木の葉にゆられて(微:ホラー)
「キキーィ!」
中学一年生の美園笑海(みそのえみ)は、車のブレーキ音で目を覚ました。
弟の天音(あまね)と遊んでいるうちに、いつの間にか寝てしまっていたようだ。
「えっ・・・?」
目を開けると、となりに同い年くらいの男の子がすわっていた。
車には、お母さんとお父さん、私と天音しか乗っていなかったはずだ。
鼻筋が通っていて、キリっとした瞳、サラサラとした栗色の髪。
かっこいい男の子だ。
見間違いではないかと、目をこする。
見間違いなどではない。
「お母さん、この子は?」
「さっき乗せてあげたのよ。その子、何も持たずに山道を歩いてたの。」
私は、まだ、どういうことか分かっていない。
私は、男の子に少し話しかけてみた。
「名前さ・・・教えて、ほしいんだけど・・・いいかな・・・?」
緊張して、うまく喋れない。
「中二、紺野実(こんのみのる)。」
男の子は、はっきりと言う。
しばらくして。
「もしかして、キミたち、この先へ行くの?」
男の子は、無表情で言う。
弟の天音が答えた。
「うん。そうだよ。」
「やめたほうがいい。」
男の子は淡々と言う。
「この先には__、いや、キミたちには関係ない。」
「行かない方が身のためだ。」
それだけ言うと、
「ありがとう。」そう言って、どこかへ去っていった。
私は、言っていることが分からなかったが、お父さんはこの先へ車を進める。
やがて、目的地のキャンプ場に着いた。
何もなくて良かったと、少し安心した。
「私、トイレ行ってくるね〜」
途中で、小屋のような場所があった。
「ここかな?」
ドアを開けると、強い風が吹きつけた。
そこから、一枚の板が飛んできた。
「ふぅ」
中に入ると、板がはがれたところに、部屋があるのが分かった。
私は、思わず叫びそうになった。
部屋には、ぎっしりと、赤い線が引いてあった。
不気味で、怖い。
よく見ると、文字だった。
オカアサンダシテ、オカアサンダシテ・・・
その文字で、部屋が埋め尽くされていた。
気が付くと、私は、知らない間に赤いクレヨンを持っていた。
勝手に、指が動く。
オカアサンダシテ、そう、勝手に書いてしまっていた。
「あ、あああああ、え、・・・」
私は、思わず気絶してしまいそうだった。
誰かが、私の手を引っ張った。
それは、今日、車に乗っていた男の子だった。
「え・・・」
「とりあえず、こっちだ。」
男の子は、表情を変えずに言う。
「はあ。」
男の子は、簡単に話し始めた。
「だから、さっき忠告したのに」
「ここは、呪われたキャンプ場なんだ。」
「昔、小さな子どもが死んだ場所なんだけど、このままじゃ帰れない。」
「キミは、そこにいて。」
そう言うと、男の子は、部屋の壁に向かって鉛筆で丸を書いた。
すると、部屋が消えた。
「ピューピュー」と、風が木の葉をゆらす。
私は、何が起きたのか分からなかった。
「もう、この場所に用はない。」
そう言って、どこかへ去っていった。
もう、この場所でこの体験をした人はいない。
END にな*虹菜*さん(富山・13さい)からの相談
とうこう日:2023年7月31日みんなの答え:1件
中学一年生の美園笑海(みそのえみ)は、車のブレーキ音で目を覚ました。
弟の天音(あまね)と遊んでいるうちに、いつの間にか寝てしまっていたようだ。
「えっ・・・?」
目を開けると、となりに同い年くらいの男の子がすわっていた。
車には、お母さんとお父さん、私と天音しか乗っていなかったはずだ。
鼻筋が通っていて、キリっとした瞳、サラサラとした栗色の髪。
かっこいい男の子だ。
見間違いではないかと、目をこする。
見間違いなどではない。
「お母さん、この子は?」
「さっき乗せてあげたのよ。その子、何も持たずに山道を歩いてたの。」
私は、まだ、どういうことか分かっていない。
私は、男の子に少し話しかけてみた。
「名前さ・・・教えて、ほしいんだけど・・・いいかな・・・?」
緊張して、うまく喋れない。
「中二、紺野実(こんのみのる)。」
男の子は、はっきりと言う。
しばらくして。
「もしかして、キミたち、この先へ行くの?」
男の子は、無表情で言う。
弟の天音が答えた。
「うん。そうだよ。」
「やめたほうがいい。」
男の子は淡々と言う。
「この先には__、いや、キミたちには関係ない。」
「行かない方が身のためだ。」
それだけ言うと、
「ありがとう。」そう言って、どこかへ去っていった。
私は、言っていることが分からなかったが、お父さんはこの先へ車を進める。
やがて、目的地のキャンプ場に着いた。
何もなくて良かったと、少し安心した。
「私、トイレ行ってくるね〜」
途中で、小屋のような場所があった。
「ここかな?」
ドアを開けると、強い風が吹きつけた。
そこから、一枚の板が飛んできた。
「ふぅ」
中に入ると、板がはがれたところに、部屋があるのが分かった。
私は、思わず叫びそうになった。
部屋には、ぎっしりと、赤い線が引いてあった。
不気味で、怖い。
よく見ると、文字だった。
オカアサンダシテ、オカアサンダシテ・・・
その文字で、部屋が埋め尽くされていた。
気が付くと、私は、知らない間に赤いクレヨンを持っていた。
勝手に、指が動く。
オカアサンダシテ、そう、勝手に書いてしまっていた。
「あ、あああああ、え、・・・」
私は、思わず気絶してしまいそうだった。
誰かが、私の手を引っ張った。
それは、今日、車に乗っていた男の子だった。
「え・・・」
「とりあえず、こっちだ。」
男の子は、表情を変えずに言う。
「はあ。」
男の子は、簡単に話し始めた。
「だから、さっき忠告したのに」
「ここは、呪われたキャンプ場なんだ。」
「昔、小さな子どもが死んだ場所なんだけど、このままじゃ帰れない。」
「キミは、そこにいて。」
そう言うと、男の子は、部屋の壁に向かって鉛筆で丸を書いた。
すると、部屋が消えた。
「ピューピュー」と、風が木の葉をゆらす。
私は、何が起きたのか分からなかった。
「もう、この場所に用はない。」
そう言って、どこかへ去っていった。
もう、この場所でこの体験をした人はいない。
END にな*虹菜*さん(富山・13さい)からの相談
とうこう日:2023年7月31日みんなの答え:1件
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おもろ!!! 怖いけど、おもろかったよー!!!ありがと!!! 月見。さん(千葉・9さい)からの答え
とうこう日:2023年9月10日
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