ようこそ。ウワサ話図書館へ。
ようこそ。ウワサ話図書館へ。
作 星影の青
「はぁ、はぁ、もう、最悪!せっかくセットした髪型が崩れちゃう!」
このお話の主人公、天野 リンカは、雨宿りする場所を求めて、走っていた。
「あ、あそこ… 屋根がある。雨宿りさせてもらおう。」
屋根の下は、雨に濡れない。 なんともいえない安心感があった。 とはいえ、雨はザーザー降っていて、
今にもカミナリが落ちそうである。
「ねぇねぇ、お姉さん、大丈夫?」 不意に、下の方から声が聞こえた。さっと顔を向けると、
そこには少女が立っていた。 小学3年生くらいだろうか。 声も高く、幼めの顔だった。
「私は、ふしぎちゃんっていうの。お姉さん、ちょっときて、すごくいいものがあるから。」
「え?」
「ほら、こっちこっち!」 「う、うん。」
グイグイと腕を引かれてやってきたのは、 ……図書館? それもかなり古い。
「ようこそ!ウワサ話図書館へ!」
「ね、ねぇ、ふしぎちゃん…? ここ、すごく古そうだし、その、ほこりとか、すごいかぶってるんだけど…」
「あ、大丈夫よ、お姉さん! じゃあ、説明するね。 まず、私はこの図書館の管理人なの。」
…こんな小さい子が? ふしぎちゃんは続ける。
「でね、ここでは、普通の本じゃなくて、人の秘密や、ウワサ話を取り扱ってるの。…お姉さん、
何か、知りたいこと、ある?なんでも調べられるよ。」
「え、何言ってるの? 知りたいことなんて…」
「あるでしょ?」 私の言葉をさえぎって、ふしぎちゃんは私の心の急所をついてきた。
「だって、ここにたどりつけた人は、みーんなどうしても知りたいことがあったのだもの。」
「さあ、お姉さんの知りたいこと、教えてくださいな。」
……………沈黙が流れる。 しかし、私はその沈黙を破った。
「…あの、三浦 マサトに、好きな人がいるか、知りたいです。」
「はい、はーい!ふしぎちゃんにお任せあれ!」
……やーっぱり、あのお姉さんみたいに年頃の女の子はこの手のことが知りたいのねー。
「あ、あったぁ。」 ふしぎちゃんは本棚の奥から、ひとつの本を引っ張り出してきた。
「三浦 マサトね。間違いないかしら?」
「はい。」 トクン、と胸が高鳴る。
最初の、1ページ。
「ちょっと待って!」 ふしぎちゃんの声が、私の動きを止める。
「ここはあくまでも、図書館。本は、貸してあげるから、家で読んでね。」
「はぇ?」 視界が反転した。
……ここは、家? あ、ふしぎちゃん、図書館、…… 全部、夢?
ゴン、「いたっ!」 本で頭をぶつけた。
「ん?これって、ウワサ話図書館で借りた本?」
「ふぅ、お姉さん、本読んだかしら? 確か、三浦マサトには彼女がいた気がするけど…
まぁ、いいわ。 ウワサも、秘密も、ほどほどにね。」
そして、ふしぎちゃんは紙切れを見つめた。
「あ、3つの約束、伝え忘れちゃった。」
3つの約束
1 本の返却期限は守りましょう。
2 本は大事に扱いましょう。
3 ウワサは自分の中にとどめておきましょう。
(このうちのどれかを破った場合、本を借りた本人の記憶がこっぱみじんになります。)
「ねぇ、マサトくん、彼女いるんだって。」
……………………お姉さん、リンカさんは、無事なのかしらね。
END
どうも、星影の青です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
「あなたもウワサ話図書館に来ない?」
星影の青さん(岐阜・11さい)からの相談
とうこう日:2023年9月10日みんなの答え:3件
作 星影の青
「はぁ、はぁ、もう、最悪!せっかくセットした髪型が崩れちゃう!」
このお話の主人公、天野 リンカは、雨宿りする場所を求めて、走っていた。
「あ、あそこ… 屋根がある。雨宿りさせてもらおう。」
屋根の下は、雨に濡れない。 なんともいえない安心感があった。 とはいえ、雨はザーザー降っていて、
今にもカミナリが落ちそうである。
「ねぇねぇ、お姉さん、大丈夫?」 不意に、下の方から声が聞こえた。さっと顔を向けると、
そこには少女が立っていた。 小学3年生くらいだろうか。 声も高く、幼めの顔だった。
「私は、ふしぎちゃんっていうの。お姉さん、ちょっときて、すごくいいものがあるから。」
「え?」
「ほら、こっちこっち!」 「う、うん。」
グイグイと腕を引かれてやってきたのは、 ……図書館? それもかなり古い。
「ようこそ!ウワサ話図書館へ!」
「ね、ねぇ、ふしぎちゃん…? ここ、すごく古そうだし、その、ほこりとか、すごいかぶってるんだけど…」
「あ、大丈夫よ、お姉さん! じゃあ、説明するね。 まず、私はこの図書館の管理人なの。」
…こんな小さい子が? ふしぎちゃんは続ける。
「でね、ここでは、普通の本じゃなくて、人の秘密や、ウワサ話を取り扱ってるの。…お姉さん、
何か、知りたいこと、ある?なんでも調べられるよ。」
「え、何言ってるの? 知りたいことなんて…」
「あるでしょ?」 私の言葉をさえぎって、ふしぎちゃんは私の心の急所をついてきた。
「だって、ここにたどりつけた人は、みーんなどうしても知りたいことがあったのだもの。」
「さあ、お姉さんの知りたいこと、教えてくださいな。」
……………沈黙が流れる。 しかし、私はその沈黙を破った。
「…あの、三浦 マサトに、好きな人がいるか、知りたいです。」
「はい、はーい!ふしぎちゃんにお任せあれ!」
……やーっぱり、あのお姉さんみたいに年頃の女の子はこの手のことが知りたいのねー。
「あ、あったぁ。」 ふしぎちゃんは本棚の奥から、ひとつの本を引っ張り出してきた。
「三浦 マサトね。間違いないかしら?」
「はい。」 トクン、と胸が高鳴る。
最初の、1ページ。
「ちょっと待って!」 ふしぎちゃんの声が、私の動きを止める。
「ここはあくまでも、図書館。本は、貸してあげるから、家で読んでね。」
「はぇ?」 視界が反転した。
……ここは、家? あ、ふしぎちゃん、図書館、…… 全部、夢?
ゴン、「いたっ!」 本で頭をぶつけた。
「ん?これって、ウワサ話図書館で借りた本?」
「ふぅ、お姉さん、本読んだかしら? 確か、三浦マサトには彼女がいた気がするけど…
まぁ、いいわ。 ウワサも、秘密も、ほどほどにね。」
そして、ふしぎちゃんは紙切れを見つめた。
「あ、3つの約束、伝え忘れちゃった。」
3つの約束
1 本の返却期限は守りましょう。
2 本は大事に扱いましょう。
3 ウワサは自分の中にとどめておきましょう。
(このうちのどれかを破った場合、本を借りた本人の記憶がこっぱみじんになります。)
「ねぇ、マサトくん、彼女いるんだって。」
……………………お姉さん、リンカさんは、無事なのかしらね。
END
どうも、星影の青です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
「あなたもウワサ話図書館に来ない?」
星影の青さん(岐阜・11さい)からの相談
とうこう日:2023年9月10日みんなの答え:3件
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-
感想 とても面白かったです!
最初は女性視点で、女性に心情を向けさせながら、最後はふしぎちゃん視点で、女性の末路を囁いてみる。
これが不気味さを演出してて、最高でした!
絶対書き続けた方がいい! ルーさん(兵庫・15さい)からの答え
とうこう日:2023年11月1日 -
えっっうっっま!?おもろすぎ! はろーーこんちゃ!小説大好き!小説好きでーす!
ー本題でーすー
おもろ!私行きたい!その図書館に!んで、好きな人のこと調べる!もしくは家族の秘密!(実は彼氏がいた!とかね)見たい!あっっでも、ちょっっと怖いかも。もし友達が私の秘密を知ったら………(;ω;)私終わるかも。
ー本題終わり!ー
感想としてOKだったかな?じゃーねー。
P,S
すっごい面白かったから、これからも短編小説書き続けてね!
by小説好き 小説好きさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2023年10月31日 -
ウワサ話図書館に行きたい とても面白かったです。
私もウワサ話図書館に行きたいです。 悩んでいるさん(愛知・14さい)からの答え
とうこう日:2023年10月30日
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