雨降るる、あの日に何か消え行くかな
「今日も雨かよ。」時計の針が4時44分を指した。現役大学生の俺、三ツ石恭介(ミツイシ キョウスケ)は何かを探している。それが何なのかすら分からない。物なのか、生物なのか、場所なのか。ただ、それがとても繊細で愛おしいものであるということだけは確かだ。その時、背後から、か細くどこか悲しげな少女の声がした。本来なら只の恐怖現象の筈だが、安心感と愛おしさが何故か芽生えてきた。
「・・・恭くん、・・・こんなに格好良くなったんだね。私よりも歳上に・・・良かった・・・」
恐る恐る後ろを振り向くと、儚げな中学一年生くらいの少女が立っていた。「ねえ、恭くん、覚えてる・・・?私のこと、あの時はごめんね。」
その時、俺は全て思い出した。そう、彼女は俺の実家のアパートの隣の部屋に住んでいた5歳年上の少女(?)で、俺の初恋の人だ。そして、彼女の言うあの時とは、俺の黒歴史のうちの一つの人生初の告白の事だろう。
* * * *
「今日も雨だ・・・」僕は小学2年生のみついしきょうすけ。
今日は幼稚園のころからずっと好きだった、いじゅういんふみのちゃんにコーハクする。
ふみのちゃんはおとなりに住んでるから子供のときからずっと遊んでた幼馴染だ。
ふみのちゃんは美人で優しくてなんか天然でまぬけだけどそこがかわいい。「ふみのちゃん喜んでくれるかな。ほんとは晴れの日にコーハクしたかったなぁ・・・」学校が終わったあと、僕ははやくかえって一番おしゃれなふくに着替えた。ふみのちゃんはシガクってゆう中学校に行ってるから他の中学生より帰るのが遅い。だけど駅まで行けばいるかもしれない。「あ、ふみのちゃんだっ!」思わず大きい声でしゃべっちゃったからふみのちゃんもきづいてびっくりしてた。「あれ?!恭くん。どっかに出掛けるの?」「ううん、ふみのちゃんに言いたいことがあったの。」「え!?私に言いたい事って?私なんか変な事しちゃった?」「ちがう!!その、ふみのちゃんのことが、好き、で・・・コーハクしにきたの。アパートだと会えないかもしれないから。」「こ、こーはく?こうはく?紅白・・・あ、告白!?」「多分それ。」「え、あうん。告白ね・・・って、告白!?するの?誰に?」「だからふみのちゃんに!!」シーンとした。「私に!?・・・有難う。・・・でも、でもさ、それは・・・少し違うんじゃないかな。もっと好きな子が他にできると思うよ?だか・・・」「もういい!!知らない!!」僕は走りだしてた。怒ったような、悲しいような、よく分からない気持ちで。「あ、え、その!!ちょっと待って!!恭くーん!!」ふみのちゃんが追いかけてきたけど止まりたくない。止まれない。気づいた時には、車が大きい音を立てて目の前に来てた。一瞬、体がはねあがった。死んだ、と思った。僕が地面に打ちつけられたすぐあとに、大きい音がした。みると、ふみのちゃんが赤い池の中で寝ていた。そう思いたかった。車からおじさんが降りてきた。「大丈夫ですか!!」周りにいた人が集まってきた。僕はただ動けなくなった。女の人がはなしかけてきた。「なにがあったの?」「・・・」声が出なかった。おじさんが説明してくれた。数日後、僕は家族と、ふみのちゃんの家族に謝りに行った。ふみのちゃんの家族は優しかった。「本当に申し訳ございません・・・」ママは何回も頭をさげてた。「もう良いの。史乃はきっと恭介君を守れた事が幸せだったと思う。それに・・・史乃、恭介君の事を実の弟のように思ってたみたいで、『恭くん欲しい』とか言ってたわ。こうやって謝りに来てくれた事だけで十分だから。」
* * * *
「あの時、幽霊化した私が恭くんの記憶を操作したんだ。」「なん・・・で・・・俺の事、恨んでないのか?俺が殺したようなものなのに・・・!!」「そんな事言わないで。それが嫌だから消したの。それに、私の事を覚えている人は恭くんだけにしてあるから。その唯一の覚えてる人には安心して接して欲しいわ。あ、雨が止みそうだね。また会おうね、雨の日には見えるようになるから。次は本来の年齢の姿になる許可が貰えそうだから私だって、恭くん気づくかなあ」そう、涙ぐみながら言う彼女の輪郭は半分消えかかっていた。「行かないで!!いや、絶対行くな!!」「恭くんとお付き合い出来たら成仏できるのに・・・」「・・・あ!!駄目だ!」「さよなら」耳の奥で反響した。史乃さんとデートなんかしない、そう強く決意した。君を成仏させたくない。 名無しの自称小説家さん(神奈川・12さい)からの相談
とうこう日:2023年9月26日みんなの答え:0件
「・・・恭くん、・・・こんなに格好良くなったんだね。私よりも歳上に・・・良かった・・・」
恐る恐る後ろを振り向くと、儚げな中学一年生くらいの少女が立っていた。「ねえ、恭くん、覚えてる・・・?私のこと、あの時はごめんね。」
その時、俺は全て思い出した。そう、彼女は俺の実家のアパートの隣の部屋に住んでいた5歳年上の少女(?)で、俺の初恋の人だ。そして、彼女の言うあの時とは、俺の黒歴史のうちの一つの人生初の告白の事だろう。
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「今日も雨だ・・・」僕は小学2年生のみついしきょうすけ。
今日は幼稚園のころからずっと好きだった、いじゅういんふみのちゃんにコーハクする。
ふみのちゃんはおとなりに住んでるから子供のときからずっと遊んでた幼馴染だ。
ふみのちゃんは美人で優しくてなんか天然でまぬけだけどそこがかわいい。「ふみのちゃん喜んでくれるかな。ほんとは晴れの日にコーハクしたかったなぁ・・・」学校が終わったあと、僕ははやくかえって一番おしゃれなふくに着替えた。ふみのちゃんはシガクってゆう中学校に行ってるから他の中学生より帰るのが遅い。だけど駅まで行けばいるかもしれない。「あ、ふみのちゃんだっ!」思わず大きい声でしゃべっちゃったからふみのちゃんもきづいてびっくりしてた。「あれ?!恭くん。どっかに出掛けるの?」「ううん、ふみのちゃんに言いたいことがあったの。」「え!?私に言いたい事って?私なんか変な事しちゃった?」「ちがう!!その、ふみのちゃんのことが、好き、で・・・コーハクしにきたの。アパートだと会えないかもしれないから。」「こ、こーはく?こうはく?紅白・・・あ、告白!?」「多分それ。」「え、あうん。告白ね・・・って、告白!?するの?誰に?」「だからふみのちゃんに!!」シーンとした。「私に!?・・・有難う。・・・でも、でもさ、それは・・・少し違うんじゃないかな。もっと好きな子が他にできると思うよ?だか・・・」「もういい!!知らない!!」僕は走りだしてた。怒ったような、悲しいような、よく分からない気持ちで。「あ、え、その!!ちょっと待って!!恭くーん!!」ふみのちゃんが追いかけてきたけど止まりたくない。止まれない。気づいた時には、車が大きい音を立てて目の前に来てた。一瞬、体がはねあがった。死んだ、と思った。僕が地面に打ちつけられたすぐあとに、大きい音がした。みると、ふみのちゃんが赤い池の中で寝ていた。そう思いたかった。車からおじさんが降りてきた。「大丈夫ですか!!」周りにいた人が集まってきた。僕はただ動けなくなった。女の人がはなしかけてきた。「なにがあったの?」「・・・」声が出なかった。おじさんが説明してくれた。数日後、僕は家族と、ふみのちゃんの家族に謝りに行った。ふみのちゃんの家族は優しかった。「本当に申し訳ございません・・・」ママは何回も頭をさげてた。「もう良いの。史乃はきっと恭介君を守れた事が幸せだったと思う。それに・・・史乃、恭介君の事を実の弟のように思ってたみたいで、『恭くん欲しい』とか言ってたわ。こうやって謝りに来てくれた事だけで十分だから。」
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「あの時、幽霊化した私が恭くんの記憶を操作したんだ。」「なん・・・で・・・俺の事、恨んでないのか?俺が殺したようなものなのに・・・!!」「そんな事言わないで。それが嫌だから消したの。それに、私の事を覚えている人は恭くんだけにしてあるから。その唯一の覚えてる人には安心して接して欲しいわ。あ、雨が止みそうだね。また会おうね、雨の日には見えるようになるから。次は本来の年齢の姿になる許可が貰えそうだから私だって、恭くん気づくかなあ」そう、涙ぐみながら言う彼女の輪郭は半分消えかかっていた。「行かないで!!いや、絶対行くな!!」「恭くんとお付き合い出来たら成仏できるのに・・・」「・・・あ!!駄目だ!」「さよなら」耳の奥で反響した。史乃さんとデートなんかしない、そう強く決意した。君を成仏させたくない。 名無しの自称小説家さん(神奈川・12さい)からの相談
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