心を持ってはいけない私。ー生きて来てよかった。ー
「望月星羅です」
私はそれだけ言い、新しい自分の席へ向かう。
「おい、自分の趣味とか話したらみんなと仲良くなれるだろう?」
「無いです」
クラスがしん…とした。
そして数秒遅れて、一気に騒つき出した。
「なにあの子…愛想なさすぎ」「話しかけたくないね」「こんな転校生、なんで受け入れたのかしら」
ー好きなだけ言えばいい。私は、転校生ではないのだから。
その始まりは、私が小さかった時の事。
ー私には居場所が無かった。
私は昔から表情を表に出さない人で、気味悪がられ、家族に捨てられた。
施設に入らされたが、施設でも気味悪がられた。
私には居場所はない。そう思っていたら。
「望月星羅はお前だな?」
「はい」
「我々は政府公認の組織だ。これからお前にはスパイとなって我々に協力してもらう」
背の高い男性が来た。この時ですら、怖く無かった。
「目的は?」
「いい質問だな。最近は、イジメが多発している。イジメを受けた人は、とても苦しんで、
そして自殺してしまうこともある。なのにその一方で、イジメた側はなんとも思わない。
我々は、その他人の命を簡単に奪えようとする生徒を制裁するのが目的だ。
そして、お前はスパイとなり、学校に転校生として侵入してもらい、
その学校の様子を伝える。そしてイジメが発覚した瞬間、イジメた者を排除する。」
そう言って銃をこちらに構えて見せた。
「イジメのターゲットはお前だ。お前は心がない。」
「なんで知っているのですか?」
「我々は日本全国民の情報を記憶しているのだ」
「お前は心がない。平気だろう?そして、お前は居場所が無かった。
つまり、家族に捨てられ、施設でも気味悪がられ、イジメと同じだ。
お前がイジメられたら、今までイジメられていた生徒は楽になり、
お前にも居場所ができる。最高だろう?お前は可哀想な生徒を救うことができるのだ」
「“他人の命を簡単に奪えようとする”。貴方達も同じじゃないですか?」
「では協力しないのだな?ではお前の居場所はなくなる」
「や…ります」
「心を持ったり、任務に関係ないことをするとお前も排除だからな?」
ーそうして私はスパイとなり色々な学校に行って捜査をした。
それを証明するように、何人もの人が死んでいった。政府公認だから、ニュースで報じられる事は無かった。
今回も、きっとイジメられる。“心がないから平気”なのだから、
心を持たないようにしてきた。私は人間ではない。“ロボット”だ。
「星羅ちゃん、よろしくね!」
休み時間に話しかけてきた。
「読書してる。邪魔しないでもらえる?」
そう言うとみんな怪訝な顔をして帰ってゆく。
ずっとこうしてきた。これでいいの。これで…いいの?
これって、私も…イジワルしてることになるわよね?
私…なんの目的で来たんだっけ…
「もちつきって言うんだ~俺綾人、よろしく~」
クラスの男子一人が話しかけてくれた。
「“もちづき”なんだけど」
「え!?モチヅキって読むんだ~」
「みんな分かるだろwお前もう中1だぞ?」
綾人の親友の春樹が話に加わってきた。
春樹は男女問わずモテモテだ。だから…
「ほんと~みんな分かるわよ~」
みんなが話に加わってきた。すると。
「ほんと、モチヅキさー、美人だし、本当は優しいんだし、話しかけてよかったー」
「えっ…」
「やっと望月って呼べたわね~星羅ちゃん驚いてるわ」
違う…こんなこと言われたの初めてだから…
鼻の奥がつん、とした。ぶわっ。
涙が溢れてきた。
「早速泣かすなよ~」
「あり、が、と…こんなこと言ってもらえたの…初めてで…」
しゃくり上げて上手く話せない中、ようやく言葉を告げられた。
「え。褒められたことないの?じゃあ俺がいっぱい褒めてやるよ」
胸が熱くなった。急に。今まで感じたことのない感情。
「なーんだ。星羅ちゃんめっちゃ優しそうじゃん!」
クラスのみんながそうやって言ってくれる。これも、綾人のおかげ…
「綾人さん…」
「綾人でいいよ」
「綾人…ありがとう」
「あの…さ。今日初対面で悪いんだけどさ…俺、星羅のこと好き。まぁ…一目惚れ…みたいな?」
「え…っ!?」
「急にごめんっでも…これが俺の気持ちだから。」
みんな騒いでる。
クラスの一人が言う。「星羅ちゃんはどうなの?」
「わ…私も」
クラスが一気に盛り上がる。
人を好きになる。してはいけないこと。
ずっと心を持たないようにしてきた。私はロボットだと思って来た。でも違った。
ちゃんと、人間だったんだ。生きて来て、良かった…でも私は任務に逆らってしまった。
バンッ…私の心臓に向かって。
さきさん(新潟・11さい)からの相談
とうこう日:2023年8月26日みんなの答え:3件
私はそれだけ言い、新しい自分の席へ向かう。
「おい、自分の趣味とか話したらみんなと仲良くなれるだろう?」
「無いです」
クラスがしん…とした。
そして数秒遅れて、一気に騒つき出した。
「なにあの子…愛想なさすぎ」「話しかけたくないね」「こんな転校生、なんで受け入れたのかしら」
ー好きなだけ言えばいい。私は、転校生ではないのだから。
その始まりは、私が小さかった時の事。
ー私には居場所が無かった。
私は昔から表情を表に出さない人で、気味悪がられ、家族に捨てられた。
施設に入らされたが、施設でも気味悪がられた。
私には居場所はない。そう思っていたら。
「望月星羅はお前だな?」
「はい」
「我々は政府公認の組織だ。これからお前にはスパイとなって我々に協力してもらう」
背の高い男性が来た。この時ですら、怖く無かった。
「目的は?」
「いい質問だな。最近は、イジメが多発している。イジメを受けた人は、とても苦しんで、
そして自殺してしまうこともある。なのにその一方で、イジメた側はなんとも思わない。
我々は、その他人の命を簡単に奪えようとする生徒を制裁するのが目的だ。
そして、お前はスパイとなり、学校に転校生として侵入してもらい、
その学校の様子を伝える。そしてイジメが発覚した瞬間、イジメた者を排除する。」
そう言って銃をこちらに構えて見せた。
「イジメのターゲットはお前だ。お前は心がない。」
「なんで知っているのですか?」
「我々は日本全国民の情報を記憶しているのだ」
「お前は心がない。平気だろう?そして、お前は居場所が無かった。
つまり、家族に捨てられ、施設でも気味悪がられ、イジメと同じだ。
お前がイジメられたら、今までイジメられていた生徒は楽になり、
お前にも居場所ができる。最高だろう?お前は可哀想な生徒を救うことができるのだ」
「“他人の命を簡単に奪えようとする”。貴方達も同じじゃないですか?」
「では協力しないのだな?ではお前の居場所はなくなる」
「や…ります」
「心を持ったり、任務に関係ないことをするとお前も排除だからな?」
ーそうして私はスパイとなり色々な学校に行って捜査をした。
それを証明するように、何人もの人が死んでいった。政府公認だから、ニュースで報じられる事は無かった。
今回も、きっとイジメられる。“心がないから平気”なのだから、
心を持たないようにしてきた。私は人間ではない。“ロボット”だ。
「星羅ちゃん、よろしくね!」
休み時間に話しかけてきた。
「読書してる。邪魔しないでもらえる?」
そう言うとみんな怪訝な顔をして帰ってゆく。
ずっとこうしてきた。これでいいの。これで…いいの?
これって、私も…イジワルしてることになるわよね?
私…なんの目的で来たんだっけ…
「もちつきって言うんだ~俺綾人、よろしく~」
クラスの男子一人が話しかけてくれた。
「“もちづき”なんだけど」
「え!?モチヅキって読むんだ~」
「みんな分かるだろwお前もう中1だぞ?」
綾人の親友の春樹が話に加わってきた。
春樹は男女問わずモテモテだ。だから…
「ほんと~みんな分かるわよ~」
みんなが話に加わってきた。すると。
「ほんと、モチヅキさー、美人だし、本当は優しいんだし、話しかけてよかったー」
「えっ…」
「やっと望月って呼べたわね~星羅ちゃん驚いてるわ」
違う…こんなこと言われたの初めてだから…
鼻の奥がつん、とした。ぶわっ。
涙が溢れてきた。
「早速泣かすなよ~」
「あり、が、と…こんなこと言ってもらえたの…初めてで…」
しゃくり上げて上手く話せない中、ようやく言葉を告げられた。
「え。褒められたことないの?じゃあ俺がいっぱい褒めてやるよ」
胸が熱くなった。急に。今まで感じたことのない感情。
「なーんだ。星羅ちゃんめっちゃ優しそうじゃん!」
クラスのみんながそうやって言ってくれる。これも、綾人のおかげ…
「綾人さん…」
「綾人でいいよ」
「綾人…ありがとう」
「あの…さ。今日初対面で悪いんだけどさ…俺、星羅のこと好き。まぁ…一目惚れ…みたいな?」
「え…っ!?」
「急にごめんっでも…これが俺の気持ちだから。」
みんな騒いでる。
クラスの一人が言う。「星羅ちゃんはどうなの?」
「わ…私も」
クラスが一気に盛り上がる。
人を好きになる。してはいけないこと。
ずっと心を持たないようにしてきた。私はロボットだと思って来た。でも違った。
ちゃんと、人間だったんだ。生きて来て、良かった…でも私は任務に逆らってしまった。
バンッ…私の心臓に向かって。
さきさん(新潟・11さい)からの相談
とうこう日:2023年8月26日みんなの答え:3件
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すっごい上手!!! はじめまして、#ふぅ。です!
『ふぅちゃん』って呼んでくれると嬉しいです!
めっちゃ上手ですね!
こっちまでドキドキしました!
ふぅはこうゆう恋愛ものが大好きなので、この作品の虜になりました!! #ふぅ。( ´ー`)フゥー...さん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2023年10月12日 -
上手……!! メリーバッドエンドみたいな展開がすごく良いですね…!
展開も早くなくて、ストーリー性も表現力も素晴らしいです。
次回作を期待します! 金平糖さん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2023年10月12日 -
やばっすごいいい話じゃん! すごいい話じゃん!
最後なんか私泣いちゃったよ。
すごいね!
私こんなに上手に小説書けないや。
上手く描ける方法とかあるのかなぁ。 小説好きさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2023年10月11日
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