これは、200年間1人だった私が救われる物語
私は何百年も1人な女。昔は普通の人間で、友達も家族も先生もいた。けど、いつの間にか皆いなくなった。だからもう誰とも関わらないようにしてる。と言っても潰れかけの神社にいるからそもそも人と会わない。会っても、私には話しかけて来ない。視線すら交わらない。
筈だった…。まだ寒さが残る4月の初め、1人の高校生が来た。
『何しとん?』
『え…?』
ええ…誰?関西弁…。
『いや、30分ぐらい前から見とったけど全く動かんし何しとんかと思って。あと、うち霊感あんねん』
霊感今関係ないでしょ。馬鹿なの?
『別に…関係ないですよね?』
『冷たいなぁ』
そりゃそうでしょ。私は知らない人に笑顔を向けるような優しい人間じゃない。てか、なんでこんなとこいんのよ。
『何してるんですか?』
『うち3年後大学受験やねん。やから今のうちからげん担ぎ』
大学受験…?
『なにそれ…』
『え?!自分、大学受験知らんの?』
しょうがないじゃん。最後に人と喋ったの218年前だもん。
『ええな~』
『は?』
何が?耳聞こえないの?
『だって知らんって事はしてへんってことやろ?人より4年間も勉強時間短縮できんねんで?サイコーやん』
『確かに…。ってなんないから!!』
『ならんの?!』
なんであんたが驚いてんのよ。
なんか面白い子だなぁ
『でも、3年後の事をなんで今?』
『うちの親厳しいから。落ちたら何されるか分からへんし笑』
へー。大変そう。
『てか、人よりも勉強する時間短くしたいんなら大学行かなきゃいいじゃない。』
『うちの親社長やねん。社長の子供が高卒やったら面子たたんやろ?』
『…親が社長っていうのは親が貴方の人生を決めていい理由にはならないよ。だって貴方の人生は貴方が決めなきゃ意味無いんだから』
『…まーな。でも、ええねん。』
なんで、そんな自分の感情全部殺した様な表情で笑ってるの…?
それからずっと神社に通ってくれて、私の話相手になってくれた人。馬鹿で能天気ですぐに人の事いじる人。でも本当は、友達思いで努力家で「助けて」って言えない弱い人。3年間しか一緒にいなかったけど218年この世界にいた私の、たった1人の親友だった人。
「ねえ、大学受験。成功した?」
返事はない。当たり前だ。この神社にはもう私しか居ない。私の親友、愛は高3年の冬、大学受験目前にして毎日来てくれていたのがパッタリと止んだ。最初は勉強の為に家に居るのだろうと思った。でもその日からどれだけ待っても、愛が現れることはなかった。1人は、馴れてる。200年間いつも1人だったから。
『かーえでっ』『楓~』『楓様~』『…楓』
…ああ。どんなに忘れようとしても、馴れてると言い聞かせても、記憶の中の愛は消えてくれない。ねえ、暇なんだけど。いい加減、姿を見せてよ…。
「楓ー!!!」
ほら、遂に幻聴まで…
「おひさ!!」
「…。~~~ッ!!!!!!!!!!!」
「あははっビビりすぎやろ笑笑笑」「そりゃそうでしょっ!!2年間も音沙汰無かった奴が急に目の前に現れたのよ?!」
「あははっごめんごめん笑」
「はぁ…。今まで何してたの?」
「んー?色々♡」
「呆れた…大学受験は?成功したの?」
「あーごめん。うち死んでる笑」
「へーそう。……はぁっ!?!?!?」
「ヘヘっ。ちょっとドジってさー。」
「あんたっ!!馬鹿じゃないっ!?」
「事故に巻き込まれて死んでもた」
軽ッ。てか事故ってドジじゃないでしょ!
「なんで死んでここに居る訳?」
「…その様子じゃ気付いてへん感じ?」
「何に?」
「楓ももうとっくに死んどんで?」
「へ…?」
「死んで、ここに居座っとうねん」
「い、意味分かんな…」
「楓は死んでる。今からちょうど220年前にな。」
「うぅ」
何、これ。頭割れそうなぐらい痛い!
『あんたのせいで…あんたさえ、生まれてこなければ!!!』
『待って!!お母さん!』
『お母さんって呼ぶな!!私はあんたの母親じゃない!!』
短刀を持った女性がこっちに走ってきた。そして、私の横腹を短刀が貫いた。
『ッな、んで?おかあ、さん』
ドサッ
『『『キャァッッーーー』』』
「…えで?」
「楓?」
「はぁっはぁ」
「大丈夫?」
「うん。…全部思い出した。」
「そっか。」
「私、お母さんに殺された。でも、なんで殺されたのか今だに分からない」
ほんとになんで?今だに分からないよ…
「殺人犯の気持ちなんていくら考えてもきっと分かんないよ」
確かに。でも、実の母親に殺されるのはやっぱり悲しいよ。
「これからどうする?」
「え?」
「ここにいてもしょうがないじゃん。楓がここに居たいって言うんならそうするけどさ」
「もう、疲れた…。楽になりたい。」
「そっか。ほんなら、成仏しよか!」
その日の夜、美しい桃色の光が天へ昇っていったそうだ。 納豆☆さん(兵庫・14さい)からの相談
とうこう日:2023年7月17日みんなの答え:3件
筈だった…。まだ寒さが残る4月の初め、1人の高校生が来た。
『何しとん?』
『え…?』
ええ…誰?関西弁…。
『いや、30分ぐらい前から見とったけど全く動かんし何しとんかと思って。あと、うち霊感あんねん』
霊感今関係ないでしょ。馬鹿なの?
『別に…関係ないですよね?』
『冷たいなぁ』
そりゃそうでしょ。私は知らない人に笑顔を向けるような優しい人間じゃない。てか、なんでこんなとこいんのよ。
『何してるんですか?』
『うち3年後大学受験やねん。やから今のうちからげん担ぎ』
大学受験…?
『なにそれ…』
『え?!自分、大学受験知らんの?』
しょうがないじゃん。最後に人と喋ったの218年前だもん。
『ええな~』
『は?』
何が?耳聞こえないの?
『だって知らんって事はしてへんってことやろ?人より4年間も勉強時間短縮できんねんで?サイコーやん』
『確かに…。ってなんないから!!』
『ならんの?!』
なんであんたが驚いてんのよ。
なんか面白い子だなぁ
『でも、3年後の事をなんで今?』
『うちの親厳しいから。落ちたら何されるか分からへんし笑』
へー。大変そう。
『てか、人よりも勉強する時間短くしたいんなら大学行かなきゃいいじゃない。』
『うちの親社長やねん。社長の子供が高卒やったら面子たたんやろ?』
『…親が社長っていうのは親が貴方の人生を決めていい理由にはならないよ。だって貴方の人生は貴方が決めなきゃ意味無いんだから』
『…まーな。でも、ええねん。』
なんで、そんな自分の感情全部殺した様な表情で笑ってるの…?
それからずっと神社に通ってくれて、私の話相手になってくれた人。馬鹿で能天気ですぐに人の事いじる人。でも本当は、友達思いで努力家で「助けて」って言えない弱い人。3年間しか一緒にいなかったけど218年この世界にいた私の、たった1人の親友だった人。
「ねえ、大学受験。成功した?」
返事はない。当たり前だ。この神社にはもう私しか居ない。私の親友、愛は高3年の冬、大学受験目前にして毎日来てくれていたのがパッタリと止んだ。最初は勉強の為に家に居るのだろうと思った。でもその日からどれだけ待っても、愛が現れることはなかった。1人は、馴れてる。200年間いつも1人だったから。
『かーえでっ』『楓~』『楓様~』『…楓』
…ああ。どんなに忘れようとしても、馴れてると言い聞かせても、記憶の中の愛は消えてくれない。ねえ、暇なんだけど。いい加減、姿を見せてよ…。
「楓ー!!!」
ほら、遂に幻聴まで…
「おひさ!!」
「…。~~~ッ!!!!!!!!!!!」
「あははっビビりすぎやろ笑笑笑」「そりゃそうでしょっ!!2年間も音沙汰無かった奴が急に目の前に現れたのよ?!」
「あははっごめんごめん笑」
「はぁ…。今まで何してたの?」
「んー?色々♡」
「呆れた…大学受験は?成功したの?」
「あーごめん。うち死んでる笑」
「へーそう。……はぁっ!?!?!?」
「ヘヘっ。ちょっとドジってさー。」
「あんたっ!!馬鹿じゃないっ!?」
「事故に巻き込まれて死んでもた」
軽ッ。てか事故ってドジじゃないでしょ!
「なんで死んでここに居る訳?」
「…その様子じゃ気付いてへん感じ?」
「何に?」
「楓ももうとっくに死んどんで?」
「へ…?」
「死んで、ここに居座っとうねん」
「い、意味分かんな…」
「楓は死んでる。今からちょうど220年前にな。」
「うぅ」
何、これ。頭割れそうなぐらい痛い!
『あんたのせいで…あんたさえ、生まれてこなければ!!!』
『待って!!お母さん!』
『お母さんって呼ぶな!!私はあんたの母親じゃない!!』
短刀を持った女性がこっちに走ってきた。そして、私の横腹を短刀が貫いた。
『ッな、んで?おかあ、さん』
ドサッ
『『『キャァッッーーー』』』
「…えで?」
「楓?」
「はぁっはぁ」
「大丈夫?」
「うん。…全部思い出した。」
「そっか。」
「私、お母さんに殺された。でも、なんで殺されたのか今だに分からない」
ほんとになんで?今だに分からないよ…
「殺人犯の気持ちなんていくら考えてもきっと分かんないよ」
確かに。でも、実の母親に殺されるのはやっぱり悲しいよ。
「これからどうする?」
「え?」
「ここにいてもしょうがないじゃん。楓がここに居たいって言うんならそうするけどさ」
「もう、疲れた…。楽になりたい。」
「そっか。ほんなら、成仏しよか!」
その日の夜、美しい桃色の光が天へ昇っていったそうだ。 納豆☆さん(兵庫・14さい)からの相談
とうこう日:2023年7月17日みんなの答え:3件
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え、泣く。 イェ!コマウォ!らいイムニダ〜
らいだよ!イヤ、凄過ぎて言葉が出ん。 らいさん(北海道・10さい)からの答え
とうこう日:2023年8月26日 -
感動 感動して号泣した
何回も読んでしまいました 和鼓さん(和歌山・12さい)からの答え
とうこう日:2023年8月25日 -
いい怪盗さんだね! Hi(Myname`s(^-^)kuriha(*´ω`*)
you`re(^-^)a/good/thief!
こんにちは。くりはです!
いい怪盗さんだね!
seeyou!
くりは。さん(茨城・13さい)からの答え
とうこう日:2023年8月24日
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