『私の心臓、主様のために。』
『私の心臓、主様のために。』
〔ルーカッ!〕
この方は私の仕える「オヴェ幹部」とてもやさしい方である。
『どうされましたか。主様。』
〔ムス。オヴェって呼んでや!〕
『わかりましたよ、オヴェ。』
〔!へへっ〕
とても愛らしい。私の年上とは思えない。でも「アレ」のときはこんなかわいくもない、一人の男になるのだ。
〔第一近距離部隊、戦闘を始めるぞ。〕
「はっ!」
「さあ諸君、戦争を始めよう。」
そう、かれはLO国の幹部なのである。もちろん、彼は戦争に出る。第一近距離部隊、隊長として。
〔お茶会しようや!〕
〔大好きやで、ルカ。〕
〔ずっと一緒や!〕
でもそんな幸せは続かなかった。
「統領様!ハアハア」
「第一近距離部隊、副隊長、どうした。」
「我が隊長のオヴェ様が敵に隙を突かれ、銃で撃たれッ!」
「なんだと!?」
そのことを聞いてしまった。彼は心臓の上部分を撃ち抜かれていたのだ。
「起きろやッ!オヴェ!」
「起きてください!オヴェさん!」
どんだけ心の底から叫んだって、彼の眼は空かなかった。
「僕が見てるよ、統領たちは街に行って、心臓を提供してくれる人を見つけてくれ。」
「わかった、治療担当、隊長。」
統領とほかの幹部は街に行ってしまった。
『隊長さん、オヴェ幹部を見せてもらえませんか。』
「・・・いいよ。」
彼の体はまるで氷のように冷たかった。
『やっぱりあれしかないですね・・・』
私はもう後悔しない、そう決めた。
『私の心臓をオヴェ幹部のために使ってください!』
「ッ!だめだよッ、もし使ったとしてもッ、オヴェが力尽きたら二人ともッ!」
『そんなオヴェは弱い方ではありません!』
医療部隊隊長はいつも狐のお面をかぶっているが、それが外されている。彼の顔は何かを訴えているような、そんな顔をしていた。
『私の心臓、主様のために。』
「わかった、そこまでいうならッわかったよッ。」
私の心臓の形を調べるときは、無言だった。
「ぴったりだ・・・。これだったら移植できる。」
『本当ですか?よかったぁ…。』
「・・・本当にいいの?」
「いいですよ、遠慮しないでください。」
私を最後の力を振り絞り、目を開いてオヴェのほうを見て言った。
『愛しています、オヴェ…』
もうその瞼が開くことはなかった。
「だれも心臓移植してくれる人が見つからなかった…。」
「このままオヴェさんが死ぬなんて嫌っす!」
「当たり前やろ!」
ピピッ
インカムが鳴った。代表して統領が出た。
〈なんだ?〉
〈…オヴェが起きたよ。〉
〈え?〉
ドタドタドタドタ・・・
「オヴェ!」
「オヴェさん!」
〔心配させてしまってすまんなぁ。〕
彼たちはオヴェを軽く殴ったり、頭をなでたりした。
「そういえば、誰が心臓を提供してくれたんだ?」
その言葉は医療部隊隊長を困惑させた。
「たいt((」
「メイドだよ。ぴったりの心臓を提供してくれた。」
〔そのメイドって誰なん…?〕
「唯一の幹部専属メイド、ルカちゃんだよ。」
〔え…?もう、ルカがいないッ?もうッいらんいらんいらんッ!ルカのいない世界に俺はいらんねんッ!〕
パチンッ
乾いた音が医務室に響いた。
「ルカさんのいない世界に自分はいらない?じゃあ、じゃあッ!何のためにルカさんはあなたのために心臓を提供したのですかッ!」
「それがわからないのならもう一発殴らせて下さいッ!」
オヴェをたたいたのは、医療部隊隊長の専属メイド、アマレであった。
〔でもルカが生きてるうちにッ、愛してるって、伝えたかったッ!〕
「今なら間に合いますッ!」
「そうだよ!いまならオヴェの心臓をルカちゃんに移植させてるから、まだ間に合うッ!」
「お前は伝えんのかッ!?」
〔伝えるにきまっとるやろ!〕
その時の笑顔は一番だった。
〔いっぱい言いたかったことあったけど、一番言いたいこと言うわ。〕
〔ルカの事、愛してるッ!〕
その時、ルカの指がピクッと動いた。
ビ――――――――
心臓の動きが止まったと知らせる機械音がした。
〔最後までッ反応してくれてありがとッ!愛しとるでぇ!〕 エヴィさん(東京・10さい)からの相談
とうこう日:2023年9月8日みんなの答え:1件
〔ルーカッ!〕
この方は私の仕える「オヴェ幹部」とてもやさしい方である。
『どうされましたか。主様。』
〔ムス。オヴェって呼んでや!〕
『わかりましたよ、オヴェ。』
〔!へへっ〕
とても愛らしい。私の年上とは思えない。でも「アレ」のときはこんなかわいくもない、一人の男になるのだ。
〔第一近距離部隊、戦闘を始めるぞ。〕
「はっ!」
「さあ諸君、戦争を始めよう。」
そう、かれはLO国の幹部なのである。もちろん、彼は戦争に出る。第一近距離部隊、隊長として。
〔お茶会しようや!〕
〔大好きやで、ルカ。〕
〔ずっと一緒や!〕
でもそんな幸せは続かなかった。
「統領様!ハアハア」
「第一近距離部隊、副隊長、どうした。」
「我が隊長のオヴェ様が敵に隙を突かれ、銃で撃たれッ!」
「なんだと!?」
そのことを聞いてしまった。彼は心臓の上部分を撃ち抜かれていたのだ。
「起きろやッ!オヴェ!」
「起きてください!オヴェさん!」
どんだけ心の底から叫んだって、彼の眼は空かなかった。
「僕が見てるよ、統領たちは街に行って、心臓を提供してくれる人を見つけてくれ。」
「わかった、治療担当、隊長。」
統領とほかの幹部は街に行ってしまった。
『隊長さん、オヴェ幹部を見せてもらえませんか。』
「・・・いいよ。」
彼の体はまるで氷のように冷たかった。
『やっぱりあれしかないですね・・・』
私はもう後悔しない、そう決めた。
『私の心臓をオヴェ幹部のために使ってください!』
「ッ!だめだよッ、もし使ったとしてもッ、オヴェが力尽きたら二人ともッ!」
『そんなオヴェは弱い方ではありません!』
医療部隊隊長はいつも狐のお面をかぶっているが、それが外されている。彼の顔は何かを訴えているような、そんな顔をしていた。
『私の心臓、主様のために。』
「わかった、そこまでいうならッわかったよッ。」
私の心臓の形を調べるときは、無言だった。
「ぴったりだ・・・。これだったら移植できる。」
『本当ですか?よかったぁ…。』
「・・・本当にいいの?」
「いいですよ、遠慮しないでください。」
私を最後の力を振り絞り、目を開いてオヴェのほうを見て言った。
『愛しています、オヴェ…』
もうその瞼が開くことはなかった。
「だれも心臓移植してくれる人が見つからなかった…。」
「このままオヴェさんが死ぬなんて嫌っす!」
「当たり前やろ!」
ピピッ
インカムが鳴った。代表して統領が出た。
〈なんだ?〉
〈…オヴェが起きたよ。〉
〈え?〉
ドタドタドタドタ・・・
「オヴェ!」
「オヴェさん!」
〔心配させてしまってすまんなぁ。〕
彼たちはオヴェを軽く殴ったり、頭をなでたりした。
「そういえば、誰が心臓を提供してくれたんだ?」
その言葉は医療部隊隊長を困惑させた。
「たいt((」
「メイドだよ。ぴったりの心臓を提供してくれた。」
〔そのメイドって誰なん…?〕
「唯一の幹部専属メイド、ルカちゃんだよ。」
〔え…?もう、ルカがいないッ?もうッいらんいらんいらんッ!ルカのいない世界に俺はいらんねんッ!〕
パチンッ
乾いた音が医務室に響いた。
「ルカさんのいない世界に自分はいらない?じゃあ、じゃあッ!何のためにルカさんはあなたのために心臓を提供したのですかッ!」
「それがわからないのならもう一発殴らせて下さいッ!」
オヴェをたたいたのは、医療部隊隊長の専属メイド、アマレであった。
〔でもルカが生きてるうちにッ、愛してるって、伝えたかったッ!〕
「今なら間に合いますッ!」
「そうだよ!いまならオヴェの心臓をルカちゃんに移植させてるから、まだ間に合うッ!」
「お前は伝えんのかッ!?」
〔伝えるにきまっとるやろ!〕
その時の笑顔は一番だった。
〔いっぱい言いたかったことあったけど、一番言いたいこと言うわ。〕
〔ルカの事、愛してるッ!〕
その時、ルカの指がピクッと動いた。
ビ――――――――
心臓の動きが止まったと知らせる機械音がした。
〔最後までッ反応してくれてありがとッ!愛しとるでぇ!〕 エヴィさん(東京・10さい)からの相談
とうこう日:2023年9月8日みんなの答え:1件
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わぁぁぁぁぁ... 読ませていただきました...凄い...ルカちゃんとオヴェくんどっちも生きてる世界線ありませんか...二人とも生きて幸せになってほしい...終わり方も最高...最後に指が動いたのは頑張ってルカちゃんが「私も」って伝えてるのかな...とにかく最高の物語をありがとうございました! ルルアさん(千葉・12さい)からの答え
とうこう日:2023年10月27日
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