短編小説『手遅れの君に花束を。』
爽やかな風が吹き、真っ白なカーテンが揺れる。ここは病院。
機械音がリズミカルに鳴り、体調が正常なことを表している。
病弱な君は目を細くして笑みを浮かべていた。
「柳瀬くん。ありがとう、来てくれて。」
僕は寂しさを感じさせないように思いっきり笑った。
「林檎食べる?」
バッグの中に入っている林檎を見せた。
「うん。…ていうか林檎とか普通すぎ。」
二人の間に笑いが溢れる。
お互い、こういう関係をずっと築いていきたい_______
そう、思っていたのに。
「林檎は駄目か…」
今度は特別な物がいい。君の笑顔をもっと見たいと思った。そうだ、ブーケをあげよう。君が大好きな桜の花の。君が好きだから僕も好きだ。
僕は秋の風に吹かれて花屋へ向かった。
「柳瀬さんちの。」
「そうです。」
花屋のおばさんは僕の両親を知っているようだ。
「ご両親、凄いわねぇ。お医者さんでしょう?さぞご立派な息子さんなんだろうと思っていたけど、思った通り礼儀正しい子だわ。」
お喋りなおばさんだ。ただ、やはり褒められると気分が良い。
「やっぱりお医者さんになるのかしら。成績も良さそうねぇ。あ、これお釣りね。」
ありがとうございます、と言ってそのまま病院へ向かった。
受付の人に今は大丈夫か聞いていると、
「503の子!容態が悪化した!柳瀬先生呼んで!」
とどこからか聞こえてきた。
「5,0,3…?」
頭が真っ白になった。君の病室は確か____。『503』
やっと理解して僕は病院を駆け出した。
「柳瀬くん!?」
走っちゃ駄目なことはわかっている。でも今だけは許してくれ。
君は最後なんだろう?うっすら気付いていたのに、気付かないフリをしていた。ごめん、ありがとう______。最後に呼ばせて、君の名前を。
「父さん、母さん!」
「圭人!大変なの!こっちにいるわ!」
「さくら!!」
ごめん、君の名前を言ってしまったらもう会えない気がして呼べなかった。偏見過ぎてごめん。今まで、ありがとう。本当に、ありがとう。
「柳瀬、くん。違う。圭人、くん。」
「さくら…」
「名前、呼べてよかった。私、圭人くんのこと、ずっと好きだった。」
かすれた声で僕の名前を呼んでくる。いつの間にか涙が溢れてくる。
「僕も好きだった!ありがとう、今まで_____」
そうして君は僕の前からいなくなった。
渡せなかった桜のブーケを墓に置く。手を合わせて僕は祈る。
「幸せでいますように。」
ピンと張りつめた空気に呟いた。
初めてなので下手かもですが、感想宜しくお願いします!
暁ニチカ//@**//#Akさん(宮城・12さい)からの相談
とうこう日:2023年9月19日みんなの答え:2件
機械音がリズミカルに鳴り、体調が正常なことを表している。
病弱な君は目を細くして笑みを浮かべていた。
「柳瀬くん。ありがとう、来てくれて。」
僕は寂しさを感じさせないように思いっきり笑った。
「林檎食べる?」
バッグの中に入っている林檎を見せた。
「うん。…ていうか林檎とか普通すぎ。」
二人の間に笑いが溢れる。
お互い、こういう関係をずっと築いていきたい_______
そう、思っていたのに。
「林檎は駄目か…」
今度は特別な物がいい。君の笑顔をもっと見たいと思った。そうだ、ブーケをあげよう。君が大好きな桜の花の。君が好きだから僕も好きだ。
僕は秋の風に吹かれて花屋へ向かった。
「柳瀬さんちの。」
「そうです。」
花屋のおばさんは僕の両親を知っているようだ。
「ご両親、凄いわねぇ。お医者さんでしょう?さぞご立派な息子さんなんだろうと思っていたけど、思った通り礼儀正しい子だわ。」
お喋りなおばさんだ。ただ、やはり褒められると気分が良い。
「やっぱりお医者さんになるのかしら。成績も良さそうねぇ。あ、これお釣りね。」
ありがとうございます、と言ってそのまま病院へ向かった。
受付の人に今は大丈夫か聞いていると、
「503の子!容態が悪化した!柳瀬先生呼んで!」
とどこからか聞こえてきた。
「5,0,3…?」
頭が真っ白になった。君の病室は確か____。『503』
やっと理解して僕は病院を駆け出した。
「柳瀬くん!?」
走っちゃ駄目なことはわかっている。でも今だけは許してくれ。
君は最後なんだろう?うっすら気付いていたのに、気付かないフリをしていた。ごめん、ありがとう______。最後に呼ばせて、君の名前を。
「父さん、母さん!」
「圭人!大変なの!こっちにいるわ!」
「さくら!!」
ごめん、君の名前を言ってしまったらもう会えない気がして呼べなかった。偏見過ぎてごめん。今まで、ありがとう。本当に、ありがとう。
「柳瀬、くん。違う。圭人、くん。」
「さくら…」
「名前、呼べてよかった。私、圭人くんのこと、ずっと好きだった。」
かすれた声で僕の名前を呼んでくる。いつの間にか涙が溢れてくる。
「僕も好きだった!ありがとう、今まで_____」
そうして君は僕の前からいなくなった。
渡せなかった桜のブーケを墓に置く。手を合わせて僕は祈る。
「幸せでいますように。」
ピンと張りつめた空気に呟いた。
初めてなので下手かもですが、感想宜しくお願いします!
暁ニチカ//@**//#Akさん(宮城・12さい)からの相談
とうこう日:2023年9月19日みんなの答え:2件
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いい話・・・! #鏡花です! 名前覚えてくれるとうれしいな♪
最初から主人公の名前を言う小説もありますけど、
私はこういうタイプの小説が好きです!
「ていうか林檎とか普通すぎ」ってとこ、めっちゃ好き!
さくらちゃんの性格がでてる〜!
読んでくれてありがとう! #鏡花さん(選択なし・11さい)からの答え
とうこう日:2023年11月13日 -
(〇□〇 )!! どうもこんにちは! るぅです。
小説読ませてもらいました。
同い年同士よろしくお願いします!
か、か、感動しました...。
恋愛系でドキドキするけど、最後は切なくて、
でも、死ぬ前に告白できてよかった...。みたいな!
くぅぅ〜。
え、小説書くの初めてなんですか?
めっちゃうまいじゃないですかぁ、
語彙力もバッチリだし、語順とか、台詞の自然さとか、
マジでバッチリです!
あ、でも1つ指摘したいのが...。
『走っちゃ駄目な事は分かってる。』
の下の段の、
『君は最後なんだろう?』の、
『最後』って多分、死ぬ前の『さいご』ですよね?
でしたら、『最後』の『ご』は
『後』ではなく、『期』ですね。
これ以外はほとにバッチリです!
「ほんとに初めて?」って感じです!
これからも素晴らしい作品を生み出してください!
素敵な作品ありがとうございます。
ではー。 るぅさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2023年11月13日
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