったんだが…
少しの寂しさを胸に、下へ行こうとした途端、また泣き声が聞こえてきた。
私はため息を押し殺しながら、階段を降りていった。
リビングへ行くと、いつもと少し様子が違った。
泣き叫ぶ小夏をあやす父と母…そこまでは一緒だ。
問題はこのあと。
いつも、自分の部屋に行くか外に行くか…とにかく、小夏が泣いている時には絶対にいないであろう優希が…いるんだ。そこに。
静かに見つめるその瞳には、涙の膜がはられていた。
私は、なんとなくだが理解した。
そのまま優希を連れ、私は外へと移動した。
驚いたような優希をよそに、私は柵に体重をかける。
夜風が気持ちいい。
遠くを見ると、満月が光っていた。
不意に、優希が聞いてきた。
「もし、私がいじめられてるって言ったら、お姉ちゃん、どうする…?」
どうする?そんなの簡単。
そいつを○す。
だが、そんな事は解決の何にもならない。
私がそう言うと、優希は恐れながらも言った。
自分は、いじめられてると
言える機会などいくらでもあった。
だが、優希は言わなかった。
言えなかったのだ。
小夏が生まれ、両親は忙しい。
そんな中、自分に構う暇はない。
姉に相談したくても、姉は不登校。
迷惑をかけたくない。
…そんな些細な理由だった。
その瞬間、私の中に怒りがはしった。
優希に向けたものじゃない。小夏でも、両親でもない。
自分にだ。
私が学校に言ってれば、優希は無理をせずに済んだかも知れない。
私が両親の手伝いをしていれば、優希は、相談できたのかもしれない。
全ては結果論に過ぎないが、そう、思ってしまう。
下から母が呼んでいる。
行こうとする優希を呼び止め、抱きしめる。
わかっていた。ずっと前から、
優希は、寂しいのだ。
小夏が生まれ、貰っていた愛情が薄くなり、愛する姉が変わってしまう。
そんな中、痛めつけられる。
苦しくないわけがない。
「何があっても、お姉ちゃんが守るから」
そんな様子を、紅い満月が照らしていた。
これは、そんな家族の小さな【愛】の話である 白雪さん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2023年7月8日みんなの答え:2件
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街の中の小さな切り抜き 複雑、、、
特に誰も悪くないのが複雑、、、
家庭環境が生み出した物語で、深く考えさせられました
優希ちゃんが恵まれますように、、、 おむすびさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2023年8月15日 -
感動する家族の物語...! Hi(^^♪My name's Marin(*´・ч・`*)
☆*: .。. o本題o .。.:*☆
感動する家族の物語...!
Have a nice day(*^^)v
Thanks for reading(*'ω'*)See ya(^^♪ 舞凜*まりん*#元兎乃#明日はテスト!さん(岐阜・12さい)からの答え
とうこう日:2023年8月14日
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